怖いお兄さん達に誘拐されたお話

安達

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二人でしたい事

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「慎都さん。」

「んー?」

「やっぱりご飯先に食べたい。」



銀時さんの家から俺たちの家に戻っている最中、俺は眠気が飛んでいった。きっと歩いているからだとは思うけど……飛んでいった眠気の代わりに食欲が湧いてきた。



「おお。そりゃいい事だ。お前は何が食べたい?」

「んー…お菓子!」

「お菓子か!肉とかじゃねぇの?」

「うん。お菓子がいい。」

「はは、子供だな。」

「なっ…!子供じゃないし!」



慎都さんだってよくおつまみ食べてるじゃないか!俺はお酒が飲めないからおつまみとは呼ばないけどお菓子もおつまみも変わんないじゃんか!



「なーに言ってんだ。子供だろ。まだまだ大人には程遠いな。」

「…すぐに成長して大人になるし!」

「へぇ。そりゃ楽しみだ。けど大人になりてぇなら尚更肉食え。元気になるぞ。」

「そうなの?」



身長も俺は慎都さんや游さんと20cm差がある。俺も160あるはずだから低くはないんだ。けど慎都さんたちは誰が見ても背が高いって言うと思う。俺もそれぐらい身長高くなりたい。なら…肉食べるしかない。



「ああ。そりゃな。お菓子よりかは栄養もあるしタンパク質も取れるしな。」

「ならお肉にする。」

「いい子だ誠也。帰ったら俺が肉焼いてやっからよ。」

「やった。ありがとう。」

「おう。」



廊下で歩いていると組員さんとも勿論すれ違う。そのすれ違う人たちみんなが俺にもぺこりと礼をしていく。だから俺も礼を全員にし返していた。そしたら組員さんのほとんどがニコってしてくれるから。けど…俺になんて礼する必要ないのになぁなんて思っていると慎都さんが…。



「いつかグランピングとかも行けたらいいな。お前とさ。後は游とかも連れてよ。」

「グランピング…?」

「キャンプみたいなもんだ。焼肉も食って騒いで酒も飲んで。んな事が簡単に出来たらいいんだがな。」

「じゃあいつか行こうね、慎都さん!」

「そうだな。それを言うと俺はお前と色んな所に行きてぇな。」

「俺も!」



たくさんのところに行きたい。俺一人で行った場所も慎都さんと行くときっと違う景色に思えてくると思うから。



「なぁ誠也。海外旅行とかもいいと思わねぇ?」

「いいね!」

「はは、夢が広がる。いつか絶対に連れて行ってやるからな。」

「ありがとうっ、楽しみにしとくね!」

「ああ。」



そう言って慎都さんが俺の事抱き締めてきてキスをした。あと数歩で玄関までたどり着くのに俺も我慢出来ずに慎都さんに抱きつき返した。

けどその時…。



「頭ぁーーー!!!!!」

「え?何事…!?」



後ろからすっごい叫びながら誰かが走ってきた。いや…誰かって言わなくても分かるか。頭って慎都さんのこと呼ぶのは游さんしかいない。



「うるせぇやつだな。静かにしろ游。」

「頭こそ!!」



何があったのか游さんは猛ダッシュをしてここまで来ていた。だからか珍しく游さんが息を切らしてたんだ。



「んだよ。」

「勝手にいなくなるのはなしですよ!連絡してください!俺は頭が誠也とまた喧嘩したのかと思ってすげぇ焦ったんですよ!全くもう!!ちゃんと連絡してください!どれだけ焦ったと思ってるんですか!!!」

「うっせぇな。俺が何しようとお前には関係ねぇだろ。一々お前に報告すんのめんどいし。」

「…頭。仕事のことはそれでいいです。ですが!!誠也のことに関しては連絡して下さい。心配なんで!!!分かりましたね!」

「わーかった。分かった。」

「ならいいです。ということで俺もお邪魔しますので。せっかくここまで来ましたし。」

「…は?」
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