残念エルフ姫ってなんですか?! そんなの聞いてませんけど……【神世界転生譚】ユウナと不思議な世界

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五章 : スヴァルト暮らし

71. お家にお家がないんです?!

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 波乱 (?) のパーティーから一夜明け、翌日。

 ラーズ王から、無事 (?) ムクとロラを正式にもらえることになったので、早朝の訓練終わりに家に連れて帰ってきたのですが……

 「ねぇ、リトぉー。しばらくはムクとロラ、ルルとシルがいたところでいいかもだけど……お母さん帰ってきたら、ルルとシルが入れないよね?」

 「そうだね……。どうしようか……?  お庭は広いんだけど、屋根がないよね。」

 「うん。そのうち考えないとだねー。ほら、ムクはとりあえずこっちねー。」

 「クー?  クェー?」

 ムクはなんだか匂いを嗅いでいるみたいです。

 「あ、ロラ!  こっちだよ、ここ!」

 「クエッ!」

 リトがロラを案内しています。
 ロラもお家に入ったみたいですね。

 「キュッキュッキュイー!」

 エメはお庭をちょろちょろしていますね。いつも通りです。
 昨日の食べ過ぎはもういいみたいですね。

 私は結局、あんまり食べれなかったなぁ…… (泣)

 あの後、気分だけ風のようになって会場に戻ったんですけど……

 今度はゲイル部隊の隊員さんたちに囲まれてしまって……

 ついついお話してる間に時間が過ぎちゃって、お開きになっちゃったんだよね。

 料理があんまり楽しめなかったのはがっかりだったけど、みんな無事でよかったし、みんな楽しそうだったからよかったな。

 さてさて、ムクとロラにはお家を案内したし、お風呂でも……

 「あ!  ロラ?  入らないの?  嫌なの?」

 「クエー。」

 あれ?  ロラがお家から出ちゃったみたいですね。

 「クエッ!」

 「ん?  どうしたの?」

 ムクもなんかすごく言いたげな感じです。
 つぶらな瞳でジーッと見てきてました。

 まだ遊びたかったのかなぁ?

 「出るの?」

 「クエッ!」

 ムクは小さく鳴きながら、こくこくしました。

 ムクを出してみると、ロラのところに行きました。

 そしてそこにエメも加わって……

 「クエッ! キュアッ!」「クー?  クエッ!」
 「キュッ?  キュキュイッ?」

 ムクとロラとエメで、なんだか会議?  みたいですね。
 なに話してるんだろ?

 うーん。

 私とリトは、ルルとシルがいたところにとりあえずいてもらえばいいかなーと思っていたのですが。

 もしかして、嫌だったのかなぁ。

 ルルとシルのお家は、そんなに長く使ってないんですけど……

 でも、ムクは嫌がってるというか、遠慮してるみたいな態度なんですよね。

 変にソワソワしてたというか。

 うーん。

 とにかく、これはすぐにでもムクとロラのお家を用意しなくてはいけないみたいですね!

 「というわけでね、リト!」

 「……うん?  どうしたの?」

 「私、ブロックルさんのところに行ってくるね!  リトは……」

 「あ、うん!  気をつけてね!  わたしはこの子たちが変なことしないように見てないとだから!  ね?  遠慮なく行ってきてもらって……」

 リトはなんだかとっても早口でした。
 こういう時って……

 「もー!  リトぉー。ブロックルさんが怖いのー?  うふふー。」

 「あ、ちょ……ユ……ユウナ?」

 キュッと抱きついておきました。やっぱりリトは可愛いなぁー。

 「じゃあ行ってくるねー!  みんないい子で待ってるんだよー?」

 「キュッ!  キュイッ!」  「キュアーッ!」  「クエッ!」

 ぶんぶんと手を振って、さぁお出かけです!

――――
――

 トコトコと一人で移民地区を歩いていたら……

 「あ!  ナッビさん!  こんにちは!」

 ナッビさんを発見しました!  昨日ぶりですねー。第一移民発見です!

