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甘い
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「せ……っ、ん、っ、ふっ、ぅ!」
顔を背けてみたり星秀さんのことを押し返してみたりするけどビクともしない。俺はどうやったらこの場から逃げられる。慎都さんにこの現場を見られずに済むのか!
「…ん……っ、ん、ぅ、ふ!」
かれこれ結構時間が経ってしまった。早くしなきゃいけないのに星秀さんがビクともしないんだ。どうしたらいいんだよ!ずっとキスされてこのままだと唇が腫れちまう。その前に…どうにかしねぇと…。俺はひたすら焦りながら暴れていた。
けどその時…。
「おい何してんだ。」
あ…。終わった…。慎都さんが…帰ってきた。
「星秀。」
「おかえりなさい慎都さん。」
呑気な星秀さんとは裏腹に慎都さんは当たり前に怒ってる。そりゃそうだ。でも誤解しないで欲しい。俺も抵抗したんだ。てかそもそも星秀さんはなんでそんなに冷静なんだ…?
「おかえりなさいじゃねぇだろうがよ星秀。俺がいない時に何してんだ?キスか?」
「はい。我慢出来ずすみません。」
「たく…お前は。」
あれ…?慎都さんそこまで怒ってない…?
「誠也も誠也だからな。何キスされてんだよ。」
「お、俺だって抵抗したし…!」
「抵抗しただァ?まんまと星秀にキスされてんじゃねぇかよ。」
「…星秀さん力強いんだもん。」
「はぁ、たく。誠也、こっちおいで。怒ってねぇから。」
「…うん。」
怒ってないのが逆に怖いなとも思ったけどここで慎都さんの言う事聞かなかったらとんでもないことになりそうだったから俺は大人しく慎都さんの所まで行った。
「いい子だ誠也。つーか星秀もあんまちょっかいかけんなよ。お前も怖いもの知らずだよな。游でさえ誠也に手を出すの躊躇すんのに。」
「慎都さんが俺に怒らないの知ってますから。」
「へぇ。俺はどうやらお前を甘やかしすぎちまったか。」
「それだけじゃないです。誠也が慎都さんしか見てないのも知ってますから。」
…え?そ、そんなことない…って思ったけど言えない。今は言えない。2人の空気になってるから俺は黙っておこう…。
「お、いい事言うじゃねぇか星秀。」
「だからたまには俺にもいい事させてください。」
「それはちょっと話が違う気がするが…まぁ誠也が嫌がんねぇ程度にな。」
「あれ?いいんですか?」
ほんとだよ。あっさり慎都さんが許可して俺は驚いた。游さんにはあんなに言ってたのに。慎都さんはつくづく星秀さんに甘い。
「お前は俺の部下の中で一番身の程をわきまえてるからよ。」
「それはどうも。」
「あーこの際だから言うか。星秀、俺はお前を幹部にしようと思ってる。組長がそろそろ引退しようとしてる話は知ってるな?」
「…それは知ってます。けど、俺なんか」
「俺なんかじゃねぇ。お前はもっと自分に自信を持った方がいい。お前の課題は今のところそれだけだ。だから幹部にする。つーか上司の指示に歯向かうのか?」
なんか…俺まで嬉しくなってしまう。星秀さんのことになると俺は自分の事のように毎回喜んでしまう。そっかぁ。じゃあ慎都さんも覚悟を決めたんだ。
「いえ…そんなつもりはないです。」
「なら決まりだ。銀時、游、星秀。お前らが時期幹部だ。よろしく頼むぞ星秀。」
「はい。精一杯あなたを支えます。」
「ああ。頼んだ。誠也もよろしく頼むぞ。組長の妻だからな。」
「は、恥ずかしいこと言うなよ!」
俺は…心のかでは慎都さんにうんって返事をしてた。けどそれを言葉になかなか出来ない。素直になれない。恥ずかしがってんのは俺なのにな…。
「事実だ。お前は一生俺のもん。な?誠也。」
「…うん。」
「お、素直だな。へぇ可愛いやつ。星秀、お前はもう帰っていいぞ。」
「そうですね。でも慎都さん、あんまりやりすぎないようにして下さいよ。」
「へいへい。じゃあ誠也、ベット行くか。」
「…え!?」
顔を背けてみたり星秀さんのことを押し返してみたりするけどビクともしない。俺はどうやったらこの場から逃げられる。慎都さんにこの現場を見られずに済むのか!
