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「…なんだよそれ。え、じゃあなんで、星秀さんは幹部に…?」
知らなかった。星秀さんがそんな思いをしてたなんて…。だから健二に連れていかれる星秀さんを見て渚たちはあんな目をしてたんだ。心配してたんだ。でも健二には逆らえないから帰ってくる時間だけでも聞こうとした。
「元々は性欲処理目的だったんだが組長がこいつの才能に気付いて無理やり幹部にしたんだよ。それまでは俺らでやり放題だったし他の組の奴らにも取引の材料として星秀を抱かせてた。けど幹部ってならそうもいかねぇ。だから色々星秀に叩き込んで幹部にしたってわけだ。そしたら星秀も逃げるに逃げられねぇからな。そっからは真面目に仕事してくれたよ。俺らが色々脅したからな。」
「…なんだよそれ。」
そんなの…。だから星秀さんは俺にあんなに優しくしてくれたのか…?じゃあ健二が俺に優しくしたのはなんなんだよ…。あれは演技だったのか…?
「なんか問題でもあんのか?それに誠也。お前は人の心配してる場合じゃねぇぞ。お前も組長のもんなんだからこれから毎日組長に抱かれることになるんだ。俺にだって抱かれることもあるかもな。まぁないにしても躾はする。お前次第でな。」
こいつ…。こいつら勝手すぎる。自分の欲を満たすために人の人生ぶち壊しにするのかよ!最低すぎるだろ…。
「…卑怯だ。」
「卑怯?何を今更。誠也いいか?いい事を教えてやる。ヤクザってのはそういうもんだ。そんでそのヤクザに目をつけられちまったやつは一生普通の生活が出来ねぇんだよ。星秀みたいな。」
…星秀さんは言ってた。俺の歳ぐらいの時にヤクザになったって。だからそこからずっとこの暮らしをしてるんだ。ここでしか生きれなかったって言ってたけどそれは全部脅しだったんだ。
「星秀。お前はいつまでぼーっとしてんだ。早く服を脱げ。全部だ。」
「…はい。」
「さっさとしろ。時間をかけるな。」
…何だこの扱い。健二が星秀さんを蹴りやがった。本気じゃねぇ。それは分かってる。けどそういう問題じゃねぇだろ。
「そう。いい子だ星秀。誠也、お前もちゃんと見てろよ。この星秀の姿を。」
これはこのまま黙ってていいのか…?助けるべきなんじゃねぇのか…?けど俺なんかが助けられるか…?いや無理だ。そもそも健二に勝てねぇ…。
「星秀、そのままにしてろ。一歩も動くなよ。」
健二は星秀さんにそう言うとベットに上がった。俺を抱き抱えたまま…。そんで俺をベットに下ろした。てことは何かされはのは俺ってことか…?ならいい。星秀さんが何もされないなら。
「よし、今度は誠也の番だ。服脱ごうな。」
「…健二さん!」
「なんだよ星秀。俺の言うことが聞けねぇのか?」
悔しそうな星秀さんの顔…。星秀さんは優しすぎるんだ。これまで辛い思いを沢山してきたはず。ヤクザになりたくてなったんじゃないなら殺しをするのも相当辛かったはず。なのにそれをした。その上俺を助けてくれようとしてる。だから俺も星秀さんを助けねぇと…。
「そういう訳では…、」
「なら何も言うな星秀。そうしねぇとまた俺はお前に酷いことしなきゃいけねぇからな。お前が誠也を抱いたことも組長に言っちまうぞ。渚達も同じことをしてたがお前だけが誠也を抱いたって俺が言えば組長は信じる。そしたらどうなるだろうな。なぁ星秀。」
なんでここまで星秀さんを苦しめるんだ…?星秀さんはなりたくもないヤクザになってなんの文句も言わずに幹部になったんじゃねぇの?なのになんでここまですんだよ…。
「……やめろよ!」
「あ?誠也?お前口の利き方がなってねぇじゃねぇか。」
そんなの知らねぇ…。健二なんてもう怖くない。怖いけど怖くないと思うようにする。俺は…俺の人生で唯一俺に良くしてくれた人を助ける。絶対助ける。この人を放っておけない。
「っ、離せ…!!」
俺は俺の体を拘束していた健二の手を払いのけた。けどまたすぐ捕まった。当たり前だ。俺と健二じゃ力の差も違うんだから。でも力の差があるからってなんだ!俺は星秀さんを助けるんだ。
「誠也。なぁお前何してんの?逃げらんねぇって。暴れんなよ。」
そう言いながら健二は俺を抱きしめるようにして拘束してくる。星秀さんの時は蹴ったりしてたのにやっぱり俺には手をあげない。治の指示なんだろうか?いやどうでもいい。俺はこれを利用する。健二が俺に手をあげられないのを利用して星秀さんを…。
「俺はっ、逃げるつもりは無い…!」
「じゃあなんで暴れてんだよ。星秀の所に行くつもりか?」
健二のやつ…今度は俺の頬を鷲掴みにして顔を近づけてきた。その様子を星秀さんが心配そうに見てる。けど体は動かせてない。これまで星秀さんはこいつらに色々されたから怖いんだろう。俺もわかる。さっきされたことだけで怖かった。治にされたこと健二にされたこと全部怖かった。それを何年もやられてるんだ星秀さんは。許せない…。
「違う…!」
「は?じゃあなんだってんだ誠也。逃げようってもそうはいかねぇぞ。」
「違うって言ってんだろ…!」
「ならなんだよ。」
「…ちゃんと。ちゃんと健二さんの言うこと聞くから星秀さんには何もしないでくれ。」
知らなかった。星秀さんがそんな思いをしてたなんて…。だから健二に連れていかれる星秀さんを見て渚たちはあんな目をしてたんだ。心配してたんだ。でも健二には逆らえないから帰ってくる時間だけでも聞こうとした。
「元々は性欲処理目的だったんだが組長がこいつの才能に気付いて無理やり幹部にしたんだよ。それまでは俺らでやり放題だったし他の組の奴らにも取引の材料として星秀を抱かせてた。けど幹部ってならそうもいかねぇ。だから色々星秀に叩き込んで幹部にしたってわけだ。そしたら星秀も逃げるに逃げられねぇからな。そっからは真面目に仕事してくれたよ。俺らが色々脅したからな。」
「…なんだよそれ。」
そんなの…。だから星秀さんは俺にあんなに優しくしてくれたのか…?じゃあ健二が俺に優しくしたのはなんなんだよ…。あれは演技だったのか…?
