8 / 30
第1章
1-8
しおりを挟む
あの日から、私、落ち着かなくって、気持ちがざわざわしていた。仕事の帰りには、あの店の前を通って、わざとゆっくり歩いてたり、お休みの日には、短めのワンピースで着飾って、メイクもバッチシ決めて、用事もないのに買い物に出掛けて、お店の前を通ったりしていた。
私、何をしているんだろうと後悔して、馬鹿みたいと思ったりしていた。プチも「最近、様子がおかしいぞ」って言ってきた。
あの微笑んだときの顔が忘れられない。好きという感情じゃぁ無いけど、私の中に住み着いたんだ。だけど、何となく、お店には入りずらかった。それにあそこは、木の扉で中の様子が見えないので、女の子には、入るのに勇気がいる。
仕事の帰りに、先輩の 河田響さんに飲みに行こうと誘われていた。同じ大学の出身で25才、女性。来年の3月に、大学の時からお付き合いしている方と結婚する予定らしい。
海鮮の炉端風の居酒屋に連れて行ってもらった。私も、お刺身とか、久しぶりだったかも知れない。お父さんもお母さんもお肉が好きだったから。
「私ね、兵庫でも山ん中で育ったから、海のものが欲しくなってしまうのよ。ごめんね。無理やり、ここに連れてきてしまって」
「いぇ 良いんです 私も、食べたかったから」
「すずりちゃんは、よく、飲みに行くの?」
響さんは、会社では、私のことを左近さんと呼ぶが、休憩時間とか離れるとすずりちゃんと呼ぶ。私も、名前で呼んでと言われていた。
「いいぇ 私、お酒弱いんです。それに、お友達も私 少なくて・・たまに、中学からの親友と食事に行くぐらいです。だから、誘ってくださって、嬉しかったです」
「そうなの 彼氏 居ないよねー」
「はい 私 男の人とお付き合いしたことないです」
「えー 以外ね でも、告白されたことなんどもあるでしょーう そんなに、可愛いのに」
「そんな 無いですよ 何度か、あっても興味ない人ばっかで」
「理想高いからよ」
「そんなんじゃぁないですよ ただ、私、温かみを感じられる人が良いんだけど・・」
「むずかしいんだね 私なんか、付き合おうって言われて、普通に付き合っちゃった そのまま、ずるずると」
その時、近くで飲んでいた男の2人組が「一緒に飲もうよ」と寄ってきた。
「結構です。私達2人で話があるんで・・」と、響さんは断ったが
「じゃぁ 一緒にお話しさせてよ」と、もう一人が私に話しかけてきた。
その瞬間、 「シャー」と、プチの声が聞こえた。
「なんか 言ったか?」と男達が言っていたが、「まぁ いいか」と私の隣に座ろうとしてきたら
「フガァー」と聞こえたかと思ったら、「ア 痛てー」と男たちが頬を押さえていた。別に、血が出ていたわけでも無かったが
「なんなんだ 今の―」と、顔を見合わせて、「なんか、気味悪い 向こう行こうぜー」と、離れて行った。
「なによー 拍子抜け すずりちゃん 何か、聞こえたような気がしたけど・・聞こえなかった?」
「いいぇ 私には、なんにも・・」と、とぼけて
「彼氏とはお付き合いして、長いんでしょう 喧嘩なんかしないんですか」
「したわよ なんども でも、女って、一度、身体許すと弱いからね、喧嘩しても、抱かれたら忘れっちゃうんだよね こんなに愛されているんだって勘違いしちゃってね」
「それは、私には、刺激が強いなぁ」
「そうだったわね 私達ね、年があけたら、一緒に住むんよ 少しでも、節約できるしね」
帰りの電車の中で、私は、少し、ほろ酔いだった。
「プチ さっきは、守ってくれてありがとう ああいう風に、寄って来られると、私 身震いしちゃうから」
「しょうがないよ 相手は、下心あるからね」
私、電車のドァのところに立っていたんだけど、さっきから、側にお酒を飲んでいる中年のおじさんが居るのを感じていた。
「おねえちゃん さっきから、何を独りでぶつぶつ言っているんだい あぁ ワシにも同じ年頃の娘がいてね 高校卒業したら、男とさっさと東京に行ってしまいやがった」
「そうですか お寂しいですわね」と、相手にするのも嫌だけど、返していた。
「そうなんだよ だから、いつも、飲んでしまってね おねえちゃん 可愛いね お尻なんかもプリンとして」と、撫でるような仕草をしたら
又、プチがうなった。その人は手を押さえて、「なんで、突然ヒリヒリするんだ 危ない もう、少しで痴漢になるとこだったわ」と独り言を言いながら、移動していった。
「私 プチが居ると 最強だね」と言いながら、ほろ酔いで、あの店の前を通って、「寄らないのか」というプチの声を無視して、帰って行った。
私、何をしているんだろうと後悔して、馬鹿みたいと思ったりしていた。プチも「最近、様子がおかしいぞ」って言ってきた。
あの微笑んだときの顔が忘れられない。好きという感情じゃぁ無いけど、私の中に住み着いたんだ。だけど、何となく、お店には入りずらかった。それにあそこは、木の扉で中の様子が見えないので、女の子には、入るのに勇気がいる。
