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糸
作戦成功…?
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「は?演技…?」
亮は何度記憶を蘇らせても庵が演技をしているようには見えなかった。そのため亮は放心状態になってしまう。そんな亮に呆れ顔を浮かべながら龍之介が庵をホールドしながら口を開いた。
「そうだ。どこをどう見ても演技だろ。なぁ庵。」
「………っ。」
龍之介の言葉に庵は図星ですと言わんばかりに目を逸らした。そしてそのまま龍之介から逃げようとした。だがもちろん龍之介は庵を離さない。亮はそんな庵を見てさすが理解した。これまでのこと全部庵が演技をしていたということを。
「庵…。てめぇ…。」
亮は今もだがバッキバキに勃起していた。だが我慢していたのだ。今すぐにでも庵を抱き潰したかったがそれを抑えていた。庵の体調が悪いから。そして甘ったれになってるのも熱のせいだと思っていたから。だが違った。それを理解した亮はたまらず庵に手を伸ばす。しかしその亮を龍之介が止めた。
「やめろ亮。こいつは今は熱出てんだ。我慢しろ。」
亮の腕を強い力で掴みながら龍之介がそう言った。多分龍之介も今我慢している。庵を抱きたいがそれに耐えている。庵が熱を出しているから。それを何となくではあるが亮は察したのだろう。
「…すんません。」
「分かればいい。」
亮は謝ったもののやはり納得がいっていない様子だった。龍之介もそれを承知の上でそう言った。そんな2人のやり取りを庵がビクビクしながら見ていたのは言うまでもないだろう。
「くそ。庵のくせに生意気なことしやがって…。お前まじで覚えとけよ。」
亮は今すぐに庵を犯したい衝動を抑えながら庵の顔を鷲掴みにしてそう言った。そんな亮に少し脅えながら庵はゆっくりと頷いた。そんな庵をみて瀧雄が…。
「お前がただ単に馬鹿なんだよ亮。」
「はぁ!?瀧だって騙されてたじゃねぇか。」
「うるせぇお前らやめろ。」
亮と瀧雄が喧嘩になりそうだったので龍之介が素早くとめた。それは庵が本調子ではないから。まぁ2人がこうして言い合いを始めた元の発端は庵だが…。
「…すんません組長。」
「お前は謝ってばっかりだな。おい瀧、お前もだぞ。」
「分かってます。すみませんでした。」
と、言いながらもやはり瀧雄も納得していない様子。瀧雄は亮ほど庵に嵌められてはいないがだからこそ怒っている部分がある。それは瀧雄は庵に亮ではなく自分に甘えて欲しかったから。だから怒っているのだ。それを庵に言えばまた理不尽だとか言われてしまうだろうから瀧雄は今は黙っておいた。すると今度は龍之介が庵に…。
「ところでよぉ庵。お前はさっきからなんで目を逸らしてんだ?」
と、言った。庵は今の今までまるで息を潜めるかのようにして黙り込んでいた。きっと色々考えていたのだろう。熱が下がれば快楽地獄が待っているから。
「…だ、だって、」
「まさか演技だって事が俺にバレると思わなかったのか?」
「………っ。」
「図星かよ。」
そう。龍之介の言う通りだ。庵はバレるなんて思わなかった。だってこの3人は庵にすごく執着をしている。だからこそ熱が出たことだけで頭いっぱいになって庵が演技をしているなんて3人は思いもしないと庵は思っていたのだ。だがそんな庵の予想は見事に外れた。騙せたのは瀧雄と亮のみ。龍之介はやはり一筋縄ではいかなかった。
「ていうか組長、よく分かりましたね。」
と、黙り込んでしまった庵の代わりに瀧雄がそう言った。
「当たり前だ。これまで何人のラットを拷問してきたと思ってる。それに俺が凄いんじゃねぇ。こいつのちょっとの変化に直ぐに気づけねぇお前らが馬鹿なんだよ。」
「いやいや組長が凄いんですよ。相手はラットでもない庵なんですから。それも熱を出したとなれば俺達も気が抜けます。組長はほんとに…さすがとしか言いようがないです。」
瀧雄は龍之介に対して尊敬の眼差しでそう言った。龍之介と共に瀧雄はこの家に帰ってきたからこそあの短時間で庵の変化に気づくことが出来た龍之介の凄さに感動したのだろう。
