ばいばい、ヒーロー

上村夏樹

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第2章 折れたコントラバスと破壊ファントム

第9話 ナルシストな門番と間接的密室

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 私たちが来て五分も経たないうちに、第二音楽室には吹奏楽部が勢ぞろいした。ざっと数えて二十人強といったところか。
 この場には吹奏楽の他に軽音楽部、それから勘九郎くんがいる。君、美術部なのにどうして音楽室にいるの……。

「あたしの、コントラバス……なんで、誰が……!」

 裕子が泣きながらコントラバスの折れたネック部分を抱きしめた。

「……泣かないで、裕子」

 いつ間にか保健室から戻ってきた千秋が、裕子の背中を優しく擦っている。どうやらもう体調は良くなったらしい。

 コントラバスという楽器はとにかく大きい。裕子が使っていたのは百九十センチくらいあると思う。もちろん、折れた状態ではなく、ネックの部分を含めてだ。
 数ある楽器の中から、わざわざこの大きくて重たい楽器――つまり、動かしにくい楽器が選ばれたことに、それなりの意味があるはずだ。

「ねぇ。一応確認しておくけど、裕子はコントラバスが折れていたことに心当たりないのよね?」

 私が尋ねると、裕子は力なくうなずいた。
 つまり、これは第三者がコントラバスのネックを折ったという、悪質極まりない犯罪だ。

「綾。裕子の力になってあげるだろ?」

 貴志くんが当然のことを聞くので、私は胸を張って言い返す。

「もちろんよ。私たちの手で、この事件を解決してみせるわ!」
「え……本当に?」

 裕子が目を瞬かせる。その瞳は悲しみでしっとりと濡れていた。

「ええ。友達を泣かすヤツは許さないわ」

 それに犯人に言ってやりたい。本当はこんなやり方じゃなくて、ちゃんと想いを言葉にしてぶつけてあげたほうがいいよって。
 かつて私が美由に酷いことをしてしまったように、今回の犯人もまた、間違ったやり方で裕子にメッセージを送っている。それじゃあ、だめだ。直接言わなきゃ伝わらないことだってあるんだもの。
 私はそれを、身をもって経験した。
 だからこそ、裕子と犯人の関係を取り持ってあげたい。二人にとって、それが一番いいことだと思うから。

「ありがとう……綾っち、ありがとう……」
「ほら、裕子。泣かないの。裕子にもいろいろ質問するから、泣いてばかりいないで答えるのよ? できる?」

 裕子は「できるよぅ。子ども扱いはやめてよねー」と、少しだけ笑ってくれた。

 さて……ここからは推理の時間だ。
 以前、貴志くんが謎を解いたように、今回は私が事件を解決してみせる。

「綾。まずは事件の概要から整理しようか」

 貴志くんが私に指図する。隣に君がいてくれるのなら、これほど心強いことはない。力を貸してね、ロックンローラーの探偵さん。

「まずはコントラバスの発見時の状況を説明してもらいたいんだけど……第一発見者は勘九郎くん?」
「いや、僕ではない。そこの美しくない女生徒、小林ガールだ」

 勘九郎くんがビシッと指をさす。また美しくないとか言っている。ほんと、女の子に対して失礼なんだから。

「はい。第一発見者はワタクシです」

 小林さんは、分厚いレンズの眼鏡、三つ編み、さらにはスカートの丈がスネの辺りまであるという、今どきなかなか見ないファッション感覚の持ち主だった。でも、肌は白くて綺麗。あの眼鏡を外して髪型も今っぽくすれば、きっと美しい小林ガールになると思う。

「小林さん。君は吹奏楽部?」
「はい。ワタクシは一年四組の小林麻紀と申します」

 小林さんは眼鏡のブリッジ部分を親指の腹でくいっと持ち上げた。眼鏡の持ち上げ方が独特過ぎる。

「私、軽音楽部の小日向綾。よろしくね。事件解決のためにいろいろと聞きたいことがあるんだけど、協力してくれるかしら?」
「ワタクシで良ければ、ぜひ協力させてください」
「ありがとう。では、発見当時の状況を教えてもらえる?」

 貴志くんに「これでいいのよね?」と確認を取ると、「ああ。美しい推理を期待しているよ」とニヤニヤした顔で返された。何故勘九郎くんの真似を……君、ちゃんと真面目にやっているのよね?

