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旅の記憶は輝いて
エピローグ
しおりを挟む《教会地下室》
魔法陣が瘴気を放ちながら発光する
暗く湿気を感じる地下室に
残された二人はいた
「アベル。君も彼らと共に逃げなさい」
少女が優しく言い聞かせるように声を出す
服を纏わず白い陶器のような肌に
淡く光る白い光を放っている
床に着くほど長い白髪が体を隠す
「いえ主人様…僕は最後まで見届けたいのです」
祈りを捧げるアベル
「いくらアベルが不死身でも、その身を焼かれるのは苦しく辛いでしょう。私はそれが悲しい」
顔を上げ、それでもアベルは頷かない
「ご心配ありがとうございます。でも、それは主人様も一緒のはず。いくらそのお身体でも、激しい痛みを感じるはずです…」
苦しそうな顔をした
「ならばせめて、痛みでも悲しみでも僕は共に背負って主人様と歩みたいのです。どうか、私の身勝手な願いをお聞きとどけ下さい」
涙を流し懇願する
大らかで純粋な彼の言葉は誰よりも真っ直ぐだった
「……仕方のない子だ」
苦笑しアベルの頬を流れる涙を拭う
「泣いてばかりいると、枯れてしまうよ?」
「貴方が泣けない分、私が泣くのです」
互いに見つめあい
気持ちを交わす
「始めよう」
前を向く
後ろでは跪き祈りを捧げるアベル
神と信徒がそこにいるような光景だ
部屋が魔法陣の光に染められる
ピンク色の光の中から黒い影が現れた
そして形を成す
長い髪に赤と黒と金の衣
白髪に一筋のピンクの前髪が揺れる
黒い山羊の角を生やしており
異形だとわかる
それが目を開く
「……………キサマハ」
人の言語ではない音を発したがそれでも言葉が伝わった
黒い目に金の瞳がアベル達を見る
「こちらにようこそ。早速で悪いのだけど、消えてくれたまえ」
アスモデウスが理解する前に
事は起きた
「全ての不浄を白き劫火で焼き払え 今 空より來る光芒堕天の矢よ 放て」
極大の魔力が溢れる
それは魔法陣とは比べられないほどの何かが
空から迫ってきていた
アスモデウスは一つだけ理解した
自分はこれから
消されるのだと
地下室で少女と神父が
静かに笑みを浮かべて光に飲み込まれた
≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫
「……」
テントの隙間から青い月明かりが差し込んでいた
真夜中に目が覚めてしまったようだ
テントの中を見やる
お腹を出して寝ているオプタと足を出している兄弟を見て微笑む
蹴飛ばされた布を掛け直す
「…あれ」
奥の布団に寝ているはずのスノーの姿が見えなかった
風にでも当たっているのだろうか
夜風は冷える
自分のかけ布を持ってテントから出る
冷たい空気が頬を撫でる
冷たい空気が肺に染み込み流れる感覚は好きだ
隣のテントにはカインとアベル
そしてスイウンが寝ているはずだ
激しい戦いの末にスノーと一緒のテントを勝ち取った
焚き火はすっかり消えている
夜の森は静かで遠くの方で鳥や夜行性の獣の気配がする
獣除けの術があるから大丈夫だろう
スノーの姿が見えない…
「…導きの光よ スノーのところに案内してくれ」
小さな光が手のひらに現れホワホワとゆっくりと飛んで移動した
青白い月明かりで森はより静寂さと神秘的な雰囲気を醸し出していた
獣道もすすむ
木々を抜け
白い光が差し込む道を歩いて進むと
茂みがあった
そこから景色を覗く
……………!