「そうか。」
「はい。なぁ亮。お前もそう思うだろ。」
「ああ。そうだな。さすがとしか言いようがありません。」
と、亮は言ったが何故か棒読みだった。そんな亮に不信感を抱いた瀧雄が亮の顔を覗き込むようにして話し始めた。
「ん?どうしたお前。ぼーっとしてらしくねぇぞ。」
「あ…いや今どうやってこいつに仕置きをしようか考えてんだよ。」
亮が瀧雄の問いかけにそう答えた。それも庵を重視しながら…。そのため庵は背筋が凍りついた。亮を本気で怒らせてしまったという事の重大さに気づいてしまったから。
「…なっ、やだ!」
「嫌じゃねぇよ。この俺の爆発寸前のちんこどうしてくれんだ。」
亮が真面目な顔をしてそう言うから庵は目のやり場に困った。亮の言う通り亮の陰茎はズボンが膨れ上がるほどパンパンに大きくなっている。それも庵がやりすぎたせいで。そして亮は一度も出すことなくずっと耐えている。だから庵はここで酷く後悔した。あんなことしなければ良かった…と。
「そんなの、知らないし…。」
「てめぇ。熱が出てるからって好き放題しやがって。まじで熱が下がったら覚えとけよ。気絶するまで抱いてやっからな。」
「亮。やめろ。お前が怒れば怒るほど庵の思うつぼだぞ。」
亮は余程余裕が無いのか庵のちょっとした挑発にも乗ってしまっていた。そんな亮を龍之介は素早く注意する。
「いや分かってるんですよ俺もちゃんと。けど…あ゛ーもうトイレ行ってきます。」
「は?うんこかよお前。」
この流れで亮がうんこなわけがないが瀧雄はあえてそう言った。そうすることで亮の意識が庵から逸れる。そしたら亮も少しは冷静さを取り戻すだろうと思ったのだ。
「違ぇよ馬鹿瀧!一回出してくんだよ!このままじゃ爆発しちまう!」
「あーそういうことか。はよ行ってこい。」
「言われなくても行くわ!」
と、亮は大きな声でそう言うと寝室を出ていった。そんな亮の様子を伺うように庵はドアの向こうを見続けている。そして瀧雄は挙動不審になっている庵をみて思わず笑ってしまった。
「たく、馬鹿だな庵は。何もあそこまで亮を追い込む事ねぇだろ。それに後々後悔すんのはお前なんだからな。」
「…でもいつもの仕返ししたかったから。」
瀧雄に正論を言われて庵は少しムキになったのかそう言い返した。そんな庵の頭を撫でながら再び瀧雄は口を開く。
「なぁ庵。つかなんで亮にお前だけ仕返ししたのか?俺達には?」
「たき、達はそこまで俺に酷いことしない…。」
庵は下を向いたまま瀧雄の問いかけにそう答えた。すると今度は龍之介が庵の頬にキスをしたあと話し始めた。
「亮は酷いのか?」
「…うん。」
「そうか。そりゃ嫌だよな。けど亮の気持ちも分かってやれ。あいつは人一倍お前に執着してる分不安になるんだろうよ。お前がここから出ていかねぇかどうかがな。」
龍之介にそう言われた庵だが納得いかなかったようで龍之介から視線を逸らした。そんな庵をみて龍之介も瀧雄も思わず笑ってしまう。庵のすること一つ一つが可愛くて仕方がないから。
「ていうかそれはそうと珍しいですね。組長が亮の肩を持つの。」
「そんな事ねぇよ。」
「いやありますよ。」
「そうか?ならそういうことにしとけ。んで、話を戻すが…庵。まぁ全部を許してやれとは言わねぇけど亮は大目に見てやってやれ。そんだけお前を愛してんだ。」
「…でも…嫌なものは嫌なんだもん…。」
龍之介が何度庵に言い聞かせるように言っても庵は納得がいかない様子だった。そのため龍之介は庵の気持ちを聞くことにした。そこを解決すればこの問題はこれ以上拗れなくていいから。
「まぁそうだよな。嫌なもんは嫌だよな。なら教えてくれ。例えばどんなことが嫌なんだお前は。」
「……………。」
言いにくいのか庵は龍之介の問いかけに答えない。そのため龍之介はもう一度聞くことにした。優しく…庵が答えやすいように。その様子を瀧雄は黙って見ていた。
「庵。言ってくれなきゃ解決するもんも解決出来ねぇ。」
「……………っ。」
庵が思っていることは相当言い難いことなのだろうか。庵はしばらく悩んでいた。そんな庵に今度は瀧雄が…。
「ゆっくりでいいぞ庵。俺達は待つから。」
