怖いお兄さん達に誘拐されたお話

安達

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おはよう

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「…………ん…………。」

「あ、起きたか?」



俺、あれからどのぐらい寝てたんだろ。寝すぎると体が逆にだるくなったりするけど今その状態だ。熱のせいもあるのか…?



「…慎都さん、おはよう。」

「まだ体調悪そうだな。」

「当たり前です慎都さん。そんな数時間で風邪が治ったら医者はいりませんよ。」



銀時さんもいてくれたんだ。キッチンの方から銀時さんは飲み物を片手に俺たちのところまで来てくれた。てことは俺が寝てからそんなに時間経ってないのかな…。



「まぁそれもそうか。」

「はい。そうです。んで、誠也はどうだ。寝る前とあんま変わりねぇ?あ、嘘ついたらくすぐるからな。」

「…変わってない。」



銀時さんは冗談とかそういうのあんま言わねぇからこそ脅された時本気なんだなといつも思う。だから俺も嘘をつかずに答えた。嘘をついても銀時さんや慎都さんには見破られると思うから。



「んーだろうな。さっきお前が寝てる間に熱計ったら40度超えてたしな。ちーと辛いよな。もう少しの辛抱だ。俺もお前の熱が下がるまではここにいるつもりだから安心しな。流行りものじゃなきゃいいけどよ。」

「おい銀時。そういう時は検査キットとか持ってこいよ。」

「無理ですよ。俺は闇医者なんですから。そんな簡単に仕入れ出来ません。危険ですし。」

「おいおいそれ自分で言うかよ。なぁ誠也。」



こ、ここで俺に話を振るなよ!なんて答えりゃいいか分かんねぇじゃねぇか!俺は銀時さんに冗談で返すべきか本気で返すべきなのか未だに悩むんだよ。



「…や、闇医者ってなに?」



なんてとぼけてみた。ほんとは知ってるけど…。だって…色々事情がややこしそうだからさ…。



「んー簡単に言えば正式な医者じゃないってこと。な?銀時。」

「そうですね。ただ医者免許は持ってるから安心しな。主に…つーかヤクザしか見てねぇからよ俺は。だから闇医者なんだ。」

「…そ、そうなんだ。」



そっか…。ヤクザ相手だと薬とか入手するのも難しいよね。病院を設立してる訳でもないから。けどならどうやって銀時さんはこの薬とか仕入れてるんだろ。また今度聞こう。



「そーそー。だからこそ薬とか仕入れるの苦労すんだよ。拳銃とかの方がよっぽど楽だ。職人雇ってっからな。けどまぁそこは上手いこと銀時がいつもやってくれっから怪我しても安心なんだ。」

「銀時さんすごい。」

「俺は別に凄くねぇよ。ただこういう類のもんは特に慎都さんが下手だから俺がしてんの。」

「おい銀時。そういうこと言うな。」

‪「事実でしょ。」

「そうだけどよ。まぁいいや。また今度誠也にも見せてなるよ。闇サイトってやつ。」



俺はどんどんこの世界に詳しくなっていく。もう表の世界に戻ることはないし戻りたくもないから詳しくなっていくのは嬉しいんだけどその度に驚いちゃう。世界って広いんだなぁって。この世界は俺の知らないことばかりだ。



「ほんと!ありがとう慎都さん。」

「おうよ。なんなら今みるか?」

「ちょっと慎都さん。体調の悪い誠也にパソコンなんて目に悪いもん見せないで下さいよ。」

「うっせぇな。たく、銀時は…。姑みたいになりやがって。」

「誰のせいですか。ていうかこれは誠也のためですからね。」

「ならいっか。じゃあまた今度な、誠也。」

「うん!」



俺のためならまぁいっかと言ってくれた慎都さんに俺は嬉しさを隠せなかった。こうやって心の中だけじゃなくて全部素直になれたらいいのになぁ。



「あ、そうだ銀時さん。」

「どうした?」



銀時さんは俺にはすげぇ優しい。慎都さんに呆れ散らかしてたのに俺が話しかけると優しい顔になる。その時の慎都さんの顔が面白くて俺は笑いそうにった。



「銀時さんは好きな食べ物とかあるの?」

「ん?なんだ急に。」

「いつものお礼がしたいの。」

「お、まじか。すげぇ嬉しい。ありがとうな誠也。そうだなぁ。俺はフレンチトーストとか好きだぜ。」

「ほんと!慎都さん、また今度一緒に作ろう。」

「ああ。いいよ。」

「ありがとう!」



楽しみが1つ増えた…!風邪が治ったら銀時さんに早速作ろう!
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