一面の白い景色が丘に広がっていた
本で見た事がある雪原のようだと一瞬思ったが
白は揺れていて
俺は花だと気づく事ができた
そしてその奥に
月光に照らされた髪を風に吹かれながら
目当ての人物がいた
その神々しさに
俺は目が奪われる
パキッ
スノーが振り返る
俺と目があった
気づかずに枝を踏んでしまったようだ
白い花が咲く丘で
そこに佇んでいたスノーの顔は
どこか悲しげで一筋の雫が光を反射して流れ落ちていくのが見えた
神話で悲劇の月女神のお伽噺を想起させるほど
美しく
胸が切なくなった
俺は走って抱きしめたい胸の衝動を抑え
ゆっくりと
大股で確実に近寄る
足踏みする度に
虚しく白い花びらが散っていく
「……こんばんは」
なんて声をかけていいかわからなくてそう言った
スノーは僅かに微笑み
「こんばんは。ヴァルツ….」
憂いを帯びた顔でそう言った
丘の頂上で座っているスノーの隣に立つ
月光が眩いのでよく顔が見える
「隣…座っても?」
「どうぞ」
隣に腰掛ける
そしてスノーの肩にかけ布をかける
「ありがとう」
「夜は冷えるからな。寝られないのか?」
「うん。ちょっとね…」
スノーは上を向いてそう言った
静かに見下ろす青い月がある
沈黙が続く
「…この花綺麗だな。こんなに咲いてるなんてすごい場所を見つけたね」
「覚えてる?」
手前の花を撫でてそう言った
「なにを?あっ」
思い出した
俺とスノーが出会い、目覚めた日に俺に教えてくれた花
「これが、白花のスノウだったか?」
「正解」
微笑む
間違えなくてよかった
スノーは鞄からカップを取り出し水を入れ
魔法石で沸かす
「どうぞ」
「…どうも」
お湯を手渡された
スノーがくれたものならなんでも嬉しいけど
凝り性のスノーにしては珍しい
湯気立つ白湯を飲もうと口に近づけられるが止められる
目で尋ねると
口元に笑みを浮かべ
手元の花を手折る
そして花の萼から上をとったようだ
それを俺が持つカップの上に浮かべる
月明かりが照らし水面に映る月と花が揃う
湯気と温もりと一緒に花の甘いすっきりとした香りが上品で濃く
高級な茶葉に勝るほど美味しく感じられた
「すごいいい香りだ!とてもおいしいよ!確か生花の方が香りがいいと教わったけど、こんなにも違うんだな」
一口飲む
ふわぁと溶けるように染みる
「フフ、物覚えのいい生徒でよかったよ」
隣で嬉しそうに笑う
「スノーの分は?」
「…気にしなくていいよ。一つしか持ってきてないんだ」
「な、なら一緒にどうかな?君が気にしないならだけど….」
いちいち照れてしまう俺
「いいの?じゃあ頂こうかな。…うん、とてもおいしい」
二人で交換し合いながら一つのカップで飲む
幸せだった
「…何か辛いことでもあるのか?」
カップを両手で持っていたスノーが落としそうになり
咄嗟に手を重ねるように支える
そして、視線がぶつかる
キラキラと光る瞳はどんな宝石よりも美しいと思った
「話辛いならもちろん話さなくて大丈夫だ?ただもしスノーが一人で抱えるには辛いのなら、俺にも背負わせてほしい」
自分がとびっきりの甘言を言っている自覚はなかった
「優しすぎるよ君は‥.そういうわけじゃないんだ。ただ….」
一息吐いて話し始める
「俺はねヴァルツ。…記憶がないんだ」
「記憶?」
初耳だった
「幼い頃は老魔術師に育てられたんだろ?その前の話か?」
「それもあるけど、その後なんだ。アレクと共にあてのない旅をしていたはずなんだ。なのに時折、こんな月が綺麗な日には欠けた何かを思い出しそうになる」
月を見上げながら言った
その横顔は綺麗で、辛そうな表情だった
「ふとした時、そう朝起きた時や一仕事を終えた時、久々に人と会話した時、寝る前の読書を終えた時、焚き火を囲んでいる時、そうふと誰かがそこにいる気がするんだ。でも俺は思い出せない。そんな記憶はないのに辛くて、寂しくなるんだ」
そう話すスノーは悲しそうで
俺は思わず肩を抱く
スノーは驚きもせずに
