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第6章
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私が、朝食のパンとハムをお母さんに頼まれていて、あとは食べたいものあったら買ってきて良いよと言われていた。ぶらぶらとスーパーを物色していると、背中から
「あそこの肉屋のコロッケは安くて、うまいぞー」
私は、すぐに、殿山覚だとわかったので、無視して、鮮魚コーナーに向かった。
「今の時期は、牡蠣がいいよなー 奥さん 今晩は牡蠣フライでもいかが?」
それでも、無視して私が赤海老を見つめていると
「あぁーあ 赤海老は大きいけど、うまくないよ やっぱり、最低、ブラックタイガーじゃないと うーん あんまり、大きいのないけどな あっ 高いけど、こっちのは大きいよ」
「うるさいなー ごちゃごちゃとー ウチの勝手やろー なんやねん それにー なんでおるねん ストーカーか?」
「あっ 反応してくれた 見かけたもんやからな」
「そんでも 声掛けんかったらええヤン」
「いいじゃぁないか 知らん仲でもないし 可愛い娘が何食べるんか興味あるしー」
「ほっとってーなー ウチが何食べよーがー 勝手やろー」
「そんな怖い眼して見るなよー そんな訳にいかん 俺の愛するサダちゃんが何食べてるんか知っておかなきゃなー」
「怖いこと言うなよー 変態かー? あっち いってーなー」
「わかった じゃぁ また 出口で待ってるぜ」
「何ゆーてんねん 警備員さんに訴えるでー」
「かまへんよ 俺 なんにもしてないもん」
そのまま、私は、あいつの言っていた大きいブラックタイガーを買ってしまって、こんなの買ってしまってお母さんに叱られるかも・・。レジを出ると、あいつが居た。
「カフェオーレ買っといたよ 嫌いか? センターコート行こうぜ」
「なんで そんなことすんねん! 誰がお前とお茶すんねん」
「また、そんな眼するーぅ もちろん 愛するサダちゃんとやー ちょっとぐらい 付き合えよー 話す時間ぐらいあるやろー うまい海老フライの作り方 教えたるしー」
「・・・ちょっとやでー」
結局、センターコートのテーブルのあるところに・・。こんなところ、学校の誰かに見られるのは、嫌だったんだけど、私は、こいつと話していると何となく、気を使わないで思ったことを遠慮なしに話せるので、気分がスカーっとするのを感じていた。
「俺 就職決まった。運送屋にな この冬 運転免許もとったしー」
「そう よかったじゃん あんたみたいなもんでも雇ってくれるとこあって」
「だろー 張り切って働いて サダちゃんを喰わせて行くからな」
「何 ゆうてんねん アホかー ウチは大学受けるんやー」
「だってなー なんでも学年トップの成績なんやってな」
「ううん 他のみんなが、学校のテストはええ加減にやってただけや」
「それでも 大したもんやー あのサダ姉さんって イキってたんやからなー」
「なんも イキてなんか・・ イキってたんて、あんたやんか」
「あのさー ライン交換してーなー 卒業しても、サダちゃんと・・知り合いでいたいんやー それに、いまの彼氏に振られたら、連絡してくれよー」
「あのさー ウチ 今の好きな人には なにがなんでも 付いていくワー 縁起悪いこと言わんとって!」
「そうかー でも 男と女には何があるかわからんでー もう したんかー?」
「・・しゃーから そんなん 女の子に聞くことちゃうやろー」
「ふふっ まだなんやろー 最初、会った時は、こいつはすごく経験してて、バツバツなんやろーなって思ったけどな ハッタリやってんなー 早いことせんと 逃げられるでー もっとも、俺にくれるんやったら その方がええけどなー」
「アホかー なんでそうなるねん 世界中の男があんただけになっても それは無いワー」
「そんなもんわかるかー サダちゃんやって女やろー したーなるかもしれん」
「あのさー ウチ こんな話したかったんちゃうねんでー もう 行くね あっ うまい作り方は?」
「あぁ 背中を少し切り開いて背ワタとってな 軽く、塩コショウ 小麦粉付けて、卵にくぐらせて、パン粉な 細かいの ほんで 180度くらいで揚げるんや」
「なんやねん それ! 普通やん」
「そう 普通がええんやー サダちゃんが作ったら 何でもうまいやろー? サダ姉 大学 頑張れよ 落ち込んだら 連絡してこいよ なんぼでも元気づけたるから ほんで・・連絡先」
