私の中にあの猫がいる

すんのはじめ

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第1章

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 金曜の夜、仕事帰りに なずな と元町の改札を出たところの広場で、待ち合わせをしていた。なずなが手を振りながら、やってきて

「すずり やっぱり、可愛いね 際立ってるもん その服も似合うよ」と、会うなり、言ってくれた。

 私は、少し、クラシックなワンピースに着替えていたんだけど、褒めてくれた。なずなも、やっぱり、ワンピースに着替えてきたみたい。

 その時、男性のサラリーマン風3人組が声を掛けてきて

「君達、飲みに行くんだろう 一緒に行かない?  うんまい店あるんだよ 僕等もこれから、行くとこ」

 私達は、顔を見合わせて、首を振ったんだけど、別の男が

「僕等、野郎ばっかで、面白くないんだよ みんなで、楽しくやろうよ ごちそうするよ」と、しつこかった。なずなは、手を振りながら、断るポーズをしていたが、ひとりの男が、私の腕を組んで

「行こうよ そこなんだよ」と、言ってきた時だった。

「シャーァ」とか声がして、男3人共が、「ウワー」とか「ひぇー」とか言いながら、頬を押さえていた。「何だ 今のは 何かに、引っ掻かれたようだ」「何にも、なってないけどな 痛かったよなー」と言い合っていると「フガーァ」と続けて声がした。

「なんかわからんけど、気持ち悪るー」と、離れていった。

「なんだったのー 今の すずり 大丈夫? 今の声 なにー」

「私は、大丈夫だよ 何にも、聞こえなかったけどー しつこかったんで、急に、悪いと思ったんじゃぁ無い」

「そうかなー 不思議なことだよね まぁ いいかー 食べにいこー」

 私達は、ドイツレストランに入った。2階のテーブル席で、とりあえず、ビールで乾杯した。私は、カスラーとかおいしいソーセージを食べたかったんだ。

「なずな 彼氏とうまくいってんの?」

「うーん なんか、彼、お金使いが派手みたいでね 高級そうな腕時計してたり、車も高いの乗ってるしね そんなにお給料高くないと思うんだけど・・」

「でも、実家に住んでいるんでしょ それぐらい、余裕あるんじゃないの」

「だったら、その分、貯金すればいいと思わない?」

「男は、あればあるだけ使っちゃうからね」

「そーだよね そーいうのって、不安だよね だからね この前、ドライブに誘わて、仕方なく、行ったんだけど、キスを迫られてね 私 そんなに、チャラチャラした女じゃありませんって、拒んだの そしたら、謝って、真面目に考えてますとか言ってね 軽いわよね もっと、女の気持ち考えろって思うのよ」

「ダメじゃん そんなの 別れるのか―」

「そうなりそう すずりは、無いの 男の話」

「無い! 素敵だなーって男の人、現れないものー」

「すずり もしかして 男嫌いなのー」

「そんなこと無いよー 素敵だなーって人も居たよ でも、知り合えなくってね」

「すずりって、いつも、凛としているから、普通の男じゃ、声掛けられないよ それに、綺麗だから」

「ありがとう それって けなしてんの 褒めてんの」

「そんなんじゃぁないけどね すずりって、眼もそんなに大きくないのに、なんか、魅力的でね、近寄りがたいんだと思う。おまけに、彼氏が当然居ますオーラが出てるんだよ 私は、フリーですって雰囲気出さなきゃ」

「じゃぁさー 私はフリーで彼氏募集中って看板、首から下げればいいのー?」

「そうだよね 高校の時から、そうしておけばね だけど、入学して、直ぐに、なんか陰があったよね すずりって だけど、今日は感じられなかったから、彼氏が出来たんかなって、思ったわ」

「そう 私自身は、何にも変わってないわよ 昔を思い出しただけ」

「でもさー 私達、こんなに可愛いんだから、きっと、ビビットする人、現れるわよね」

「そうだよね この前、京都に行った時も、同じこと言われたわ ビビットくる人って、突然だって」と、ふたりで笑って、又、乾杯した。

 私達、同じ方向なんだけど、なずなは一つ手前の駅で降りる。別れる時

「なずなちゃん いつまでも、すずりちゃんと仲良くしてあげてな」とプチが言ってしまった。

「なにー 今の 誰が話しかけたのー」って、聞き返してきたとき、ドァーが閉まった。

「ダメよ プチ そんな突然 びっくり してたじゃぁない」

「ごめん すずりちゃん つい なー」

「でも 今日も、守ってくれて、ありがとうね」
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