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第三章 「変化した路」と「約束を守るために」
新たな場所で4
しおりを挟むまあ、そんなこんなで、執事長にこの屋敷を案内された。
わかったのは、この屋敷はとても風雅でありかつ広いということ。
後、図書室の蔵書量は前の屋敷の100倍はありそうだった。
「レイシェン様、こちらが今後お使いいただく私室となっております。先に届いております荷物の類はそこのセバスに片付けを行わせました。以上で、この屋敷の案内は終わろうかと思っておりますが、何かご質問はありますか?」
僕の私室になるという部屋の前で言われた。
「とくにはないかな?」
「そうですか。では、今日はいろいろあってお疲れでしょうから、もうお休みをという伝言を旦那様より預かっております。……そうでした。伝え忘れておりましたが、レイシェン様をお教えすることになる家庭教師は3人、護身術の教師を含めると4人となっております。その内のお一方が、明日の午後からいらっしゃるとのことですから、今日はもうしっかりとお休みください。それと、旦那様は、この屋敷での食事は、旦那様のご帰宅が遅い日は、食堂か自室かどちらでとっても良いとおっしゃっておられましたが、どちらになさいますか?」
「じゃあ、自室で。」
だって、食堂だとたった一人で広い空間で食べることになるんだもの。
帰宅の遅い日はってことは、早く帰れる日があったら一緒に食べるってことなのかな?
「承りました。では、後程セバスに届けさせます。それでは、失礼いたします。」
執事長が去っていった。
いよいよ僕はこれからの私室に入るのだ。
やはり少しワクワクする。
「わ~!……?」
戸を開けるとそこには、応接間を兼ねた執務室のような部屋があった。机も父上が使っていたような立派なものである。さすがに椅子はクッションで座高を上げているが。
だが、なぜこんな部屋が私室に?
あ!まだ、机の奥に扉がある。
その扉の先には、正真正銘の私室があった。
確認すれば、僕の届けさせた荷物は全て入っていた。
「セバス、片付けありがとう。ところで、セバスはどこに住むことになったの?」
「旦那様のご厚意で、別館の使用人棟に住まわせていただくことになりました。」
「そっか。…………実家から離しちゃってごめんね。」
「いいえ、私が自分で離れたのですから、レイ様が気に病まれることはございませんよ。」
「……そう言ってもらえると気が楽になるよ。ところで、今日はもう自由なんだよね?だったら、この屋敷の本を早く読みたいから、図書室に行って本をとってくるよ。」
「承知しました。おひとりで大丈夫ですか?」
「もちろん。さっき道順を覚えたしね。」
「それでは、レイ様が読書をしておられる間に、新人教育の続きと晩御飯の用意をしてまいりますね。」
「うん。勉強頑張って。」
そこで、セバスと別れて図書室に向かいます。
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