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第二部
60話 帰蝶姫、暗躍しまして2
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拝啓、父上殿。お元気でお過ごしでしょうか。
二人の兄上と弟妹たちも、かわりはありませんか。
私のほうは、つつがなく過ごしております。
最近、義龍兄上のところで不穏な動きがあると聞きました。どうか用心してください。
もしも不安でしたら、孫四郎兄上と喜平次兄上を、義龍兄上のもとへ行かせて様子を見させてはどうでしょうか。
お二人は私の自慢の兄上です。きっと終生父上のお力になってくれます。
どうか、二人の兄上を大事になさってください。
いつまでも親子三人、鷺山城で仲良く暮らされますよう、祈っております。
帰蝶
追伸、誰かに知られぬよう、この文を読んだら燃やしてください。
斎藤道三は深く溜息を吐いた後、二人の息子が文を読んだのを見てそれを行燈へくべた。
娘から来た手紙は、これ以外はすべて重箱に入れて、後生大事に保管してある。
本当はこれだって、こうして灰になどしたくなかった。
目に入れても痛くないほど、蝶よ花よと可愛がって育てた姫だ。
隣国とは言え嫁にやってしまったから、近況を知れるのはこうして時折届く直筆の手紙だけなのだから。
「父上、これは……帰蝶が?」
音もなく灰になった文を横目にして、孫四郎の方が口を開いた。
凛とした背の伸ばし方からは、かつて妹を疎んでいじめていたような印象はない。
「義龍がよからぬことを考えている。信じられるのはお前たちだけだ。儂は鷺山城から出るな。とあるな」
再度深く重い溜息をして、道三は続ける。
こちらも以前とは変わり、息子でも娘でもその眼光で射抜いて竦ませていた、蝮と呼ばれ恐れられた様相はだいぶ潜められていた。
「孫四郎喜平次、どう思う?」
「不自然です」
「ええ。我らの妹はこんな気の利いた文が書けるような女ではありません。誰かに操られているのでは?」
「だが喜平次、無理矢理書かされたとしたなら、文字や文章に違和感が出るはずだ。それに、あの帰蝶が誰かに脅されてその通りに書くタマか?」
兄に窘められ、たしかに、と喜平次も眉を寄らせてしまった。
あの娘は、父に従うことも、兄を立てることもしない。夫や他の男に屈することも、ないだろう。
自分の思うままに、自分の信じたことをする女だ。
「お前たちも、おおむね儂と同じ意見か」
どうしたものか。
国の事はもうほとんど、稲葉山城の方に任せている。
庶子だったが長男は出来が良く、若さ故の粗さはあるもののうまく領内をまとめていると、親ながら自負している。だが、そう考えない者もいるということか。
父上、と孫四郎が恐る恐るも遮った。
「操られている様子は感じられないにしても、帰蝶が何か伝えたがっているのは事実でしょう。ならば、帰蝶の言う通り私と喜平次で兄上の様子を見て参ります」
「だが……」
「大丈夫です。兄上には、この文が来たことは黙っておきますので。余計なご心配はさせないよう、周囲を探るのみにいたします」
「そうだな、それしかない、か……」
蝮は渋々に了承すると、二人の息子を見送った。
孫四郎も喜平次は大事だが、義龍も帰蝶も、大事だ。
痛くもない腹を探られるのは嫌だろうが、今は、息子たちに任せるしかない。
*******
「蝶、清州城欲しいか?」
里帰りの許可を得に信長くんの部屋に行くと、そんなことより、と逆に質問で返されてしまった。
清州城ってあれよね、尾張領内にあるでっかいお城。てことはまた戦して取る気か。
「別にほしくな……」
「欲しいそうです!取りましょう、清州城!!叔父の信光様に助けていただくといいですよ!」
「えっあっ、ほしい、かな……」
横から日奈さんが勢いよく答えてくれた。てことは、史実通りなら清州城ゲットするわけね。
