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励ましでもなんでもない
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「な、なんだよこれ…!!!」
風呂でやたら慎都さんは俺の体を吸ってくるなとは思ってたけどまさかここまでになってるなんて思わなかった。なんだよこれ!身体中に痣みたいなのが出来てるじゃねぇか!真っ赤だし!これ明日には消えるよな…!?
「俺のもんって印。さっき風呂で散々付けたじゃねぇか。」
「こんなになるなんて聞いてねぇ…。」
首やら肋骨辺りやら数え切れないほどに痕がついてる。これが世間で言うキスマークってやつか…。これ…地味に痛いし…。つか普通に付けすぎだろ!加減考えろよ!
「ああ。言ってねぇからな。つか言ったらお前やめろって暴れるだろ。誠也が馬鹿で助かったわ。あと明日は胸元が開いてる服着ていけよ。」
「はぁ!?何言ってんだよ絶対嫌だ!」
何が良くてこんなもの見せびらかしながら歩かなきゃいけねぇんだよ!!おかしいだろ!!絶対嫌だし!隠してやる…っ!恥ずかしくてこんなんじゃ星秀さんにも会えねぇよ!
「そうか。ならお前を星秀には会わせてやんねぇ。」
「…っ、この!」
大人げなさすぎる…っ!何がそんなに嫌なんだよ!会って話して俺は星秀さんの無事を確認したいんだ!元気かなとか風邪ひいてないかなとか色々…!ストレス感じると熱を出しちゃうタイプとかもいるからよ。俺はあれから星秀さんとまともに話せてすらない!だからそれの確認したいのに…っ。
「誠也。自由にしていいとは言ったがお前は一番に俺を優先しろ。だからその痕も隠したりしたら明日は星秀に会わせねぇからな。」
「…………………っ。」
くそ…っ。でも星秀さんには会いたい。心配なんだ。だけどこんな恥ずかしい姿で星秀さんに会う訳には…っ。でも…そしたら一生星秀さんに会えない可能性だってある。無事に明日が迎えられるって確信はないんだから。まぁ慎都さんがいる限り俺は生きてられるだろうけどよ…。
「…分かったよ。慎都さんの言う通りにする。」
「いい子だ誠也。」
俺は恥ずかしさなんて気にしないことにした。それ以上に星秀さんが心配だから。会いたいから。話したいから。それに俺が恥ずかしいのを我慢したらいいだけ。きっと誰も見ない。ただの怪我だと思うだろ。ここまでの痕がついてたらさすがにキスマークだなんて思わねぇ…はずだ!
「よーし。じゃあ誠也、寝室行くぞー。」
「あ、待てっ、自分で歩くってば!」
慎都さんは有無を言わずに俺を抱っこしてきた。いつも急なんだよまじで!抱っこすんなら抱っこするって言え!それに俺は自分で歩けるっつーの!
「駄目だ。無理させたから歩かせねぇ。明日足腰痛くなりたくなきゃ黙って抱っこされてろ。」
「……………っ。」
なんだよもう…。大人げねぇくせに俺の気持ち全部分かってんじゃねぇよ…。手も足も出ねぇじゃねぇか。
「おら誠也、着いたぞ。下ろすからな。」
「…ふかふか。」
俺はこんなふかふかな布団とベットで寝たことがない。不思議な気持ちだ。ここは…天国か?現実世界じゃないみたいだ。一生ここにいたいと思わせるようなベット…。開発した人は天才だな。
「だろ?これは游が俺にくれたやつだ。」
游さん…。游さんは…大丈夫かな。俺の前では多分、弱ってる姿を絶対に見せようとしない。游さんの性格上。車にいた時も普通に話してた。そこからも普通に話してた。いくら怪我をすることに慣れてると言っても痛いのは痛いはず。だから俺は余計に心配になったのと……罪悪感が膨れ上がっていた。
「游さん大丈夫かな…?」
「何が?」
「何がって…撃たれてたじゃん!」
「あーそれか。気にすんな。」
気にすんなって…そんなことできるわけが無い!慎都さんのことでいっぱいいっぱいになってたから言えなかったけど俺はずっと責任を感じてる。だって俺なんかを助けなきゃ游さんが撃たれることはなかったんだから…っ。
「気にする…!気にするに決まってる!游さんは俺のせいで撃たれたんだから!」
「いやどう考えても誠也のせいじゃねぇだろ。」
「…俺だよ。俺の事庇って…。」
「だから違ぇって。それ以上言ったら抱き潰すぞ。論点ズレてんだよお前。そもそもお前が撃たれること事態おかしい事に気づけよ。お前は監禁されてたわけであそこにいたくていたわけじゃない。だからあいつに庇われようがなんにせよお前は悪くない。お前のせいで游は怪我をしたんじゃねぇ。馬鹿を言うな。ただでさえ馬鹿なのに。これ以上馬鹿になるなよ。」
ばか…ばかって…。でも俺は慎都さんにそう言われて少し救われたような気がした。励ましでもなんでもない。俺を元気にしようとして言ってる訳でもない。事実を言ってくれたから。
「…ばかじゃねぇもん。」
「そうか?馬鹿だけど。まぁいいじゃねぇか。それでもお前は可愛いしよ。あと勘違いすんなよ。俺はお前を励ましてるわけじゃない。事実を言ってんだ。心配なら明日星秀に会いに行くついでに游にも会いに行こう。」
「うん…っ。」
「まぁお前のその身体を見て游は発狂するだろうけどな。」
「さ、最低だ………っ!!」
「はは、面白ぇやつ。」
風呂でやたら慎都さんは俺の体を吸ってくるなとは思ってたけどまさかここまでになってるなんて思わなかった。なんだよこれ!身体中に痣みたいなのが出来てるじゃねぇか!真っ赤だし!これ明日には消えるよな…!?