と、これまでにないぐらい優しい口調で瀧雄はそう言った。すると庵がゆっくりではあったが顔を上げた。そして…。
「…くすぐってくる、のとか。」
と、消えてしまいそうなほど小さな声でそう言った。けど龍之介と瀧雄はそう言った庵を責めることなく褒めた。仮に声が小さくとも庵が勇気を出して言ってくれたことには変わりないから。
「まぁそれは嫌だな。確かにそうだ。よく言ってくれたな偉いぞ庵。」
「組長の言う通りだ。お前は本当に偉い。」
と、龍之介と瀧雄はいいながら庵の顔中にキスをした。庵もそれを拒むことなく受け入れた。そしてこの際だからと思っていたことを全て庵は2人に言うことにした。
「あと…。」
「まだあんのか?」
庵が話し始めたので瀧雄はキスをするのを一旦やめてそう聞いた。そんな瀧雄とは裏腹に龍之介はキスを止めなかった。だがちゃんと庵の話は聞いている。そのためか庵は龍之介にキスをされまくっても気にしていない様子だ。
「四六時中くっついてくるのも…。」
「それは許してやれよ。」
庵が勇気を出して言った亮の嫌な所。それに対して瀧雄がそう答えた。それは亮の気持ちがわかったから。庵といる時はずっと一緒にいたい。だがどうやら庵はそれが嫌だったようだ。しかしそこはもう庵に耐えて欲しいというのが瀧雄の思いなのだろう。
「なんでっ、やだ…!」
「なんでってそりゃこっちのセリフだ。くっついてくるだけだろ?」
と、瀧雄は軽く言う。だが庵からすればそういう話じゃないのだ。くっつかれていれば必ずセックスに持っていかれる。それが庵は嫌なのだ。
「それだけじゃないっ、鬱陶しいの…っ!」
「おいおい庵。亮が聞いたら泣くぞそれ。」
と、瀧雄は言うが庵からすれば知ったこっちゃない。なので庵は瀧雄にまた強気で出た。その間ももちろん龍之介は庵にキスをし続ける。けれどそれが庵は気にならないぐらい多分瀧雄に怒っていた。
「知らないしっ、亮が悪いんだっ、瀧もなんで亮の肩ばっかり持つの…っ!」
「いやそんなことねぇけど…つかお前も言うようになったな。」
「今そういう話してるんじゃないっ、瀧のばかっ、話逸らさないでよっ…!」
「おいおい庵。落ち着け。あんま怒んなって。」
「全部亮のせいだもん…っ!」
「お前ほんと亮には強気だな。一番関わりやすいからか?」
と、瀧雄が言うとこれまで黙って庵にキスをし続けていた龍之介が口を開いた。
「いや確かにお前の言う通りそれもあるだろうが庵はただ単に亮に強く出ることが出来る。まぁ簡単に言えば舐められてんだろ亮が。一番長く関わってるからな。それもあるだろ。」
「あー確かにそうですね。俺達にはあんま反抗しねぇけど亮には凄いしますよね庵。」
瀧雄にそう言われて庵も今自分で気づいた。確かに庵は龍之介と瀧雄にはあまり言わない。後々何をされるかが怖いから。けど亮には言っている。多分それは龍之介の言う通り庵が亮を舐めているからだろう。庵がそんな事を考えていると瀧雄が…。
「つかこの際お前亮に直接言えよ。」
と、言ってきた。しかしそういう問題では無いのだ。それは…。
「…言ったところで何も変わんないもん。言えないよ。」
「んな事ねぇだろ。」
また瀧雄が軽くそう言ってきた。庵がそう言ったのにはちゃんとしたわけがあるのに。そしてそれを瀧雄も何となく察しているはずなのに。なので庵はちょっと強い口調で瀧雄に言い返す。
「あるもんっ、俺が何を言っても亮は絶対やめてくれない…っ!」
「なんでそう言い切れる。」
瀧雄はちゃんと庵に寄り添ってはくれているようだ。庵の意見をしっかり聞いてくれているから。そして龍之介も。だから庵はこの好機を逃さまいと思っていることを全部言うことにした。
「俺が嫌って言っても亮は絶対やめないから…。これまでだってそうだもんっ、でも亮は力強いから俺逃げられないし…。」
「けどそれの大体の理由ってお前じゃね?」
と、瀧雄が言うと確かにと言わんばかりに龍之介が頷いた。そのため堪らず庵は声を荒らげる。
「…っ、なんで!!俺悪くないし…っ!」
「庵。そうカッカするな。瀧の言う通りだぞ。亮は理由もなしにお前にひでぇことはしねぇ。」
「それでも全部が全部俺が悪いわけじゃない…っ!」