信長は「んー」と唸ってから、日奈さんの顔を見る。
まだ疑っているのだろうか。
赤い髪の先をわずかに揺らして、考えたふりの信長はその手のひらをゆっくり、日奈さんの頭のてっぺんに置いた。うわ、頭ポンだ。
「日奈の言うことは信用できるからな。叔父上に聞いてみるか」
「うわわわっ、あ、あの、信じて、くれるの……?」
「お前は蝶が信じてる友達だからな。なら、俺も信じる」
幼い頃からその輝きを失わない、閃光のことくまぶしい笑顔を正面から受けて、日奈さんは固まっていた。
わかるわかる。信長くんって、急に抱き着いてきたり頭ぽんぽんしたり。女子のツボを心得てる、さすが乙女ゲームのメイン攻略対象だなって行動するよね。アイドルだったら推してた。(今世4回目。)
今度手製のうちわぐらい振るかな。
「でも叔父上、俺の言うことなんて聞くかなー。ま、先にミツに聞いてみるか。あいつ交渉とか上手いからな」
「ちょうどよかった。それなら、十兵衛は置いていくから仲良くやってて。あと、私が女だけで出かけたこと、十兵衛には内緒ね。稲葉山城だし、いいでしょ」
信長くんは結構忙しいらしい。生返事をして仕事に戻りはじめたので、私たちも早々に退散することにした。
名目はただの里帰りで日帰り予定とはいえ、教えたら十兵衛に止められるだろうからいなかったのは好都合だ。
最近、彼は信長に気に入られて私よりも城主様の隣にいることが多くなった。
史実通りって感じで心配だけど、まあ元が気弱な十兵衛くんだから、信長のパワハラくらいで大それたことはしないでしょう。是非とも親睦を深めていってもらいたい。
父上からのあの手紙の返事は、「わかった」とだけ夕凪伝いにもらった。
密書のお返事というのは、こんなものらしい。私が「燃やして」って書いたから密書扱いになったのだそうだ。
そして、私が日奈さんの護衛を、夕凪が私の護衛をしつつ久々の稲葉山城へ到着。
以前の信長少年と違って私は実家にもちゃんと顔パスなので、すぐに兄上のところへ通してもらえた。
もちろん日奈さんも一緒。夕凪は部屋の外で待ってもらっている。
だが、人払いをしたお部屋に通されていきなり、日奈さんは爆弾を投下した。
「道三様はあなたの廃嫡を考えています」
「ええええーーーーー!!??」
室内に、私の高めの声が響き渡る。広いところで叫ぶとよく通ると褒められたものだ。
廃嫡って、勘当とか絶交、みたいな意味よね?えー!?そうなの?初耳なんだけど!!
「ひひひ日奈さん、本当なの?父上がそんなことを!?」
「帰蝶、お前何しに来たんだ。うるせえから黙ってろ」
今日はお菓子を出す暇もなさそう。
兄上は相変わらずの怖い顔で、私ではなく日奈さんを睨んだ。
普通の女子高生ならもう泣いてるところだが、さすが、戦国時代にいきなり転移されても慌てないだけの度胸の持ち主。日奈さんは綺麗な形で正座をしたまま、兄へ向かっている。
「最近、身の回りを探られたりしていませんか?怪しい動きをしている者が、近くにいるんじゃないですか?」
「……それはお前らには関係ねえな。生憎、俺は占いだとか先が見えるだとか、そんなのは信じねえんだ。帰蝶、お前はこいつを信じてるのか?」」
私でもヒッと喉の奥で音が鳴った。
誰だって竦んでしまう、父譲りの眼光。それを受けても日奈さんは怯まなかった。
でもよく見れば、膝の上で握った指がちいさく震えている。そうだよね、怖いよね。
その細い指を、そっと、上から隠すように握る。
「はい。日奈さんは私の友人です。私は信じています」
少しだけ指先に、温度が戻ってくる。
今は兄上の目と戦うので手一杯だけど、少しは安心した顔になってくれたかな。
私は「でも、」と繋げる。
「占いっていうのは当たる時と当たらない時があります。日奈さんの先見の力は、先に備えるためにあるんです。父上がそんなことを考えているとは思えませんが、もし考えていた場合どうするか。心構えがあれば、違ってくるんじゃないかと」
