怖いお兄さん達に誘拐されたお話

安達

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嫌悪感

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「つかお前風呂に入らなきゃだな。組長に可愛がられたのか?」



健二…いやこいつは本当に無駄口が多い。出来れば俺は健二と話したくない。なのにひたすらに話しかけてくる。喋ってなきゃ死ぬのかよってぐらいな。



「…そんなんじゃない。」

「なんだよ。ご機嫌ななめか?」

「…違う。」

「んだよ。可愛くねぇやつ。まぁ星秀も最初はこんなんだったな。それが段々と従順になっていった。だから誠也も最終的にはそうなるんだよ。今はこんなに反抗できる余裕があるみたいだけどな。」



うるさい…。うるせぇんだよ…。人をなんだと思ってんだ…。



「無視かよ。まぁいいか。風呂入るぞ。」



健二はそう言いながら俺の服を脱がしてきた。この行為にも慣れ始めてる自分がいる。前の自分なら抵抗してただろうけどその気力すらもうない。いや正直に言うと怖いってのもある。反抗すればするほどやられるから。



「お前の体組長の印だらけだな。」

「…っ、」

「ん?どうした。」



どうしたじゃねぇよ…。噛まれた傷触られて痛くねぇわけねぇじゃんか。さっき無視した仕返しか?ほんとに腹立つ野郎だ…。



「…痛い。」

「あー悪かった悪かった。けどお前が無視するからだろ?」



俺のせいかよ…。めんどくせぇ…。



「……………。」

「また無視か。まぁいい。それが出来るのも今のうちだけだもんな。」



健二はそう言って笑いながら服を脱ぎ始めた。こいつも裸になるのか…。勃起してるし…。気持ち悪い…。



「おい誠也。何目を逸らしてんだよ。」

「…別にそんなんじゃない。」

「ならなんで横見てんだよ。そこには何もねぇだろ?」

「…っ、うるさい!」

「反抗的な目だな。はは、いいねぇ。犯したくなる。組長が許すなら俺はお前の頭の中から星秀が消えるぐらいに犯したいな。」

「……………っ。」



こいつは星秀さんが嫌いなのか…?星秀さんが健二に何かしたのか?違うだろ。俺はそれを見た訳じゃないから分かんねぇけど星秀さんがするとしたら逃げようとすることぐらいだと思う。なのになんでこいつはこんなに星秀さんに大して嫌悪感を抱いてるんだよ。



「はは、冗談だ。そんな顔するなって誠也。」

「……笑えない冗談はやめてください。」

「笑えない?何馬鹿なこと言ってんだ。笑えるだろ。俺はいつだってお前を抱きたいんだから。ほら誠也来い。風呂入るぞ。」



俺はそう言った健二に腕を引かれた。出来れば俺は自分で歩きたくない。それぐらいに足腰が痛かった。それだけじゃない。噛まれたところ腕、首すらも痛かった。言ってしまえば全身が痛い…。



「さっと体洗って湯船に浸かろうな。」

「……………。」

「ん?誠也。返事は?」

「…はい。」

「よし。いい子だ。」



健二はそう言うとその言葉通りさっと俺と自分の体を洗った。そんでその後俺は健二のされるがままとなり湯船に浸かった。



「あーいい湯だな。なぁ誠也。」

「…そうですね。」

「つかさっき組長から連絡入ってたんだけど星秀逃がすんだってな。お前が取引したんだろ?立派じゃねぇか。」



うるさい。触るな気持ち悪い…。けど俺は健二に聞きたいことがあった。それは本当に星秀さんを逃してくれるのかということ。こいつらは極道だ。そんな簡単にいくわけない。俺の中でその疑いが消えなかった。だからここで俺は健二にそのことを聞こうとした。



「あの健二さん…。」

「どうした?」

「星秀さんは本当に解放されるんですよね…?」

「何言ってんだ。当たり前だろ?俺たちを疑ってんのか?」

「そういうわけじゃ…ないけど、」



信用出来ないんだ。疑ってるかって?そんなの当たり前だ。お前らなんか信用出来ない。だからこうやって聞いてるんだ。



「じゃあなんだよ。」

「…心配になってっ、」

「ふーん。けどまぁ安心しろよ。本当に逃がしてやるから。けど星秀がそれを望まずに帰ってくるかもしれねぇけどな。」

「…え?」

「星秀はお前に対して特別な感情を持ってる。だから戻ってくるはずだ。そうなりゃ俺らは捕まえるぜ星秀を。」

「っ、約束が違う…!!!」



俺がそう叫ぶように言うと健二が俺の腕を掴んできた。俺が怒りのあまり立ち上がったから遠くに行かないようにそうしたんだと思う。けど俺はその健二の手が気持ち悪くて振り払おうとした…が、俺が健二に勝てるはずもなく引っ張られてまた健二の近くに逆戻りだ。



「うるせぇな。ほら抱きしめてやるからそんな顔するな。」

「やめっ、離せ…っ!」

「誠也。あんま俺らを舐めるなよ。慈悲とかそう言うの俺らにはねぇんだよ。利用出来るもんは利用する。それはお前もそうだぜ?俺らの至福を満たすためにお前はここにいるんだから。それが分かってねぇなら今から躾をしてやろうか?」

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