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盗み聞き
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「慎都さん盗み聞きしてただろ。」
「おい誠也。それの何が悪い。」
この人…潔く認めやがった。俺恥ずかしいこと何個か言った気がするんだけど…。まぁいいや。もっと恥ずかしいこと言わされてるし今更だろ…なんて俺は割り切れるようになった。
「つーか銀時。お前さぁ、何俺のもんに手を出そうとしてんだよ。」
「慎都さんのものじゃないでしょう。」
「は?俺のもんだし。な?誠也。」
「え、えっと…。」
そんなこと俺に聞かれても困る。だけどここで慎都さんの機嫌を損ねてしまうと俺はもっと抱かれてしまう気がする…。慎都さんの顔を見てるとそう思う。だから俺は…。
「そ、そうかもね…。」
って適当に流した。銀時さんの前だし恥ずかしいことはこれ以上言いたくなかったのと…認めたくなかった。俺が慎都さんを信頼して…特別に思い始めてるって。
「誠也。お前朝まで抱かれてぇの?」
「ち、違う…!」
俺が曖昧なことを言ったから慎都さんが悪い顔しながら俺に近づいてきた。な、なんでだよ!俺は別に否定してねぇじゃんか!それでもだめなのか?俺からしちゃ結構頑張った方なんだけどな…っ!正直になれない俺からしたら…!
「慎都さん。そうやって誠也を脅すのは良くないと思います。」
「うるせぇ銀時。お前は引っ込んでろ。」
「嫌です。」
「あ?」
「慎都さんと誠也の関係は俺にとっても関係ありますから。」
「はぁ?何言ってんだよお前。」
「そのままの意味ですよ。ていうかこれもう30分経ちましたよね。」
「え?ああ…そういやそうだな。」
口喧嘩になりそうで俺は少し怖かったけどその心配は無さそうだ。そもそもこの2人は長いこと一緒にいる。口喧嘩をしたところで仲が悪くなったりとかそういうのはないだろう。
「じゃあ誠也。帰るか家に。」
「う、うん。」
「慎都さん。ちょっと待ってください。」
俺はさっき慎都さんと約束…ってか勝手に言われたことだけど…。抱かれるって言われた。だから慎都さんはそれを今からしようとしてるんだ。家に帰ってね。だけどそんな慎都さんを銀時さんが止めてきた。
「なんだよお前さっきから。」
「すみません慎都さん。ちょっと誠也に話したいことがあるんです。」
「俺の前ならいいぞ。」
「ではお言葉に甘えて。」
少し嫌そうな顔をしている慎都さんだけど銀時さんを押しのけて帰ったりするなんてことはしなかった。慎都さんは文句は言うものの優しいんだ。
「誠也、慎都さんはもちろん游さんもお前の事を特別に思ってる。大切にも思ってる。」
「…は、はい!」
「だがそれは俺も同じだ。」
「はい……え?」
それは…つまり…どういうことなんだ…?
「は?おい銀時!」
「慎都さん静かにしてください。」
「お前のせいだろうが銀時!」
「いいから静かにしてください。俺は誠也と話をしてるんです。」
「ふざけんな!もう終わりだ!お前まで誠也狙ってるとかやめろ!」
「なんでですか。いいじゃないですか。」
慎都さんは俺の事を抱きしめながら銀時さんと口論してた。そういえば游さんどこ行ったんだろ。迷ったりは…してないよね。俺よりも游さんはここに詳しいんだから。
「なんでじゃねぇ!こいつは俺のもんで俺の愛人だ。手を出したりしたら許さねぇからな。」
「はいはい。分かってますよ慎都さん。」
「…銀時、お前な。」
「まぁまぁ慎都さん。そんなに怒らないでくださいよ。いい方に考えましょう。誠也を大切に思ってる人が沢山いるってのはいいことです。誠也もその分誰かに守られるんですから、ね?」
「それは…そうだけどよ。」
ため息をつきながら慎都さんは困り顔をしていた。だけど俺は嬉しかった。誰かにこうして大切にして貰えてるのが俺の前の人生では考えられなかったから。治の執着とか健二のあの嫌な感じとは全く違う。ここにいる人たちは俺の事を本気で大切にしてくれてる。その幸せを俺はみんなの知らないところで噛み締めまくってた。
「だから慎都さん。俺も遠慮なくこれから誠也を口説きますから。」
「へぇ…まぁいいや。勝手にしろ。誠也は俺の事が大好きだからお前が口説いたところで何も変わんねぇし。」
「なっ…!大好きじゃねぇし!」
…好き…かもしれねぇけど…!大好きじゃねぇし!つかそういうこと銀時さんの前で言うなよ!
