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第1部 暴君立志編 第2話 王太子、大劇場を作る
第2話 1
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俺が暴君といってすぐに思いつくのが、前世の記憶では信長とネロ。今世の記憶では百五十年ほど前のルキウス帝国皇帝、イステーリア三世だった。
この三人の中で、イステーリア三世は、ちょっとマネしてはアレな人物なので除外。
そこで前世の記憶の二人を参考にする事にした。
俺は暴君にはなりたいが、国を割ったり暗殺されたいわけじゃない。
あくまで参考だ。
その匙加減は、ソフィアがうまく整えてくれるだろう。
「――そんなわけで、大劇場と市場改革だ」
「その心は?」
彼女は俺の執務机の横にある、自身の執務机に頬杖突いて、バカを見るような目を向けてくる。
「謎かけやってんじゃねえって。マジで。マジでやるのっ!」
「あなたが暴君になりたいっていうのは理解してるつもりだけど、初手がそれでいいの?」
「先人の知恵ってやつだ。いいか?」
そうして俺は書棚から王都の地図帳を取り出し、全域図のページを開いて南西の一角を示す。
「この辺りにスラムがあるだろ? ここを潰して大劇場を作る。
建築にはスラムの者も働かせればいい。同時に劇場の従業員や演者もスラムや庶民から募る。雇用創出ってやつだな。一石二鳥だな。
スラムの者には、まあ、一時的には宿を借り上げる必要があるだろうが、まっさきに宿舎を建てて、そこに住まわせよう」
するとソフィアは指を三本立てる。
「そもそも働く気のない者、病なんかで働けない者は?」
「働く気がない者は、そもそも税も納めてない者だろ? 国策の邪魔なら切り捨てるべきだろう?
スラムを追い出されれば、他に棲家を求めて流れていくはずだ。
次に病で働けない者。そいつらはそもそも、この劇場に関係なく、国が保護しなければいけない存在だ。
役所の怠慢だな。すぐに保護して医療施設に送ってやろう」
ソフィアは「ふむ」と鼻を鳴らし、紙を取り出してなにか書きつける。
「次に劇場って、貴族の施設でしょう。王都にはすでに五つも劇場があるわ。収益は見込めるの?」
「いや、この劇場は庶民の為のものだぞ?」
「は?」
彼女がポカンと口を開けて、ペンを落とした。珍しい事もあるもんだ。
「サル大暴れ事件の時に言ったろう?」
「ああ、王太子婚約破棄事件の時の事ね」
二人の間に一瞬の沈黙が降りて、俺はぐぅと唸る。だが、そんなもので俺は負けない。
「サル大暴れ事件の時に、庶民にも教育が必要だと俺は言った」
「あくまでそれで通すつもりなのね」
ソフィアはため息をついて、目線で先を促す。
「実際のところ、ただ学べといったところで、生活に忙しい庶民が、すぐに学ぼうとするとは思えないだろう? 義務教育制度がはじまるのも来年からだ。そして子供が学を持ったところで、親に学がなければ、子供の学は無駄になる」
「それが劇場とどうつながるの?」
「大劇場では、庶民でも、ちょっと背伸びすれば行ける価格で、大衆向けの公演をさせる。
その演目に多少の知識が必要となれば、親も学びに興味を持つようになるだろう?
そもそも庶民には娯楽が少なすぎる。
知ってるか? あいつら、本すら貴族のものと思い込んで、買わずにいるんだぞ」
先日、お忍びで城下を回った時に知った事だ。
大衆向けの物語を主に扱った本屋が、閑古鳥鳴いてるのを見て、俺は絶句した。
決して買えない金額設定ではないのに、庶民の間では本は貴族が楽しむものという認識が広まっっているというのだ。
「そこで初回無料で庶民には娯楽というものを味あわせてやり、劇場や本は貴族だけのものではないと、思い知らせてやるんだ」
ソフィアは顎に手を当て、考え込む。
「ねえ、王太子婚約破棄事件の時にも思ったのだけれど――」
「あくまでそれで通すつもりなんだな」
俺は頭を掻いて、先を促した。
「そもそも貴族が庶民への知識を制限してるのって、反乱防止の意味もあるのよ?