「あの、小日向さん? どうかしました?」
「あ、ごめんなさい、小林さん。お願いするわ」
「はい。ワタクシが第二音楽室に入ったときには、コントラバスはこの状態でした。壁に立てかけてあって、床に折れたネックが置いてあったんです。その隣にはコントラバスのハードケースが置いてありました。ワタクシ、びっくりして『えっ!?』と声を上げたら、そちらの方が『どうした、小林ガール!』とすぐに入ってきたんです。で、その後、美しくないと大声を上げたのです」

 小林さんは親指で勘九郎くんを指さした。眼鏡を持ち上げるときだけでなく、人を指し示すのも親指……クセが強いなぁ、この子。

「勘九郎くんは、どうして第二音楽室付近にいたの? 美術室は二階でしょ?」

 第二音楽室は三階だ。小林さんは、驚きの悲鳴を上げた後、勘九郎くんがすぐに入ってきたと証言している。二階にいるはずの彼が即座に駆けつけるのは不自然だ。

「何を言っているんだ、小日向姉よ。音楽室前の廊下を見なかったのか?」
「廊下?」

 ドアを開けて、廊下を確認する。
 ここに駆けつけたときは必死だったから気づかなかったけど、廊下には大きな画用紙が敷かれている。学校の机を四つ並べたくらいの大きさはあるだろうか。そこには絵が描かれているが、まだ製作途中のようだ。

「ようやく気づいたようだな。この俺の芸術的な絵が視界に入らないとは……小日向姉よ。いよいよ眼科に行ったほうがいい」
「ぬぐっ……!」

 殴りたい衝動に駆られたけど我慢した。今は事件の解決を優先しよう。私は咳払いをして続けた。

「こほん。なるほど、君はこの絵をここで描いていたから、すぐに駆けつけられたのね」
「そういうことだ」
「これ、うちのクラスの出し物の絵よね?」

 製作途中のその絵には、大きく「焼きそば」の文字が描かれている。私たちのクラスは焼きそばをやることになっており、きっと美術部の勘九郎くんは、クラスメイトに看板製作を頼まれていたのだろう。

「うむ。美しい看板を作るから、楽しみにしているといい」
「ええ。頼んだわ……素朴な疑問なんだけど、教室や美術室でやらないのは何故?」
「……こんな大きな絵を描くスペースはないと言われて追い出されたよ」

 ふっ、と無理して気取って笑う勘九郎くん。邪魔者扱いされたのか……これには同情してしまう。さすがの勘九郎くんも、きっと落ち込んでいるに違いない――。

「まぁ僕は絵を描けるのなら、場所を選ばないからいいけどね! 何故って? 僕が天才だからだよ、小日向姉! 弘法筆を選ばず! 天才はどこだって絵を描けるのさ! あとはそう、僕が美しいからだろうね!」

 勘九郎くんは、わっはっはと豪快に笑った。前言撤回。同情して損したわ。

「綾。まずは勘九郎から話を聞け。こいつは犯行現場の前にいた重要参考人だ」

 貴志くんがそっと耳打ちをしてきた。
 たしかに、彼が犯人を見た可能性は十分にある。話を詳しく聞くべきだ。

「勘九郎くん。君の放課後の行動を教えてくれるかしら?」
「ほう? 僕を疑っているのか? その推理は美しくないな、小日向姉よ」
「疑っているんじゃなくて、君が犯人を見た可能性があるから話を聞きたいの。お願いできる?」
「……ふむ。美しくはないが、まぁいいだろう。小日向姉に事情聴取を許可する」

 どうして上目線なのだろう。意味がわからない。

「はぁ……とりあえず、話を聞かせてもらうわね」

 こうして勘九郎くんから当時の状況について証言をしてもらうことになった。


 ◆


 廊下から第二音楽室に戻ると、勘九郎くんが放課後の行動を説明し始めた。

「放課後、僕は絵具セット一色と画用紙を持って、この廊下へやってきた」
「ちなみに、どうしてこの廊下なのかしら?」

 尋ねると、勘九郎くんは「美しくない質問をありがとう」と会釈した。意味がわからない。

「僕たちの教室がある校舎――本館は三階建てで、渡り廊下を挟んで別棟と繋がっているだろう?」
「そうだけど、それが何か?」
「本館は下校する生徒が廊下に溢れていて描けないのさ。だから別棟を選んだだけのこと。しかも、第二音楽室は別棟三階の廊下の隅っこにある。放課後の教室前の廊下に比べたら、圧倒的に人通りは少ないだろう。実際、僕はここで活動していたが、目の前を通ったのは二人だけだ。反対側の廊下を歩く生徒はもっといたがな」

 二人の通行人。その二人が犯人の可能性がある。
 いや……それだけ人の目がない場所なら、勘九郎くんが犯行に及んだ可能性だって少なくない。ここからは大事な証言を聞き逃さないように注意しよう。

「勘九郎くんが目撃した二人って誰かしら? 知り合い?」
「ああ。一人は小林ガール。もう一人は大輔ボーイさ」
「「「えっ?」」」

 軽音楽部の視線が一斉に大輔くんに突き刺さる。どうして関係のない君が容疑者になるのよ。

「ま、待てよ。俺は犯人じゃないぞ?」
「……わかっているわ。でも、後で話は聞かせてもらうわよ?」
「おう……自分で無実を証明するしかないんだな。頑張るよ……」
「大丈夫だよ、大輔くん。綾ちゃんを信じよう?」

