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第9章
9-1 ななの 14歳の正月
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年が明けて、元旦の日にななのちゃんと待ち合わせをしていた。お正月もお母さんは仕事だけど、朝は一緒にと迎えたいと言うので、その後に、僕の実家にいくことにしていた。去年は心細いという思いをさせてしまったので、今年は一緒に行くことにしていたのだ。
待ち合わせの駅で現れたななのちゃんはダッフルコートに赤レンガ色のベレー帽と僕がプレゼントしたショートブーツだった。コートに隠れていたけど、おそらくその下はふわふわのセーターを着ているんだろうなと思った。
「おはよう シュウ 朝 食べたの?」
「ううん 起きて コーヒー飲んだだけ」
「まぁ だから ウチに来ればって言ったのに・・大したもん無いけど お雑煮ぐらい・・」
「いや 親子水いらずのほうが・・」
木之本の駅に近づくと、僕はお腹がすいてきていたが、我慢して実家を目指していった。家に着くと、かがみさんが迎えてくれて、その後ろから琳太郎がよちよちと歩いて来ていた。
「おぉ 琳太郎 歩き出したのか 僕は、君の叔父さんだよ シュウだよ」と、手を差し伸べたのだが、かがみさんの後ろに隠れるようにしていた。
茶の間の炬燵の部屋に行くと、父と兄貴が飲んでいて、母は僕達の食べるものを用意していた。ななのちゃんが挨拶をして、僕達も座って、ななのちゃんが
「琳太郎ちゃん こんにちわ おいで」と、両手を伸ばすと、ななのちゃんの膝の上で抱っこされるように乗っかっていった。
「なんだよー なんで ななのに・・ もう 女の子のほうが良いのかな?」
「秀君 琳太郎はそんな女ったらしじゃぁないわよ ななのちゃんが優しそうだからよ」と、かがみさんが少し、怒るように言ってきていた。
「秀 どうすんの? 初詣行く? 行くのなら ななのちゃん 着物」と、母が聞いてきたら
「お義母さんね ななのちゃんの為にって 去年は借り物で申し訳なかったからってー 着物 買ったのよ 楽しみにしてたみたい」と、かがみさんも口をはさんできた。
「あっ そうか 明日 行こうかと思う 今日は家でゆっくりするよ」
「そうなの じゃぁ 着るのは明日にして・・ ななのちゃん ちょっと羽織って見せてー」と、隣の部屋に連れて行った。
チラッと見せてくれたけど、赤い自模様に菊花とか星が散りばめてあって、かなり目立つようなものだった。
「良かったわ ななのちゃん 全然 着物に負けてないものー 可愛いわよ ねぇ かがみさん」と、母がかがみさんに同意を求めていたけど、僕は、きっと彼女は心の中ではあんまり良い気分じゃぁないだろうなと思っていた。
「賢 琳太郎を少し寝かせるから、帰るよ 賢も一緒に少し寝たら? ななのちゃん 明日 朝ご飯食べたら、直ぐにウチにおいでネ 着替える前にお化粧してあげるから」
「ありがとうございます」と、ななのちゃんが言っているのに、琳太郎を抱き上げて帰って行った。返って行った後から、お母さんはななのちゃんにお年玉と言って、断るななのだったが、無理やり渡していたのだ。
その後、僕はななのちゃんを誘って、庭で羽子板で遊んでいた。もちろん、ななのちゃんは、初めてで珍しがっていた。
「昔から ウチにあるんだよ 羽根を落とすとネ 顔に墨で×とか書いたりしたんだよ」
「へぇー 罰ゲームなんだー」
と、言いながらも、彼女はやっぱり勘が良くって、僕が打ち返せない方が多かったのだ。そして、夕食には、鯖寿司とか鰻の押し寿司が並んでいて、僕は父と一緒に遅くまで飲んでいた。その間に、母とななのちゃんは、先にお風呂に入って、隣の部屋で母がななのちゃんの髪の毛を柘植櫛ですいていた。
「きれいな髪の毛ねぇー 真っ黒でくせが無くて・・ 羨ましいわぁー お手入れ大変なんでしょ?」と、言う声が聞こえてきている。
「いいえ 別に でも 大切にしているという猪毛のブラシで、お母さんがとかしてくれています 最近ですけどネ」
ななのちゃんが返事していた 最近 という言葉に僕は、感じるものがあったのだ。