庵は思わず泣きそうになった。なんで今日龍之介は亮の肩ばかり持つのだろう…と。庵も庵で嫌な思いをしている。それを全部我慢?そんなの当たり前に嫌なのだ。
「それはそうかもしれねぇけどよ。」
庵が本気で怒り始めているのを見て瀧雄が少し困り顔でそう言った。どちらかと言うと…というかどちらかと言わなくても瀧雄は亮側だから。庵を監禁したい。ここに閉じ込めておきたい。言わば囲っていたいのだ。だからそもそも庵は瀧雄に気持ちを理解してもらうなんてことはできるはずがないのだ。それはもちろん龍之介にも。
「…もういいっ、俺に1人になるっ、」
誰にも理解して貰えない。だったら1人で冷静になろうと庵はそう言った。しかしそんなことを龍之介が許すはずもなく…。
「は?離さねぇよ。」
と、庵は言われてしまい今も尚龍之介の腕の中のままだ。そのため庵は1人になるのを諦めた。今はこれ以上揉めたくなかったから。
「ん?いい子じゃねぇか庵。いつもは無駄なあがきをすんのに。」
龍之介がそう褒めながら庵の頭を撫で始めた。それが庵は心地よくて龍之介に身体をそのまま預けた。
「だって…っ、龍の力には勝てない…。」
「お。よく分かってるじゃねぇか庵。よし。そういう事ならお前に協力してやるよ。お前がいい子だからな。」
「…え?」
龍之介が急に変なことを言い出した。そのため庵はフリーズしてしまった。どういうこと…と。そして庵が龍之介にそれを聞こうとしたその時…。
「組長。戻りました。ところで何の話です?俺の名前が聞こえたんですけど。」
亮がトイレから帰ってきてしまった。しばらくの間亮が戻ってこなかったことから想像するに多分亮は数回自慰をしたのだろう。まぁ逆にそれは言ってしまえばそれほど我慢していたと言うことだ。そのためそんな亮をみて庵はまた怯えてしまう。それだけ亮は怒っているはずだから。
「ああそうだ。今お前の話をしてた。庵がお前のこと嫌いだってよ。」
庵が亮に対してどうしようかと焦っていると瀧雄がとんでもない爆弾発言をした。そのため庵は更に焦る。そして亮も亮で意味がわからないと言わんばかりにベットの上に乗ってきた。
「はぁ!?どういうことだよ瀧!」
トイレから帰ってきたと思えばまた庵に嫌いと言われてしまった亮。だがそれを信じていない様子だった。そのため瀧雄にそう聞いたのだろう。そんな亮をみて庵は焦った様子で瀧をみた。
「ちょ、たきっ、俺そんなこと言ってない…っ!」
「そうだったか?じゃあお前なんて言ってたっけ?」
「俺はただ単に亮がいつもいつもやりすぎるのが嫌だって言ったの…っ!」
瀧雄は庵にわざとそう言わせた。そうすることで庵が自分の口から亮に思っていたことを言わせることが出来るから。その様子を龍之介は黙ってみていた。
「はぁ?なんだよそれ。その原因はお前だろ。さっきも俺の事嫌いとか言いやがって。」
ことの成り行きを黙って見ている龍之介とは裏腹に亮は声を荒らげるようにしてそう言った。そんな亮に庵が焦った様子で口を開いた。
「…そ、そうだけ、どっ、でもっ、」
庵は焦っているからか話が上手くまとまらない様子だった。そんな庵をみて今度は龍之介が…。
「分かった。お前の言いたいことはよく分かった。だからこそお前も気をつけるんだ庵。そもそもの原因はお前であることが多いんだから。」
「………っ。」
助けてくれると言っていたはずの龍之介からのまさかの言葉。そのため庵は黙り込んでしまった。悔しかったのだ。龍之介にそう言われていいえと言えないから。
「おい庵。返事は?」
「…わかった。」
「よしいい子だ庵。」
と、言って龍之介はまた庵の頭を撫でた。そして再び口を開いて…。
「んで、問題はお前だな亮。」
「…は、え?」
「とぼけてんじゃねぇ。お前はやりすぎなんだよ。まぁ庵がお前に反抗するってのもあるだろうがにしてもやりすぎだ。だから気をつけろ。分かったな。」
「…は、はい。」
龍之介にそう言われて亮は逆らうことが出来ない。そのためそういうしか無かった。そんな亮をみて庵はちょっと嬉しくなった。いつもやられるだけだから。しかし次の龍之介に発言により庵の機嫌は急降下してしまう。
