怖いお兄さん達に誘拐されたお話

安達

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ご飯

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「慎都さーん。誠也、ご飯作りましたよ。」

「お、ありがとよ。」

「星秀さんありがとう!すき焼きじゃん!」



すっごいいい匂いがさっきからしてたんだ。星秀さんの作ってくれたご飯が食べれるだけで俺は幸せなのにこんな高級料理まで…!



「ああ。ちゃんとした料理作りたかったけど誠也が待ちきれなさそうな顔してたから簡単に作った。」

「俺、そんな顔に出てた?」

「ああ。出てた。自覚ないとこも可愛いなお前。」



ニコって星秀さんが笑いながら俺の頭を撫でてきた。そしたらすかさず後ろから慎都さんが来て星秀さんの手を掴んだ。



「おい星秀。あんま触んな。」

「ちょっとぐらいいいじゃないですか。」



星秀さんって慎都さんを揶揄うの癖になってきてるよね。なんか楽しそうなんだよなぁ。星秀さんが慎都さんといる時。



「お前のちょっとはシャレになんねぇんだよ。」

「はい?慎都さん、それはどういう意味ですか。」

「細かいことはいいだろ。さ、食べようぜ。誠也も食べたいだろ?こんな美味そうなんだから。」

「うん!星秀さん、いただきます。」

「ああ。好きなだけ食べろ。」



俺は星秀さんのその言葉に甘えてありったけのすき焼きを食べた。もう食べれないってぐらい食べまくった。多分腹10分ぐらい食べちまってた。けどそれぐらい美味しかったんだ。



「ふぅーお腹いっぱい。星秀さんのすき焼き美味しすぎた。」

「そりゃよかった。」

「誠也、俺もまた今度作ってやるよ。」

「ほんと!?」



慎都さんもすき焼き作ってくれるなんて楽しみでたまらない。毎日すき焼き食べれたらいいのになぁ。高級料理だからそんな毎日食べれないけどね。



「ああ。俺も星秀に負けじと料理が上手いからな。」

「慎都さん、その時は俺も呼んでくださいね。」

「んでだよ。次は誠也と俺が二人っきりで食べるって決まったんだ。」

「なんですかそれ。」

「いいだろ別に…ん?電話か。」



また毎回の如く星秀さんと慎都さんのちょっとした口喧嘩が始まった…と、思ったら次は電話がかかってきた。慎都さんの携帯にだ。きっと游さんか銀時さんだろうな…。そう思いながらも俺は誰からの電話なのか気になって慎都さんに聞くことにした。



「慎都さん、電話誰から?」

「游からだ。誠也、俺はちょっとあっちの部屋行くからいい子にしてろよ。」

「はーい。」



俺に聞かれちゃまずい話なのか…それとも星秀さんに聞かれたらまずい話なのか。まぁ両方かもしれないな。それを確かめるために俺は星秀さんに聞くことにした。



「星秀さん、慎都さんの電話何の話かな?」

「仕事だ。お前はあんま干渉すんな。心配で仕事が出来なくなるから。慎都さんもそれは同じ気持ちだぞ。」

「…はーい。」



そう言われちゃ俺は何も言い返せない。迷惑をかけたくないから。仕事に関しては特に…。



「けどさ誠也。俺達は幸せだな。」

「そうだね。星秀さんも幸せそうな顔してて俺すごい嬉しい。」

「俺は誠也が笑って暮らせてたらそれが幸せだから。」

「もーまた変なこと言って。」

「本当だ。俺はお前が幸せならなんでもいい。」



と、星秀さんは言うと椅子から立ち上がった。そのまま俺の近くまで歩いてきて…。



「…星秀さん?どうしたの?」

「すまん誠也。」

「な……」



何?と聞く前に俺は星秀さんに口を塞がれた。キスをされたんだ。けど星秀さんは特に俺を拘束したりしなかったから俺はすぐに立ち上がれた。



「な、何すんだよもう!」

「お前が可愛いから。あと慎都さんの反応が面白いからよ。」

「ちょ、近い…!また慎都さんに怒られるって!」



今は電話してて慎都さんはここにはいないけど帰ってきた時に俺達がキスなんてしてたらとんでもないことになる!俺が!夜、俺…やり殺される!



「それが面白いんじゃねぇか。もう1回キスしようか誠也。」

「ま、待って落ち着いて星秀さん…!」

「俺はずっと落ち着いてる。落ち着きがないのはお前だろ?」

「そうだけど…!ま、待って…んぶ!」



壁に追い詰められた俺は逃げ場をなくしてまた星秀さんにキスをされた。しかも今度はしっかり頭を固定された。逃げねぇと…やばい。けど逃げらんねぇ!力の差がありすぎるんだよ!慎都さんどうか長電話しててくれ…!!
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