私は、血迷ったのかラインを交換してしまった。だけど、合格と書いたメモを渡された。その時、何となく悪い奴じゃぁないなと思っていたのだ。不思議と 勇気も出た気がしていた。
― ― ― * * * ― ― ―
いよいよ、試験の日が近づいてきていた。掛川先生が声を掛けてくれて
「いいかー 普段通りやれば、受かるんだからな 難しいと感じたら、後回しにするのが、鉄則だぞ」
そーなんだけど、普段通りなんて、いざとなったら、出来るかどうかわからないよー。日が迫ってくるにつれて、だんだん落ち着かなくなっていた。茜姉さんからも十和姉ちゃんからも、そしてあの覚からもラインで励ましの言葉が来ていたけれど、余計に、プレッシャーに感じていた。
充君と会っても言葉少なに、頑張ろうねとぐらいしか言えなかったんだけど、私は、絶対に一緒に合格するんだと、自分に言い聞かせて、そのことだけが頼りだった。
「ねぇ お母さん 試験の日 制服じゃぁなくて、お父さんのお下がりのズボンにしようと思うんやけど・・」
「どうして? みんな、普通、制服じゃぁない?」
「うーん 冷えると落ち着けないやろー スカートじゃぁ 膝が寒いかも」
「だからー あんなに短くしちゃうからでしょ でも、あなたがそれでいいんだったら、いいんじゃぁない」
「ウン お父さんも一緒だと心強いかもネ」
「お父さんなんて 力にも何にもなんないわよ それより サダちゃんは、お母さんの娘なんだから、度胸はあるから 大丈夫よ 頑張ってね」
そして、前の夜は定番のトンカツにしてくれていた。
「お母さん 今まで 色々と我儘でごめんネ 明日は 精一杯頑張るから」
「なによー 変な言い方しないでー なんか 最後の日みたいじゃぁない サダちゃん あなたは本当に頑張ってきたわ きっと 大丈夫よ 落ち着いてネ 今日は、ちゃんと寝るのよ」
私は、気が荒ぶっていて寝付けなかった。だけど、お揃いのお守りとラグビーボールのホルダーを握り締めたまま眠りについていた。
次の日の朝、充君と試験会場に向かったんだけど、私は眼が腫れぼったくて玄関を出る時も、ドァにぶつかってしまって嫌ーな感じがしていたのだ。でも、私の人生を左右する日なのだ。私のことをブスってはやし立てていた連中を絶対に見返してやるんだ。
「あそこの肉屋のコロッケは安くて、うまいぞー」
私は、すぐに、殿山覚だとわかったので、無視して、鮮魚コーナーに向かった。
「今の時期は、牡蠣がいいよなー 奥さん 今晩は牡蠣フライでもいかが?」
それでも、無視して私が赤海老を見つめていると
「あぁーあ 赤海老は大きいけど、うまくないよ やっぱり、最低、ブラックタイガーじゃないと うーん あんまり、大きいのないけどな あっ 高いけど、こっちのは大きいよ」
「うるさいなー ごちゃごちゃとー ウチの勝手やろー なんやねん それにー なんでおるねん ストーカーか?」
「あっ 反応してくれた 見かけたもんやからな」
「そんでも 声掛けんかったらええヤン」
「いいじゃぁないか 知らん仲でもないし 可愛い娘が何食べるんか興味あるしー」
「ほっとってーなー ウチが何食べよーがー 勝手やろー」
「そんな怖い眼して見るなよー そんな訳にいかん 俺の愛するサダちゃんが何食べてるんか知っておかなきゃなー」
「怖いこと言うなよー 変態かー? あっち いってーなー」
「わかった じゃぁ また 出口で待ってるぜ」
「何ゆーてんねん 警備員さんに訴えるでー」
「かまへんよ 俺 なんにもしてないもん」
そのまま、私は、あいつの言っていた大きいブラックタイガーを買ってしまって、こんなの買ってしまってお母さんに叱られるかも・・。レジを出ると、あいつが居た。
「カフェオーレ買っといたよ 嫌いか? センターコート行こうぜ」
「なんで そんなことすんねん! 誰がお前とお茶すんねん」
「また、そんな眼するーぅ もちろん 愛するサダちゃんとやー ちょっとぐらい 付き合えよー 話す時間ぐらいあるやろー うまい海老フライの作り方 教えたるしー」
「・・・ちょっとやでー」
結局、センターコートのテーブルのあるところに・・。こんなところ、学校の誰かに見られるのは、嫌だったんだけど、私は、こいつと話していると何となく、気を使わないで思ったことを遠慮なしに話せるので、気分がスカーっとするのを感じていた。