「まぁけどこの甘ったれた演技の件に関しては熱が下がった後みっちりお仕置きしてやんねぇとな。覚悟しとけよ庵。」
亮は何度記憶を蘇らせても庵が演技をしているようには見えなかった。そのため亮は放心状態になってしまう。そんな亮に呆れ顔を浮かべながら龍之介が庵をホールドしながら口を開いた。
「そうだ。どこをどう見ても演技だろ。なぁ庵。」
「………っ。」
龍之介の言葉に庵は図星ですと言わんばかりに目を逸らした。そしてそのまま龍之介から逃げようとした。だがもちろん龍之介は庵を離さない。亮はそんな庵を見てさすが理解した。これまでのこと全部庵が演技をしていたということを。
「庵…。てめぇ…。」
亮は今もだがバッキバキに勃起していた。だが我慢していたのだ。今すぐにでも庵を抱き潰したかったがそれを抑えていた。庵の体調が悪いから。そして甘ったれになってるのも熱のせいだと思っていたから。だが違った。それを理解した亮はたまらず庵に手を伸ばす。しかしその亮を龍之介が止めた。
「やめろ亮。こいつは今は熱出てんだ。我慢しろ。」
亮の腕を強い力で掴みながら龍之介がそう言った。多分龍之介も今我慢している。庵を抱きたいがそれに耐えている。庵が熱を出しているから。それを何となくではあるが亮は察したのだろう。
「…すんません。」
「分かればいい。」
亮は謝ったもののやはり納得がいっていない様子だった。龍之介もそれを承知の上でそう言った。そんな2人のやり取りを庵がビクビクしながら見ていたのは言うまでもないだろう。
「くそ。庵のくせに生意気なことしやがって…。お前まじで覚えとけよ。」
亮は今すぐに庵を犯したい衝動を抑えながら庵の顔を鷲掴みにしてそう言った。そんな亮に少し脅えながら庵はゆっくりと頷いた。そんな庵をみて瀧雄が…。
「お前がただ単に馬鹿なんだよ亮。」
「はぁ!?瀧だって騙されてたじゃねぇか。」
「うるせぇお前らやめろ。」
亮と瀧雄が喧嘩になりそうだったので龍之介が素早くとめた。それは庵が本調子ではないから。まぁ2人がこうして言い合いを始めた元の発端は庵だが…。
「…すんません組長。」
「お前は謝ってばっかりだな。おい瀧、お前もだぞ。」
「分かってます。すみませんでした。」
と、言いながらもやはり瀧雄も納得していない様子。瀧雄は亮ほど庵に嵌められてはいないがだからこそ怒っている部分がある。それは瀧雄は庵に亮ではなく自分に甘えて欲しかったから。だから怒っているのだ。それを庵に言えばまた理不尽だとか言われてしまうだろうから瀧雄は今は黙っておいた。すると今度は龍之介が庵に…。
「ところでよぉ庵。お前はさっきからなんで目を逸らしてんだ?」
と、言った。庵は今の今までまるで息を潜めるかのようにして黙り込んでいた。きっと色々考えていたのだろう。熱が下がれば快楽地獄が待っているから。
「…だ、だって、」
「まさか演技だって事が俺にバレると思わなかったのか?」
「………っ。」
「図星かよ。」
そう。龍之介の言う通りだ。庵はバレるなんて思わなかった。だってこの3人は庵にすごく執着をしている。だからこそ熱が出たことだけで頭いっぱいになって庵が演技をしているなんて3人は思いもしないと庵は思っていたのだ。だがそんな庵の予想は見事に外れた。騙せたのは瀧雄と亮のみ。龍之介はやはり一筋縄ではいかなかった。
「ていうか組長、よく分かりましたね。」
と、黙り込んでしまった庵の代わりに瀧雄がそう言った。
「当たり前だ。これまで何人のラットを拷問してきたと思ってる。それに俺が凄いんじゃねぇ。こいつのちょっとの変化に直ぐに気づけねぇお前らが馬鹿なんだよ。」
「いやいや組長が凄いんですよ。相手はラットでもない庵なんですから。それも熱を出したとなれば俺達も気が抜けます。組長はほんとに…さすがとしか言いようがないです。」
瀧雄は龍之介に対して尊敬の眼差しでそう言った。龍之介と共に瀧雄はこの家に帰ってきたからこそあの短時間で庵の変化に気づくことが出来た龍之介の凄さに感動したのだろう。
「そうか。」
「はい。なぁ亮。お前もそう思うだろ。」
「ああ。そうだな。さすがとしか言いようがありません。」
と、亮は言ったが何故か棒読みだった。そんな亮に不信感を抱いた瀧雄が亮の顔を覗き込むようにして話し始めた。