本当に庶民に知識をつけさせて、平気だと思ってるの?」
「知識をつけた庶民が、貴族に反乱するのは、貴族が不正を行っているからだ。
――考えても見ろ。
国民すべてがおまえくらい賢かったら、貴族や王族なんて面倒なものに、自分から進んでなりたいと思うか?」
ソフィアは思い当たったようで、吹き出した。
「確かに。わたしが庶民だったら、商売でもはじめて、政治なんて関わらなかったでしょうね」
「だろう? むしろ『知識のない庶民』が、『多少頭のよろしいバカ』に扇動される事態こそ、国そのものが危険に晒される状況なんだ。
そうならないように、庶民には貴族に近い知恵を付けてもらう必要がある」
前世の記憶が教えてくれる。
――『賢いフリした盲目的なバカ』が『自分は賢いと思い込んでるバカ』を煽って、『自分たちが不遇なのは、すべて社会が、政治が悪い』と大騒ぎしている光景。
アレをこの国で再現させる気は、俺にはない。
ソフィアも納得したようで、再び三本指を立て、二本を折った。
「じゃあ、みっつめ。そもそもスラムの撤去費用や劇場の建築資金は?」
「そこで市場改革だよ」
先日のお忍びで巡った、王都の様子を思い出しながら、俺は答える。
「――ぶっちゃけ、金貨っていらなくね?」
「はあ?」
再びバカを見るような目で、ソフィアは俺を見る。
「いや、実際に国内で流通に乗ってる金貨って、どのくらいある?
庶民は銅貨と銀貨を使うだけだろ?
冒険者は仕事によっては金貨を手にするかもしれないが、街で使うには銀貨に両替するだろ?
貴族はまあ、多少は使うかもしれないが、実際は小切手が主で、取引は商業ギルドと銀行内での数字のやり取りだけで済まされる」
「確かに……商人にしても、証文と小切手ね」
「だろ? 金貨そのものは、どっかの金庫に死蔵されてんだよ。それを回収してしまいたい」
「そんな事できるの?」
「国として、一回こっきりの奥の手になるけど、先んじられれば他国への大きなアドバンテージになる」
この辺りは俺もそれほど詳しくはないが、ソフィアや大臣達がうまいこと落とし込んでくれると信じてる……落とし込んでくれたらいいなぁ。
俺は不安が顔に出ないように、一度咳払いして、ソフィアを見た。
「小切手さ。額面を固定した小切手――紙幣を発行する」
「紙のお金って事? 偽造されたらどうするの?」
それは質問されると思っていた。
俺は再び、先日のお忍びの時の事を思い出し、ソフィアに笑ってみせる。
「ソフィア。知ってるか? 冒険者になると、ギルドカードというものが発行されるんだ」
「それくらい知って――あっ!」
頭の回転が恐ろしく速いソフィアは、それだけで答えに辿り着いたようだ。
「ギルドカードは偽造、改ざん、汚損不可の魔法処理がされてる……それを紙幣にも用いるのね?」
「ついでに通し番号を入れれば、流通具合も把握できる。
紙幣を発行して金貨と交換回収すれば、死蔵している金貨も国庫に返ってくる」
実際は外国との為替変動や、インフレ率とかデフレ率とか、難しい話もあるのだろうが。そこらはソフィアや財務省のプロ達がうまいことやってくれるだろう。
俺は暴君だからな。『やれ』と言うだけだ。
ソフィアは紙にものすごい勢いで、数式やら走り書きやらをはじめ、それから顔を上げて俺を見た。
「――財務大臣と……宮廷魔道士長も必要ね。話してくる」
そう言って席を立とうとするソフィア。
「あ、おい。大劇場は?」
「これが上手く行くなら、確かにそんなのいくつでも建てられるわ。期待して待ってなさい」
余程テンションが上がっていたのだろう。ソフィアは良い笑顔でウィンクを投げて寄越して、慌ただしく執務室を出ていく。
「ウィンクて。歳を考えろよ……」