「なんか問題でもあんのか?それに誠也。お前は人の心配してる場合じゃねぇぞ。お前も組長のもんなんだからこれから毎日組長に抱かれることになるんだ。俺にだって抱かれることもあるかもな。まぁないにしても躾はする。お前次第でな。」
こいつ…。こいつら勝手すぎる。自分の欲を満たすために人の人生ぶち壊しにするのかよ!最低すぎるだろ…。
「…卑怯だ。」
「卑怯?何を今更。誠也いいか?いい事を教えてやる。ヤクザってのはそういうもんだ。そんでそのヤクザに目をつけられちまったやつは一生普通の生活が出来ねぇんだよ。星秀みたいな。」
…星秀さんは言ってた。俺の歳ぐらいの時にヤクザになったって。だからそこからずっとこの暮らしをしてるんだ。ここでしか生きれなかったって言ってたけどそれは全部脅しだったんだ。
「星秀。お前はいつまでぼーっとしてんだ。早く服を脱げ。全部だ。」
「…はい。」
「さっさとしろ。時間をかけるな。」
…何だこの扱い。健二が星秀さんを蹴りやがった。本気じゃねぇ。それは分かってる。けどそういう問題じゃねぇだろ。
「そう。いい子だ星秀。誠也、お前もちゃんと見てろよ。この星秀の姿を。」
これはこのまま黙ってていいのか…?助けるべきなんじゃねぇのか…?けど俺なんかが助けられるか…?いや無理だ。そもそも健二に勝てねぇ…。
「星秀、そのままにしてろ。一歩も動くなよ。」
健二は星秀さんにそう言うとベットに上がった。俺を抱き抱えたまま…。そんで俺をベットに下ろした。てことは何かされはのは俺ってことか…?ならいい。星秀さんが何もされないなら。
「よし、今度は誠也の番だ。服脱ごうな。」
「…健二さん!」
「なんだよ星秀。俺の言うことが聞けねぇのか?」
悔しそうな星秀さんの顔…。星秀さんは優しすぎるんだ。これまで辛い思いを沢山してきたはず。ヤクザになりたくてなったんじゃないなら殺しをするのも相当辛かったはず。なのにそれをした。その上俺を助けてくれようとしてる。だから俺も星秀さんを助けねぇと…。
「そういう訳では…、」
「なら何も言うな星秀。そうしねぇとまた俺はお前に酷いことしなきゃいけねぇからな。お前が誠也を抱いたことも組長に言っちまうぞ。渚達も同じことをしてたがお前だけが誠也を抱いたって俺が言えば組長は信じる。そしたらどうなるだろうな。なぁ星秀。」
なんでここまで星秀さんを苦しめるんだ…?星秀さんはなりたくもないヤクザになってなんの文句も言わずに幹部になったんじゃねぇの?なのになんでここまですんだよ…。
「……やめろよ!」
「あ?誠也?お前口の利き方がなってねぇじゃねぇか。」
そんなの知らねぇ…。健二なんてもう怖くない。怖いけど怖くないと思うようにする。俺は…俺の人生で唯一俺に良くしてくれた人を助ける。絶対助ける。この人を放っておけない。
「っ、離せ…!!」
俺は俺の体を拘束していた健二の手を払いのけた。けどまたすぐ捕まった。当たり前だ。俺と健二じゃ力の差も違うんだから。でも力の差があるからってなんだ!俺は星秀さんを助けるんだ。
「誠也。なぁお前何してんの?逃げらんねぇって。暴れんなよ。」
そう言いながら健二は俺を抱きしめるようにして拘束してくる。星秀さんの時は蹴ったりしてたのにやっぱり俺には手をあげない。治の指示なんだろうか?いやどうでもいい。俺はこれを利用する。健二が俺に手をあげられないのを利用して星秀さんを…。
「俺はっ、逃げるつもりは無い…!」
「じゃあなんで暴れてんだよ。星秀の所に行くつもりか?」
健二のやつ…今度は俺の頬を鷲掴みにして顔を近づけてきた。その様子を星秀さんが心配そうに見てる。けど体は動かせてない。これまで星秀さんはこいつらに色々されたから怖いんだろう。俺もわかる。さっきされたことだけで怖かった。治にされたこと健二にされたこと全部怖かった。それを何年もやられてるんだ星秀さんは。許せない…。
「違う…!」
「は?じゃあなんだってんだ誠也。逃げようってもそうはいかねぇぞ。」
「違うって言ってんだろ…!」
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