【本編完結】ネコの慰み者が恋に悩んで昼寝する話

迷路を跳ぶ狐

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番外編16.オーフィザン様とデート!

162.離すなよ

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 街に出たオーフィザン様は、上機嫌だった。僕の肩を抱いて楽しそう。僕もこんな風にオーフィザン様と歩くのは初めて。オーフィザン様とくっついて歩いてると、すごく幸せ。

 城下町は賑やかで、大通りにはいろんな店が並んで、たくさんの人が歩いてる。人族が多いみたいだけど、たまに竜族や妖精族もいた。中には狐妖狼族もいて、すれ違う時振り向いちゃった。

 今日はいつもより暖かくて、春先の風が気持ちいい。こんな風にデートできるなんて、思ってなかったから、すごく嬉しい。

 オーフィザン様は、僕を抱き寄せて、僕に振り向いた。

「まずは、お前が行きたかった展望台に向かうか?」
「は、はい!!」
「落ちるなよ」
「お、落ちませんっ……! 僕、今日は絶対にドジしないって決めてるんです!」
「してもいいぞ」
「えっ!? な、なんでですか!? ぼ、僕、デートを絶対に台無しにしたくないのに……」

 オーフィザン様、僕とのデート、楽しみにしてくれてたんじゃないの??

 頭の耳がしゅんってなっちゃってたら、オーフィザン様は、僕の頬にちゅってしてくれて、微笑んだ。

「お前が何をしても、今日はずっと俺がそばにいるんだ。何を心配することがある?」
「オーフィザンさま……」

 ふあああああ! 嬉しいようっっ!!

 そうだ。いつもはお部屋でお留守番の僕も、今日はずーーっとオーフィザン様と一緒なんだ!!

 すっごく嬉しくて、ぶんぶん尻尾を振って喜ぶ僕に、オーフィザン様は、耳元で言った。

「お前がドジをすればするほど、夜の仕置きも増やせる」
「ふぇっ……!??」
「好きだけドジをしてくれた方が、夜、俺がたっぷり楽しめるじゃないか」
「う、うううううーーっ!! ひゃっ……!!」

 オーフィザン様が意地悪言い出した!! 僕の頬に手を当てて引き寄せ、ちゅってキスされちゃう。それだけなら嬉しいのに、チュッチュって、何度もキスされちゃって、それどころか、ペロって舐められて、さすがに恥ずかしいよ!?? だって大通りだよ!??

「お、オーフィザン様っ……!」
「なんだ?」
「こ、こんなところで……ダメです! は、恥ずかしいもんっ……!!」
「……そんなに恥ずかしいか?」

 そう言って、オーフィザン様は僕の耳をぺろって舐めちゃう。

「ひゃっ……! や、やだっ……! あっ……ぁっ……!」

 オーフィザン様、僕の話、全然聞いてない!! 耳の中を濡れた舌が這い回って、ピチャピチャっていういやらしい音が、耳の中から頭まで伝わってくる。
 何度もビクビク震えちゃって、逃げようとするのに、強く抱き寄せられちゃって、それもできないっ……!

 びくって感じるたびに尻尾がゆらゆら揺れちゃう。そんな風にするから、僕の中心まで熱くなり出した。くすぐるような感覚に焦がされて、何だかもどかしくなってくる。
 毎晩、朝が来るまでオーフィザン様に抱かれ続けて、すでに快楽を教え込まれてる。もっと触って、どろどろにして欲しくなる。
 だけど、そんなの無理! だってそんなことになったら、僕はあっという間に腰に力が入らなくなって、立つこともできなくなっちゃうもん!

「お、オーフィザンさまぁっ……だ、だめっ……ダメですっ……! きょうはでーと……なのにぃ……ひぁぁっ……!」

 最後に、耳の端をペロって舐められて、オーフィザン様は、僕から離れてくれた。

「もうダメか?」
「え……? だ、だめです……」

 うううううーー! ダメって言いたいのに、何だか言いたくなくなりそう!
 僕、オーフィザン様にぎゅーってされるの、大好きなんだもん。

 デートの続きもしたいけど、少し残念で迷う僕に、オーフィザン様は微笑んで、歩き出す。

 僕もすぐにその隣に並ぼうとしたけど、ブンブン振ってた尻尾が、すぐそばにあった背の低い街路樹の枝に引っ掛かっちゃう。
 引っ張って取ろうとしたら、今度は後ろにいた人にぶつかりそうになった。
 お城と違って人がすごく多いし、お城のみんなは僕のドジを知ってるから、みんな避けて歩く。だけど、今日はそうじゃない。またぶつかりそうになっちゃう僕の体が、急にフワって浮いて、オーフィザン様のところまで飛んで行った。

「ふわああああっ!? オーフィザンさま?!」
「せっかくだ。空を行こう」
「ふえ!? で、でもっ……うわああああっ!!?」

 そのまま、僕をお姫様抱っこして、オーフィザン様は背中の竜の羽を広げ、城下町の空に飛んで行っちゃう。

「お、オーフィザン様!?」
「こうしていれば、お前がはぐれることもない。ちょうどいいじゃないか」
「ふえ……は、はぐれないもん……」

 だけど、オーフィザン様の抱っこ、嬉しい……今日はデートなんだし、いいよね?

 僕はオーフィザン様にしがみつくと、オーフィザン様も「離すなよ」って言ってくれて、僕らはそのまま空に飛んで行った。
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