怖いお兄さん達に誘拐されたお話

安達

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ごめんね

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「…あ、あの銀時さん。」



慎都さんにここに連れてきてもらったのはいいものの俺はどうしたらいいか分からずにいた。このまま何を話せばいいのか…。銀時さん怒ってんのかな…。顔見れねぇ…。



「誠也。顔上げてくれるか?」

「…え?あ、う、うん。」



あれ…。銀時さんの声がいつものトーンだ。あの時の肝が冷えるひっくい声じゃない。



「あの、慎都さん。游さん。お願いがあるのですがいいですか?」

「んだよ。」



銀時さんは俺の顔を見たあと慎都さんと游さんの顔を交互に見てそう言った。そしたらちょっとだけ不機嫌そうに慎都さんがそう答えて俺のことを抱きしめてきた。



「誠也と2人きりでお話がしたいのですが。」

「はぁ?ふざけんじゃねぇ。この後俺は誠也と予定があんだよ。」



え?俺、慎都さんとの予定あったっけ…?何も言われてないような…。



「はい?慎都さんの予定?ありませんよねそんなの。」

「あんだよ。」

「嘘をつかないでください。俺はあなたの部下ですよ。慎都さんの予定を把握してないわけがないじゃないですか。そうしないと慎都さんに振り回されてしまいますからね。どうせ俺との話がすんだら誠也とやろうと思ってるだけでしょ?」

「…チッ、めんどくせぇ部下を持っちまったな。」



銀時さんの察し能力は相変わらず凄いなぁ…。てか慎都さんの体力も無限すぎるだろ。俺はもうやるつもりないからな。このまま銀時さんの家に泊まってやろうか…。



「慎都さん。いいですよね。ちょっとだけ誠也と話すだけですから。」

「ちょっとだけか?」

「はい。話が終わったらすぐに慎都さんに連絡しますから。慎都さんが電話に出なければ游さんにします。どうですか?」

「絶対だからな銀時。誠也も長居しようとすんじゃねぇぞ。お前は俺のもんなんだからな。忘れんじゃねぇ。」

「わ、分かってるよ。」



俺は慎都さんに後ろから抱きしめられて脅された…。この声はまじのやつだ。話がすんだらちゃんと大人しく帰ろっと…。



「分かってねぇだろ。たく、誠也は馬鹿だからな。まぁそこも可愛んだけどな。帰ったらまた抱いてやるから覚悟しとけ。」

「なっ…!こ、こんなとこで言うなよそういうことを!」



銀時さんや游さんの前で言われるのが恥ずかしくて俺はつい声を荒らげたけどこの二人ともやることはやってるもんな…。恥ずかしがる必要はもうねぇと思うけど…それでも恥ずいし…。



「照れてんのかお前。可愛いやつだな。じゃあまた後でな誠也。」

「…うん。」

「おい游。事務所行くぞ。」



後から慎都さんに抱かれることは決まってしまったけど銀時さんのところにもちゃんと連れてきてくれたし…慎都さんにお礼言わないとな。



「え?いいんですか頭。こいつが誠也に手を出すかもしれませんよ。」

「お前じゃねぇだから銀時はそんなことしねぇよ。おら行くぞ游。今のうちに仕事さっさと済ませる。」

「はーい。誠也後でなー。」

「う、うん。」
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