「まあ、そりゃそうだな。だが、そいつを信じるかどうかは、別だ」
「では、疑われるのでしたら、私を牢へ入れてください」
えっ、と声が出そうになって顔を見れば、日奈さんは私の指を握り返してくれた。大丈夫だ、と言っている。
「代わりに、もうすぐこちらへ孫四郎様と喜平次様が来ます。言ったとおりになったら、私の言うことを信じてください」
なるほど。だから手紙に「二人の兄上に様子を見に行かせろ」って書かせたのね。ちょっとずるいけど、父上が私のことを信じてくれていたら兄上達を送り込んでくれる。そうすれば、日奈さんは信じてもらえる。
それでいいのかと問われ、私たちは揃って頷いた。
兄上は父によく似た深めの溜息を吐いたあと、指示を出して日奈さんを連れて行かせる。
「兄上、父上は兄上のことをそんな風に考えるひとじゃありません。父上のこと、信じてあげてくださいね」
日奈さんを追いかけつつ、兄にも私の言いたいことを言っておく。
日奈さんが言った廃嫡とかってのは、たぶん史実の出来事。だから彼女は正しいことを言っただけなのだけど、もしかしたら、変わってるかもしれない。日奈さんもきっと、変わったらどうなるかわからなくて、不安なはずだ。
部屋を出る寸前、首根っこを掴まれた。ぐえ、と汚い声が出る。
「どこ行く気だ。お前は尾張に帰れ」
「いやいや、日奈さんは私の友人です。友人が捕まってるのに私だけ帰れるわけないでしょう。私も牢へ行きます」
「おい!!」
体を捻って背の高い兄から逃れると、私は急いで日奈さんを追いかけた。
「すみませーん、地下牢ってどっちですかー?」
二人の兄上と弟妹たちも、かわりはありませんか。
私のほうは、つつがなく過ごしております。
最近、義龍兄上のところで不穏な動きがあると聞きました。どうか用心してください。
もしも不安でしたら、孫四郎兄上と喜平次兄上を、義龍兄上のもとへ行かせて様子を見させてはどうでしょうか。
お二人は私の自慢の兄上です。きっと終生父上のお力になってくれます。
どうか、二人の兄上を大事になさってください。
いつまでも親子三人、鷺山城で仲良く暮らされますよう、祈っております。
帰蝶
追伸、誰かに知られぬよう、この文を読んだら燃やしてください。
斎藤道三は深く溜息を吐いた後、二人の息子が文を読んだのを見てそれを行燈へくべた。
娘から来た手紙は、これ以外はすべて重箱に入れて、後生大事に保管してある。
本当はこれだって、こうして灰になどしたくなかった。
目に入れても痛くないほど、蝶よ花よと可愛がって育てた姫だ。
隣国とは言え嫁にやってしまったから、近況を知れるのはこうして時折届く直筆の手紙だけなのだから。
「父上、これは……帰蝶が?」
音もなく灰になった文を横目にして、孫四郎の方が口を開いた。
凛とした背の伸ばし方からは、かつて妹を疎んでいじめていたような印象はない。
「義龍がよからぬことを考えている。信じられるのはお前たちだけだ。儂は鷺山城から出るな。とあるな」
再度深く重い溜息をして、道三は続ける。
こちらも以前とは変わり、息子でも娘でもその眼光で射抜いて竦ませていた、蝮と呼ばれ恐れられた様相はだいぶ潜められていた。
「孫四郎喜平次、どう思う?」
「不自然です」
「ええ。我らの妹はこんな気の利いた文が書けるような女ではありません。誰かに操られているのでは?」
「だが喜平次、無理矢理書かされたとしたなら、文字や文章に違和感が出るはずだ。それに、あの帰蝶が誰かに脅されてその通りに書くタマか?」
兄に窘められ、たしかに、と喜平次も眉を寄らせてしまった。
あの娘は、父に従うことも、兄を立てることもしない。夫や他の男に屈することも、ないだろう。
自分の思うままに、自分の信じたことをする女だ。
「お前たちも、おおむね儂と同じ意見か」
どうしたものか。
国の事はもうほとんど、稲葉山城の方に任せている。
