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事後
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「おに…。」
「んな事言うなよ誠也。」
「歩けねぇし…。」
「はは、それはそうだろうな。」
終わった…のはいいんだけど俺はいつもの如く歩けない。歩けないどころか起き上がれない。こんなに抱き潰されるとは思ってもみなかった。つーか俺すごくね?気絶しねぇんだぜこんなにされても。体力はついてきたのかもな。
「なぁ慎都さん。」
「んー?」
俺は慎都さんに聞きたいことがあった。ちょっとしたことだけど…気になって。だからそれを聞こうとしたんだ。
けどーーー。
プルルルルル
「あ、悪い誠也。游からだからちょっと待ってな。」
「分かった。」
「ん。いい子だ。」
またキスをしてきた。俺も慣れちまったから今更抵抗なんてしねぇけどな。だけど今はちょっと避けてやった。いくらなんでもやりすぎだからだ!何回やったんだよって感じだ!
「あー游?どうした?今お取り込み中なんだけど。」
『頭、大変です…。渚ってやつ覚えてますか?あいつが忍び込んでこの組の奴ら3人殺しました。下っ端だったんですけど…。』
…え?渚って渚さんだよな…?慎都さんも慌てて音を切ってた。こんな話になると思わなかったんだろうな。俺全部聞こえちまった。
「し、慎都さ…」
「游!!ちょっと待て。誠也今近くにいるから少しだけ待ってろ。」
『承知しました。』
慎都さんは一旦携帯を近くに置いて俺の事を抱きしめてきた。俺が怖がってるって思ったのかも…。でも俺は怖がるわけにはいかない。いつまでも守られてばかりじゃ駄目なんだ。俺も男なんだから強くならねぇといけない。頼りきってるだけなんてかっこ悪い。
「ごめんな誠也。聞きたくねぇこと聞かせちまった。」
「大丈夫だよ。」
「大丈夫じゃねぇだろ。渚ってやつはお前を…いやなんでもない。お前は何も知らなくていい。俺が守ってやるから。」
また…これだ。慎都さんは俺に聞かせようとしない。危ないことから離そうとする。俺だってできるのに…っ。そんな弱くなんかないんだ。慎都さんや治の所に来るまでは喧嘩だってしてた。一般人の中じゃ俺は強い方だったんだ。なのに…っ。
「慎都さん。俺も聞かせて欲しい。游さんとの電話ここでしてよ。」
「それは駄目だ。」
「…俺が弱いから?」
「そうじゃねぇよ。何勘違いしてんだ。俺が聞かせたくねぇんだ。」
「俺は…聞きたい。」
「駄目だ。」
「…………っ。」
慎都さんが怖い顔をした。俺も慎都さんを困らせたいわけじゃねぇ。喧嘩したいわけでもねぇんだ。ただ…俺にだって。俺も…できるって…っ。
「悪いな誠也。これは俺らの問題だ。お前を危険な目に遭わせるわけにはいかない。渚ってやつの狙いはお前なんだから。」
「……ごめん。」
「は?何謝ってんの?」
「俺のせいで慎都さんの部下の人が亡くなっちまった…。」
「おい誠也!ふざけんのも大概にしろよ。いい加減にしろお前。何言ってんだ。」
「…………っ。」
は、初めて…。初めてだ。こんなに怒られたの…。慎都さんってこんな怖い顔するんだ…。な、何俺はビビってんだよ。俺が悪いのに。俺のせいなのに。
「あ、悪い…。怖がらせるつもりはなかった。お前のせいじゃねぇよ。殺す方が悪いんだ。相手の気持ちを考えられなくなってる。俺はあいつを善良なやつだと思ってたんだが游はそうじゃねぇってずっと言っててな。そこから色々調べたんだ。そしたらまぁ渚は色々拗らせてた。お前と出会って幸せだったんだろうな。だがそれが逆に駄目だった。あいつは人に執着する。お前をどんな手を使ってでも手に入れようとする。だから誠也、俺と約束して欲しい。俺から離れないって。できるか?」
「…できる。」
「いい子だ。ちょっと話して来るから寝室にいろ。」
「…うん。」
また慎都さんは俺にキスをして…でも今度は俺から離れていった。ここにいろって…俺にはそれしか出来ない。信用されてないとかそういう問題じゃないんだ。それ以前の問題。俺が…弱いから。俺は…慎都さんの負担にしかなってない。
「游、悪いな。話の続きを言え。」
『……………』
「んな事言うなよ誠也。」
「歩けねぇし…。」
「はは、それはそうだろうな。」
終わった…のはいいんだけど俺はいつもの如く歩けない。歩けないどころか起き上がれない。こんなに抱き潰されるとは思ってもみなかった。つーか俺すごくね?気絶しねぇんだぜこんなにされても。体力はついてきたのかもな。
「なぁ慎都さん。」
「んー?」
俺は慎都さんに聞きたいことがあった。ちょっとしたことだけど…気になって。だからそれを聞こうとしたんだ。
けどーーー。
プルルルルル
「あ、悪い誠也。游からだからちょっと待ってな。」
「分かった。」
「ん。いい子だ。」
またキスをしてきた。俺も慣れちまったから今更抵抗なんてしねぇけどな。だけど今はちょっと避けてやった。いくらなんでもやりすぎだからだ!何回やったんだよって感じだ!
