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第9章
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ななのちゃんは春休みになると、殆ど毎日、お母さんが休みだという日以外は僕の部屋に来ていた。そして、僕の出勤前に来て、お弁当を渡してくれていたのだ。サッカークラブのある日は、自分の分も作ってきているんだろう。練習が終わると、リョウちゃんと公園で並んで食べているようだった。
「ななの 毎日 大変だろう お弁当 無理すんなよ」
「いいの! 私 楽しいから シュウが食べてくれるんだものー お母さんも了解してるからネ」
「そうかぁー 助かるけどなぁ」
「いいんだよ 私 こんなことしかシュウにしてあげれること無いモン」
僕が、休みの時でも、ベッドに飛び乗って来て、まだ寝ている僕の布団の上で「起きろー」とドンドンと飛び跳ねてくるのだ。そして、僕にかまわず、空気の入れ換えと言って窓を開けてくるのだ。そして、僕が朝食を済ますと、テーブルの上に問題集を広げて勉強し出すといった具合だった。
僕が仕事を終えて帰った時、ななのちゃんが元気が無くていつもと雰囲気が違っていた。
「どうした? 元気ないなー どっか悪いのか?」
「う~ん 昨日 お母さんと言い合いになってー」
「めずらしいネ 仲良いのにー」
「あのね 私 高校に行かないって言ったから・・ お母さんが、泣いて 怒ってたの」
「そうかー ななのは 高校行かないで やりたいことがあるの?」
「うぅん 無いけど お母さんに負担掛けまいと・・ お母さん あんなに、働いて・・身体壊しちゃうよー お仕事掛け持ちしてるんだよー」
「だけど お母さんは負担じゃぁ無いって言ってるんだろー それよりも、ななのの成長が楽しみだって」
「そうやって ルリちゃんと 話したわけネ」
「・・・ななの すねてることじゃぁ無いだろう? 僕は、ななのにはもっと色んなことを勉強して、自分の可能性を見つけて欲しい。そのためには、高校にも行って大学も行けばいいんじゃぁないかと思う。君はそれだけの能力があるんだよ。そうしてれば、ななののやりたいこともみつけられるんじゃぁないかなー。それが、お母さんの望みでもあると思う。ななのがお母さんのことを思う気持ちはわかるけど、親孝行は、ななのがやりたい仕事に就いて、それからでいいんじゃぁないか? 今は、進学することが、一番のお母さんへの親孝行になるんじゃぁないのかなぁー お母さんは、ななののことを想って言っているんだよ ななのが可愛い娘だから ななのは賢いんだから、わかるだろう?」
「う~ん わかるけどなぁー・・・」
「お母さんは ななのが成績も良くって元気に過ごしているのが一番の楽しみだから頑張れるって言ってるんだよ お母さんもまだ若いんだよ 今は、甘えてて 大丈夫だよ」
「なぁ じゃあ シュウも時々は ウチに来て・・お母さんの様子も見ててネ でも あんまり近寄っちゃぁダメだよ」
「あぁ わかった 約束するよ」
― ― ― * * * ― ― ―
「シュウ 今度の水曜日 ウチに来てぇー すき焼きするからって お母さんが 今度は、何にも持ってこないでって」
「今度の わかった 行くよ じゃぁ せめてビールぐらいは・・」
「あのさー あんまり お母さんに飲ませないでネ 普段は飲んでないから 直ぐに、酔っぱらっちゃうんだからさー それにシュウのこと大好きなんだからぁー 調子に乗っちゃうからネ」
「わかった 気を付けるよ」
「シュウの背後霊でななのが付いているからネ ルリちゃんが近寄らないように・・」
そして、仕事が終わって、ななのちゃんのウチを訪れると、トレーナーにショートパンツでななのちゃんが出てきた。お母さんは、スエットスーツを着ていた。二人とも、髪の毛を束ねて頭の上に持ってきていて、ななのちゃんは赤いリボンで結んでいて頭のうえで花火が弾けたようになっていたて、割と可愛かったのだ。
「どうぞー あがって お母さんが待ちわびてるみたいよ」と、ななのちゃんはいたずらっぽくベロをちょこっと出していた。
僕は、6本入りのものを2つ下げてきたのだけれども、お母さんと乾杯をして飲み始めると、ななのちゃんが1つを戸棚にしまって
