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24話 おはよう
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「ふぅー終わったぜ。」
「おつかれ。」
橘修の仕事が終わったようなので彌生がコーヒーを差し出した。溜まっていた仕事を大急ぎで終わらしたこともあり橘修はかなり疲れている様子だったのでコーヒーに加えてお菓子まで差し出した。橘修は彌生にお礼を言い、まだソファで目を覚ますことなく眠っている翔湊を見た。
「翔湊はまだ目を覚まさないのか。」
「ああ。」
橘修が仕事を終わらすまでの間は1時間弱ほどだった。その間も翔湊は1度も目を覚まさなかった。目を覚ます所か寝返りすらも打っていない。西嶋らは翔湊は体のどこかが痛むのではないかと気が気ではなかった。せめて寝ている間身体をその時間癒せているのならいいが悪夢でも見ないかと皆心配していたのだ。
「西嶋、話を蒸し返すがお前の協力者について詳しく聞いてもいいか?」
「勿論だ。だが今はそれよりも翔湊のことを守らねぇと。」
潤樹達は手際がとてもいい。きっと予想している日時よりも早く帰ってくるだろう。それまでに手を打たなければと西嶋はそう言った。
「やはりここから逃げさせるのが一番の策だよな。」
「いやそれは駄目だ。今しても俺たちが疑われちまう。そうなったら翔湊の足取りなんて簡単にバレちまってあっという間に若様に捕まっちまうよ。」
海田がそう言うと皆納得したように頷いた。
「確かにそうだな。」
「だったら若様が帰ってくる時間を先延ばしにするしかねぇか。到底上手くいくとは思えねぇけどな。」
「ああ、一筋縄で行く相手じゃねぇからな。」
「今回の件は俺に任せてくれないか。」
西嶋は普段見せることの無い真面目な顔をしてそう言った。だか彼らはしばらくの間迷っていた。なぜなら西嶋は頭が良いと言えども若様には勝らない。もし仮に全てがバレてしまえば首が飛んでしまう。西嶋はこの組の専属医であって幹部などといった重要な立場ではないからだ。その事を心配して海田達は任せる、とは簡単には言えなかったのだ。そして重くなった空気の中松永が口を開いた。
「失敗は許されねぇぞ。」
「分かってる。」
そう言った顔を見て彌生らは確信した。西嶋は覚悟を決めているのだと。もし死んだとしても翔湊を守る覚悟があるように見えた。
「とりあえず俺はここから出るから翔湊を頼む。」
「勿論だ。あとは頼んだぞ西嶋。」
「ああ。」
西嶋の真剣な顔を見て彌生らは全てのことを託すことにした。翔湊を助けるために。
「…西嶋さんどこ行ったの?」
西嶋が玄関から出ていく姿を見ていたのだろう。翔湊が心細そうにそう言った。目が覚めたことには安心したがこの内容を聞かれていないか彌生たちは不安になった。だがどこに行ったのか、と聞く時点で話は聞いていないはずだと解釈し彌生らは目を覚ました翔湊の元に向かった。
「起きてたのか翔湊。身体痛いところないか?」
「大丈夫。」
「なら良かった。西嶋はちょっと外に行って来るだけだ。すぐ戻ってくるから安心しろ。」
橘修にそう言われて翔湊は安心したようでゆっくりと頷いた。ずっと小さい頃からずっと一緒に居る西嶋がこの状況でいなくなれば不安になるのは当たり前だ。その心の穴を塞いでやろうと彌生は翔湊の頭を撫で優しく笑いかけた。
「飯食えそうか?」
「食べられる。」
「いい子だ。持ってくるから少しだけ待ってろ。」
そう言って肱川がキッチンに食べれるものを取りに行くと翔湊は松永に抱きしめられた。そして頬に軽く数回キスをされる。
「髭がチクチクするからやめて。」
「酷でぇ。」
1度だけならまだしもさすがに執拗い。それに髭が生えたてなのかチクチクして痛く、少しこしょばい。それが嫌だった翔湊は松永の顔を押し返してキスを辞めさせた。
「だって髭が痛いんだもん。」
「なら剃ってきてやる。」
翔湊に髭のせいで嫌がられてしまったことがショックだったらしく松永が急いで浴室に行き髭を剃りに行った。松永がいなくなったことで翔湊の周りに誰もいなくなった所を狙い今度は彌生がやってきた。
「翔湊、俺は髭生えてねぇからいいだろ?」
「やだ。」
翔湊に拒否されたのにも関わらず彌生はそれを無視して唇を奪ってきた。こうなれば彌生を止めるのは翔湊の力では不可能だ。彌生の気の済むまで待とうとしたがいつも通り中々辞めない。唇を食べるようにハムハムと軽く噛まれ舌を入れてこようとする。
「もう長い…!」
「うるせぇ黙ってろ。」
なんで俺がそんなこと言われなきゃいけないんだ。怒った翔湊は次に彌生が口の中に舌を入れてきたら噛もうと決めた。そしてその瞬間をじっくりと獲物を狙うよう獣のように待ち続け遂にスルッと口の中に入って来た。翔湊がすかさず舌を噛もうとすると横腹を揉まれ口が開いてしまいそれが出来なかった。
「お前今さ、俺の舌噛もうとしただろ。」
「だって、ははっ、彌生さんが…っ、ちょ、やめてよ!」
「俺がなんだよ。」
「いっ、1回止めてっ、あはは、くすぐっ、たいよ…!」
「望み通り止めてやったぞ?」
彌生はだから早く言えよ、言わんばかりに顔を近づけてくる。あ、またキスれる。擽られるぐらいなら大人しくキスされておくかと翔湊は彌生に身を任せた。彼が飽きて辞めるまでの数分間もの間ずっと。そしてやっと終わったか、と翔湊が起き上がろうとすると何故か押し倒された。
「お前どこ行こうとしてんの?」
「んぶ…っ!」
「おつかれ。」
橘修の仕事が終わったようなので彌生がコーヒーを差し出した。溜まっていた仕事を大急ぎで終わらしたこともあり橘修はかなり疲れている様子だったのでコーヒーに加えてお菓子まで差し出した。橘修は彌生にお礼を言い、まだソファで目を覚ますことなく眠っている翔湊を見た。
「翔湊はまだ目を覚まさないのか。」
「ああ。」
橘修が仕事を終わらすまでの間は1時間弱ほどだった。その間も翔湊は1度も目を覚まさなかった。目を覚ます所か寝返りすらも打っていない。西嶋らは翔湊は体のどこかが痛むのではないかと気が気ではなかった。せめて寝ている間身体をその時間癒せているのならいいが悪夢でも見ないかと皆心配していたのだ。
「西嶋、話を蒸し返すがお前の協力者について詳しく聞いてもいいか?」
「勿論だ。だが今はそれよりも翔湊のことを守らねぇと。」
潤樹達は手際がとてもいい。きっと予想している日時よりも早く帰ってくるだろう。それまでに手を打たなければと西嶋はそう言った。
「やはりここから逃げさせるのが一番の策だよな。」
「いやそれは駄目だ。今しても俺たちが疑われちまう。そうなったら翔湊の足取りなんて簡単にバレちまってあっという間に若様に捕まっちまうよ。」
海田がそう言うと皆納得したように頷いた。
「確かにそうだな。」
「だったら若様が帰ってくる時間を先延ばしにするしかねぇか。到底上手くいくとは思えねぇけどな。」
「ああ、一筋縄で行く相手じゃねぇからな。」
「今回の件は俺に任せてくれないか。」
西嶋は普段見せることの無い真面目な顔をしてそう言った。だか彼らはしばらくの間迷っていた。なぜなら西嶋は頭が良いと言えども若様には勝らない。もし仮に全てがバレてしまえば首が飛んでしまう。西嶋はこの組の専属医であって幹部などといった重要な立場ではないからだ。その事を心配して海田達は任せる、とは簡単には言えなかったのだ。そして重くなった空気の中松永が口を開いた。
「失敗は許されねぇぞ。」
「分かってる。」
そう言った顔を見て彌生らは確信した。西嶋は覚悟を決めているのだと。もし死んだとしても翔湊を守る覚悟があるように見えた。
「とりあえず俺はここから出るから翔湊を頼む。」
「勿論だ。あとは頼んだぞ西嶋。」
「ああ。」
西嶋の真剣な顔を見て彌生らは全てのことを託すことにした。翔湊を助けるために。
「…西嶋さんどこ行ったの?」
西嶋が玄関から出ていく姿を見ていたのだろう。翔湊が心細そうにそう言った。目が覚めたことには安心したがこの内容を聞かれていないか彌生たちは不安になった。だがどこに行ったのか、と聞く時点で話は聞いていないはずだと解釈し彌生らは目を覚ました翔湊の元に向かった。
「起きてたのか翔湊。身体痛いところないか?」
「大丈夫。」
「なら良かった。西嶋はちょっと外に行って来るだけだ。すぐ戻ってくるから安心しろ。」
橘修にそう言われて翔湊は安心したようでゆっくりと頷いた。ずっと小さい頃からずっと一緒に居る西嶋がこの状況でいなくなれば不安になるのは当たり前だ。その心の穴を塞いでやろうと彌生は翔湊の頭を撫で優しく笑いかけた。
「飯食えそうか?」
「食べられる。」
「いい子だ。持ってくるから少しだけ待ってろ。」
そう言って肱川がキッチンに食べれるものを取りに行くと翔湊は松永に抱きしめられた。そして頬に軽く数回キスをされる。
「髭がチクチクするからやめて。」
「酷でぇ。」
1度だけならまだしもさすがに執拗い。それに髭が生えたてなのかチクチクして痛く、少しこしょばい。それが嫌だった翔湊は松永の顔を押し返してキスを辞めさせた。
「だって髭が痛いんだもん。」
「なら剃ってきてやる。」
翔湊に髭のせいで嫌がられてしまったことがショックだったらしく松永が急いで浴室に行き髭を剃りに行った。松永がいなくなったことで翔湊の周りに誰もいなくなった所を狙い今度は彌生がやってきた。
「翔湊、俺は髭生えてねぇからいいだろ?」
「やだ。」
翔湊に拒否されたのにも関わらず彌生はそれを無視して唇を奪ってきた。こうなれば彌生を止めるのは翔湊の力では不可能だ。彌生の気の済むまで待とうとしたがいつも通り中々辞めない。唇を食べるようにハムハムと軽く噛まれ舌を入れてこようとする。
「もう長い…!」
「うるせぇ黙ってろ。」
なんで俺がそんなこと言われなきゃいけないんだ。怒った翔湊は次に彌生が口の中に舌を入れてきたら噛もうと決めた。そしてその瞬間をじっくりと獲物を狙うよう獣のように待ち続け遂にスルッと口の中に入って来た。翔湊がすかさず舌を噛もうとすると横腹を揉まれ口が開いてしまいそれが出来なかった。
「お前今さ、俺の舌噛もうとしただろ。」
「だって、ははっ、彌生さんが…っ、ちょ、やめてよ!」
「俺がなんだよ。」
「いっ、1回止めてっ、あはは、くすぐっ、たいよ…!」
「望み通り止めてやったぞ?」
彌生はだから早く言えよ、言わんばかりに顔を近づけてくる。あ、またキスれる。擽られるぐらいなら大人しくキスされておくかと翔湊は彌生に身を任せた。彼が飽きて辞めるまでの数分間もの間ずっと。そしてやっと終わったか、と翔湊が起き上がろうとすると何故か押し倒された。
「お前どこ行こうとしてんの?」
「んぶ…っ!」
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