「…ん……っ、ん、ぅ、ふ!」
かれこれ結構時間が経ってしまった。早くしなきゃいけないのに星秀さんがビクともしないんだ。どうしたらいいんだよ!ずっとキスされてこのままだと唇が腫れちまう。その前に…どうにかしねぇと…。俺はひたすら焦りながら暴れていた。
けどその時…。
「おい何してんだ。」
あ…。終わった…。慎都さんが…帰ってきた。
「星秀。」
「おかえりなさい慎都さん。」
呑気な星秀さんとは裏腹に慎都さんは当たり前に怒ってる。そりゃそうだ。でも誤解しないで欲しい。俺も抵抗したんだ。てかそもそも星秀さんはなんでそんなに冷静なんだ…?
「おかえりなさいじゃねぇだろうがよ星秀。俺がいない時に何してんだ?キスか?」
「はい。我慢出来ずすみません。」
「たく…お前は。」
あれ…?慎都さんそこまで怒ってない…?
「誠也も誠也だからな。何キスされてんだよ。」
「お、俺だって抵抗したし…!」
「抵抗しただァ?まんまと星秀にキスされてんじゃねぇかよ。」
「…星秀さん力強いんだもん。」
「はぁ、たく。誠也、こっちおいで。怒ってねぇから。」
「…うん。」
怒ってないのが逆に怖いなとも思ったけどここで慎都さんの言う事聞かなかったらとんでもないことになりそうだったから俺は大人しく慎都さんの所まで行った。
「いい子だ誠也。つーか星秀もあんまちょっかいかけんなよ。お前も怖いもの知らずだよな。游でさえ誠也に手を出すの躊躇すんのに。」
「慎都さんが俺に怒らないの知ってますから。」
「へぇ。俺はどうやらお前を甘やかしすぎちまったか。」
「それだけじゃないです。誠也が慎都さんしか見てないのも知ってますから。」
…え?そ、そんなことない…って思ったけど言えない。今は言えない。2人の空気になってるから俺は黙っておこう…。
「お、いい事言うじゃねぇか星秀。」
「だからたまには俺にもいい事させてください。」
「それはちょっと話が違う気がするが…まぁ誠也が嫌がんねぇ程度にな。」
「あれ?いいんですか?」
ほんとだよ。あっさり慎都さんが許可して俺は驚いた。游さんにはあんなに言ってたのに。慎都さんはつくづく星秀さんに甘い。
「お前は俺の部下の中で一番身の程をわきまえてるからよ。」
「それはどうも。」
「あーこの際だから言うか。星秀、俺はお前を幹部にしようと思ってる。組長がそろそろ引退しようとしてる話は知ってるな?」
「…それは知ってます。けど、俺なんか」
「俺なんかじゃねぇ。お前はもっと自分に自信を持った方がいい。お前の課題は今のところそれだけだ。だから幹部にする。つーか上司の指示に歯向かうのか?」
なんか…俺まで嬉しくなってしまう。星秀さんのことになると俺は自分の事のように毎回喜んでしまう。そっかぁ。じゃあ慎都さんも覚悟を決めたんだ。
「いえ…そんなつもりはないです。」
「なら決まりだ。銀時、游、星秀。お前らが時期幹部だ。よろしく頼むぞ星秀。」
「はい。精一杯あなたを支えます。」
「ああ。頼んだ。誠也もよろしく頼むぞ。組長の妻だからな。」
「は、恥ずかしいこと言うなよ!」
俺は…心のかでは慎都さんにうんって返事をしてた。けどそれを言葉になかなか出来ない。素直になれない。恥ずかしがってんのは俺なのにな…。
「事実だ。お前は一生俺のもん。な?誠也。」
「…うん。」
「お、素直だな。へぇ可愛いやつ。星秀、お前はもう帰っていいぞ。」
「そうですね。でも慎都さん、あんまりやりすぎないようにして下さいよ。」
「へいへい。じゃあ誠也、ベット行くか。」
「…え!?」
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