私の中にあの猫がいる

すんのはじめ

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第1章

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 10月の日曜日、京都にぶらっと、行こうと決めていた。私は、別に何の趣味も無かったから、最近、写真を撮って楽しむようにしていた。プチと一緒だと寂しくないし、楽しいかも・・。

 天気が良かったので、サロペットのストレートパンツに半袖のTシャツにキャスケットをかぶって出てきていた。電車の中で、みんなの恰好を見て、やっぱり、上着要るんだったかなと、少し、後悔した。

「すずりちゃん 俺 これに乗るの 始めてだよ 自転車より早いな」

「そうね 初めてかな でもね 黙っててね 私 返事出来ないからね まわりに、変な人って思われちゃうから」

 京都駅からバスで五条坂まで行って、私は、茶わん坂から、清水を目指した。古い清水焼のものが置かれているし、人があんまり居ないので、落ち着いて写真も撮れると思ったからだ。

「すずりちゃん こんな古臭いのに興味あるのか」

「うん 私 日本の古くからあるものを見ていると、安心するんだ」

 境内に入って、地主神社に行った。縁結びの神様。私は、素敵な彼氏が出来ますようにと、お願いした。

「おい すずりちゃん さっきから、ずーと、すずりちゃんのこと見ているぞ あの柵のところに居る男」

「やだ 外人さんじゃぁない かかわらないようにしょっ」

「そうなんか 恰好良さげだよ」

「プチ なんてこと言うの 外人なんて、訳わかんないの 嫌よ」

 さっさと、逃れようと、音羽の滝を素通りして、降りて行って、産寧坂に入った。

「ついてきてるかな あそこで、コーヒー飲んで、休もぅ」

 古くから市街地に本店があるお店で、席からは、お庭が広がっているのが見える。

「プチ 落ち着くよね」

「そうだな 街中より、ましかな でもな、俺は神社とかお寺は苦手なんだよ さっきも神様に睨まれているようで・・ お前は何者なんだって、責められたんだよ。まぁ、気にしないけどな やっぱり、すずりちゃんは可愛いんかな 歩いていても、振り返って見ている男が何人か居るんだよ 一人ってせいもあるからかな」

「あらっ そんなこと言われたの プチにだけだよ ありがと」

 私は、しばらく、歩いて、写真を撮りながら、岡崎公園の疎水縁を歩いていると、若いママらしき人が、こっちを見ているのが、わかった。近づいた時、私は、思わず

「こんにちわ」と声をかけたら

「こんにちわ ごめんなさいね 私の親友に似ていたものだから・・見つめてしまって」

「そうなんですか お子さん お幾つですかー あっ 笑った 可愛いー」

「1っ才 過ぎたとこなの まだ、歩かなくて 検診の帰りでね あなた 写真お好きなの?」

「いいえ 私、趣味がなくて、風景の写真でも撮ろうかなって ぶらっと」

「そう 私も、写真撮るの好きだったわ もっとも、絵の題材にしてたけど」

「絵も描かれるんですか? 素敵ですね」

「あなた 学生さん?」

「いえ この春、卒業して、社会人1年生です」

「あら そう 私と二つ違いね」

「えー そんなにお若いんですかー」

「あらっ もっと、年とってみえたかしら 子供も居るものね お腹にも、居るのよ」

「ごめんなさい そんなことないですよ 若くて、素敵なママです」

「ありがとう 雰囲気も、本当に、あなた、友達に似ているのよ ねぇ ランチ済ませたの? 私、今からなんだけど、ひとりでお店に入るのもなぁって、考えていたのよ ご一緒していただけないかしら あそこの、イタリアンのお店、子供連れでも大丈夫なの」

「ハイ! 私も、ひとりで迷っていたんです」

 お店に入ると、卵スープみたいなものを溶かして、お子さんに食べさせていた。

「失礼ですけど、学生結婚だったんですか?」

「うぅん 卒業して、すぐに結婚したけどね 私達ね このお店を出たとこで、出会ったの 私、お友達3人で遊びに来ていてね あの人は、あなたみたいに写真撮っていたの カメラマンなのよ 私、目があった瞬間、ビビットきたのよ 向こうもそうだったんだって それから、ずるずるとね あなた、彼氏は?」

「居ません なんか、良い人と出会わなくて」

「そうなの きれいなのにね 声はかけられるでしょ?」

「でも 嫌な人ばっかりで・・」

「そう でも、あなたみたいに、きれいだっら、焦ることないわよ 運命の人って、突然、現れるわよ きっと」

 その人は、ご飯のお金も、私から誘ったんだからと、払ってくれた。近くにフォトスタジオがあるから、又、遊びにきたら、寄ってくださいといわれ、別れた。

「プチ いい人だったね ごちそうになっちゃった」

「うん 幸せそうなママさんだな すずりちゃんも、そのうち、良い人現れるよ」

「うらやましいわね ビビットきたんだって やっぱり そーいうことって あるんかなぁー」
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