ゴブリン戦記

木下寅丸

文字の大きさ
41 / 47

【番外編】名探偵ピーチ

しおりを挟む
ピーチ:「うちのプリンがない!!」





勇者の家に寝泊まりするようになって1ヶ月が過ぎた頃。
ピーチは怠惰の限りを尽くしていた。



ピーチ:「お昼はまだかー勇者」



体をボリボリかきながら言う。
勇者はそんなピーチを気にとも留めなかった。



勇者:「今日は近くで採れたハーブにオリーブオイルをかけたサラダと」
  :「なすとベーコンのトマトパスタを作ってみたよ」
  :「さぁ召し上がれ」



気分はさながらコックのように、
料理を振る舞う。



ピーチ:「これうめーなー」
   :「勇者。おまえ結婚したら良い夫になれると思うよー」



勇者も食事を一緒にする。
食べている最中にふと勇者が呟いた。



勇者:「君、幸せそうに食べるよね」
  :「なんか見ている私まで幸せな気分になっちゃうよ」

ピーチ:「なんだー?まさか、うちの美しさに見惚れてしまったのか?」
   :「どうなんだー?おいおい勇者ー」

勇者:「そうなのかもしれないな」
  :「食べている君はとても美しいよ」

ピーチ:「///」



てきとうに言っただけだった。 
なのに真顔で言ってくる勇者に、
ピーチは照れて何も言えなかった。



ピーチ:「全く、調子狂うなー」
勇者:「何がだい?」
ピーチ:(こいつ、、、)





食事が終わる。



ピーチ:「ごちそうさま」
   :「片付けよろしくねー」

勇者:「はいはい」



家事全般を勇者に押し付け、
すっかりヒモのようになったピーチ。





そのような生活のとある日に、事件は起きる。



朝起きたピーチは、
冷蔵庫を開けプリンを食べようとした。



しかし、プリンの姿はなかった。
ピーチ:「うちのプリンがない!!」



怒りに震えるピーチ。



ピーチ:「誰だうちのプリンを食べたのはー」
   :「絶対に許さん<`ヘ´>」



冷蔵庫の周囲を良く見渡す。



ピーチ:「、、、これは?」



そこには、
プリンとカラメルが混じったような色の雫が、点々と落ちていた。



ピーチ:「くんくん。、、、微かにカラメルの匂いがする!」
   :「馬鹿な犯人め、うちをまえにして証拠を残すとは」



雫を辿るピーチ。
勇者の部屋の前まで進むと、雫は途切れた。



ピーチ:「勇者。まさかおまえ、、、」



ドアを開けると、勇者はベッドでまだ寝ていた。
手前にはスプーンと壊れたカップがあった。



ピーチ:「嘘だろ、、、。信じていたのに」



歴然とした証拠に、
ショックを受けるピーチ。



ピーチ:「でも、これはそういうことだよな」



事実を受け入れた。



ピーチ:「てめぇ、こら勇者!」



胸ぐらを掴んで勇者を起こす。



ピーチ:「うちのプリンをよくも食べたな!」
   :「証拠はハッキリしてんだよ!」
   :「おまえが食べた形跡のスプーンとカップがな!」
   :「この泥棒が!」



勇者の体を揺さぶり、
ピーチは証拠に指を指した。



勇者:「いてて、なんだよいきなり」
  :「まさか、、、。昨日のこと覚えてないの?」

ピーチ:「昨日?」

勇者:「真夜中か朝方か分からないけどさ」
  :「いきなり寝ている私にダイブしてきて」
  :「間違えた。とか言ってそのままどっか行ったじゃないか」
  :「そのとき君、プリンうまーとか呟いてたよ」
  :「食べたの君じゃないのか?」



ピーチは勇者を手放した。



ピーチ:「・・・Σ(・□・;)」





勇者:「思い出したの?」

ピーチ:「てへぺろりん」





ピーチは部屋を出て行き、
もしカメラがあるとしたら、
確実にカメラ方向を見て言った。



ピーチ:「真実というのは時に、恐ろしい事実が隠されている」
   :「しかし、うちに解けない事件などない」









ドヤ顔をし、指を指す。
名探偵ピーチの事件は、こうして幕を下した。





はた迷惑な話である。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【架空戦記】狂気の空母「浅間丸」逆境戦記

糸冬
歴史・時代
開戦劈頭の真珠湾攻撃にて、日本海軍は第三次攻撃によって港湾施設と燃料タンクを破壊し、さらには米空母「エンタープライズ」を撃沈する上々の滑り出しを見せた。 それから半年が経った昭和十七年(一九四二年)六月。三菱長崎造船所第三ドックに、一隻のフネが傷ついた船体を横たえていた。 かつて、「太平洋の女王」と称された、海軍輸送船「浅間丸」である。 ドーリットル空襲によってディーゼル機関を損傷した「浅間丸」は、史実においては船体が旧式化したため凍結された計画を復活させ、特設航空母艦として蘇ろうとしていたのだった。 ※過去作「炎立つ真珠湾」と世界観を共有した内容となります。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-

ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。 1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。 わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。 だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。 これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。 希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。 ※アルファポリス限定投稿

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

処理中です...