苦笑しながら俺は呟く。
顔が熱いのは、きっと気のせいだ。そうに違いない。
この三人の中で、イステーリア三世は、ちょっとマネしてはアレな人物なので除外。
そこで前世の記憶の二人を参考にする事にした。
俺は暴君にはなりたいが、国を割ったり暗殺されたいわけじゃない。
あくまで参考だ。
その匙加減は、ソフィアがうまく整えてくれるだろう。
「――そんなわけで、大劇場と市場改革だ」
「その心は?」
彼女は俺の執務机の横にある、自身の執務机に頬杖突いて、バカを見るような目を向けてくる。
「謎かけやってんじゃねえって。マジで。マジでやるのっ!」
「あなたが暴君になりたいっていうのは理解してるつもりだけど、初手がそれでいいの?」
「先人の知恵ってやつだ。いいか?」
そうして俺は書棚から王都の地図帳を取り出し、全域図のページを開いて南西の一角を示す。
「この辺りにスラムがあるだろ? ここを潰して大劇場を作る。
建築にはスラムの者も働かせればいい。同時に劇場の従業員や演者もスラムや庶民から募る。雇用創出ってやつだな。一石二鳥だな。
スラムの者には、まあ、一時的には宿を借り上げる必要があるだろうが、まっさきに宿舎を建てて、そこに住まわせよう」
するとソフィアは指を三本立てる。
「そもそも働く気のない者、病なんかで働けない者は?」
「働く気がない者は、そもそも税も納めてない者だろ? 国策の邪魔なら切り捨てるべきだろう?
スラムを追い出されれば、他に棲家を求めて流れていくはずだ。
次に病で働けない者。そいつらはそもそも、この劇場に関係なく、国が保護しなければいけない存在だ。
役所の怠慢だな。すぐに保護して医療施設に送ってやろう」
ソフィアは「ふむ」と鼻を鳴らし、紙を取り出してなにか書きつける。
「次に劇場って、貴族の施設でしょう。王都にはすでに五つも劇場があるわ。収益は見込めるの?」
「いや、この劇場は庶民の為のものだぞ?」
「は?」
彼女がポカンと口を開けて、ペンを落とした。珍しい事もあるもんだ。
「サル大暴れ事件の時に言ったろう?」
「ああ、王太子婚約破棄事件の時の事ね」
二人の間に一瞬の沈黙が降りて、俺はぐぅと唸る。だが、そんなもので俺は負けない。
「サル大暴れ事件の時に、庶民にも教育が必要だと俺は言った」
「あくまでそれで通すつもりなのね」
ソフィアはため息をついて、目線で先を促す。
「実際のところ、ただ学べといったところで、生活に忙しい庶民が、すぐに学ぼうとするとは思えないだろう? 義務教育制度がはじまるのも来年からだ。そして子供が学を持ったところで、親に学がなければ、子供の学は無駄になる」
「それが劇場とどうつながるの?」
「大劇場では、庶民でも、ちょっと背伸びすれば行ける価格で、大衆向けの公演をさせる。
その演目に多少の知識が必要となれば、親も学びに興味を持つようになるだろう?
そもそも庶民には娯楽が少なすぎる。
知ってるか? あいつら、本すら貴族のものと思い込んで、買わずにいるんだぞ」
先日、お忍びで城下を回った時に知った事だ。
大衆向けの物語を主に扱った本屋が、閑古鳥鳴いてるのを見て、俺は絶句した。
決して買えない金額設定ではないのに、庶民の間では本は貴族が楽しむものという認識が広まっっているというのだ。
「そこで初回無料で庶民には娯楽というものを味あわせてやり、劇場や本は貴族だけのものではないと、思い知らせてやるんだ」
ソフィアは顎に手を当て、考え込む。
「ねえ、王太子婚約破棄事件の時にも思ったのだけれど――」
「あくまでそれで通すつもりなんだな」
俺は頭を掻いて、先を促した。
「そもそも貴族が庶民への知識を制限してるのって、反乱防止の意味もあるのよ?