「俺のもんって印。さっき風呂で散々付けたじゃねぇか。」
「こんなになるなんて聞いてねぇ…。」
首やら肋骨辺りやら数え切れないほどに痕がついてる。これが世間で言うキスマークってやつか…。これ…地味に痛いし…。つか普通に付けすぎだろ!加減考えろよ!
「ああ。言ってねぇからな。つか言ったらお前やめろって暴れるだろ。誠也が馬鹿で助かったわ。あと明日は胸元が開いてる服着ていけよ。」
「はぁ!?何言ってんだよ絶対嫌だ!」
何が良くてこんなもの見せびらかしながら歩かなきゃいけねぇんだよ!!おかしいだろ!!絶対嫌だし!隠してやる…っ!恥ずかしくてこんなんじゃ星秀さんにも会えねぇよ!
「そうか。ならお前を星秀には会わせてやんねぇ。」
「…っ、この!」
大人げなさすぎる…っ!何がそんなに嫌なんだよ!会って話して俺は星秀さんの無事を確認したいんだ!元気かなとか風邪ひいてないかなとか色々…!ストレス感じると熱を出しちゃうタイプとかもいるからよ。俺はあれから星秀さんとまともに話せてすらない!だからそれの確認したいのに…っ。
「誠也。自由にしていいとは言ったがお前は一番に俺を優先しろ。だからその痕も隠したりしたら明日は星秀に会わせねぇからな。」
「…………………っ。」
くそ…っ。でも星秀さんには会いたい。心配なんだ。だけどこんな恥ずかしい姿で星秀さんに会う訳には…っ。でも…そしたら一生星秀さんに会えない可能性だってある。無事に明日が迎えられるって確信はないんだから。まぁ慎都さんがいる限り俺は生きてられるだろうけどよ…。
「…分かったよ。慎都さんの言う通りにする。」
「いい子だ誠也。」
俺は恥ずかしさなんて気にしないことにした。それ以上に星秀さんが心配だから。会いたいから。話したいから。それに俺が恥ずかしいのを我慢したらいいだけ。きっと誰も見ない。ただの怪我だと思うだろ。ここまでの痕がついてたらさすがにキスマークだなんて思わねぇ…はずだ!
「よーし。じゃあ誠也、寝室行くぞー。」
「あ、待てっ、自分で歩くってば!」
慎都さんは有無を言わずに俺を抱っこしてきた。いつも急なんだよまじで!抱っこすんなら抱っこするって言え!それに俺は自分で歩けるっつーの!
「駄目だ。無理させたから歩かせねぇ。明日足腰痛くなりたくなきゃ黙って抱っこされてろ。」
「……………っ。」
なんだよもう…。大人げねぇくせに俺の気持ち全部分かってんじゃねぇよ…。手も足も出ねぇじゃねぇか。
「おら誠也、着いたぞ。下ろすからな。」
「…ふかふか。」
俺はこんなふかふかな布団とベットで寝たことがない。不思議な気持ちだ。ここは…天国か?現実世界じゃないみたいだ。一生ここにいたいと思わせるようなベット…。開発した人は天才だな。
「だろ?これは游が俺にくれたやつだ。」
游さん…。游さんは…大丈夫かな。俺の前では多分、弱ってる姿を絶対に見せようとしない。游さんの性格上。車にいた時も普通に話してた。そこからも普通に話してた。いくら怪我をすることに慣れてると言っても痛いのは痛いはず。だから俺は余計に心配になったのと……罪悪感が膨れ上がっていた。
「游さん大丈夫かな…?」
「何が?」
「何がって…撃たれてたじゃん!」
「あーそれか。気にすんな。」
気にすんなって…そんなことできるわけが無い!慎都さんのことでいっぱいいっぱいになってたから言えなかったけど俺はずっと責任を感じてる。だって俺なんかを助けなきゃ游さんが撃たれることはなかったんだから…っ。
「気にする…!気にするに決まってる!游さんは俺のせいで撃たれたんだから!」
「いやどう考えても誠也のせいじゃねぇだろ。」
「…俺だよ。俺の事庇って…。」
「だから違ぇって。それ以上言ったら抱き潰すぞ。論点ズレてんだよお前。そもそもお前が撃たれること事態おかしい事に気づけよ。お前は監禁されてたわけであそこにいたくていたわけじゃない。だからあいつに庇われようがなんにせよお前は悪くない。お前のせいで游は怪我をしたんじゃねぇ。馬鹿を言うな。ただでさえ馬鹿なのに。これ以上馬鹿になるなよ。」
ばか…ばかって…。でも俺は慎都さんにそう言われて少し救われたような気がした。励ましでもなんでもない。俺を元気にしようとして言ってる訳でもない。事実を言ってくれたから。
「…ばかじゃねぇもん。」
「そうか?馬鹿だけど。まぁいいじゃねぇか。それでもお前は可愛いしよ。あと勘違いすんなよ。俺はお前を励ましてるわけじゃない。事実を言ってんだ。心配なら明日星秀に会いに行くついでに游にも会いに行こう。」
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