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第7章
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朝、集合した時、3人の女の子は、色は違うが、申し合わせたかのか、サロペットのストレートパンツ姿だった。
「あのポスターって、やっぱり目立つね」と詩織が言うと
「うん モデルが可愛いね」と絢が白々しく答えていた。
「あのカメラマン相当、苦労したんだろうね あんな風に可愛らしく撮るのって 写真大賞だよ」と茜も加わって、3人で肩を叩きあって笑っていた。
僕たちは、ホームに向かう時、自然と手をつないでいた。席に着いた時
「いつも、仲いいね うらやましい」と茜が言ってきた。
「あっ ごめん いつもやから」と絢が・・。確かに、この頃はいつものことだ。
「詩織も手つないでるの?」と茜が聞いていた。
「えー 誰? あの人とは、ふたりとも寮生だから、2回ご飯食べに行っただけで、まだ、付き合うってほどじゃぁないもの」
「付き合ってるって言わないんだ。そういうのって」と絢は言いながら、バックからドッグを取り出して、それとなく僕に手渡した。僕も、何気なく食べていたら
「絢って 本当に、モトシ君の彼女を自然にやっているね」と茜がポツンとつぶやいていた。
― ― ― ☆ ☆ ☆ ― ― ―
ふたりとも、中学、高校と修学旅行は他の所で、関西は初めてということだった。3人共、USJには興味が無いので、京都、神戸を主に周る予定でいた。モトシとは、地下鉄で別れて、私達は道頓堀に向かった。もう、お腹がペコペコだったから、まっしぐらに橋のたもとのお店をめざしていた。たこ焼きのお店。
少し、並んで、暑い日差しの中、その辺で立ったまま、みんな、そんなの初めてだったから、アツッアツッとかキャーキャー言いながら・・。私、案内するというほど、ここに来たことないんだ。女の子だけだから、何人かの男の子に声掛けられたけど、ナンパというやつ? 無視して、水かけ不動さんから商店街を物色しながら難波に行った。今日は、夜、大文字焼きを見に行くので、時間があんまり無いんだ。
「詩織 声掛けられても、反応したらダメだよー」
「そーだよ 声掛けて来る男なんて、ろくなの居ないわよ」と茜も続いた。
「えー でも・・・せっかく旅行来てんだから、楽しくやらなきゃ」
私達は、堂島の大川沿いのカフェで休んでいた。茜がいきたいと言っていたお店だった。
「私等、そんなにチャラチャラしてないし こんなに、可愛いんだから、焦んなくても、いい男現れるよ」と茜は、自分でも納得するように話していた。
「それよりも、いいねぇ ここ たまに、船が通るけど、観光船かしら 向こうは公園になってるんだ いろんな建物もあるんだね」
「さっきの あんな路地を歩いて お不動さんもすごいね あんなに水かかって、苔もすごいね 逞しい あんな人がいるといいなぁー」と、いきなり詩織が感動していたけど
「結婚してくださいって言えばぁー」と私は冗談言って、みんなにもう行こうと促した。そんなに、ゆっくりできないんだよね。
駅から歩いて、10分ほどだけど、古い街並が少し残っていて、家も木の塀の先にあって、ふたりとも驚いていた。その隣に会社の建物がある。お母さんは、挨拶もそこそこに、3人を浴衣に着替えさしてくれた。みんなの分を用意していてくれたんだ。私には、相変わらず「その首のものはずしなさいよ」と強い調子で言っていた。
「山本さん 写真撮ったってくれへん?」とお母さんは、私達を中庭に並ばして、事務所に声をかけた。
「いとはん お帰りヤス これは これは べっぴんさんばっかでんな」
私は、指を立てて「シー」って言ったつもりだったけど
「あーぁ お友達の前で いとはん って言ったらあかんのですな」
「君はバカなのか」と、こぶしをお腹に入れる振りをした。
京都に向かう電車の中で
「いとはんって呼んでいたけど 絢のことなの?」って詩織が聞いてきた。
「うん この辺の言い方なんだ 古いよね」
「でも お嬢さんって意味でしょ 良いうちなんだ 家もすごいよね」
「そんなことないよ ただ、古いだけ」
電車を降りたけど、すごい人だった。有名な観賞スポットに何とかたどり着いたけど、ここも人がいっぱいで、私達は隅っこのほうで、点灯まで待つことにした。風もあるんだろうけど、こっちまで届いてこない。
点灯し始めて、大の形になった時には、もう、飽きてきてしまって、私達は南の方に川沿いを下り始めていた。途中には、カップルらしいのばっかりが、川っぺりに座っていて、私も、モトシと来ていたら、あんな風だったのかなとか思いながら・・。
「あの川の上のお店 高そうだね」と詩織が興味ありげにしていたけど、川床のことは私も良く知らないので
「高いと思うよ でも、最近は安いとこもあるって聞いたけど」
「そうだよね ねぇ私、京都のおそば食べたい どう?」
「いいんじゃぁない 私も食べてみたい」と茜も賛成したので、三条通りにあるお店で、みんなが、にしんそばを注文した。お店を出て、新京極とか寺町通りを物色しながら歩いて、途中、あの神社に来た時
「ここ 私がお世話になった大切なとこなの」
「そーなんだ 絢がお世話になったんだっら、いこー いこー」と茜がさっさっと入って行った。
3人でお参りしたら、詩織がお札所で
「あー 見っけっ 絢がいつも下げてるやつ」と、あのお守りを指していた。
「やっぱり そーなんだ でもね、私、絢とモトシ君がいつまでも仲良く居られますようにってお願いしておいたよ」と茜が言ってくれた。