白いかけ布を俺にもかけてくれた
「記憶の混濁か、喪失があると?」
「かもしれないし、イマジナリーフレンドっていうやつかもしれないな」
ずっと一人でいたしあり得るかもと笑う
「笑うなよ」
「え?」
「辛いなら、笑わないでくれ。俺は心から嬉しそうに笑う顔が好きだ」
思わずそう言った
「ありがとう。こんな話ができたのは君が君らしいからだね」
「俺が俺らしいってなんだよ」
「そういうところ」
揶揄うように笑う
その笑顔に俺は嬉しくなる
「なら今日だけ、こんなに美しい月が照らす夜だけ。こんな俺を許してくれ」
「許すなんて…。俺は本当にスノーが幸せになってほしいんだ。許すとか許さないとかじゃなくて、君の弱さも苦悩も幸せも、俺が共にできたらと思う」
恥ずかしいことを言っている
だけど恥ずかしくはない
心に誰も嘘をつく事はできないのだから
「うぅ…寂しかった。ずっと、居場所がなくて、人と深く関わるのが怖くて、幸せそうな人たちを見ると、俺は、妬ましく思ってしまったこともあった。でもきっと俺には永遠に手に入らないものだから見ないふりをして、気楽な旅商人だと言い聞かせて、迫害された時もお爺さんが亡くなって家を焼かれた時も俺は、俺は…」
俺の胸に抱かれながらスノーは、抱えていたものを吐き出す
嗚咽を上げ辛そうに涙を流す度に俺は
胸を締め付けられるような苦しさと
愛おしさを感じる
こんなに純粋で綺麗に笑うスノーが
なぜ悲しまなければならないんだ…
俺はスノーを強く抱きしめる
そのあともポツポツと胸中に秘めた
己の心の澱を剥がすように話してくれる
黙って頷き相槌をうつ
片手で抱き寄せ片手で艶やかな髪と頭を撫でる
しばらくすると顔を上げたが
恥ずかしそうにグスっとして視線を逸らす
俺は軽く笑って指でスノーの目元を拭う
「ありがとうヴァルツ……ヴァルツのバカ」
「…はは、感謝なのか怒っているのかわらがないな」
「……フフ、どっちもだよ」
二人でクスクスと笑う
触れ合った温もりが確かだった
「こんな自分は嫌いだった」
「……そうなのか」
「うん。強くなくちゃいけない。生きてくには仕方がない。日の当たれない暗がりの道を歩くしかないって、ずっとそう思っていた」
「そんなことはないぞ。世界は広い。俺より詳しいだろ?」
「うん」
「確かに強さは大事だ。でも弱くていけないなんて誰が決めたんだ」
「うん」
「俺は、……スノーは強いと思う」
「俺が?守ってもらってばかりじゃないか」
「そんなことはない。スノーの作る料理が俺も他のやつも大好きだし、スノーの旅の話は面白くてためになる。そしてなんでも知っていて、手先が器用で、意外とドジですぐ照れる」
「後半いらなくない?」
「ハハ、そして誰よりも優しくて面倒見が良くて花が好きで交渉がうまくて笑顔が素敵だ」
「な、なんだよほめたってなんも出ないよ」
「うん。それでもいいんだ。俺はスノーが素敵な人間だって知ってる」
スノウの花を手折りスノーの耳にかける
優しく微笑むヴァルツにスノーは目を奪われた
金色の髪が揺れ同じ色の瞳が
愛おしそうに見つめ、スノーは動悸が早くなり胸がざわついた
「や、やめてよ。俺みたいな見た目で嫌われる。白い魔女の末裔なんて呼ばれる俺なんて」
「スノーでもスノーの悪口を言うのは許せないな」
コツンと額と額をぶつける
スノーはきょとんとする
「ど、どうしてそんなに、優しいの?」
「………知りたいか?」
ヴァルツが普段とは違う低く男を感じさせる声で囁く
「……」
頷く
「初めて会った時、そして目覚めた時俺は運命の人と出会ったと思った。そんな気持ちになったの初めてだった」
さらに抱き寄せ
手を握る
かけ布が落ちて二人がより月明かりに照らされる
「ゔ、ヴァルツ…」
「君と過ごす時間が増える度にますます君に夢中になった。その白い指先が動く度に俺は目で追い視線が絡む度心臓が高鳴り君が笑みを浮かべる度に俺は、俺は君を愛しいと思った」
二人の距離が
狭まる
息を呑む
それはどちらの音なのか
