この度、転生することになりまして

藍風月

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第四章「得られた仕事」と「異国の地」

お父様とともに3

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宰相府の奥にあった宰相補佐官の机のさらに奥の扉が、宰相閣下の部屋らしい。

コンコンコンとノックをするお父様の横で返事が来るのを待つ…。はずなのですが、

「宰相閣下、失礼いたします。」

返事が来る前に、お父様は開けてしまいました。まだノックの返答が返ってきていませんよ…、いいのですか?

「ユーリ、まだ儂は了承をしておらなんだが?」

ほら、怒られてしまった。

「おや、そうでしたかな?それはそれは、失礼いたしました。」

「まったく。それで、朝礼にはまだ早いはずだが、何か起きたか?」

それだけで許されるんですね。これって、お父様が常習犯であきらめられているのでしょうか。それだったら嫌ですが…。

「いえ、そういうわけでは。今は、小生の傍付きに着任したレイシェンの挨拶の付き添いです。レイ、挨拶を。」

「は、はい。お初にお目にかかります。先ほど、ハインリッヒ宰相補佐官の傍付きに着任いたしました、レイ・ハインリッヒと申します。」

「そうか。今日からだったか。やはり、まだ小さいの。5歳だったかな、ユーリ。」

「ええ。もともと素質があったのか、たった3年と少しで知識も十二分に磨けました。もう少し家で勉強させてもよかったのですが、文官として使える人間を、幼いというだけで何年も家で腐らせるのはよくないかなと。」

そんな風に思われていたんですね。

「まあ、それもそうじゃの。今のこの王国は人材不足がはなはだしいしの。こんな老体まで、使うくらいじゃし…。まあ、年寄りの戯言は置いておいくとしよう。レイシェンよ、ユーリを見習ってよい文官になるんだぞ。」

人材不足ですか。だから僕もこの年齢で傍付きになれたのですね。

「は、はい。」

「うむ。……そうじゃ。明後日の昼休憩の時に、傍付きの子らの集会というかお茶会?があるから顔を出すといいぞ。場所はいつも通りじゃから、後で誰かに案内してもらいなさい。」

「わかりました。顔を出してみようと思います。」

「傍付きの意義は、同年代と顔をつないでおくことじゃし、そのほうがいいだろう。そういえば、ユーリ。今日の昼に午前会議が入っているから、ケーレにも伝えておいてくれ。…さてともういいかの。」

これは、退出しろってことかな。

「はい。失礼いたしました。」

お父様の行動からすると、当たってたみたい。

「失礼いたしました。」

僕も挨拶とともに退出する。




「さてと、レイ。私の隣の低い机がお前の仕事ようになるから荷物はここに置きなさい。レイには、いろんな雑務とともに書類のチェックとかも担ってもらう。まあ、ざっくりいうならこの宰相府の一般の官吏と同じような仕事かな。とりあえずは進める中でわからないことがあったら質問しなさい。」

3つの内の端の一つですね。

「はい、お父様。」

「ああ、それと、仕事中は家名と役職名で呼ぶこと。ただし、房飾りをつけていない時は役職名の代わりに爵位をつけるようにね。」

確かに、けじめは必要だよね。

「承知しました、ハインリッヒ宰相補佐官。」

「よろしい。ああ、そうだ。ケーレ、今日の昼には御前会議があるそうだ。」

「ん。了解。レイシェンもつれてくか?」

「ああ、そうしようかと思っている。」

え・・・。まだ、出仕1日目なのですがいいんですかね?

「んじゃ、レイにも今やってる大仕事の説明が必要だな。会議の1時間くらい前になったら、レイをこっちによこしてくれ。」

「ああ、頼む。」

どうやら二人の話が終わったみたい。

「それじゃあレイ、御前会議はわかるな。」

「もちろんです。週に一回、もしくは緊急事態が起きた時に行われる、陛下と各省庁の長官、補佐官が出席する会議ですよね。」

この国では、陛下を頂点として、左宮に文官、右宮に軍部が控える。
(文官と騎士はそれぞれ独立しているがために、予算などでたびたび対立を起こすのだが…。)
文官は、”宰相府”を頂点に5つの省に分かれ、”外交・法・財政・人事・土地”をそれぞれ扱っている。
さらに、国王直属の文官の集まりとして、宰相府からは独立して存在する”監視庁”という部署がある。
よって、文官として御前会議に参加できるのは、これら7つの府、省、庁の長官と補佐官ということになる。

「ああ、そうだ。そこで傍付きとして、会議の内容の議事録を取ってほしい。今までは、こちらでやっていたんだが、他に任せられるほうが楽なんだ。それと、会議の間は、私の席の後ろに控えることになる。」

「はい。」

「代々の議事録帳があるから、後で渡すな。今までの書き方を見れば大体わかるだろうから、その続きに書くこと。それと、まぁないとは思うが、もしレイに話しが振られたときには、小生もできるだけかばうが、自分でうまい事さばけ。それも又いい経験になるだろ。さて、御前会議については、このくらいかな。」

上手い事さばくって…。まあ、そんなことが起きないって信じることにします。
これが、フラグって言うんですかね…。今から嫌な予感がしてきました。

「それじゃあ、これから仕事を始めるか。ええっと、とりあえずはこの山2つの誤字脱字と計算ミスのチェックと、この山の清書を、今日の御前会議までに頼む。会議で使う資料だから、丁寧にな。」

お父様の机にあった書類の山のうち示された3つを僕の机に移します。
よっこらせ……っと。
げ、さすがに多くないですか…。そうだ!会議で使うんだったら…。

「ええっと、複製はいいのですか?」

「ああ、そういえばまだ知らないのか。実はな、王宮では複製のための便利な機械があるんだ。そいつを通すと一瞬で必要な枚数を複製できるんだよ。」

なるほど、コピー機みたいな感じでしょうか。

「わかりました。とりあえずは、これを終わらせることにします。」

「ああ、それが終わったら声をかけてくれ。また新しい仕事を渡すから。」

「はい。」

そんなわけで、始めますか。

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