 「おお、これはユウナ姫様。ご機嫌麗しゅうございます。」

 ナッビさんは、なんだか深々と頭を下げていました。

 「もー。ナッビさんもそんなのやめてくださいよー。だいたいナッビさんも知ってるじゃないですか。私が生後3日で廃嫡追放されちゃったこと。私、村人として育ってるんだし……それに亡命したもの同士じゃないですかー。」

 「いえ……私は長らくルーナ様にお仕えしておりましたので……。やはり、ユウナ様はあの御方のご息女、大切な姫でございますので……。」

 「えー。でもお母さん……あ。マリーカさんも、もうちゃんと娘だって言ってくれるんだけどな……。」

 「おお!  マリーカ殿!  ご健在ですか。それは何より。そうでしたな。ご一緒に館を出られたのでしたね……。ああ、マリーカ殿にもご挨拶をせねばいけませんね。今どちらに?」

 「あー……。お母さんは、母様を探しに……旅に出ちゃって……。今……いないんですよね……。」

 「おお……。なんと……。さすがマリーカ殿……。ですが、ユウナ様は寂しゅうございますね。」

 「はいー……。そうなんですよー。」

 口に出しちゃうとよけいにさみしいんですよー……。

 「ですが、無事にルーナ様をお救いかなったなら、ユウナ様も2倍の喜びではありませんか!」

 「……え、でもぉー、母様って少ししかお話したことなくて……。だからちょっと……どう接したらいいのかなぁーって……。」

 「ああ……。確かに、ユウナ様はルーナ様とのお時間が短かったとは聞き及んでおりますが……。ご心配には及びません!  ルーナ様は、それはそれは愛情深いお方。ユウナ様がお生まれになるまで、毎日毎日お祈りされておったくらいですから。」

 「お祈り?」

 「ええ。マリーカ殿を伴って、ほぼ毎日、希望の樹園に通っておられました。」

 「樹園で……?」

 希望の樹園でお祈りすると、何かあるのかな……?

 「ええ。詳しくは存じ上げませんが、ルーナ様の異能の関係だそうですよ。」

 「異能……」

 母様の異能かぁ。どんなのだろ?  お母さんは、"王佐の才"だっけ。
 幅広く色々出来るようになる……みたいなこと言ってたな。すごいよねー。

 そういえば、私も何かしらはあるみたいな話だっけ。

 フェアランドに行けば分かるかもとか、占い師さんが言ってたなぁー。

 私のはどんなのだろ?  

 まぁでもなんだっていいよね。

 ナッビさんも職人さんにピッタリな異能なのに、兵士とかしてたんだし。

 私ももっといっぱい鍛えたら、ヒルドルさんとか他の隊長さんたちとかみたいに強くなれるよね!

 ううん。もっともっと強くなる!  なれるはず!  まだ2歳だし!

 「ですので、ルーナ様がユウナ様を想うお気持ちは並々ならぬものがあるのです。ですから、どうか……再会が叶いましたら、温かく受け止めていただけますよう。」

 「あ、はい!  わかりました!」

 そうだよね。私にはまだまだ全然"母親の気持ち"というものが分からないけれど。
 私は、母様に愛されてなかったわけじゃないんだもんね。

 お母さんも母様も、毎日毎日私のために祈ってくれてたなんて。
 知らなかったな。そういうことはお母さんちっとも話してくれなかったもん。

 でも、やっぱり嬉しいな。知れてよかったな。

 なんだか、胸の奥がじんわり温かくなりました。

 「そういえば、ユウナ様はどちらに行かれるのです?」

 「あ!  そうだった!  ブロックルさんに相談したいことがあって!  向かってたんだった!」

 「ああ、これはお引き留めしてしまい申し訳ございません。その、ブロックルというかたも移民なのですか?」

 「そうですよ!  ドワーフさんなので!」

 「ド……ドワーフ?!」

 ナッビさんは、目をまんまるにしていました。

 「あ、ドワーフさん珍しいんでしたっけ。」

 「……ユウナ様。」

 「はい?」

 「誠に!  誠にもって申し訳ないことながら!  どうか私もご一緒させていただけませんか!  なんとかご紹介賜れますれば……と!」

 ナッビさんは、ものすごく真剣な顔で、深々と頭を下げていました。

 「え……いや、全然いいですよ?」

 「ほ、本当にございますか!」

 「はい。一緒に行きましょうか。」

 「あ……ありがとうございます!」

 こうして、ナッビさんと一緒にブロックルさんの工房に向かうことになったのでした。

 やっぱりブロックルさんってすごいんだなぁー。
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