「俺は君が、スノーが好きだ」
飾り気のない
真っ直ぐな言葉が届く
スノーは目を開きみつめ
ヴァルツは真摯な表情でみつめる
二人を包むように拭いた風に舞った白い花びらが舞う
互いの唇が触れる
そして二つの影は
繋がった
≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫≫
ハックシュッ
「うわきたねー」
「……」
暖かい日差しの中森の中を歩く
俺たちは次の街へ進んでいる
最初に比べ賑やかになったものだ
子供たちはアレクに乗せてもらい楽しそうだ
アベルがカインにしつこく話しかけてカインは
嫌そうな顔で背負われている
スイウンは俺の隣で歩いている
……スノーはアレクの手綱を握って子供たちを見ているようだ
「…風邪ひいたんじゃねーの」
「大丈夫だ」
「ふーん」
興味なさそうに答える
「昨日冷えてたしな」
「まぁな」
「で、どこ行ってたんだよ」
「え」
「だから昨夜、気配が動いけどお前だったし放置したけど夜中にぶらつくから風邪になんだよ」
「風邪じゃない。…すこし風に当たりたかったんだよ」
「それで体調崩したら馬鹿だよな」
「……うるさい」
嫌味攻撃を受け流し歩く
昨夜のことを思い出す……
「……」
互いの唇から濡れた音がして離れる
あの時とは違う
光に濡れた綺麗な瞳が俺を映す
「……ごめん。勝手に、キスして」
今更自分がしてしまった行為に驚く
でも、今だと俺の中の俺が告げたのだ
スノーの反応が気になる
俯く顔を見ると
口元に手を当て赤く頬を染めていて
か、かわいい!!!
「……お、おれ」
「ん?」
「…初めてだよ」
「え!?で、でも以前俺にしたって…」
「あ、あれは治療目的だしカウントしないよ!」
「ならこれはカウントしてくれるの?」
「それは、まぁ、うん」
「よかった…ちなみに、俺も初めてだから」
俯いていた顔を上げ驚いたあと悔しそうな顔をして
俺の胸を叩いた
あやすように俺はスノー背中を優しく叩く
「俺、こ、告白しちゃったんだけどさ」
「あっ、うん」
「返事は、待つよ」
「いいの?….」
「うん。弱みにつけこむようだし、き、キスはしちゃったけど。許してくるか?」
「…いいよ」
それは、嫌じゃなかったということか
嬉しさが俺の心に広がる
「ごめんね」
「え!?」
「あっ、そっちじゃなくて、返事はちゃんとする。だから待ってて。そうだじゃあ王国着いたら、ちゃんとする」
申し訳なさそうな顔をする
「ああそれでいい。いくらでも待つよ。ありがとう真剣に考えてくれて」
ぎゅっと抱きしめる
そして俺に腕をまわしてくれる
愛おしさで涙が出る
「……そろそろ戻ろうか」
「うん」
そうしてテントに向かう
振り返って白い花が咲く丘を見つめる
景色を焼き付けるように見て
俺はスノーと共に夜道を歩いた
そんなことがあったのだ
はぁとため息を吐く
あれは夢だったのではないかと思ってしまうぐらいの出来事だった
「ため息ばっか吐きやがって」
「…悪い」
「…本当に大丈夫かよお前」
珍しく心配そうなスイウンに軽く手をふり大丈夫だと告げる
青空に白い雲が流れている
この先は大きな街とあと少しで祖国だ
俺は少し胸がざわついた
告白の返事がどんなでも
俺はスノーの味方であり続けると俺は誓う
ハハ、人を愛するってこんな気持ちなんだな
「……今度は笑い出した。きもちわる」
スイウンの呟きは聞こえなかった
後ろで子供たちとスノーの笑い声が聞こえ
横目で見る
するとスノーと目があってしまい
心臓が止まるかと思った
スノーはハッとしたあと
照れたように視線を下げ頬を染め
上目遣いで小さく手を振った
………
可愛いすぎないか!?
内心の叫びは
誰にも聞かれる事はなかった
俺たちの進む先に一迅の風が吹き
鷹が空を飛んでいった
≫≫旅の記憶は輝いて END≫≫
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