「誠也。そういうこと言うならまじで朝まで抱き潰すぞ。」
「い、嫌だ!」
「なら帰るぞ。じゃあな銀時。また明日。」
「そうですね。お疲れ様です慎都さん。」
「ああ。お疲れ。」
怒ってはいるもののちゃんと挨拶をする慎都さんに俺は思わず微笑んだ。俺は慎都さんのこういうとこが好きなんだ。自分の感情に流されそうになりながらもこうやって人に普段通りに接するところが。
「慎都さん。」
「なんだよ誠也、俺は今気が立ってんだよ。」
「俺、慎都さんの言う通り慎都さんのこと好きみたいだ。」
「…は?」
「おい誠也。それの何が悪い。」
この人…潔く認めやがった。俺恥ずかしいこと何個か言った気がするんだけど…。まぁいいや。もっと恥ずかしいこと言わされてるし今更だろ…なんて俺は割り切れるようになった。
「つーか銀時。お前さぁ、何俺のもんに手を出そうとしてんだよ。」
「慎都さんのものじゃないでしょう。」
「は?俺のもんだし。な?誠也。」
「え、えっと…。」
そんなこと俺に聞かれても困る。だけどここで慎都さんの機嫌を損ねてしまうと俺はもっと抱かれてしまう気がする…。慎都さんの顔を見てるとそう思う。だから俺は…。
「そ、そうかもね…。」
って適当に流した。銀時さんの前だし恥ずかしいことはこれ以上言いたくなかったのと…認めたくなかった。俺が慎都さんを信頼して…特別に思い始めてるって。
「誠也。お前朝まで抱かれてぇの?」
「ち、違う…!」
俺が曖昧なことを言ったから慎都さんが悪い顔しながら俺に近づいてきた。な、なんでだよ!俺は別に否定してねぇじゃんか!それでもだめなのか?俺からしちゃ結構頑張った方なんだけどな…っ!正直になれない俺からしたら…!
「慎都さん。そうやって誠也を脅すのは良くないと思います。」
「うるせぇ銀時。お前は引っ込んでろ。」
「嫌です。」
「あ?」
「慎都さんと誠也の関係は俺にとっても関係ありますから。」
「はぁ?何言ってんだよお前。」
「そのままの意味ですよ。ていうかこれもう30分経ちましたよね。」
「え?ああ…そういやそうだな。」
口喧嘩になりそうで俺は少し怖かったけどその心配は無さそうだ。そもそもこの2人は長いこと一緒にいる。口喧嘩をしたところで仲が悪くなったりとかそういうのはないだろう。
「じゃあ誠也。帰るか家に。」
「う、うん。」
「慎都さん。ちょっと待ってください。」
俺はさっき慎都さんと約束…ってか勝手に言われたことだけど…。抱かれるって言われた。だから慎都さんはそれを今からしようとしてるんだ。家に帰ってね。だけどそんな慎都さんを銀時さんが止めてきた。
「なんだよお前さっきから。」
「すみません慎都さん。ちょっと誠也に話したいことがあるんです。」
「俺の前ならいいぞ。」
「ではお言葉に甘えて。」
少し嫌そうな顔をしている慎都さんだけど銀時さんを押しのけて帰ったりするなんてことはしなかった。慎都さんは文句は言うものの優しいんだ。
「誠也、慎都さんはもちろん游さんもお前の事を特別に思ってる。大切にも思ってる。」
「…は、はい!」
「だがそれは俺も同じだ。」
「はい……え?」
それは…つまり…どういうことなんだ…?
「は?おい銀時!」
「慎都さん静かにしてください。」
「お前のせいだろうが銀時!」
「いいから静かにしてください。俺は誠也と話をしてるんです。」
「ふざけんな!もう終わりだ!お前まで誠也狙ってるとかやめろ!」
「なんでですか。いいじゃないですか。」
慎都さんは俺の事を抱きしめながら銀時さんと口論してた。そういえば游さんどこ行ったんだろ。迷ったりは…してないよね。俺よりも游さんはここに詳しいんだから。
「なんでじゃねぇ!こいつは俺のもんで俺の愛人だ。手を出したりしたら許さねぇからな。」
「はいはい。分かってますよ慎都さん。」
「…銀時、お前な。」
「まぁまぁ慎都さん。そんなに怒らないでくださいよ。いい方に考えましょう。誠也を大切に思ってる人が沢山いるってのはいいことです。誠也もその分誰かに守られるんですから、ね?」
「それは…そうだけどよ。」
ため息をつきながら慎都さんは困り顔をしていた。だけど俺は嬉しかった。誰かにこうして大切にして貰えてるのが俺の前の人生では考えられなかったから。治の執着とか健二のあの嫌な感じとは全く違う。ここにいる人たちは俺の事を本気で大切にしてくれてる。その幸せを俺はみんなの知らないところで噛み締めまくってた。
「だから慎都さん。俺も遠慮なくこれから誠也を口説きますから。」
「へぇ…まぁいいや。勝手にしろ。誠也は俺の事が大好きだからお前が口説いたところで何も変わんねぇし。」
「なっ…!大好きじゃねぇし!」
…好き…かもしれねぇけど…!大好きじゃねぇし!つかそういうこと銀時さんの前で言うなよ!
「誠也。そういうこと言うならまじで朝まで抱き潰すぞ。」
「い、嫌だ!」
「なら帰るぞ。じゃあな銀時。また明日。」
「そうですね。お疲れ様です慎都さん。」
「ああ。お疲れ。」
怒ってはいるもののちゃんと挨拶をする慎都さんに俺は思わず微笑んだ。俺は慎都さんのこういうとこが好きなんだ。自分の感情に流されそうになりながらもこうやって人に普段通りに接するところが。
「慎都さん。」
「なんだよ誠也、俺は今気が立ってんだよ。」
「俺、慎都さんの言う通り慎都さんのこと好きみたいだ。」
「…は?」
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