「ん?どうしたお前。ぼーっとしてらしくねぇぞ。」
「あ…いや今どうやってこいつに仕置きをしようか考えてんだよ。」
亮が瀧雄の問いかけにそう答えた。それも庵を重視しながら…。そのため庵は背筋が凍りついた。亮を本気で怒らせてしまったという事の重大さに気づいてしまったから。
「…なっ、やだ!」
「嫌じゃねぇよ。この俺の爆発寸前のちんこどうしてくれんだ。」
亮が真面目な顔をしてそう言うから庵は目のやり場に困った。亮の言う通り亮の陰茎はズボンが膨れ上がるほどパンパンに大きくなっている。それも庵がやりすぎたせいで。そして亮は一度も出すことなくずっと耐えている。だから庵はここで酷く後悔した。あんなことしなければ良かった…と。
「そんなの、知らないし…。」
「てめぇ。熱が出てるからって好き放題しやがって。まじで熱が下がったら覚えとけよ。気絶するまで抱いてやっからな。」
「亮。やめろ。お前が怒れば怒るほど庵の思うつぼだぞ。」
亮は余程余裕が無いのか庵のちょっとした挑発にも乗ってしまっていた。そんな亮を龍之介は素早く注意する。
「いや分かってるんですよ俺もちゃんと。けど…あ゛ーもうトイレ行ってきます。」
「は?うんこかよお前。」
この流れで亮がうんこなわけがないが瀧雄はあえてそう言った。そうすることで亮の意識が庵から逸れる。そしたら亮も少しは冷静さを取り戻すだろうと思ったのだ。
「違ぇよ馬鹿瀧!一回出してくんだよ!このままじゃ爆発しちまう!」
「あーそういうことか。はよ行ってこい。」
「言われなくても行くわ!」
と、亮は大きな声でそう言うと寝室を出ていった。そんな亮の様子を伺うように庵はドアの向こうを見続けている。そして瀧雄は挙動不審になっている庵をみて思わず笑ってしまった。
「たく、馬鹿だな庵は。何もあそこまで亮を追い込む事ねぇだろ。それに後々後悔すんのはお前なんだからな。」
「…でもいつもの仕返ししたかったから。」
瀧雄に正論を言われて庵は少しムキになったのかそう言い返した。そんな庵の頭を撫でながら再び瀧雄は口を開く。
「なぁ庵。つかなんで亮にお前だけ仕返ししたのか?俺達には?」
「たき、達はそこまで俺に酷いことしない…。」
庵は下を向いたまま瀧雄の問いかけにそう答えた。すると今度は龍之介が庵の頬にキスをしたあと話し始めた。
「亮は酷いのか?」
「…うん。」
「そうか。そりゃ嫌だよな。けど亮の気持ちも分かってやれ。あいつは人一倍お前に執着してる分不安になるんだろうよ。お前がここから出ていかねぇかどうかがな。」
龍之介にそう言われた庵だが納得いかなかったようで龍之介から視線を逸らした。そんな庵をみて龍之介も瀧雄も思わず笑ってしまう。庵のすること一つ一つが可愛くて仕方がないから。
「ていうかそれはそうと珍しいですね。組長が亮の肩を持つの。」
「そんな事ねぇよ。」
「いやありますよ。」
「そうか?ならそういうことにしとけ。んで、話を戻すが…庵。まぁ全部を許してやれとは言わねぇけど亮は大目に見てやってやれ。そんだけお前を愛してんだ。」
「…でも…嫌なものは嫌なんだもん…。」
龍之介が何度庵に言い聞かせるように言っても庵は納得がいかない様子だった。そのため龍之介は庵の気持ちを聞くことにした。そこを解決すればこの問題はこれ以上拗れなくていいから。
「まぁそうだよな。嫌なもんは嫌だよな。なら教えてくれ。例えばどんなことが嫌なんだお前は。」
「……………。」
言いにくいのか庵は龍之介の問いかけに答えない。そのため龍之介はもう一度聞くことにした。優しく…庵が答えやすいように。その様子を瀧雄は黙って見ていた。
「庵。言ってくれなきゃ解決するもんも解決出来ねぇ。」
「……………っ。」
庵が思っていることは相当言い難いことなのだろうか。庵はしばらく悩んでいた。そんな庵に今度は瀧雄が…。
「ゆっくりでいいぞ庵。俺達は待つから。」
と、これまでにないぐらい優しい口調で瀧雄はそう言った。すると庵がゆっくりではあったが顔を上げた。そして…。
「…くすぐってくる、のとか。」
