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圷と海斗の話
昔のことは…
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*海斗視点
「言わねぇな。それが康二を傷つけることにもなる。それにあいつは俺と組長が育てたようなもんだ。まぁそのせいで舐め腐ったやつに育ったけどな。それでもあいつは過去のあの時に比べたら笑うようにもなった。駿里のおかげでもあるかもな。」
「…そうなんですか?」
「ああ。康二はな、駿里がここに来てから人が変わったように穏やかになった。まぁ荒れてたのは俺らのせいなんだかな。この世界はどうしても人を殺すということを避けられない。その度に証拠を隠滅しなければいけない。だがそれは部下にやらせる訳にはいかねぇんだ。部下っていうか下っ端の奴らな。あいつらはヘマをするから。だからその役目が康二や圷だったんだ。」
澪司さんも…そうだよね。俺に言わないだけで澪司さんも沢山のことをしてると思う。それが仕事だから。
「森廣さん。澪司さんも過去に何かあったりしたんですか…?澪司さんは過去の話をしないんです。俺にはしてくれなくて…。」
「まぁそうだろうな。ヤクザに入るってのは世間で言う邪魔者になるってことだ。普通に暮らしてりゃ俺らみたいなのにはならねぇ。圷もそうだった。だがこれは俺の口からは言えない。直接圷に聞いてみな。きっと教えてくれるさ。」
澪司さんが俺にその事を話してくれる確率は少ない。けど…森廣さんは澪司さん本人からの言葉で俺がそれを知ることがいいと言ってくれた。森廣さんがそう言ってくれたのはそういうことだと思う。だから俺も逃げずに聞きたいことは聞かなきゃ…だね。
「そうですね森廣さん。そうしてみます。」
「ああ。そういや海斗、お前は駿里とも話すのか?」
「会えば話します。でも中々会えなくて…。」
「そうだよな。組長も圷も独占欲強いからな。」
今はこうして事務所に来れてるけどちょっと前まで俺は玄関の外に出れることすらなかった。それは俺も悪いんだ。澪司さんの気持ちをちゃんと考えれてない部分もあったから。
「喧嘩した後話し合ってそこからは外に出れるようになりました。今日も澪司さんがここに連れてきてくれて。」
「そうだな。一時はどうなることかと思ったが解決して良かった。康二のおかげだ。」
そう…。康二さんのおかげ。寛也さんも俺達のために色々してくれた。けど最終的に康二さんが俺たちの喧嘩を止めてくれて…そのおかげで俺は今ここにいれてるんだ。
「はい。康二さんがいなきゃ俺と澪司さんはきっと…」
「まぁそうならなかったから良かったじゃねぇか。な?海斗。そんな顔してるとまた圷が心配するぞ。」
「そ、そうですね!」
「ああ。せっかく可愛い顔してるんだから笑顔でいろ。」
森廣さんは真顔で急に驚くようなことを言う。今もそう言われて俺は思わず変な声を出しそうになった。俺は男だ。可愛くなんかない…って森廣さん相手には言えないけど…っ。
「か、可愛くないですよ!普通です!」
「いやいや可愛いだろ。お前噂になってんだぞ。」
「俺がですか!?」
「ああ。俺らの部下の間でな。幹部はそうでもねぇけどそれより下の奴らが噂してんだ。お前を見た事がねぇから。あとあの圷が恋をして愛人を囲ってるってな。しかも可愛い顔だからあいつらは隙を見てお前の顔を見ようと圷の様子を伺ってる。」
知らなかった…。澪司さんってそんなに有名人なんだ。いやいやそうだよね。だって幹部だもん。俺の自慢の人だ!すごい人なんだから!けど俺は気になった。森廣さんがあの圷が…って言ったこと。
「…澪司さんって恋とかしたことなかったんですか?」
「そうだな。志方は駿里が来る前よく遊んでいた。康二も本意ではなかったが遊んでいたのは遊んでいたんだ。あいつらは顔だけはいいから俺らが経営してるキャバ嬢とか風俗嬢が寄ってくるんだ。康二は特に生活が厳しい女に金を与えてたからな。」
「なんか康二さんらしい。」
「だろ?けど圷だけはどれだけ誘われても行かなかった。鉄壁の男って言われてたんだぜ。」
「そ、そうなんですか…?」
それまで澪司さんはどうしてたんだろ…。その……性欲の方…。俺とは毎日してしかも何回もする…。その性欲をどうしてたのか俺はそこが気になった。
「お前からしちゃ信じれねぇだろ。お前の首に着いたその痕を見たらよくわかる。だかなぁ、俺からしてもあいつが海斗を好きになったのが未だに信じられない。それぐらいにあいつは人を好きにならないんだ。いやなれなかったと言った方が正しいかもな。」
「…それは澪司さんの過去が関係してるんですか?」
「ああ。簡単に言うと圷は人を信頼できない。俺らのことはさすがに信用も信頼もしてると思う。だがあいつは心を開かねぇんだ。諦めてるのもあるんだろうな。」
「…そう…なんですね。」
「だからこそ俺は海斗に感謝してるよ。圷が笑うようになったし自分のために生きるようになった。駿里と出会ってしばらくしてからの組長にそっくりだ。だから海斗、お前も遠慮しちゃ駄目だぞ。あいつに何かされたら俺にすぐ電話してこい。」
「森廣さん。ありがとうございます…っ。」