庶子だったが長男は出来が良く、若さ故の粗さはあるもののうまく領内をまとめていると、親ながら自負している。だが、そう考えない者もいるということか。
父上、と孫四郎が恐る恐るも遮った。
「操られている様子は感じられないにしても、帰蝶が何か伝えたがっているのは事実でしょう。ならば、帰蝶の言う通り私と喜平次で兄上の様子を見て参ります」
「だが……」
「大丈夫です。兄上には、この文が来たことは黙っておきますので。余計なご心配はさせないよう、周囲を探るのみにいたします」
「そうだな、それしかない、か……」
蝮は渋々に了承すると、二人の息子を見送った。
孫四郎も喜平次は大事だが、義龍も帰蝶も、大事だ。
痛くもない腹を探られるのは嫌だろうが、今は、息子たちに任せるしかない。
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「蝶、清州城欲しいか?」
里帰りの許可を得に信長くんの部屋に行くと、そんなことより、と逆に質問で返されてしまった。
清州城ってあれよね、尾張領内にあるでっかいお城。てことはまた戦して取る気か。
「別にほしくな……」
「欲しいそうです!取りましょう、清州城!!叔父の信光様に助けていただくといいですよ!」
「えっあっ、ほしい、かな……」
横から日奈さんが勢いよく答えてくれた。てことは、史実通りなら清州城ゲットするわけね。
信長は「んー」と唸ってから、日奈さんの顔を見る。
まだ疑っているのだろうか。
赤い髪の先をわずかに揺らして、考えたふりの信長はその手のひらをゆっくり、日奈さんの頭のてっぺんに置いた。うわ、頭ポンだ。
「日奈の言うことは信用できるからな。叔父上に聞いてみるか」
「うわわわっ、あ、あの、信じて、くれるの……?」
「お前は蝶が信じてる友達だからな。なら、俺も信じる」
幼い頃からその輝きを失わない、閃光のことくまぶしい笑顔を正面から受けて、日奈さんは固まっていた。
わかるわかる。信長くんって、急に抱き着いてきたり頭ぽんぽんしたり。女子のツボを心得てる、さすが乙女ゲームのメイン攻略対象だなって行動するよね。アイドルだったら推してた。(今世4回目。)
今度手製のうちわぐらい振るかな。
「でも叔父上、俺の言うことなんて聞くかなー。ま、先にミツに聞いてみるか。あいつ交渉とか上手いからな」
「ちょうどよかった。それなら、十兵衛は置いていくから仲良くやってて。あと、私が女だけで出かけたこと、十兵衛には内緒ね。稲葉山城だし、いいでしょ」
信長くんは結構忙しいらしい。生返事をして仕事に戻りはじめたので、私たちも早々に退散することにした。
名目はただの里帰りで日帰り予定とはいえ、教えたら十兵衛に止められるだろうからいなかったのは好都合だ。
最近、彼は信長に気に入られて私よりも城主様の隣にいることが多くなった。
史実通りって感じで心配だけど、まあ元が気弱な十兵衛くんだから、信長のパワハラくらいで大それたことはしないでしょう。是非とも親睦を深めていってもらいたい。
父上からのあの手紙の返事は、「わかった」とだけ夕凪伝いにもらった。
密書のお返事というのは、こんなものらしい。私が「燃やして」って書いたから密書扱いになったのだそうだ。
そして、私が日奈さんの護衛を、夕凪が私の護衛をしつつ久々の稲葉山城へ到着。
以前の信長少年と違って私は実家にもちゃんと顔パスなので、すぐに兄上のところへ通してもらえた。
もちろん日奈さんも一緒。夕凪は部屋の外で待ってもらっている。
だが、人払いをしたお部屋に通されていきなり、日奈さんは爆弾を投下した。
「道三様はあなたの廃嫡を考えています」
「ええええーーーーー!!??」
室内に、私の高めの声が響き渡る。広いところで叫ぶとよく通ると褒められたものだ。
廃嫡って、勘当とか絶交、みたいな意味よね?えー!?そうなの?初耳なんだけど!!
