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本音
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「慎都さんが…」
上手く話せるかな…。また怒られたらどうしようなんて考えたら俺は言葉に詰まってしまった。
「……………っ。」
「誠也、大丈夫だ。お前のペースでいいよ。話せそうになったら話してくれ。いつまでも待つからよ。」
優しい…。俺の知ってる慎都さんだ。話さなきゃ…。ちゃんと…。
「…あのね、慎都さん。」
「ああ。」
「…俺も慎都さんを守りたかった。」
「俺を?」
ばかだよね。そんな力ないのに。でも気づいたら動いてたんだ。あの時…。
「俺もバカって分かってる…。」
「何言ってんだ。誰もそんな事言ってねぇじゃねぇかよ。それに俺の事守ろうとしてくれたんだろ?ありがとうな。」
慎都さんが俺の事抱きしめてくれた。俺が慰められてる。ちゃんと話さなきゃいけないのに慎都さんに抱きしめられると俺は泣きそうになってしまう。
「…でも、俺弱いのにっ、」
「そんなの関係ない。ありがとうな誠也。俺を守ろうとしてあいつに会いに行こうとしたのか。」
背中をさすられて大丈夫と慎都さんが繰り返してくれる。俺もしっかりしなきゃいけないのに…甘えてしまう。でも…話さなきゃ。
「…うん。俺が行かなきゃ慎都さん…殺すって。だから…慎都さん、助けないとって思って…っ、」
「そっか。俺のせいで怖い思いさせてしまってごめんな。」
「違う…っ、俺が何も出来ないから…。」
「は?何言ってんだお前。お前がいるから俺は元気なんだぞ?游も銀時も。星秀だってそうだ。お前が星秀のこと気にかけてるって情報が入ってきたから俺らはあいつを助けた。まぁそれだけじゃねぇがな。だからお前は知らず知らずのうちに皆を救ってるんだ。なのに何が何も出来ねぇだよ。」
「いて…っ!」
慎都さんにデコピンされて俺は涙が引っ込んだ。力強いんだ慎都さんは。力抜いて今の強さだったんだろうけどそれでも強い。けど…その強さになんだか安心してしまう…。変なの…。
「二度とそんなこと言うな。な?誠也。お前がいるから俺がいるんだ。俺はお前がいなきゃもっと腐ってた。」
「…え?」
…それって昔の話だよね。俺が思い出せない昔のこと。思い出したいのに…俺は思い出せないんだ。いつまで経っても。
「細かいことはいい。とにかく俺はお前がいるから生きようと思えたんだ。それを忘れるな。それと何も出来ないなんて戯言二度と言うな。」
「…うん。」
「よし、いい子だ。じゃあ誠也。寝ようか。」
「え?も、もう寝るの?」
寝ようかなんて言いながら慎都さんはベットに寝転んだ。慎都さんここが銀時さんの家だってこと忘れてない…?
「疲れてるだろ?俺が色々したから。精神的にも肉体的にもよ。」
「け、けど寝るなら家がいい。」
「そうだな。ここ銀時の家だったな。戻るか、家に。」
「うん。一緒に戻ろう、慎都さん。」
「ああ。そうだな。」
上手く話せるかな…。また怒られたらどうしようなんて考えたら俺は言葉に詰まってしまった。
「……………っ。」
「誠也、大丈夫だ。お前のペースでいいよ。話せそうになったら話してくれ。いつまでも待つからよ。」
優しい…。俺の知ってる慎都さんだ。話さなきゃ…。ちゃんと…。
「…あのね、慎都さん。」
「ああ。」
「…俺も慎都さんを守りたかった。」
「俺を?」
ばかだよね。そんな力ないのに。でも気づいたら動いてたんだ。あの時…。
「俺もバカって分かってる…。」
「何言ってんだ。誰もそんな事言ってねぇじゃねぇかよ。それに俺の事守ろうとしてくれたんだろ?ありがとうな。」
慎都さんが俺の事抱きしめてくれた。俺が慰められてる。ちゃんと話さなきゃいけないのに慎都さんに抱きしめられると俺は泣きそうになってしまう。
「…でも、俺弱いのにっ、」
「そんなの関係ない。ありがとうな誠也。俺を守ろうとしてあいつに会いに行こうとしたのか。」
背中をさすられて大丈夫と慎都さんが繰り返してくれる。俺もしっかりしなきゃいけないのに…甘えてしまう。でも…話さなきゃ。
「…うん。俺が行かなきゃ慎都さん…殺すって。だから…慎都さん、助けないとって思って…っ、」
「そっか。俺のせいで怖い思いさせてしまってごめんな。」
「違う…っ、俺が何も出来ないから…。」
「は?何言ってんだお前。お前がいるから俺は元気なんだぞ?游も銀時も。星秀だってそうだ。お前が星秀のこと気にかけてるって情報が入ってきたから俺らはあいつを助けた。まぁそれだけじゃねぇがな。だからお前は知らず知らずのうちに皆を救ってるんだ。なのに何が何も出来ねぇだよ。」
「いて…っ!」
慎都さんにデコピンされて俺は涙が引っ込んだ。力強いんだ慎都さんは。力抜いて今の強さだったんだろうけどそれでも強い。けど…その強さになんだか安心してしまう…。変なの…。
「二度とそんなこと言うな。な?誠也。お前がいるから俺がいるんだ。俺はお前がいなきゃもっと腐ってた。」
「…え?」
…それって昔の話だよね。俺が思い出せない昔のこと。思い出したいのに…俺は思い出せないんだ。いつまで経っても。
「細かいことはいい。とにかく俺はお前がいるから生きようと思えたんだ。それを忘れるな。それと何も出来ないなんて戯言二度と言うな。」
「…うん。」
「よし、いい子だ。じゃあ誠也。寝ようか。」
「え?も、もう寝るの?」
寝ようかなんて言いながら慎都さんはベットに寝転んだ。慎都さんここが銀時さんの家だってこと忘れてない…?
「疲れてるだろ?俺が色々したから。精神的にも肉体的にもよ。」
「け、けど寝るなら家がいい。」
「そうだな。ここ銀時の家だったな。戻るか、家に。」
「うん。一緒に戻ろう、慎都さん。」
「ああ。そうだな。」
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