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鬼ごっこ
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「よしじゃあ全員揃った事だし始めるか。」
慎都さんがそりゃもう楽しそうにそう言った。そんな慎都さんとは真反対に俺は不安しかない。逃げ切れるかどうか…不安だ…。
「も、もう始めるの…?」
「游も銀時も来たじゃねぇか。」
「そうだけど…っ。」
いち早く始めたいんだろうな慎都さんは。何言ってんだお前みたいな顔をして俺を見てくる。でも俺は不安なんだよ。何故か銀時さんまでノリノリなのが俺にとっちゃとても不安。一番捕まえられても安全な人だと思ってたけど…もしかしたらそうじゃないのかもしれない。
「誠也、腹くくれって。長引かせれば長引かせるほど嫌になるぞ?な?」
游さんも慎都さんと同じ意見らしい…。ここでは俺の味方はいない…。銀時さんだけは違うと思ってたのに…っ。腹を括るしか…ないのか。
「游の言う通りだ。なぁ銀時。お前もそう思うよな。」
「そうですね。今ばかりは珍しく俺も慎都さんに賛成します。」
銀時さんは普段笑わないけど今笑ってる。游さんとか慎都さんみたいにニヤニヤしてるわけじやないんだけどね。だけど…楽しそうなんだ。仕事の時のあの真顔はどこいっちゃったんだよって思わずツッコんじゃいそうになるぐらいに。
「…銀時。お前はいつも一言余計だな。」
「事実ですよ慎都さん。」
「へーへー。そうかよ。まぁつーことで始めるぞ誠也。」
3対1…。みんな俺とは逆意見だ。この調子で俺が駄々を捏ねてもきっといいことなんてない。特に游さん。俺にちょっかいをかけるのが游さんは大好きだから。けどそれをいつも慎都さんに止められてる。だから俺はいつも守られてるけど今は違う。だからこそ游さんがやり過ぎないか不安だ…。でも腹をくくろう。
「…分かったよ。やる。」
「いい子だ。じゃあ制限時間は30分とかにするか?」
「長くない!?」
慎都さんが提案してきた時間があまりにも長くて俺は思わず声を荒らげた。大っきい声を出した!いやいや叫んだわ!だって30分って!俺は長くても10分位かなって思ってたのに!
「は?長いか?お前らどう思う?」
「俺も頭と同じ意見です。30分ぐらいがちょうどいいですよ。なんなら少ないぐらいです。体力つけるためには体にムチを打つ必要がありますから。」
游さんめ…。自分がいい思いをしたいからってそう言っちゃってさ…っ!逆の立場だったら絶対そんなこと言わないはずなのに!ニヤニヤしやがって…っ。
「でも長すぎだろさすがに!初っ端からそんなに逃げ切れるわけねぇじゃん!游さんは怪我してっから本調子じゃねぇけど慎都さんや銀時さんは俺には勝ち目がない!」
「おいおい甘えんなよ誠也。そんな調子だと本当に危ない場面になった時どうすんだよ。逃げ切れるのか?無理だろ?な?」
それはそう…。游さんの言う通りではある。そうなんだけど…今回は捕まったら俺にとってペナルティがある。それを30分もするなんて…っ。
「…それは…そうだけどっ。」
「誠也。いい加減腹を括れ。これはお前のために慎都さんが提案してくれたことだ。だからもう始めよう。」
銀時さんがほんとに乗り気で怖い…。何もしないよな…。俺はそう信じるよ銀時さん。あなただけは俺に変なことしないって…信じてるからな!