「ひひひ日奈さん、本当なの?父上がそんなことを!?」
「帰蝶、お前何しに来たんだ。うるせえから黙ってろ」
今日はお菓子を出す暇もなさそう。
兄上は相変わらずの怖い顔で、私ではなく日奈さんを睨んだ。
普通の女子高生ならもう泣いてるところだが、さすが、戦国時代にいきなり転移されても慌てないだけの度胸の持ち主。日奈さんは綺麗な形で正座をしたまま、兄へ向かっている。
「最近、身の回りを探られたりしていませんか?怪しい動きをしている者が、近くにいるんじゃないですか?」
「……それはお前らには関係ねえな。生憎、俺は占いだとか先が見えるだとか、そんなのは信じねえんだ。帰蝶、お前はこいつを信じてるのか?」」
私でもヒッと喉の奥で音が鳴った。
誰だって竦んでしまう、父譲りの眼光。それを受けても日奈さんは怯まなかった。
でもよく見れば、膝の上で握った指がちいさく震えている。そうだよね、怖いよね。
その細い指を、そっと、上から隠すように握る。
「はい。日奈さんは私の友人です。私は信じています」
少しだけ指先に、温度が戻ってくる。
今は兄上の目と戦うので手一杯だけど、少しは安心した顔になってくれたかな。
私は「でも、」と繋げる。
「占いっていうのは当たる時と当たらない時があります。日奈さんの先見の力は、先に備えるためにあるんです。父上がそんなことを考えているとは思えませんが、もし考えていた場合どうするか。心構えがあれば、違ってくるんじゃないかと」
「まあ、そりゃそうだな。だが、そいつを信じるかどうかは、別だ」
「では、疑われるのでしたら、私を牢へ入れてください」
えっ、と声が出そうになって顔を見れば、日奈さんは私の指を握り返してくれた。大丈夫だ、と言っている。
「代わりに、もうすぐこちらへ孫四郎様と喜平次様が来ます。言ったとおりになったら、私の言うことを信じてください」
なるほど。だから手紙に「二人の兄上に様子を見に行かせろ」って書かせたのね。ちょっとずるいけど、父上が私のことを信じてくれていたら兄上達を送り込んでくれる。そうすれば、日奈さんは信じてもらえる。
それでいいのかと問われ、私たちは揃って頷いた。
兄上は父によく似た深めの溜息を吐いたあと、指示を出して日奈さんを連れて行かせる。
「兄上、父上は兄上のことをそんな風に考えるひとじゃありません。父上のこと、信じてあげてくださいね」
日奈さんを追いかけつつ、兄にも私の言いたいことを言っておく。
日奈さんが言った廃嫡とかってのは、たぶん史実の出来事。だから彼女は正しいことを言っただけなのだけど、もしかしたら、変わってるかもしれない。日奈さんもきっと、変わったらどうなるかわからなくて、不安なはずだ。
部屋を出る寸前、首根っこを掴まれた。ぐえ、と汚い声が出る。
「どこ行く気だ。お前は尾張に帰れ」
「いやいや、日奈さんは私の友人です。友人が捕まってるのに私だけ帰れるわけないでしょう。私も牢へ行きます」
「おい!!」
体を捻って背の高い兄から逃れると、私は急いで日奈さんを追いかけた。
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