私、茜を「ありがとう」と抱きしめていた。
「やだー 私にも、素敵な彼氏に会わせてくださいって、両方お願いしたんだから」と茜は抜け目がない。
「あのポスターって、やっぱり目立つね」と詩織が言うと
「うん モデルが可愛いね」と絢が白々しく答えていた。
「あのカメラマン相当、苦労したんだろうね あんな風に可愛らしく撮るのって 写真大賞だよ」と茜も加わって、3人で肩を叩きあって笑っていた。
僕たちは、ホームに向かう時、自然と手をつないでいた。席に着いた時
「いつも、仲いいね うらやましい」と茜が言ってきた。
「あっ ごめん いつもやから」と絢が・・。確かに、この頃はいつものことだ。
「詩織も手つないでるの?」と茜が聞いていた。
「えー 誰? あの人とは、ふたりとも寮生だから、2回ご飯食べに行っただけで、まだ、付き合うってほどじゃぁないもの」
「付き合ってるって言わないんだ。そういうのって」と絢は言いながら、バックからドッグを取り出して、それとなく僕に手渡した。僕も、何気なく食べていたら
「絢って 本当に、モトシ君の彼女を自然にやっているね」と茜がポツンとつぶやいていた。
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ふたりとも、中学、高校と修学旅行は他の所で、関西は初めてということだった。3人共、USJには興味が無いので、京都、神戸を主に周る予定でいた。モトシとは、地下鉄で別れて、私達は道頓堀に向かった。もう、お腹がペコペコだったから、まっしぐらに橋のたもとのお店をめざしていた。たこ焼きのお店。
少し、並んで、暑い日差しの中、その辺で立ったまま、みんな、そんなの初めてだったから、アツッアツッとかキャーキャー言いながら・・。私、案内するというほど、ここに来たことないんだ。女の子だけだから、何人かの男の子に声掛けられたけど、ナンパというやつ? 無視して、水かけ不動さんから商店街を物色しながら難波に行った。今日は、夜、大文字焼きを見に行くので、時間があんまり無いんだ。
「詩織 声掛けられても、反応したらダメだよー」
「そーだよ 声掛けて来る男なんて、ろくなの居ないわよ」と茜も続いた。
「えー でも・・・せっかく旅行来てんだから、楽しくやらなきゃ」
私達は、堂島の大川沿いのカフェで休んでいた。茜がいきたいと言っていたお店だった。
「私等、そんなにチャラチャラしてないし こんなに、可愛いんだから、焦んなくても、いい男現れるよ」と茜は、自分でも納得するように話していた。
「それよりも、いいねぇ ここ たまに、船が通るけど、観光船かしら 向こうは公園になってるんだ いろんな建物もあるんだね」
「さっきの あんな路地を歩いて お不動さんもすごいね あんなに水かかって、苔もすごいね 逞しい あんな人がいるといいなぁー」と、いきなり詩織が感動していたけど
「結婚してくださいって言えばぁー」と私は冗談言って、みんなにもう行こうと促した。そんなに、ゆっくりできないんだよね。
駅から歩いて、10分ほどだけど、古い街並が少し残っていて、家も木の塀の先にあって、ふたりとも驚いていた。その隣に会社の建物がある。お母さんは、挨拶もそこそこに、3人を浴衣に着替えさしてくれた。みんなの分を用意していてくれたんだ。私には、相変わらず「その首のものはずしなさいよ」と強い調子で言っていた。
「山本さん 写真撮ったってくれへん?」とお母さんは、私達を中庭に並ばして、事務所に声をかけた。
「いとはん お帰りヤス これは これは べっぴんさんばっかでんな」
私は、指を立てて「シー」って言ったつもりだったけど
「あーぁ お友達の前で いとはん って言ったらあかんのですな」
「君はバカなのか」と、こぶしをお腹に入れる振りをした。
京都に向かう電車の中で
「いとはんって呼んでいたけど 絢のことなの?」って詩織が聞いてきた。
「うん この辺の言い方なんだ 古いよね」
「でも お嬢さんって意味でしょ 良いうちなんだ 家もすごいよね」
「そんなことないよ ただ、古いだけ」
電車を降りたけど、すごい人だった。有名な観賞スポットに何とかたどり着いたけど、ここも人がいっぱいで、私達は隅っこのほうで、点灯まで待つことにした。風もあるんだろうけど、こっちまで届いてこない。
点灯し始めて、大の形になった時には、もう、飽きてきてしまって、私達は南の方に川沿いを下り始めていた。途中には、カップルらしいのばっかりが、川っぺりに座っていて、私も、モトシと来ていたら、あんな風だったのかなとか思いながら・・。
「あの川の上のお店 高そうだね」と詩織が興味ありげにしていたけど、川床のことは私も良く知らないので
「高いと思うよ でも、最近は安いとこもあるって聞いたけど」
「そうだよね ねぇ私、京都のおそば食べたい どう?」
「いいんじゃぁない 私も食べてみたい」と茜も賛成したので、三条通りにあるお店で、みんなが、にしんそばを注文した。お店を出て、新京極とか寺町通りを物色しながら歩いて、途中、あの神社に来た時
「ここ 私がお世話になった大切なとこなの」
「そーなんだ 絢がお世話になったんだっら、いこー いこー」と茜がさっさっと入って行った。
3人でお参りしたら、詩織がお札所で
「あー 見っけっ 絢がいつも下げてるやつ」と、あのお守りを指していた。
「やっぱり そーなんだ でもね、私、絢とモトシ君がいつまでも仲良く居られますようにってお願いしておいたよ」と茜が言ってくれた。
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