その晩、僕が2階のベッドにたどり着いて、しばらくすると、やっぱり ななのちゃんなのだろう。先に隣の部屋で寝ていたはずだけど、僕に毛布と布団を掛け直しにきて、そのまま、横に潜り込んできたのを背中に感じていたのだ。
待ち合わせの駅で現れたななのちゃんはダッフルコートに赤レンガ色のベレー帽と僕がプレゼントしたショートブーツだった。コートに隠れていたけど、おそらくその下はふわふわのセーターを着ているんだろうなと思った。
「おはよう シュウ 朝 食べたの?」
「ううん 起きて コーヒー飲んだだけ」
「まぁ だから ウチに来ればって言ったのに・・大したもん無いけど お雑煮ぐらい・・」
「いや 親子水いらずのほうが・・」
木之本の駅に近づくと、僕はお腹がすいてきていたが、我慢して実家を目指していった。家に着くと、かがみさんが迎えてくれて、その後ろから琳太郎がよちよちと歩いて来ていた。
「おぉ 琳太郎 歩き出したのか 僕は、君の叔父さんだよ シュウだよ」と、手を差し伸べたのだが、かがみさんの後ろに隠れるようにしていた。
茶の間の炬燵の部屋に行くと、父と兄貴が飲んでいて、母は僕達の食べるものを用意していた。ななのちゃんが挨拶をして、僕達も座って、ななのちゃんが
「琳太郎ちゃん こんにちわ おいで」と、両手を伸ばすと、ななのちゃんの膝の上で抱っこされるように乗っかっていった。
「なんだよー なんで ななのに・・ もう 女の子のほうが良いのかな?」
「秀君 琳太郎はそんな女ったらしじゃぁないわよ ななのちゃんが優しそうだからよ」と、かがみさんが少し、怒るように言ってきていた。
「秀 どうすんの? 初詣行く? 行くのなら ななのちゃん 着物」と、母が聞いてきたら
「お義母さんね ななのちゃんの為にって 去年は借り物で申し訳なかったからってー 着物 買ったのよ 楽しみにしてたみたい」と、かがみさんも口をはさんできた。
「あっ そうか 明日 行こうかと思う 今日は家でゆっくりするよ」
「そうなの じゃぁ 着るのは明日にして・・ ななのちゃん ちょっと羽織って見せてー」と、隣の部屋に連れて行った。
チラッと見せてくれたけど、赤い自模様に菊花とか星が散りばめてあって、かなり目立つようなものだった。
「良かったわ ななのちゃん 全然 着物に負けてないものー 可愛いわよ ねぇ かがみさん」と、母がかがみさんに同意を求めていたけど、僕は、きっと彼女は心の中ではあんまり良い気分じゃぁないだろうなと思っていた。
「賢 琳太郎を少し寝かせるから、帰るよ 賢も一緒に少し寝たら? ななのちゃん 明日 朝ご飯食べたら、直ぐにウチにおいでネ 着替える前にお化粧してあげるから」
「ありがとうございます」と、ななのちゃんが言っているのに、琳太郎を抱き上げて帰って行った。返って行った後から、お母さんはななのちゃんにお年玉と言って、断るななのだったが、無理やり渡していたのだ。
その後、僕はななのちゃんを誘って、庭で羽子板で遊んでいた。もちろん、ななのちゃんは、初めてで珍しがっていた。
「昔から ウチにあるんだよ 羽根を落とすとネ 顔に墨で×とか書いたりしたんだよ」
「へぇー 罰ゲームなんだー」
と、言いながらも、彼女はやっぱり勘が良くって、僕が打ち返せない方が多かったのだ。そして、夕食には、鯖寿司とか鰻の押し寿司が並んでいて、僕は父と一緒に遅くまで飲んでいた。その間に、母とななのちゃんは、先にお風呂に入って、隣の部屋で母がななのちゃんの髪の毛を柘植櫛ですいていた。
「きれいな髪の毛ねぇー 真っ黒でくせが無くて・・ 羨ましいわぁー お手入れ大変なんでしょ?」と、言う声が聞こえてきている。
「いいえ 別に でも 大切にしているという猪毛のブラシで、お母さんがとかしてくれています 最近ですけどネ」
ななのちゃんが返事していた 最近 という言葉に僕は、感じるものがあったのだ。
その晩、僕が2階のベッドにたどり着いて、しばらくすると、やっぱり ななのちゃんなのだろう。先に隣の部屋で寝ていたはずだけど、僕に毛布と布団を掛け直しにきて、そのまま、横に潜り込んできたのを背中に感じていたのだ。
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