極道の密にされる健気少年

安達

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圷と海斗の話

優しい人

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*海斗視点









「あ、そういや布利幡に呼ばれてんだったわ。」



弁当を食べている最中寛也さんが思い出したようにそう言った。仕事関係のことは俺は全く分からないからこういう話になったら黙っておこうと俺は決めてる。



「え?組長が行くんですか?わざわざ?あそこまで?なんの為にですか!あいつがここに来りゃいい話じゃないですか!優しすぎますよ組長!」

「怒るなよ康二。怒るよりも先に自体の把握をしろよ。布利幡は今怪我してんだ。撃たれて重症だ。だから組長が行くんだよ。組長は優しいからな。布利幡も布利幡で怪我が治ったら行きますからとか言ってたけどそれじゃあ長引くから組長がそう決断したんだ。」



澪司さんと康二さんは性格もだけどこういう時も真反対なんだな。康二さんは寛也さんのことが大好きだから寛也さんのことになると怒ることが多い。けど澪司さんは内心怒ってるかもだけど割り切って寛也さんの行動を責めないし怒らない。真逆の2人がいると色んな意見が聞けるからいいなと俺は密かに思った。



「そうだったんですね。てか…なんで俺にはそれ教えてくれないんですか組長!」



また康二さん怒ってる。でも本気で怒ってない。森廣さんも何も気にせずこの状況を見てる。普段からこんな感じなんだろうな。ムードメーカーって感じ!



「お前は布利幡が嫌いだからな。言えば喜ぶと思って。」



寛也さんがそう言いながら康二さんの頭を軽く叩いた。誰が嫌いとかそういうのまで把握してるんだ。これまで家にしかいなかったからこういう会話聞くの凄く楽しい。非日常って感じでワクワクする。



「そうですね組長。今嬉しいです。」

「…康二。お前な。」



また澪司さんがため息をついた。なんか…楽しい。家だとこんな感じの澪司さんは見ることが出来ないから。



「落ち着け圷。だから俺はお前を連れて布利幡のとこに行こうと思ってる。午後からの予定はどうだ?」

「え?」



寛也さんのその言葉に澪司さんは止まった。澪司さんって…こんな顔するの!?家じゃ余裕…って顔ばっかり。それとニヤニヤ顔。俺って澪司さんと長くいるけどあんまり澪司さんのこと知れてなかったんだな…。



「なんだよ圷。予定入ってんのか?俺は今日お前にそんなやべぇ予定とか入れてねぇ記憶があるんだが。」

「あ…いや…その。組長。きょ、今日行くんですか?」



澪司さん凄い動揺してる…。康二さんがそんな澪司さんみて笑うの我慢して森廣さんは全く…という呆れ顔してる。みんな澪司さんのこと俺より知ってる。それは…当たり前だ。俺なんかよりもずっと長く澪司さんといるんだから。



「ああ。海斗がいるから行きたくねぇとか言うなよ。な?圷。言ったらお前仕事量増やすからな。」

「…じゃあ組長。海斗を家に連れて行ってから行きましょうか。」

「は?ここでいいだろ。な?海斗。お前もここに居たいよな。」



俺は…ここにいたい。澪司さんは嫌がるだろうけど康二さんとたくさんお話がしたい。康二さんは全体が見えててふざけてるけど真面目で仲間思い。その康二さんから俺は澪司さんの話が聞きたい…!



「はい。ここにいます!澪司さんいい?」

「…………。」



やっぱり澪司さん嫌そう…。けど今日は俺も引かない。だって澪司さんは変わったから。俺はただ澪司さんの機嫌を伺うだけじゃ無くなったんだから。



「…だめ?」

「おい圷。そういう所だぞ。あとこれから行く商談は重要なもんだ。お前が海斗の事が気がかりで何も出来ませんでしたなんて話にならねぇからな。」



寛也さんがそういうと森廣さんもうんうんと頷いていた。俺が知ってる澪司さんはかっこよくて凛々しい人だからこうやって誰かに喝を入れられてる姿を見て…すごく新鮮な気持ちになった。



「分かってはいるんですけど…、でも組長…。」

「ヘナヘナするな圷。しっかりしろ。俺がいるし康二もいるから海斗は心配ない。」



森廣さんはずっと黙って見てたけど澪司さんがあまりにも下を向くから口を出してくれた。けど俺は正直この澪司さんを見て嬉しいって思っちゃったんだ。だってそれだけ大事にしてくれてるって事だから。



「…そうですね。森廣さんいるなら安心です。」

「は!?おい圷!俺もいるんだけど?」

「康二は信用ならん。」

「んだよそれ。なんもしねぇっつーの。お前の大事なもんに。」



康二さんはそう言って俺の頭を撫でてくれた。優しいなぁ康二さん。だから寛也さんも駿里も康二さんを信用するんだろうな…。澪司さんも。



「その言葉信用しとくぞ康二。」

「おうよ。てことで行ってこい圷。海斗は守っとくから。」

「ああ。では組長、飯食い終わったら行きましょうか。」

「ああ。行こう。」
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