この度、転生することになりまして

藍風月

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第三章 「変化した路」と「約束を守るために」

新たな場所で1

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家族との別れを済ませた僕は、叔父上を追いかける。
幸い、廊下ですぐに見つけられた。

「叔父上、お待たせいたしました。てっきり、馬車のところまで先に行っているかと思ってたのですが…?」

「ああ、私付きの使用人に頼んでいただけだからね。それに小生の馬車を止めてある場所をレイ君は知らんだろう?だから待っていたのだよ。」

「そうだったのですか失礼しました。」

「大丈夫だよ~。ここに来たということは、別れを済ませてきたんだね。それじゃあ、行こうか。」

「はい!!」



叔父上とともに、馬車で邸に向かう。



馬車から外を眺めていると、ふと一つのことが気になった。

「叔父上はなんで、僕を養子にしようという提案をしてくださったのですか?」

魑魅魍魎が巣くうという王宮で文官をしてきた人が、単なる善意で動くとは思えない。

「ふふふ、小生はね長年自らの後継者を望んでいたのだよ。騎士の名門であるハインリッヒ家次男として生まれ、当然騎士になることを望まれたにもかかわらず文官としての道を選んだ。今では、宰相補佐という名誉ある地位、さらには子爵位まで、王国よりいただいた。これらと小生の想いを継いでくれる人を長年求めてきたんだよ。そんなある日、ルーリスからあの相談を受けた。自らの血縁にあり、さらには天才という君を後継者にしたいと思ってしまってね。」

「その想いというのは何ですか…?」

「ああ、それは、君と同じだよ。」

「……スラムを正したい?」

「そう。小生は、そう願ってきたけれどもね、長年この国に巣くったこの問題は、小生だけでは到底かなえられそうにない。だからこそ後継者が欲しかった。ルーリスからいろいろと君のことを聞いていたけれどもね、屋敷を訪れた日に話したとき、君がその願いを抱いたと聞いて何が何でも小生の跡を継いでほしいと思ったんだ。」

「そうだったのですか…。」

「何か、気に障ったかな?」

「いいえ、そうではないのですが…。天才と呼ばれるのはやはりあまり好きではないです。」

「おや、そうかい?でも、利用できるものは利用すべきだよ。天才という呼び名は君にいろいろなものをもたらすだろうね。もちろんそこには良いも悪いもあるかもしれない。けれど、それを上手く利用することできっと君に良いことがもたらされるはずだよ~。」

「そうですかね…。」

「まあ、きっといつか分るよ。でも、その呼び名に振り回されちゃいけないよ。…、あれが小生の屋敷だよ!」

叔父上が指さした邸は、大きさは昨日まで住んでいた屋敷と同じくらいだが、美しい庭園を備えていた。それも、いわゆる庭園ではなく、枯山水のようなものだ。
思わず、見とれる。

「どうやら、気に入ってもらえたようでよかったよ。邸の中はあとで案内するから、とりあえずは中に行こうか。」


屋敷の中も、まるで違った。文官は雅なものを好むらしいけど、そのせいなんだろうか…?
とりあえずということで、書斎に案内された。

「改めて、レイ君。小生の屋敷にようこそだよ。」

「ありがとうございます。」

「君は、ある程度の勉学をおさめ次第、小生の傍付きになって並行して学んでもらう。また、試験を受けても大丈夫な程度になるまでは、途用試験は受けさせてあげられないことは覚えておいてほしい。まあ、君ならあっさりとそのラインに届きそうだけどね。」

「わかりました。」

「うん。この屋敷では、自由に過ごしてもらって構わないけれど、ティナの意向で護身術は修めてもらうことになっている。のち一週間以内には、家庭教師もつくはずだ。文官の一族御用達の者らを連れてきたから期待していていいぞ。ああ、君の部屋も用意してあるから心配しなくて大丈夫だよ。それと、君の専属の使用人も用意した。」

色々用意してくれたのはありがたいし、今まで読んだことない本があるだろう図書室には胸が躍る。
………だけど、…………………セバス…。君以外の専属なんて…。
父上の命で置いてこざる負えなかったセバスが心に浮かぶ。

「叔父上…、専属の使用人なのですが…。せっかく用意してもらったのはありがたいのですが…。」

「うん。まあ、とりあえずあってみなさい。会わないときっと後悔することになるから。」

「ですが…。」

「いいから。それとも、小生の話が聞けない?」

「そういうわけでは…。」

「ならいいね。入ってきなさい。」


「失礼いたします、旦那さま。」

聞き覚えのある声とともに、扉が開いた。


……………予想外の人が入ってきた。
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