「分かった。やる。」
「お前銀時には聞き分けよくなるよな。会った時からそうだけどよ。」
游さんは俺が銀時さんの言うことを聞く度にそう言ってくる。けどいつもいつもそうじゃない。今もそうだ。慎都さん…游さんに言われてその後銀時さんに言われた。3人からそう言われちゃ腹を括るしかない。だから俺はそう言ったんだけど…まぁいっか。
「そんな事ない。」
「そうか?まぁいいけど。んじゃ誠也も腹括ったことだし始めましょうよ頭。」
游さんが俺の頭をわしゃわしゃと撫でながらそう言ってきた。わぁ…始まる。俺の体力限界を試すものが…。明日は筋肉痛だな。その勢いで俺は逃げてやる。絶対逃げ切ってやるんだからな!初めのうちは隠れるつもりだけど…な。見つかりさえしなければ逃げなくてもいいんだから。
「そうだな。誠也、逃げていいぞ。だが逃げる範囲はこのフロアだけだ。それ以外のところは行くな。俺の家があるこのフロアだけ。このフロアだけでもすげぇ広いし逃げるには十分だろ。それでお前が逃げてから1分後に俺達も動き始める。さぁ誠也、頑張って逃げてみろ。」
慎都さんがそりゃもう楽しそうにそう言った。そんな慎都さんとは真反対に俺は不安しかない。逃げ切れるかどうか…不安だ…。
「も、もう始めるの…?」
「游も銀時も来たじゃねぇか。」
「そうだけど…っ。」
いち早く始めたいんだろうな慎都さんは。何言ってんだお前みたいな顔をして俺を見てくる。でも俺は不安なんだよ。何故か銀時さんまでノリノリなのが俺にとっちゃとても不安。一番捕まえられても安全な人だと思ってたけど…もしかしたらそうじゃないのかもしれない。
「誠也、腹くくれって。長引かせれば長引かせるほど嫌になるぞ?な?」
游さんも慎都さんと同じ意見らしい…。ここでは俺の味方はいない…。銀時さんだけは違うと思ってたのに…っ。腹を括るしか…ないのか。
「游の言う通りだ。なぁ銀時。お前もそう思うよな。」
「そうですね。今ばかりは珍しく俺も慎都さんに賛成します。」
銀時さんは普段笑わないけど今笑ってる。游さんとか慎都さんみたいにニヤニヤしてるわけじやないんだけどね。だけど…楽しそうなんだ。仕事の時のあの真顔はどこいっちゃったんだよって思わずツッコんじゃいそうになるぐらいに。
「…銀時。お前はいつも一言余計だな。」
「事実ですよ慎都さん。」
「へーへー。そうかよ。まぁつーことで始めるぞ誠也。」
3対1…。みんな俺とは逆意見だ。この調子で俺が駄々を捏ねてもきっといいことなんてない。特に游さん。俺にちょっかいをかけるのが游さんは大好きだから。けどそれをいつも慎都さんに止められてる。だから俺はいつも守られてるけど今は違う。だからこそ游さんがやり過ぎないか不安だ…。でも腹をくくろう。
「…分かったよ。やる。」
「いい子だ。じゃあ制限時間は30分とかにするか?」
「長くない!?」
慎都さんが提案してきた時間があまりにも長くて俺は思わず声を荒らげた。大っきい声を出した!いやいや叫んだわ!だって30分って!俺は長くても10分位かなって思ってたのに!
「は?長いか?お前らどう思う?」
「俺も頭と同じ意見です。30分ぐらいがちょうどいいですよ。なんなら少ないぐらいです。体力つけるためには体にムチを打つ必要がありますから。」
游さんめ…。自分がいい思いをしたいからってそう言っちゃってさ…っ!逆の立場だったら絶対そんなこと言わないはずなのに!ニヤニヤしやがって…っ。
「でも長すぎだろさすがに!初っ端からそんなに逃げ切れるわけねぇじゃん!游さんは怪我してっから本調子じゃねぇけど慎都さんや銀時さんは俺には勝ち目がない!」
「おいおい甘えんなよ誠也。そんな調子だと本当に危ない場面になった時どうすんだよ。逃げ切れるのか?無理だろ?な?」
それはそう…。游さんの言う通りではある。そうなんだけど…今回は捕まったら俺にとってペナルティがある。それを30分もするなんて…っ。
「…それは…そうだけどっ。」
「誠也。いい加減腹を括れ。これはお前のために慎都さんが提案してくれたことだ。だからもう始めよう。」
銀時さんがほんとに乗り気で怖い…。何もしないよな…。俺はそう信じるよ銀時さん。あなただけは俺に変なことしないって…信じてるからな!
「分かった。やる。」
「お前銀時には聞き分けよくなるよな。会った時からそうだけどよ。」
游さんは俺が銀時さんの言うことを聞く度にそう言ってくる。けどいつもいつもそうじゃない。今もそうだ。慎都さん…游さんに言われてその後銀時さんに言われた。3人からそう言われちゃ腹を括るしかない。だから俺はそう言ったんだけど…まぁいっか。
「そんな事ない。」
「そうか?まぁいいけど。んじゃ誠也も腹括ったことだし始めましょうよ頭。」
游さんが俺の頭をわしゃわしゃと撫でながらそう言ってきた。わぁ…始まる。俺の体力限界を試すものが…。明日は筋肉痛だな。その勢いで俺は逃げてやる。絶対逃げ切ってやるんだからな!初めのうちは隠れるつもりだけど…な。見つかりさえしなければ逃げなくてもいいんだから。
「そうだな。誠也、逃げていいぞ。だが逃げる範囲はこのフロアだけだ。それ以外のところは行くな。俺の家があるこのフロアだけ。このフロアだけでもすげぇ広いし逃げるには十分だろ。それでお前が逃げてから1分後に俺達も動き始める。さぁ誠也、頑張って逃げてみろ。」
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