「お母さんは2本までね シュウは4本まで 私は、酔っぱらいの見張り役なんだからー」
「この前、次の日に ななのにさんざん叱られたの ごめんなさいネ 私も、久しぶりだったから、はめはずしちゃってー それでね ななのったら 私のシュウだから、私より先にくっつかないで! って いつの間にか シュウって 呼んでいるのね」
「あっ いや それはぁ・・・」
「いいじゃあないの 北番さんがそれでよければー 仲良いんだからぁー」
ななのちゃんは気にする様子もなく、お母さんと僕に鍋のグツグツいいだしたものを取ってくれていた。
「今日ね お母さんとスーパーのお肉屋さんの前で、選んでしばらく居たのよネ そしたら、そこのおじさんが声かけてくれたの 迷ってるのかってー だから、私 特別な日だから、すき焼きにするので、良いお肉が欲しいんだけど 高くって買えないからどうしょうかっと迷ってるのーって すがる眼ような眼で言ったら 待ってろって、奥でお肉を切ってきてくれたのよ ねぇ 500g位よね お母さん? それで、安い値段のラベル貼ってくれて・・ あんた達、可愛いから特別サービスだ 他人には言うなよってさ 得しちゃった だから、シュウもいっぱい食べてネ」
「へぇー そんなのアリかよー 美人って 得なんだネ」
「別に 美人だなんて言ってないよ ただ 私は可愛く見せただけ それに、いつも買い物に行くと、話し掛けて仲良くしておくんだぁー あの人にも」
「そうかー 魚屋さんにも そんな人居るんだろう?」
「ウン 居るよ」と、又、ベロを出して見せていた。
「もうぅー この子ったら 愛想振りまいているんだからー 信じられないぃー 変わったワー 以前とぜんぜん違う」と、お母さんは、もう1本空けてしまっていた。
「そんなー 私は ただ 一生懸命なだけ! 特別な人にだけよ! お母さん もっと ゆっくり飲んでよー」
「もぉうー 小姑みたいにー」
「えぇ 私は お母さんの保護者でもあるんだからネ 身体 元気で居てもらわなきゃー 困るんだから」
「はい はい あんたが成長したら 私を面倒見るんだよ」
「わかってるよー そのためにも 元気でネ いつまでも・・」
その日は、僕の出る幕も無かった。でも、あの母娘が仲よくやっててくれて、安心して帰ってきたのだ。ななのちゃんも出会った頃とは違っていて、確実に真直ぐと成長しているのが嬉しかった。
「ななの 毎日 大変だろう お弁当 無理すんなよ」
「いいの! 私 楽しいから シュウが食べてくれるんだものー お母さんも了解してるからネ」
「そうかぁー 助かるけどなぁ」
「いいんだよ 私 こんなことしかシュウにしてあげれること無いモン」
僕が、休みの時でも、ベッドに飛び乗って来て、まだ寝ている僕の布団の上で「起きろー」とドンドンと飛び跳ねてくるのだ。そして、僕にかまわず、空気の入れ換えと言って窓を開けてくるのだ。そして、僕が朝食を済ますと、テーブルの上に問題集を広げて勉強し出すといった具合だった。
僕が仕事を終えて帰った時、ななのちゃんが元気が無くていつもと雰囲気が違っていた。
「どうした? 元気ないなー どっか悪いのか?」
「う~ん 昨日 お母さんと言い合いになってー」
「めずらしいネ 仲良いのにー」
「あのね 私 高校に行かないって言ったから・・ お母さんが、泣いて 怒ってたの」
「そうかー ななのは 高校行かないで やりたいことがあるの?」
「うぅん 無いけど お母さんに負担掛けまいと・・ お母さん あんなに、働いて・・身体壊しちゃうよー お仕事掛け持ちしてるんだよー」
「だけど お母さんは負担じゃぁ無いって言ってるんだろー それよりも、ななのの成長が楽しみだって」
「そうやって ルリちゃんと 話したわけネ」
「・・・ななの すねてることじゃぁ無いだろう? 僕は、ななのにはもっと色んなことを勉強して、自分の可能性を見つけて欲しい。そのためには、高校にも行って大学も行けばいいんじゃぁないかと思う。君はそれだけの能力があるんだよ。そうしてれば、ななののやりたいこともみつけられるんじゃぁないかなー。それが、お母さんの望みでもあると思う。ななのがお母さんのことを思う気持ちはわかるけど、親孝行は、ななのがやりたい仕事に就いて、それからでいいんじゃぁないか? 今は、進学することが、一番のお母さんへの親孝行になるんじゃぁないのかなぁー お母さんは、ななののことを想って言っているんだよ ななのが可愛い娘だから ななのは賢いんだから、わかるだろう?」