「あー游?どうした?今お取り込み中なんだけど。」
『頭、大変です…。渚ってやつ覚えてますか?あいつが忍び込んでこの組の奴ら3人殺しました。下っ端だったんですけど…。』
…え?渚って渚さんだよな…?慎都さんも慌てて音を切ってた。こんな話になると思わなかったんだろうな。俺全部聞こえちまった。
「し、慎都さ…」
「游!!ちょっと待て。誠也今近くにいるから少しだけ待ってろ。」
『承知しました。』
慎都さんは一旦携帯を近くに置いて俺の事を抱きしめてきた。俺が怖がってるって思ったのかも…。でも俺は怖がるわけにはいかない。いつまでも守られてばかりじゃ駄目なんだ。俺も男なんだから強くならねぇといけない。頼りきってるだけなんてかっこ悪い。
「ごめんな誠也。聞きたくねぇこと聞かせちまった。」
「大丈夫だよ。」
「大丈夫じゃねぇだろ。渚ってやつはお前を…いやなんでもない。お前は何も知らなくていい。俺が守ってやるから。」
また…これだ。慎都さんは俺に聞かせようとしない。危ないことから離そうとする。俺だってできるのに…っ。そんな弱くなんかないんだ。慎都さんや治の所に来るまでは喧嘩だってしてた。一般人の中じゃ俺は強い方だったんだ。なのに…っ。
「慎都さん。俺も聞かせて欲しい。游さんとの電話ここでしてよ。」
「それは駄目だ。」
「…俺が弱いから?」
「そうじゃねぇよ。何勘違いしてんだ。俺が聞かせたくねぇんだ。」
「俺は…聞きたい。」
「駄目だ。」
「…………っ。」
慎都さんが怖い顔をした。俺も慎都さんを困らせたいわけじゃねぇ。喧嘩したいわけでもねぇんだ。ただ…俺にだって。俺も…できるって…っ。
「悪いな誠也。これは俺らの問題だ。お前を危険な目に遭わせるわけにはいかない。渚ってやつの狙いはお前なんだから。」
「……ごめん。」
「は?何謝ってんの?」
「俺のせいで慎都さんの部下の人が亡くなっちまった…。」
「おい誠也!ふざけんのも大概にしろよ。いい加減にしろお前。何言ってんだ。」
「…………っ。」
は、初めて…。初めてだ。こんなに怒られたの…。慎都さんってこんな怖い顔するんだ…。な、何俺はビビってんだよ。俺が悪いのに。俺のせいなのに。
「あ、悪い…。怖がらせるつもりはなかった。お前のせいじゃねぇよ。殺す方が悪いんだ。相手の気持ちを考えられなくなってる。俺はあいつを善良なやつだと思ってたんだが游はそうじゃねぇってずっと言っててな。そこから色々調べたんだ。そしたらまぁ渚は色々拗らせてた。お前と出会って幸せだったんだろうな。だがそれが逆に駄目だった。あいつは人に執着する。お前をどんな手を使ってでも手に入れようとする。だから誠也、俺と約束して欲しい。俺から離れないって。できるか?」
「…できる。」
「いい子だ。ちょっと話して来るから寝室にいろ。」
「…うん。」
また慎都さんは俺にキスをして…でも今度は俺から離れていった。ここにいろって…俺にはそれしか出来ない。信用されてないとかそういう問題じゃないんだ。それ以前の問題。俺が…弱いから。俺は…慎都さんの負担にしかなってない。
「游、悪いな。話の続きを言え。」
『……………』
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