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第四章「得られた仕事」と「異国の地」
お父様とともに2
しおりを挟む「それじゃあ、任官式も住んだことだし左宮に向かおうか。」
たしか、陛下のいらっしゃる御座から見て左手にあるから、文官の職場は左宮と呼ぶんだったよね。
「お父様、10歳でも早いってどういうことですか?」
その道中、問いかける。
「うん?ああ、陛下のお言葉のせいで気づいちゃったんだっけ。5歳前後はさすがにむちゃだよね~。天才がどこまでできるのか興味あってさ。一般的な年齢よりかなり早く官となることを許容してもらうこと、交渉するの苦労したんだよ~。」
独り言のように返された…。
僕の望みをかなえた風に言っているけれど……これはなんとなく、お父様のお遊びに付き合わさせられた気がする…。
3年と少し息子をやってわかったけれど、お父様って意外とお茶目なんだよね…。いたずらとか人をからかうことが結構好きだし。
そんな風に考えていると、左宮に入った。
「レイ、ここが宰相府だ。」
そういわれて入った部屋には、たくさん机が並んでいた。そのすべてに書類と思われる紙が山積みになっていて、そこに向かう人たちも忙しそうに仕事をしている。その奥には、並べられた机と直角になるように3つ机が並んでいた。
「遅い!!ユーリ仕事が溜まって……、誰だ?その幼子は。って、その房飾り⁉」
奥に向かうお父様を追いかけつつ周囲を観察していると、突然怒鳴り声が響いた。
「すんないね、ケーレ。今日はレイの初仕事なんだよ。任官式に行ってたんだ。大目に見てくれ。」
誰が怒鳴ったかとみてみれば、奥の3つの机の一つに座っていた男の人だった。
「ん、レイ……?お前息子なんていたのか?」
その人が、僕のほうを見ながら言う。
「ああ、3年前に養子をとった。レイ、こいつは私と同じ宰相補佐のケーレ。レイから見れば一応、上官に当たる。」
「おいおい、そんな話初耳だぞ?それに一応じゃないだろ!」
その人が、しかめ面をしながら返す。
その間に、上官に当たるというお父様の言葉から、跪拝する。
セバス曰く、直接の上司に当たる人に初めて挨拶するときは、跪拝をしなきゃいけないらしい。ただし、陛下については左ひざをつく形でひざまずくんだって。変な風習だよね。
「お初にお目にかかります。ハインリッヒ宰相補佐官の傍付きに着任いたしました。レイ・ハインリッヒと申します。」
「ああ、これからよろしくな。俺は宰相補佐を拝命している、ケーレ・カフドだ。って、跪拝!?ほら、立って。」
挨拶を返されたが、跪拝をしていることが何かおかしかったらしい。
慌てたように、立つよう促されてしまった。
「は、はい。」
「ユーリ!お前も意地がわりーな。跪拝は昨年廃止されたのを知らなかったわけないだろうに。」
「ああ~すまん、レイ。伝えるの、忘れてた。セバスが知るわけないのにな。」
そんなことがあったとは…。
「まあ、とりあえずは宰相閣下にご挨拶だな。」
「今はいらっしゃられるか?」
「ああ。いつも通りそこの宰相室で仕事中だよ。」
「んじゃ、レイ。行こうか。」
「は、はい。」
今度は、宰相閣下のもとに挨拶に行くらしい。
緊張するけど、国王陛下よりはまだましかな……。
ていうか、お父様。邸内の時と話し方が変わってませんか……?
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