「ああ。もうしばらくしたら走って圷が帰ってくるだろうからそれまでゆっくり話そうか。」
「はい…!!」
「言わねぇな。それが康二を傷つけることにもなる。それにあいつは俺と組長が育てたようなもんだ。まぁそのせいで舐め腐ったやつに育ったけどな。それでもあいつは過去のあの時に比べたら笑うようにもなった。駿里のおかげでもあるかもな。」
「…そうなんですか?」
「ああ。康二はな、駿里がここに来てから人が変わったように穏やかになった。まぁ荒れてたのは俺らのせいなんだかな。この世界はどうしても人を殺すということを避けられない。その度に証拠を隠滅しなければいけない。だがそれは部下にやらせる訳にはいかねぇんだ。部下っていうか下っ端の奴らな。あいつらはヘマをするから。だからその役目が康二や圷だったんだ。」
澪司さんも…そうだよね。俺に言わないだけで澪司さんも沢山のことをしてると思う。それが仕事だから。
「森廣さん。澪司さんも過去に何かあったりしたんですか…?澪司さんは過去の話をしないんです。俺にはしてくれなくて…。」
「まぁそうだろうな。ヤクザに入るってのは世間で言う邪魔者になるってことだ。普通に暮らしてりゃ俺らみたいなのにはならねぇ。圷もそうだった。だがこれは俺の口からは言えない。直接圷に聞いてみな。きっと教えてくれるさ。」
澪司さんが俺にその事を話してくれる確率は少ない。けど…森廣さんは澪司さん本人からの言葉で俺がそれを知ることがいいと言ってくれた。森廣さんがそう言ってくれたのはそういうことだと思う。だから俺も逃げずに聞きたいことは聞かなきゃ…だね。
「そうですね森廣さん。そうしてみます。」
「ああ。そういや海斗、お前は駿里とも話すのか?」
「会えば話します。でも中々会えなくて…。」
「そうだよな。組長も圷も独占欲強いからな。」
今はこうして事務所に来れてるけどちょっと前まで俺は玄関の外に出れることすらなかった。それは俺も悪いんだ。澪司さんの気持ちをちゃんと考えれてない部分もあったから。
「喧嘩した後話し合ってそこからは外に出れるようになりました。今日も澪司さんがここに連れてきてくれて。」
「そうだな。一時はどうなることかと思ったが解決して良かった。康二のおかげだ。」
そう…。康二さんのおかげ。寛也さんも俺達のために色々してくれた。けど最終的に康二さんが俺たちの喧嘩を止めてくれて…そのおかげで俺は今ここにいれてるんだ。
「はい。康二さんがいなきゃ俺と澪司さんはきっと…」
「まぁそうならなかったから良かったじゃねぇか。な?海斗。そんな顔してるとまた圷が心配するぞ。」
「そ、そうですね!」
「ああ。せっかく可愛い顔してるんだから笑顔でいろ。」
森廣さんは真顔で急に驚くようなことを言う。今もそう言われて俺は思わず変な声を出しそうになった。俺は男だ。可愛くなんかない…って森廣さん相手には言えないけど…っ。
「か、可愛くないですよ!普通です!」
「いやいや可愛いだろ。お前噂になってんだぞ。」
「俺がですか!?」
「ああ。俺らの部下の間でな。幹部はそうでもねぇけどそれより下の奴らが噂してんだ。お前を見た事がねぇから。あとあの圷が恋をして愛人を囲ってるってな。しかも可愛い顔だからあいつらは隙を見てお前の顔を見ようと圷の様子を伺ってる。」
知らなかった…。澪司さんってそんなに有名人なんだ。いやいやそうだよね。だって幹部だもん。俺の自慢の人だ!すごい人なんだから!けど俺は気になった。森廣さんがあの圷が…って言ったこと。
「…澪司さんって恋とかしたことなかったんですか?」
「そうだな。志方は駿里が来る前よく遊んでいた。康二も本意ではなかったが遊んでいたのは遊んでいたんだ。あいつらは顔だけはいいから俺らが経営してるキャバ嬢とか風俗嬢が寄ってくるんだ。康二は特に生活が厳しい女に金を与えてたからな。」
「なんか康二さんらしい。」
「だろ?けど圷だけはどれだけ誘われても行かなかった。鉄壁の男って言われてたんだぜ。」
「そ、そうなんですか…?」
それまで澪司さんはどうしてたんだろ…。その……性欲の方…。俺とは毎日してしかも何回もする…。その性欲をどうしてたのか俺はそこが気になった。
「お前からしちゃ信じれねぇだろ。お前の首に着いたその痕を見たらよくわかる。だかなぁ、俺からしてもあいつが海斗を好きになったのが未だに信じられない。それぐらいにあいつは人を好きにならないんだ。いやなれなかったと言った方が正しいかもな。」
「…それは澪司さんの過去が関係してるんですか?」
「ああ。簡単に言うと圷は人を信頼できない。俺らのことはさすがに信用も信頼もしてると思う。だがあいつは心を開かねぇんだ。諦めてるのもあるんだろうな。」
「…そう…なんですね。」
「だからこそ俺は海斗に感謝してるよ。圷が笑うようになったし自分のために生きるようになった。駿里と出会ってしばらくしてからの組長にそっくりだ。だから海斗、お前も遠慮しちゃ駄目だぞ。あいつに何かされたら俺にすぐ電話してこい。」
「森廣さん。ありがとうございます…っ。」
「ああ。もうしばらくしたら走って圷が帰ってくるだろうからそれまでゆっくり話そうか。」
「はい…!!」
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