私の中にあの猫がいる

すんのはじめ

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第1章

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 お休みの日、、私はプチと近所の散歩から帰って来ると、お父さんがソファーに寝そべってTV見ながらボーっとしていた。今日は、ゴルフにも行かないみたい。お母さんは、お仕事で出掛けていた。

「お父さん 私 お肉食べたい お庭で焼いてよー 買い物、行こー」

「おぉー そうか 久し振りだもんな 行こうか」

 私、お父さんと買いもんにでた。天気もいいし、短パンのままだった。

「すずり お前 そんな恰好でいいのか」

「いいの 駅前までだからね お肉と海老がいいなぁー あと、カボチャ プチも食べるから」と、言って、私はお父さんに腕を組んでいった。お父さん、思いかけずのことで、嬉しそうだった。

「すずり プチじゃぁ無くて、チッチだろう あいつは、愛想がないなぁー」

「まぁ いいじゃない そのうちね お父さんと こうやって、歩くのって 無かったよね こんな可愛い娘と歩くって、嬉しい?」

「そりゃぁ 嬉しいよ 父親の特権だな すずりは彼氏居ないのか」

「居ないね その方が安心でしょ」

「うーん それも、複雑だなぁー 見た目も、けっして悪くないのになぁ」

「いいじゃあない まだ、若いんだし そのうち、お父さん、ショックで寝れない日が来るって」

 買い物から帰ってきて、お父さんはガラス戸の外で、肉を焼く準備を始めていた。プチは今、チッチの中にいるみたいで、少し離れたところからそれを見ている。肉がもらえるのを期待しているみたいだ。お母さんが帰って来るのを待っていると、暗くなってしまうので、先にふたりでやっていてと言われたので、もう、焼き始めている。海老とカボチャから。

 焼きあがると、プチ(チッチ)が足元にすり寄ってきた。私は、海老のしっぽに少し多い目に身も付けてあげた。

「カボチャも少し、食べなさいよ プチ 肉はもう少し待ってね」と、カボチャも少し、切ってあげた。

「すずり チッチだろう いつも、あんまり近寄って来ないのになー 野菜は絶対に食べないよ」とお父さんは不思議がっていた。

「お父さん おいしいよ 炭で焼いたステーキって、最高よね」

「そうか そう言ってもらえると やりがいがあるのー ビールもうまい」

 私は、プチにも生っぽいところを小さく切ってあげると、なんかうなりながら食べていた。おいしいんだろう。

「おかしいな 肉ってあんまり食べないんだけどな チッチは あれっ カボチャも食べたんか 変だなぁー そーいえば、すずりが居ると、プチが居た頃、思いだすなぁー」

 その時、お母さんが帰ってきた。お父さんは、お母さんの分も焼きだした。

「どう? おいしい? 急いで帰ってきちゃった」

「とっても おいしいわよ 先ずは おビールね」と、私は、冷えたグラスを取りに行って継いだ。

「おい お母さん チッチがカボチャも肉も食べたぞー」と、お父さんは報告していた。

「あらっ そう チッチ よかったわねぇー おいしかった?」と、そんなに気に留めている様子はない返事だったが、プチ(チッチ)は、その時「フニャー」と返したものだから、お母さんは、言葉もなく、じーっと見つめていた。何か、違うと感じているのかも知れない。

 お母さんが、食べていると、プチが足元に寄ってきていた。お母さんが、お肉を小さく切って、手の平に乗せて差し出すと、それを喜んで食べだした。

「あらっ 今日はどうしたの めずらしいわね 今まで そんなことは、無かったのに―」

「プチ さっきも食べたし、食べ過ぎよー お風呂入るわよー」と私が、言うと、後をついてきた。

「あなた なんか おかしくない? 見た?」

「何を」

「だってさー チッチがー お肉食べたことあったー? それも、私の手からよー」

「うーん 食べたくなったんじゃぁないのかなー 最近、すずりに懐いているからなぁー」

「だってさー さっきも、すずりがプチって言ったら、付いて行ったのよー あれって チッチじゃぁなくて、プチなんじゃぁない? すずりだって、最近、おかしくない?」

「そんな訳ないじゃぁないか 思い過ごしだよ たぶん」

「お母さん チッチ 洗ったから、お願い 乾かしてあげてー」と、チッチを洗面所からタオルをかぶせたまま追い出した。お母さんが、抱き上げて、リビングに戻って行った。

「お前 チッチなのー プチなのー」と言っていたのが、聞こえてきた。プチは、今は私の中に居る。

「プチ 本当に、食いしん坊ね いっぱい、お肉食べたんじゃぁ無い」

「ひさしぶりだったからな 今日のは、柔らかいし、おいしかった」

「ちょっと 猫のわりには、ぜいたくなんじゃぁない? あっ ごめんね、君は、猫じゃぁないよね」

「まぁ 普通じゃぁないかな すずりちゃん、髪の毛切ったから、洗うの 直ぐにすむから、いいよ 前は、長いから、時間かかって 俺は、待っていて、のぼせそうになっていたから」

「そう ごめんね 私と共同体だから、我慢しなきゃーね 私の、裸を見たの、あなただけなんだから」

 私が、お風呂から出て行くと、お母さんが

「すずり 聞いてよー チッチたら 身体、拭いてあげているのに、シャーって怒るのよ さっきは、お肉あげたら、喜んでいたくせにー 可愛げないわねー この子は」

「ごめんなさい お母さん こいつは、俺の弟なんだけど、猫としてのランクは最低なんだ」と、プチが・・

「今 なんか 聞こえなかった?」とお母さんが

「うぅーん なんにも・・」と、誤魔化した。お父さんは、外で片付けしていたから、聞こえてないだろう。

「もう プチったら あんまり、ひやひやさせないでよー」チッチを連れて、私の部屋にあがって行った。
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