この度、転生することになりまして

藍風月

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第三章 「変化した路」と「約束を守るために」

新たな場所で(sideユリス)

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sideユリス


今日は、宰相補佐様の養子であるレイシェン君の実力試験をさせてもらった。
まだたった、1歳半の子に、文官になるための教育中心の家庭教師である私をつけたいという話が来たとき、よほどの親バカかそれとも、気でも狂われたかと思った。だから、当人には内緒で、私が家庭教師をするに足る頭を持っているか先に確かめるためのテストでもあったのだが、……このテスト結果を見ては何も言えない…。


ユーリ様は大丈夫と自慢していらっしゃったから、飛び切り難しく、途用試験並みのものにしてその幼いプライドを砕いてやろうと思ったのだが…。

何なのだ、あの子は…!!

あの年齢では、喃語で当たり前なのに大人のように話すうえ、とてもきれいな文字を書きやがる…。
今回のテストは、途用試験において重要科目となっている、歴史・算術・詩歌・外国語の四科目にしたのだが…、歴史はほぼ満点だし、算術に至っては私の知らない解き方まで使っている…。詩歌と外国語がほぼ何も書けていないというのが、唯一の安心点だよ…。それがなきゃ私はレイシェン君に教えられることはほぼないからな…。
今後はこの二点を中心に教えていくか…。算術は私のほうが教えてほしいくらいだし、歴史は、史書でも読んでればもう何とかなりそうなレベルだからね。


ユーリ様は、こんなにも超人的なレイシェン君の家庭教師としてさらに、ライラ氏とホウエン氏を着けるらしい…。
どちらも、風流を極めた文化人として有名な彼らをどうして子供の家庭教師になどできるのだろうか…。
その道を歩むものならば師事したい人として必ず上げるような彼らを着けられるレイシェン君は、どれほど期待されているんだろうか…。
というか、プライドの高い彼らは自らのみとめた人しか師事を許さないと聞くから、その眼を乗り越えられると思われているということだろう?超人を通り越して天才かよ…。もう基礎を教わったりしてるのか?いや、さすがにそれはないか…。
きっと、レイシェン君は宰相補佐の役目を継ぐことを期待されてるんだろうな…。こんな幼いのに大変だ…。



まあ、とりあえず、ユーリ様に業務報告書を書かなくては…。
それと、この家庭教師の職務を引き受ける旨も言いに行かなくてはね。


「どうでしたかな、小生の自慢の子は?」

!!テスト結果を確認していたらいつの間にかユーリ様が傍にいた…。全然気づかなかった。

「超人もしくは天才です。家庭教師のお話が回ってきたとき、あのように試すなどと……申し訳ありませんでした。」

「いいや、それはいいんのだが…。家庭教師の話は受けてくださるということでよろしいかな?」

「もちろん受けさせていただきます。実は、私の意地で、途用試験と同程度の難易度の問題にしたのですが、………………………………。」

という訳で、レイシェン君の驚異的なテスト結果を申し上げる。

「そうか…。やはり、あの子は天才だな…。それにいつの間にそんなに知識を蓄えていたのか…。でも、その難易度はやりすぎでは?」

「いいえ、これでも算術に至っては図り切れませんでいた。こんな計算式や公式は見たことがありません。むしろ私が教えを請いたいくらいですよ。」

「それほどなのか!?だが、算術書などルーリス殿の屋敷にはもちろんここにもほとんどないはずなのだが…。一体どこから学んだのだろうか…。」

「そうだったのですか…!?では、これらはレイシェン君が自身で編み出したということになるのですが…。まあ、とりあえずはこのことは置いておかせてください。ええっと、今後の授業方針ですが、算術と歴史についてはあまり問題がなさそうなので、ざっくりとした確認のみとさせていただきます。それらが終わり次第、詩歌と外国語を学んでいただこうかと。これでよろしいですか?」

「私は、貴殿の授業方針には関与する気はないよ。あの子が途用試験に通る実力を身に着けられるのならばね。」

「それは勿論です。レイシェン君にやる気がある限り、必ず実力を身に着けていただく自信がございますゆえ。」

「じゃあ、頼んだよ。」



ああ~緊張した。ユーリ様は騎士の家系からの文官だからと、宰相補佐まで上り詰めた今でも馬鹿にするような奴はいるけれど、あの貫禄をみたことがないんだろうな~。細身なのに、大柄な騎士のような威圧感も持っておられるから、余計に緊張する…。
まあ、とにかくはレイシェン君に知識を身に着けてもらわなくてはね。読書が趣味ということだから、この邸になさそうな異国の歴史書や、詩歌の教本なんかも仕入れてみるか…。


5歳までにそれらの知識を詰め込ませようとするとか、なかなかに鬼畜だよ、ユーリ様は…。
ふつうは10歳前後で修了しても天才扱いなのに…。
騎士の家系の出のせいで、文官としての常識が足りないのかな………。
とりあえずは頑張りますか……。
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