と、消えてしまいそうなほど小さな声でそう言った。けど龍之介と瀧雄はそう言った庵を責めることなく褒めた。仮に声が小さくとも庵が勇気を出して言ってくれたことには変わりないから。
「まぁそれは嫌だな。確かにそうだ。よく言ってくれたな偉いぞ庵。」
「組長の言う通りだ。お前は本当に偉い。」
と、龍之介と瀧雄はいいながら庵の顔中にキスをした。庵もそれを拒むことなく受け入れた。そしてこの際だからと思っていたことを全て庵は2人に言うことにした。
「あと…。」
「まだあんのか?」
庵が話し始めたので瀧雄はキスをするのを一旦やめてそう聞いた。そんな瀧雄とは裏腹に龍之介はキスを止めなかった。だがちゃんと庵の話は聞いている。そのためか庵は龍之介にキスをされまくっても気にしていない様子だ。
「四六時中くっついてくるのも…。」
「それは許してやれよ。」
庵が勇気を出して言った亮の嫌な所。それに対して瀧雄がそう答えた。それは亮の気持ちがわかったから。庵といる時はずっと一緒にいたい。だがどうやら庵はそれが嫌だったようだ。しかしそこはもう庵に耐えて欲しいというのが瀧雄の思いなのだろう。
「なんでっ、やだ…!」
「なんでってそりゃこっちのセリフだ。くっついてくるだけだろ?」
と、瀧雄は軽く言う。だが庵からすればそういう話じゃないのだ。くっつかれていれば必ずセックスに持っていかれる。それが庵は嫌なのだ。
「それだけじゃないっ、鬱陶しいの…っ!」
「おいおい庵。亮が聞いたら泣くぞそれ。」
と、瀧雄は言うが庵からすれば知ったこっちゃない。なので庵は瀧雄にまた強気で出た。その間ももちろん龍之介は庵にキスをし続ける。けれどそれが庵は気にならないぐらい多分瀧雄に怒っていた。
「知らないしっ、亮が悪いんだっ、瀧もなんで亮の肩ばっかり持つの…っ!」
「いやそんなことねぇけど…つかお前も言うようになったな。」
「今そういう話してるんじゃないっ、瀧のばかっ、話逸らさないでよっ…!」
「おいおい庵。落ち着け。あんま怒んなって。」
「全部亮のせいだもん…っ!」
「お前ほんと亮には強気だな。一番関わりやすいからか?」
と、瀧雄が言うとこれまで黙って庵にキスをし続けていた龍之介が口を開いた。
「いや確かにお前の言う通りそれもあるだろうが庵はただ単に亮に強く出ることが出来る。まぁ簡単に言えば舐められてんだろ亮が。一番長く関わってるからな。それもあるだろ。」
「あー確かにそうですね。俺達にはあんま反抗しねぇけど亮には凄いしますよね庵。」
瀧雄にそう言われて庵も今自分で気づいた。確かに庵は龍之介と瀧雄にはあまり言わない。後々何をされるかが怖いから。けど亮には言っている。多分それは龍之介の言う通り庵が亮を舐めているからだろう。庵がそんな事を考えていると瀧雄が…。
「つかこの際お前亮に直接言えよ。」
と、言ってきた。しかしそういう問題では無いのだ。それは…。
「…言ったところで何も変わんないもん。言えないよ。」
「んな事ねぇだろ。」
また瀧雄が軽くそう言ってきた。庵がそう言ったのにはちゃんとしたわけがあるのに。そしてそれを瀧雄も何となく察しているはずなのに。なので庵はちょっと強い口調で瀧雄に言い返す。
「あるもんっ、俺が何を言っても亮は絶対やめてくれない…っ!」
「なんでそう言い切れる。」
瀧雄はちゃんと庵に寄り添ってはくれているようだ。庵の意見をしっかり聞いてくれているから。そして龍之介も。だから庵はこの好機を逃さまいと思っていることを全部言うことにした。
「俺が嫌って言っても亮は絶対やめないから…。これまでだってそうだもんっ、でも亮は力強いから俺逃げられないし…。」
「けどそれの大体の理由ってお前じゃね?」
と、瀧雄が言うと確かにと言わんばかりに龍之介が頷いた。そのため堪らず庵は声を荒らげる。
「…っ、なんで!!俺悪くないし…っ!」
「庵。そうカッカするな。瀧の言う通りだぞ。亮は理由もなしにお前にひでぇことはしねぇ。」
「それでも全部が全部俺が悪いわけじゃない…っ!」
庵は思わず泣きそうになった。なんで今日龍之介は亮の肩ばかり持つのだろう…と。庵も庵で嫌な思いをしている。それを全部我慢?そんなの当たり前に嫌なのだ。
「それはそうかもしれねぇけどよ。」
