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第三章 「変化した路」と「約束を守るために」

新たな場所で6

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「お疲れさまでした。これで今日はおしまいです。今日のテストは、今後の授業方針に生かさせていただきます。それでは、失礼いたします。」

という訳で、屋敷に来た翌日の今日、家庭教師の人のうちの一人の作ったテストを受けていました。
執事長は合計3人といっていたのですが、それぞれ、文官としての知識全般、要はこの国の歴史や詩歌、算術とかをを教える人、二胡と華道を教える人、香道と茶道を教える人というように分担しているみたい。
順に、ユリス先生、ライラ先生、ホウエン先生って言うんだって。三人とも一流の教師だって、お父様が言ってた。
今日来ているのはユリス先生で、現状を確かめるためってことで。テストを受けてたの。
計算と歴史と詩歌があったんだけど、詩歌が全く書けなかった…。計算は前世と同じだし、歴史はこの国のも諸国のも、大体は本から知ってたんだけど、詩歌は触れたことがなかったからな~。前の屋敷にはそれ関連の本はなかったし。
あと、近隣とかかわりの深い4カ国語くらいはマスターしたほうがいいって言ってたな…。そんなに覚えるなんてほんとに大変…。今日から本を読んで学んでみるか…。

ああ、そうそうあの書斎みたいな部屋は、幼いうちは勉強を教わるために使うみたい。
豪華すぎないかな?って思うんだけど、家庭教師の人に家の威信を示すんだって。難しいね。

午前中は引き続きセバスからマナーを学んで、午後は先生たちが着き次第、日に二人づつから教わるといったスケジュールになるみたい。


「レイシェン様、テストはどうでしたか?」

「難しかったよ~、セバス。算術や歴史はともかく詩歌はやったことないからね…。」

「お疲れ様です。初めて触れることは家庭教師殿らから学んでいけばいいのですから、大事なのはこれからですよ。」

「そうだね。………うん!今日はもう予定はなかったよね?」

「はい。」

「じゃあ、図書室の本で勉強してるよ。」



というわけで、自習です。
その間セバスは、執事長にしごかれてるみたい…。頑張って、セバス。


今日は、語学かな~?とりあえず、どんな国があるか見てみるか…。

『この世界の土地は、大陸が一つと諸島がいくつかあるのみです。諸島は付近の大陸の国か、海洋諸国連合という名の海賊たちの国になっています。大陸は、四分の一位がアンエイル帝国という軍事国家に占められ、次に5分の一くらいの大きいさがフリエイラ公国、さらに公国の半分くらいの大きさの王国が3つあり、スェイデリゼ王国・桜花王国・レイテ王国という名前です。
東西に長い大陸の、東に帝国、西に公国があり、その間を分断するように三国が位置します。
残った大陸の4分の一位の土地は、飛び地となっており、小国になっています。大体、10国前後ありますが、その時々により合併されたり、新しくできたりと変わっています。
なので、安定して国として存在するのは自国と海洋諸国連合を含め六国といえるでしょう。
これらの国は、それぞれ違う文化をはぐくんでおり、公用語もそれぞれ違います。ですが、基本的には、西は公国よりの、東は帝国よりの言語や文化を持っています。海洋諸国連合は全く違った風習を持つといわれていますが、その秘密主義によりあまり明らかになっていません。』


へー、改めて見てみると、不思議な感じ。
しいて言うなら、西が和・中華風、東は欧州風でしょうか。桜花王国という名前からも分かるように、和風の文化は大抵この国かららしいです。
さらには、公国と帝国は仲が悪くしょっちゅう小競り合いをしてたんだとか…。間に三つの王国を挟むような今の地形になってようやく安定したらしいです。
まあ、とりあえずは海洋諸国連合を除いた4カ国語は覚えなくては…。
各国の中にも、部族ごとの言葉とかがあるので、細かく分けるとこの世界には300以上の言語があるみたいです。
ひぇ~…ですね。






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各国の位置関係ですが、イメージ図をTwitterのほうに上げてみました。
もし、分かりづらければご参照を。
(見なくても分かるように話は進めていくつもりです。)



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