怖いお兄さん達に誘拐されたお話

安達

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新しい場所

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「慎都さん…こっちに行くのか?」



銀時さんのとこに会いに行くって言ってんのになんか裏路地みてぇなところを歩かされてる…。これってマンションの内部だよな…。なんでマンションにこんなところもがあるんだよ。



「ああ。こっちだ。」

「ほんとに銀時さんがこんなとこに?」

「そうだ。おい游、銀時を呼んでこい。」

「はーい。」



慎都さんの家とか銀時さんの家はいかにもマンションって感じのところだった。廊下も綺麗だったし…。でもここは違う。古い…ていうか暗い?そういうように仕向けてるのか?このエリアだけを…。



「…あのさ、慎都さん。」

「不安か?」

「…え?」

「不安そうな顔してるから。」

「そ、そんなんじゃねぇし!」

「無理しなくていい。嫌なら場所を変える。」



慎都さんが俺の頭を撫でながらそう言ってきた。それもいつものように笑って言うんじゃなくて真面目な顔をして言ってきた。俺…そんな不安そうな顔してたか…?



「ほんとに大丈夫だよ…ただここはなんの場所なのかなって。」

「知りたいか?」

「…べ、別に俺に言えないようなことなら言わなくてもいいっ。」



知りてぇのに俺もなんか意地張っちまった。だって慎都さんがいつもと違ぇんだもん。なんか真面目な顔…もしかしてこれが慎都さんの仕事の顔なのか?



「言えないような事じゃねぇよ。」

「…じゃあなんなの?ここって。」

「ラットを見つけるとこだ。見つけて白状させる。」

「…拷問するとこ?」



ラットって…前に捕まってた屋敷でも聞かされた。渚さんたちに。そりゃ慎都さんたちもヤクザだからこういう部屋はあるような。だけど…なんで急に俺に教えてくれたんだ…?



「ああ。簡単に言うとな。拷問だけじゃねぇけどよ。」

「…なんで俺に教えてくれたんだ?昨日までは仕事の事すら慎都さんは俺に何も教えてくれなかったのに。」

「俺が話さなすぎたからお前が不安になったんだと思ってな。だからこれからはちゃんと話す。お前が不安にならないように。」



な、なんだよ…。俺の言うこと聞いてくれなかったりするくせに急に優しくしやがって…。こんなところで抱きしめられないといけないほど俺は不安じゃねぇのに…!



「…っ、な、何言ってんだよ慎都さん!俺は不安になんかなってねぇし!」

「んな意地を張らなくていい。これからはちゃんと話すからな。ごめんな誠也。」

「…………っ。」



抱きしめられて顔にキスされて…。ほんと調子狂う…。で、でもだからって夜はやらねぇからな!今だけだからな言いなりになるのは!



「でも怖かったらすぐに言うんだぞ誠也。その時は場所を変えるから。」

「怖がってねぇし…っ!」

「ならいい。お前にしちゃ男らしいじゃねぇか。」

「俺だって男だからな…っ!」

「ああ。よく知ってるぞ。お前には可愛いちんこが着いてるからな。」

「……っ!?!」



誰が聞いてるか分かんねぇのにこんなとこでそんな話…っ!馬鹿じゃねぇの!



「そ、そういうこと言うな!」

「はは、ちょっとからかっただけだ。」

「…もうっ。てか游さん遅くない?」

「あー。ちょっと場所が離れてるからな。」

「そうなのか?」

「ああ。もう少しで来ると思うぞ…お、噂をすれば。」

「…ん?游さんたちが来たのか?」

「ああ。あそこ見てみろ。」



俺は未だに慎都さんに抱きしめられたままだけどそれはまぁいいとして…奥の方から若干游さんの顔が見えた。ここはほんとに薄暗いからよく見えない。けど游さんの顔は分かりやすいからすぐ分かった。



「あ、游さんだ。」

「だな。後ろに銀時もいる。おいで誠也。」

「う、うん。」



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