庵が本気で怒り始めているのを見て瀧雄が少し困り顔でそう言った。どちらかと言うと…というかどちらかと言わなくても瀧雄は亮側だから。庵を監禁したい。ここに閉じ込めておきたい。言わば囲っていたいのだ。だからそもそも庵は瀧雄に気持ちを理解してもらうなんてことはできるはずがないのだ。それはもちろん龍之介にも。
「…もういいっ、俺に1人になるっ、」
誰にも理解して貰えない。だったら1人で冷静になろうと庵はそう言った。しかしそんなことを龍之介が許すはずもなく…。
「は?離さねぇよ。」
と、庵は言われてしまい今も尚龍之介の腕の中のままだ。そのため庵は1人になるのを諦めた。今はこれ以上揉めたくなかったから。
「ん?いい子じゃねぇか庵。いつもは無駄なあがきをすんのに。」
龍之介がそう褒めながら庵の頭を撫で始めた。それが庵は心地よくて龍之介に身体をそのまま預けた。
「だって…っ、龍の力には勝てない…。」
「お。よく分かってるじゃねぇか庵。よし。そういう事ならお前に協力してやるよ。お前がいい子だからな。」
「…え?」
龍之介が急に変なことを言い出した。そのため庵はフリーズしてしまった。どういうこと…と。そして庵が龍之介にそれを聞こうとしたその時…。
「組長。戻りました。ところで何の話です?俺の名前が聞こえたんですけど。」
亮がトイレから帰ってきてしまった。しばらくの間亮が戻ってこなかったことから想像するに多分亮は数回自慰をしたのだろう。まぁ逆にそれは言ってしまえばそれほど我慢していたと言うことだ。そのためそんな亮をみて庵はまた怯えてしまう。それだけ亮は怒っているはずだから。
「ああそうだ。今お前の話をしてた。庵がお前のこと嫌いだってよ。」
庵が亮に対してどうしようかと焦っていると瀧雄がとんでもない爆弾発言をした。そのため庵は更に焦る。そして亮も亮で意味がわからないと言わんばかりにベットの上に乗ってきた。
「はぁ!?どういうことだよ瀧!」
トイレから帰ってきたと思えばまた庵に嫌いと言われてしまった亮。だがそれを信じていない様子だった。そのため瀧雄にそう聞いたのだろう。そんな亮をみて庵は焦った様子で瀧をみた。
「ちょ、たきっ、俺そんなこと言ってない…っ!」
「そうだったか?じゃあお前なんて言ってたっけ?」
「俺はただ単に亮がいつもいつもやりすぎるのが嫌だって言ったの…っ!」
瀧雄は庵にわざとそう言わせた。そうすることで庵が自分の口から亮に思っていたことを言わせることが出来るから。その様子を龍之介は黙ってみていた。
「はぁ?なんだよそれ。その原因はお前だろ。さっきも俺の事嫌いとか言いやがって。」
ことの成り行きを黙って見ている龍之介とは裏腹に亮は声を荒らげるようにしてそう言った。そんな亮に庵が焦った様子で口を開いた。
「…そ、そうだけ、どっ、でもっ、」
庵は焦っているからか話が上手くまとまらない様子だった。そんな庵をみて今度は龍之介が…。
「分かった。お前の言いたいことはよく分かった。だからこそお前も気をつけるんだ庵。そもそもの原因はお前であることが多いんだから。」
「………っ。」
助けてくれると言っていたはずの龍之介からのまさかの言葉。そのため庵は黙り込んでしまった。悔しかったのだ。龍之介にそう言われていいえと言えないから。
「おい庵。返事は?」
「…わかった。」
「よしいい子だ庵。」
と、言って龍之介はまた庵の頭を撫でた。そして再び口を開いて…。
「んで、問題はお前だな亮。」
「…は、え?」
「とぼけてんじゃねぇ。お前はやりすぎなんだよ。まぁ庵がお前に反抗するってのもあるだろうがにしてもやりすぎだ。だから気をつけろ。分かったな。」
「…は、はい。」
龍之介にそう言われて亮は逆らうことが出来ない。そのためそういうしか無かった。そんな亮をみて庵はちょっと嬉しくなった。いつもやられるだけだから。しかし次の龍之介に発言により庵の機嫌は急降下してしまう。
「まぁけどこの甘ったれた演技の件に関しては熱が下がった後みっちりお仕置きしてやんねぇとな。覚悟しとけよ庵。」
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