「う~ん わかるけどなぁー・・・」
「お母さんは ななのが成績も良くって元気に過ごしているのが一番の楽しみだから頑張れるって言ってるんだよ お母さんもまだ若いんだよ 今は、甘えてて 大丈夫だよ」
「なぁ じゃあ シュウも時々は ウチに来て・・お母さんの様子も見ててネ でも あんまり近寄っちゃぁダメだよ」
「あぁ わかった 約束するよ」
― ― ― * * * ― ― ―
「シュウ 今度の水曜日 ウチに来てぇー すき焼きするからって お母さんが 今度は、何にも持ってこないでって」
「今度の わかった 行くよ じゃぁ せめてビールぐらいは・・」
「あのさー あんまり お母さんに飲ませないでネ 普段は飲んでないから 直ぐに、酔っぱらっちゃうんだからさー それにシュウのこと大好きなんだからぁー 調子に乗っちゃうからネ」
「わかった 気を付けるよ」
「シュウの背後霊でななのが付いているからネ ルリちゃんが近寄らないように・・」
そして、仕事が終わって、ななのちゃんのウチを訪れると、トレーナーにショートパンツでななのちゃんが出てきた。お母さんは、スエットスーツを着ていた。二人とも、髪の毛を束ねて頭の上に持ってきていて、ななのちゃんは赤いリボンで結んでいて頭のうえで花火が弾けたようになっていたて、割と可愛かったのだ。
「どうぞー あがって お母さんが待ちわびてるみたいよ」と、ななのちゃんはいたずらっぽくベロをちょこっと出していた。
僕は、6本入りのものを2つ下げてきたのだけれども、お母さんと乾杯をして飲み始めると、ななのちゃんが1つを戸棚にしまって
「お母さんは2本までね シュウは4本まで 私は、酔っぱらいの見張り役なんだからー」
「この前、次の日に ななのにさんざん叱られたの ごめんなさいネ 私も、久しぶりだったから、はめはずしちゃってー それでね ななのったら 私のシュウだから、私より先にくっつかないで! って いつの間にか シュウって 呼んでいるのね」
「あっ いや それはぁ・・・」
「いいじゃあないの 北番さんがそれでよければー 仲良いんだからぁー」
ななのちゃんは気にする様子もなく、お母さんと僕に鍋のグツグツいいだしたものを取ってくれていた。
「今日ね お母さんとスーパーのお肉屋さんの前で、選んでしばらく居たのよネ そしたら、そこのおじさんが声かけてくれたの 迷ってるのかってー だから、私 特別な日だから、すき焼きにするので、良いお肉が欲しいんだけど 高くって買えないからどうしょうかっと迷ってるのーって すがる眼ような眼で言ったら 待ってろって、奥でお肉を切ってきてくれたのよ ねぇ 500g位よね お母さん? それで、安い値段のラベル貼ってくれて・・ あんた達、可愛いから特別サービスだ 他人には言うなよってさ 得しちゃった だから、シュウもいっぱい食べてネ」
「へぇー そんなのアリかよー 美人って 得なんだネ」
「別に 美人だなんて言ってないよ ただ 私は可愛く見せただけ それに、いつも買い物に行くと、話し掛けて仲良くしておくんだぁー あの人にも」
「そうかー 魚屋さんにも そんな人居るんだろう?」
「ウン 居るよ」と、又、ベロを出して見せていた。
「もうぅー この子ったら 愛想振りまいているんだからー 信じられないぃー 変わったワー 以前とぜんぜん違う」と、お母さんは、もう1本空けてしまっていた。
「そんなー 私は ただ 一生懸命なだけ! 特別な人にだけよ! お母さん もっと ゆっくり飲んでよー」
「もぉうー 小姑みたいにー」
「えぇ 私は お母さんの保護者でもあるんだからネ 身体 元気で居てもらわなきゃー 困るんだから」
「はい はい あんたが成長したら 私を面倒見るんだよ」
「わかってるよー そのためにも 元気でネ いつまでも・・」
その日は、僕の出る幕も無かった。でも、あの母娘が仲よくやっててくれて、安心して帰ってきたのだ。ななのちゃんも出会った頃とは違っていて、確実に真直ぐと成長しているのが嬉しかった。
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