「俺 就職決まった。運送屋にな この冬 運転免許もとったしー」
「そう よかったじゃん あんたみたいなもんでも雇ってくれるとこあって」
「だろー 張り切って働いて サダちゃんを喰わせて行くからな」
「何 ゆうてんねん アホかー ウチは大学受けるんやー」
「だってなー なんでも学年トップの成績なんやってな」
「ううん 他のみんなが、学校のテストはええ加減にやってただけや」
「それでも 大したもんやー あのサダ姉さんって イキってたんやからなー」
「なんも イキてなんか・・ イキってたんて、あんたやんか」
「あのさー ライン交換してーなー 卒業しても、サダちゃんと・・知り合いでいたいんやー それに、いまの彼氏に振られたら、連絡してくれよー」
「あのさー ウチ 今の好きな人には なにがなんでも 付いていくワー 縁起悪いこと言わんとって!」
「そうかー でも 男と女には何があるかわからんでー もう したんかー?」
「・・しゃーから そんなん 女の子に聞くことちゃうやろー」
「ふふっ まだなんやろー 最初、会った時は、こいつはすごく経験してて、バツバツなんやろーなって思ったけどな ハッタリやってんなー 早いことせんと 逃げられるでー もっとも、俺にくれるんやったら その方がええけどなー」
「アホかー なんでそうなるねん 世界中の男があんただけになっても それは無いワー」
「そんなもんわかるかー サダちゃんやって女やろー したーなるかもしれん」
「あのさー ウチ こんな話したかったんちゃうねんでー もう 行くね あっ うまい作り方は?」
「あぁ 背中を少し切り開いて背ワタとってな 軽く、塩コショウ 小麦粉付けて、卵にくぐらせて、パン粉な 細かいの ほんで 180度くらいで揚げるんや」
「なんやねん それ! 普通やん」
「そう 普通がええんやー サダちゃんが作ったら 何でもうまいやろー? サダ姉 大学 頑張れよ 落ち込んだら 連絡してこいよ なんぼでも元気づけたるから ほんで・・連絡先」
私は、血迷ったのかラインを交換してしまった。だけど、合格と書いたメモを渡された。その時、何となく悪い奴じゃぁないなと思っていたのだ。不思議と 勇気も出た気がしていた。
― ― ― * * * ― ― ―
いよいよ、試験の日が近づいてきていた。掛川先生が声を掛けてくれて
「いいかー 普段通りやれば、受かるんだからな 難しいと感じたら、後回しにするのが、鉄則だぞ」
そーなんだけど、普段通りなんて、いざとなったら、出来るかどうかわからないよー。日が迫ってくるにつれて、だんだん落ち着かなくなっていた。茜姉さんからも十和姉ちゃんからも、そしてあの覚からもラインで励ましの言葉が来ていたけれど、余計に、プレッシャーに感じていた。
充君と会っても言葉少なに、頑張ろうねとぐらいしか言えなかったんだけど、私は、絶対に一緒に合格するんだと、自分に言い聞かせて、そのことだけが頼りだった。
「ねぇ お母さん 試験の日 制服じゃぁなくて、お父さんのお下がりのズボンにしようと思うんやけど・・」
「どうして? みんな、普通、制服じゃぁない?」
「うーん 冷えると落ち着けないやろー スカートじゃぁ 膝が寒いかも」
「だからー あんなに短くしちゃうからでしょ でも、あなたがそれでいいんだったら、いいんじゃぁない」
「ウン お父さんも一緒だと心強いかもネ」
「お父さんなんて 力にも何にもなんないわよ それより サダちゃんは、お母さんの娘なんだから、度胸はあるから 大丈夫よ 頑張ってね」
そして、前の夜は定番のトンカツにしてくれていた。
「お母さん 今まで 色々と我儘でごめんネ 明日は 精一杯頑張るから」
「なによー 変な言い方しないでー なんか 最後の日みたいじゃぁない サダちゃん あなたは本当に頑張ってきたわ きっと 大丈夫よ 落ち着いてネ 今日は、ちゃんと寝るのよ」
私は、気が荒ぶっていて寝付けなかった。だけど、お揃いのお守りとラグビーボールのホルダーを握り締めたまま眠りについていた。
次の日の朝、充君と試験会場に向かったんだけど、私は眼が腫れぼったくて玄関を出る時も、ドァにぶつかってしまって嫌ーな感じがしていたのだ。でも、私の人生を左右する日なのだ。私のことをブスってはやし立てていた連中を絶対に見返してやるんだ。
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