 落ち込む大輔くんを、静香ちゃんが健気に励ましている。お似合いなカップルだと思うけど、付き合う様子はまったくない。残念の一言である。

「小林さんと、うちのドラマーの話は後で聞くわ。まずは勘九郎くんの話の続きを聞かせて」
「うむ。僕は廊下で絵を描く前に、音楽室に誰かいないかと思って第二音楽室に入った。さすがに無断で音楽室前の廊下を使わせてもらうのは気が引けたからね。音楽室を使用している団体の責任者に話を通そうと思ったんだ」
「い、意外と常識的な行動をするのね……で、中にいた小林さんに話しかけたの?」

 私たちが来たとき、小林さんと勘九郎くんしかいなかった。つまり、中にいたのは小林さんだったのだろう。

「いや。それが誰もいなかったんだ」
「えっ? じゃあ、鍵はどうやって開けたのよ」
「開いていたんだ」

 ……開いていた?
 誰もいないのに、鍵が開いていたなんてこと、あるだろうか。

「本当に誰もいなかった? 間違いない?」
「もちろん。隣の音楽準備室にも行ったけど、誰もいなかった」

 音楽準備室は第二音楽室の隣にある部屋で、楽器や譜面台などが置かれている。廊下側からは入れず、第二音楽室からしか入れない。
 音楽準備室には、授業で使う物が多くあるが、稀に授業で使わない楽器が置かれていることもある。例えば、コントラバスだ。
 吹奏楽は自分で楽器を買うパートと、学校から借りるパートがある。コントラバスは高価なうえに大きな楽器だから、自分で買って持ち運ぶのは難しい。だから、学校が備品として貸してくれるのだとか。だから、音楽準備室に置かれているのだ。他にもチューバやバリトン・サックスなんかも、学校が貸してくれるらしい。

「ふぅん。誰もいない音楽室ね……そのときコントラバスはどこにあったの?」
「まだ音楽準備室にあった。壊れていなかったな。美しかったよ」
「え……美しかった?」
「ああ。あの光を弾く艶やかなボディ。張りつめた弦。小日向姉には理解できないだろうが、とても美しい楽器だね」
「むっ……あ、そう。まぁいいわ。続きをお願い」
「誰もいなかったから許可は貰えなかったが、僕は絵を描く準備をした後、廊下で描き始めた」
「結局描いたのね……」

 それじゃあ、許可を得る意味ないと思うんだけど。

「絵を描き始めて数分後、大輔ボーイが来た。僕が描いている絵について二言三言交わした後、彼はトイレに行ったよ」

 そういえば、大輔くん、教室で話している途中でトイレに行ったんだった。彼に聞きたいことはあるけど、今は勘九郎くんの話を聞こう。

「大輔ボーイはトイレから出て、実に爽やかな顔をして来た道を戻っていったよ。あれは何かを成し遂げた顔だね」

 トイレで何を成し遂げたというのか……いや、聞くのはよそう。どうせ美しくない答えが返ってくるに違いない。

「その十分後くらいに小林ガールが通りかかった。第二音楽室に入ろうとしたから、引き止めたんだ。彼女とは初対面だったから、お互い軽く自己紹介をした後で、廊下で絵を描いている旨を伝えたよ。彼女は『部長が来たら報告しておきますから、どうぞ使ってください』と言ってから、音楽室に入っていった。僕がすぐに絵の続きを描こうと思った次の瞬間、中から驚きの声が聞こえた。慌てて音楽室に入ると、美しいコントラバスの無残な姿を目の当たりにした、というわけさ」
「そう……ちなみに鍵は開いていたようだけど、ドアは開けっ放しだったの?」
「ああ。僕と小林ガールを含め、誰も閉めていない」
「わかった。いろいろと話してくれてありがとう……」

 私は頭を抱えるしかなかった。

「鍵が開いていたとはいえ、勘九郎くんはずっと音楽室前の廊下にいた。しかも、彼がいた時間帯にコントラバスは壊された。その間、小林さんが来るまで誰も出入りしていないのに、事件は起こった……?」

 第二音楽室の入り口は廊下側のドア、それも一か所しかない。その前で勘九郎くんは絵を描いていた。誰かの侵入を見落とす可能性はゼロだろう。

「犯行現場は鍵こそかかっていなかったが、勘九郎が門番のようにドアの前にいた。つまり、間接的な密室だった。となると、犯人は密室を出入りして犯行に及んだってことか……思ったより難解な謎だな」

 貴志くんがうんざりした顔で言った。
 たしかに難解だけど、あきらめたくない。絶対に謎を暴いてやるんだから。
 そして……貴志くんが私を変えてくれたように、今度は私が犯人を変えてみせる。

「それじゃあ次、小林さん。話を聞かせてくれるかしら?」
「わかりました」

 小林さんはうなずき、眼鏡を親指でくいっと持ち上げた。
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