本当に庶民に知識をつけさせて、平気だと思ってるの?」
「知識をつけた庶民が、貴族に反乱するのは、貴族が不正を行っているからだ。
――考えても見ろ。
国民すべてがおまえくらい賢かったら、貴族や王族なんて面倒なものに、自分から進んでなりたいと思うか?」
ソフィアは思い当たったようで、吹き出した。
「確かに。わたしが庶民だったら、商売でもはじめて、政治なんて関わらなかったでしょうね」
「だろう? むしろ『知識のない庶民』が、『多少頭のよろしいバカ』に扇動される事態こそ、国そのものが危険に晒される状況なんだ。
そうならないように、庶民には貴族に近い知恵を付けてもらう必要がある」
前世の記憶が教えてくれる。
――『賢いフリした盲目的なバカ』が『自分は賢いと思い込んでるバカ』を煽って、『自分たちが不遇なのは、すべて社会が、政治が悪い』と大騒ぎしている光景。
アレをこの国で再現させる気は、俺にはない。
ソフィアも納得したようで、再び三本指を立て、二本を折った。
「じゃあ、みっつめ。そもそもスラムの撤去費用や劇場の建築資金は?」
「そこで市場改革だよ」
先日のお忍びで巡った、王都の様子を思い出しながら、俺は答える。
「――ぶっちゃけ、金貨っていらなくね?」
「はあ?」
再びバカを見るような目で、ソフィアは俺を見る。
「いや、実際に国内で流通に乗ってる金貨って、どのくらいある?
庶民は銅貨と銀貨を使うだけだろ?
冒険者は仕事によっては金貨を手にするかもしれないが、街で使うには銀貨に両替するだろ?
貴族はまあ、多少は使うかもしれないが、実際は小切手が主で、取引は商業ギルドと銀行内での数字のやり取りだけで済まされる」
「確かに……商人にしても、証文と小切手ね」
「だろ? 金貨そのものは、どっかの金庫に死蔵されてんだよ。それを回収してしまいたい」
「そんな事できるの?」
「国として、一回こっきりの奥の手になるけど、先んじられれば他国への大きなアドバンテージになる」
この辺りは俺もそれほど詳しくはないが、ソフィアや大臣達がうまいこと落とし込んでくれると信じてる……落とし込んでくれたらいいなぁ。
俺は不安が顔に出ないように、一度咳払いして、ソフィアを見た。
「小切手さ。額面を固定した小切手――紙幣を発行する」
「紙のお金って事? 偽造されたらどうするの?」
それは質問されると思っていた。
俺は再び、先日のお忍びの時の事を思い出し、ソフィアに笑ってみせる。
「ソフィア。知ってるか? 冒険者になると、ギルドカードというものが発行されるんだ」
「それくらい知って――あっ!」
頭の回転が恐ろしく速いソフィアは、それだけで答えに辿り着いたようだ。
「ギルドカードは偽造、改ざん、汚損不可の魔法処理がされてる……それを紙幣にも用いるのね?」
「ついでに通し番号を入れれば、流通具合も把握できる。
紙幣を発行して金貨と交換回収すれば、死蔵している金貨も国庫に返ってくる」
実際は外国との為替変動や、インフレ率とかデフレ率とか、難しい話もあるのだろうが。そこらはソフィアや財務省のプロ達がうまいことやってくれるだろう。
俺は暴君だからな。『やれ』と言うだけだ。
ソフィアは紙にものすごい勢いで、数式やら走り書きやらをはじめ、それから顔を上げて俺を見た。
「――財務大臣と……宮廷魔道士長も必要ね。話してくる」
そう言って席を立とうとするソフィア。
「あ、おい。大劇場は?」
「これが上手く行くなら、確かにそんなのいくつでも建てられるわ。期待して待ってなさい」
余程テンションが上がっていたのだろう。ソフィアは良い笑顔でウィンクを投げて寄越して、慌ただしく執務室を出ていく。
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