仕事の帰りに、先輩の 河田響さんに飲みに行こうと誘われていた。同じ大学の出身で25才、女性。来年の3月に、大学の時からお付き合いしている方と結婚する予定らしい。
海鮮の炉端風の居酒屋に連れて行ってもらった。私も、お刺身とか、久しぶりだったかも知れない。お父さんもお母さんもお肉が好きだったから。
「私ね、兵庫でも山ん中で育ったから、海のものが欲しくなってしまうのよ。ごめんね。無理やり、ここに連れてきてしまって」
「いぇ 良いんです 私も、食べたかったから」
「すずりちゃんは、よく、飲みに行くの?」
響さんは、会社では、私のことを左近さんと呼ぶが、休憩時間とか離れるとすずりちゃんと呼ぶ。私も、名前で呼んでと言われていた。
「いいぇ 私、お酒弱いんです。それに、お友達も私 少なくて・・たまに、中学からの親友と食事に行くぐらいです。だから、誘ってくださって、嬉しかったです」
「そうなの 彼氏 居ないよねー」
「はい 私 男の人とお付き合いしたことないです」
「えー 以外ね でも、告白されたことなんどもあるでしょーう そんなに、可愛いのに」
「そんな 無いですよ 何度か、あっても興味ない人ばっかで」
「理想高いからよ」
「そんなんじゃぁないですよ ただ、私、温かみを感じられる人が良いんだけど・・」
「むずかしいんだね 私なんか、付き合おうって言われて、普通に付き合っちゃった そのまま、ずるずると」
その時、近くで飲んでいた男の2人組が「一緒に飲もうよ」と寄ってきた。
「結構です。私達2人で話があるんで・・」と、響さんは断ったが
「じゃぁ 一緒にお話しさせてよ」と、もう一人が私に話しかけてきた。
その瞬間、 「シャー」と、プチの声が聞こえた。
「なんか 言ったか?」と男達が言っていたが、「まぁ いいか」と私の隣に座ろうとしてきたら
「フガァー」と聞こえたかと思ったら、「ア 痛てー」と男たちが頬を押さえていた。別に、血が出ていたわけでも無かったが
「なんなんだ 今の―」と、顔を見合わせて、「なんか、気味悪い 向こう行こうぜー」と、離れて行った。
「なによー 拍子抜け すずりちゃん 何か、聞こえたような気がしたけど・・聞こえなかった?」
「いいぇ 私には、なんにも・・」と、とぼけて
「彼氏とはお付き合いして、長いんでしょう 喧嘩なんかしないんですか」
「したわよ なんども でも、女って、一度、身体許すと弱いからね、喧嘩しても、抱かれたら忘れっちゃうんだよね こんなに愛されているんだって勘違いしちゃってね」
「それは、私には、刺激が強いなぁ」
「そうだったわね 私達ね、年があけたら、一緒に住むんよ 少しでも、節約できるしね」
帰りの電車の中で、私は、少し、ほろ酔いだった。
「プチ さっきは、守ってくれてありがとう ああいう風に、寄って来られると、私 身震いしちゃうから」
「しょうがないよ 相手は、下心あるからね」
私、電車のドァのところに立っていたんだけど、さっきから、側にお酒を飲んでいる中年のおじさんが居るのを感じていた。
「おねえちゃん さっきから、何を独りでぶつぶつ言っているんだい あぁ ワシにも同じ年頃の娘がいてね 高校卒業したら、男とさっさと東京に行ってしまいやがった」
「そうですか お寂しいですわね」と、相手にするのも嫌だけど、返していた。
「そうなんだよ だから、いつも、飲んでしまってね おねえちゃん 可愛いね お尻なんかもプリンとして」と、撫でるような仕草をしたら
又、プチがうなった。その人は手を押さえて、「なんで、突然ヒリヒリするんだ 危ない もう、少しで痴漢になるとこだったわ」と独り言を言いながら、移動していった。
「私 プチが居ると 最強だね」と言いながら、ほろ酔いで、あの店の前を通って、「寄らないのか」というプチの声を無視して、帰って行った。
10
あなたにおすすめの小説
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
裏切りの代償
中岡 始
キャラ文芸
かつて夫と共に立ち上げたベンチャー企業「ネクサスラボ」。奏は結婚を機に経営の第一線を退き、専業主婦として家庭を支えてきた。しかし、平穏だった生活は夫・尚紀の裏切りによって一変する。彼の部下であり不倫相手の優美が、会社を混乱に陥れつつあったのだ。
尚紀の冷たい態度と優美の挑発に苦しむ中、奏は再び経営者としての力を取り戻す決意をする。裏切りの証拠を集め、かつての仲間や信頼できる協力者たちと連携しながら、会社を立て直すための計画を進める奏。だが、それは尚紀と優美の野望を徹底的に打ち砕く覚悟でもあった。
取締役会での対決、揺れる社内外の信頼、そして壊れた夫婦の絆の果てに待つのは――。
自分の誇りと未来を取り戻すため、すべてを賭けて挑む奏の闘い。復讐の果てに見える新たな希望と、繊細な人間ドラマが交錯する物語がここに。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる