怖いお兄さん達に誘拐されたお話

安達

文字の大きさ
2 / 242

出会い

「あーも学校だりぃわ。」



どいつもこいつも俺の事バカにしやがって…。



「学校休むか…。」



俺は田舎に住むただの極普通の高校生。普通に暮らしいてた。世間一般的に言うと普通じゃねぇかもしれねぇけどな。けどそんなたわいもない…いやクソみてぇな日常が急に一変することになる。



「チッ、金もねぇ。」



バイトしってけどやっぱ足りねぇな。ほんとに裕福な家庭が羨ましい。あいつはら普通に生活するだけでいいんだから。俺は親の機嫌を取りながら暮らしてる。学校でも超がつくほど浮いてる。俺がまともじゃねぇからな。つかまともってなんだよ。



「はぁ…。いっその事死んじまうか…。」



俺は生きる気力すら失っていた。だからとりあえず気分転換にその場に座り寝ようとした…がその時。



「へぇ。お前死にたいのか。」



さっきまで近くに誰もいなかったのに突如俺の前に背の高い男が現れた。素人の俺でもわかる。こいつ一般人じゃない。



「だ、誰だよお前…。俺に何の用だ。」

「さぁな。誰だろうな。」

「答えろよ…っ!」

「ならまず俺の質問から答えろ。」



なんなんだよ…。どうして俺ばっかりこんな面倒事に巻き込まれんだよ…。



「そんな顔してんじゃねぇよ。ただの話だから、な?上杉誠也くん。」

「な、なんで俺の名前を…。」

「知ってるさ。お前の事は何でも知ってる。調べあげたからな。」

「どうして…。」

「お前が気に入ったから。だから俺に着いてきてもらう。」

「…は?」

「とりあえず立て。」

「嫌に決まってんだろ!なんでついて行かなきゃいけねぇんだよ!」



急に現れて意味も分からずついて行くほど俺は馬鹿じゃない。だから断ってこいつから逃げようとした。こいつからは危険な香りしかしねぇから。



「おっと、逃がさないぞ。」

「くそっ、離せよ…!」



なんだこいつ…!なんでこんなに力が強いんだよ…!



「誠也くん。ちょっと落ち着いてよ。話が出来ねぇだろ。」

「落ち着けるかよ…!」

「だから話をするだけだって。」

「お前と話すことなんてない…!」

「そうか。けど俺はお前に話がある。だから黙って聞け。」

「う…っ、」



くそ…。くそくそ…。鳩尾殴られた。殴られ慣れてる俺でさえ倒れ込むほどの力…。とんでもねぇことに俺は巻き込まれちまった…。



「ほらぁ、誠也くんが言う事聞かないからだよ。」

「…てめぇ。」

「どうだ?話を聞く気になったか?」

「…………。」

「誠也くん。口の利き方から教えてやろうか?」

「…チッ、さっさと話せよ。」



こいつはとんでもないやつだ。怒らせないに越したことはない。そんで隙をついて逃げればいい。話は適当に聞こう。とりあえず逃げる隙を探さなきゃいけないから。



「口の利き方がなってねぇやつだな。まぁいい。そこは少しずつ調教してやる。とりあえず話だな。お前、今日から俺と暮らせ。」

「…は?」

「なんだ?嫌なのか?」

「あったりめぇだろ!そもそもお前誰だよ!」



誰かも分からない。別に俺には帰る家なんてないけどこいつの家には行きたくない。いや、行っちゃダメだ。分からないけどそう感じる。こいつについて行ったら終わりだって…。



「俺の正体が知りたいか?」

「…別に。」

「正直じゃねぇな。まぁいい。教えてやる。俺は近藤会の組長だ。意味が分かるな?ヤクザってやつだ。」

「…うそ、だろ。」

「嘘じゃねぇよ。」

「な、なんで俺にこんなことすんだよ…っ!」

「だから言ったろ?気に入ったからだ。俺達は歳も近いしちょうどいいじゃねぇか。」



確かにこいつの見た目は若く見える。20代後半ってところだろう。けどそういう問題じゃねぇだろ。極道について行くとかそんな馬鹿なことするわけねぇだろうが!



「行かねぇって言ったら…?」

「力づくで連れていく。」

「…………。」

「なぁお前なんか勘違いしてねぇか?」

「…は?」

「俺は提案をしてんじゃねぇんだよ誠也くん。元々決まってんだよ。俺の言う事は絶対ってな。だからこれは命令だ。提案なんかじゃねぇ。」

「ふざけんなよ…っ、」

「いいねぇその目付き。益々気に入った。」

「気持ち悪いんだよ!離れろよ!」

「今から一緒に暮らすって言ってんのになんで離れんだ?馬鹿なのか?」

「馬鹿なのはそっちだろ!」



いや…極道に常識を求めてもダメだ。逃げねぇと…。



「おい。逃げるなって言ったよな。」

「…っ、くそ、離せよっ!」

「めんどくせぇな。」

「う゛っ…、」



くそ!また殴られちまった…。しかもさっきよりも強い力。まずい…。気を失う…。くそ…。




感想 16

あなたにおすすめの小説

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

飼われる側って案外良いらしい。

なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。 向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。 「まあ何も変わらない、はず…」 ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。 ほんとに。ほんとうに。 紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22) ブラック企業で働く最下層の男。顔立ちは悪くないが、不摂生で見る影もない。 変化を嫌い、現状維持を好む。 タルア=ミース(347) 職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。 最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…? 2025/09/12 ★1000 Thank_You!!

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

人気アイドルの俺、なぜかメンバー全員に好かれてます

七瀬
BL
デビュー4年目の人気アイドルグループ「ECLIPSE(エクリプス)」に所属する芹沢 美澄(せりざわみすみ)は、昔からどこか抜けていてマイペースな性格。 歌もダンスも決して一番ではないはずなのに、なぜかファンからもメンバーからも目を離されない存在だった。 世話焼きな幼なじみ、明るく距離の近い同い年、しっかり者で面倒見のいい年上、掴みどころのない自由人、そして無言で隣にいるリーダー——。 気づけば、美澄の周りにはいつも誰かがいて、当たり前のように甘やかされていく。

魔王に飼われる勇者

たみしげ
BL
BLすけべ小説です。 敵の屋敷に攻め込んだ勇者が逆に捕まって淫紋を刻まれて飼われる話です。

番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か

雪兎
BL
第二性が存在する世界。 Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。 しかし入学初日、彼の前に現れたのは―― 幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。 成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。 だが湊だけが知っている。 彼が異常なほど執着深いことを。 「大丈夫、全部管理してあげる」 「君が困らないようにしてるだけだよ」 座席、時間割、交友関係、体調管理。 いつの間にか整えられていく環境。 逃げ場のない距離。 番を拒みたいΩと、手放す気のないα。 これは保護か、それとも束縛か。 閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。