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21.分かりやすくていい
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殿下は、僕の頭に優しく手を置いた。振り払って逃げてやろうかと思ったけど、そうできない。
頭に触れられているだけなのに、なぜか安心して、嬉しいなんて。そんなこと、絶対に知られてなるものか……
少なくとも、全部バレてて恥ずかしいとか、そんなことを感じていることは、絶対にバレたくない。
「じゃあ、ダスフィレト……気をつけてね……」
「……はい。もちろんです……」
せいぜい強がって、平気な顔をしてみる。
それでも僕は、ずっとこうしたかったような気がする。
大嫌いな貴族どもと対峙するのは嫌だし、二度と顔なんて合わせたくはないが、殿下がこの先、国を動かしていくことの露払いくらい、やってみたい。
「…………あの…………」
「……どうしたの?」
「……王城がこんな状況にあることは……僕にとっても、由々しき事態なんです…………だから…………このことが終わってからも……僕は………………」
「…………ダスフィレト?」
「陰ながら、応援しますから」
「……………………うん。ありがとう……」
言って、殿下はまた、僕の頬にキスをする。「俺はずっと、ダスフィレトにそばにいてもらう気でいるから」と付け足して。
そんな風に囁かれたって、絆されてなんかやらないからな……だってそんなの、無理なんだから。
僕は、魔法と鍵を使って部屋の鍵を開ける。
「開きました。早く行ってください」
「………………よく開いたね…………信じられない……今の、どうやったの?」
「そんなこと言ってないで、さっさと行ってください!!」
「でも…………強力な魔法は、王家として見逃せない。それ、魔法の道具を使ってるの?」
「早く行けっっ……!!」
無理に殿下を部屋に押し込んで、僕は、廊下の方に振り向いた。
僕の気も知らないで……あいつ、なんであんなに呑気なんだ。僕に求婚したり、王族としての自覚はあるのか?
呆れていると、背後から声をかけられた。
「…………そこにいるのは誰だ?」
…………ああ。この男か。
二度と聞きたくなかった声じゃないか。まさか、こんなところでその声を聞くとは思わなかった。
手駒はどうしたんだよ? 随分少ないじゃないか。さては、夜中で誰も来てくれなかったな?
と、からかいの言葉の一つも言ってやりたいけど、僕はあえてそれは口に出さずに振り向いた。
「僕ですよ。コレリイジャイン様」
言って、僕はその男と対峙した。
そこに立っていたのは、背の高い大男。そして、その背後には何人もの従者。
「お久しぶりです。コレリイジャイン様」
こんなところで会うとは。まさか、本人が出て来るなんて思わない。この男なら、ずっと自分以外の魔法使いを使って、自分だけは安全なところにいそうなのに。
「こんなところでの何をしている? 城によく入れたな……」
「……裏口の鍵が開いていましたよ。少し、警戒心が足りないんじゃないんですか?」
多少嘲るように言ってやると、その男は、わかりやすいふうに顔を歪めた。
「…………なんだと? 貴様、裏口からコソコソ入ってきたのか?」
「ええ。そうですよ。そっちこそ……コソコソ僕の屋敷から手駒の貴族を使って魔法の道具を持って行くなんて…………有力貴族が、まるでこそ泥だ」
「…………貴様……」
この男は分かりやすくていいなー……殿下とは、大違いだ。
頭に触れられているだけなのに、なぜか安心して、嬉しいなんて。そんなこと、絶対に知られてなるものか……
少なくとも、全部バレてて恥ずかしいとか、そんなことを感じていることは、絶対にバレたくない。
「じゃあ、ダスフィレト……気をつけてね……」
「……はい。もちろんです……」
せいぜい強がって、平気な顔をしてみる。
それでも僕は、ずっとこうしたかったような気がする。
大嫌いな貴族どもと対峙するのは嫌だし、二度と顔なんて合わせたくはないが、殿下がこの先、国を動かしていくことの露払いくらい、やってみたい。
「…………あの…………」
「……どうしたの?」
「……王城がこんな状況にあることは……僕にとっても、由々しき事態なんです…………だから…………このことが終わってからも……僕は………………」
「…………ダスフィレト?」
「陰ながら、応援しますから」
「……………………うん。ありがとう……」
言って、殿下はまた、僕の頬にキスをする。「俺はずっと、ダスフィレトにそばにいてもらう気でいるから」と付け足して。
そんな風に囁かれたって、絆されてなんかやらないからな……だってそんなの、無理なんだから。
僕は、魔法と鍵を使って部屋の鍵を開ける。
「開きました。早く行ってください」
「………………よく開いたね…………信じられない……今の、どうやったの?」
「そんなこと言ってないで、さっさと行ってください!!」
「でも…………強力な魔法は、王家として見逃せない。それ、魔法の道具を使ってるの?」
「早く行けっっ……!!」
無理に殿下を部屋に押し込んで、僕は、廊下の方に振り向いた。
僕の気も知らないで……あいつ、なんであんなに呑気なんだ。僕に求婚したり、王族としての自覚はあるのか?
呆れていると、背後から声をかけられた。
「…………そこにいるのは誰だ?」
…………ああ。この男か。
二度と聞きたくなかった声じゃないか。まさか、こんなところでその声を聞くとは思わなかった。
手駒はどうしたんだよ? 随分少ないじゃないか。さては、夜中で誰も来てくれなかったな?
と、からかいの言葉の一つも言ってやりたいけど、僕はあえてそれは口に出さずに振り向いた。
「僕ですよ。コレリイジャイン様」
言って、僕はその男と対峙した。
そこに立っていたのは、背の高い大男。そして、その背後には何人もの従者。
「お久しぶりです。コレリイジャイン様」
こんなところで会うとは。まさか、本人が出て来るなんて思わない。この男なら、ずっと自分以外の魔法使いを使って、自分だけは安全なところにいそうなのに。
「こんなところでの何をしている? 城によく入れたな……」
「……裏口の鍵が開いていましたよ。少し、警戒心が足りないんじゃないんですか?」
多少嘲るように言ってやると、その男は、わかりやすいふうに顔を歪めた。
「…………なんだと? 貴様、裏口からコソコソ入ってきたのか?」
「ええ。そうですよ。そっちこそ……コソコソ僕の屋敷から手駒の貴族を使って魔法の道具を持って行くなんて…………有力貴族が、まるでこそ泥だ」
「…………貴様……」
この男は分かりやすくていいなー……殿下とは、大違いだ。
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