嫌われた暴虐な僕と喧嘩をしに来たはずの王子は、僕を甘くみているようだ。手を握って迫ってくるし、聞いてることもやってることもおかしいだろ!

迷路を跳ぶ狐

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32.いいのか?

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 殿下も、僕に微笑んで言った。

「嬉しいな。次はいつ王城に来てくれる?」
「へ!? ……え? えっと…………」
「今回のことの調査にも、協力してくれるんだよね?」
「ああ……それはもちろん…………」
「それに、これからもずっと。俺たちの力になってくれるんだよね?」
「へ?? ずっと?? そ、そんな話、知りませんが…………」
「えっっっっ!!?? なんで!???」

 何でそんなに驚いているんだ? 僕は協力するとは言ったが、それは今回のことだけ。殿下だって、そう言うつもりだったんじゃないのか?

 それなのに殿下は首を傾げたまま、僕に迫ってくる。

「え? なんで? 約束しただろ? 俺にずっと、手を貸してくれるんじゃなかったの?」
「え、えっと…………ず、ずっとなんて、聞いてません…………やぁあっ!!」

 こいつっ…………! 話の途中で乳首触るな!!

 だけど、僕の発言は彼を怒らせたらしく、彼にはぎゅうっと強く乳首を摘まれてしまう。

「いっ……いたぁっ……! 殿下っ…………い、痛いっ……!」
「……服、脱がしていい?」
「へ??」
「ダスフィレトのエロい身体、見てみたくなっちゃった」
「はぁっっ!?? え、エロいって……誰がっ……!」
「え? そんなにいやらしい顔しておいて、自覚ない? ローブを返す前に、その下がどうなってるのか見てみたくなっちゃったんだ」
「ふっ……ふざけるな!! だ、誰が見せるか!! 絶対ダメっっ!!」
「だめ? もっと気持ちよくしてあげるのに」
「う…………」

 気持ちよく?

 そんな風にしてもらえるのか?

 ……こいつ、ひどい…………

 そんな風にねだるような顔をされて、そんな風に微笑まれたら、僕だって…… 
 それに、さっきからずっとお預けされて、辛いの僕じゃないか!

 結局快感に負けて頷くと、早速服のボタンを外されてしまう。

「ぅっ…………!」

 やっぱりやめておけばよかった!! こんなのひどく恥ずかしい!!

 僕を見下ろす殿下の前で、ついさっきまで殿下の愛撫を受けていた身体が露わになる。

 すでに、たっぷり弄られて膨らんで尖った乳首を見られただけで、恥ずかしくてたまらない。

「そんなに赤くならなくてもいいのに。これから毎日俺に愛されるのに、耐えられる?」
「はっっ!? 毎日!?」

 なにそれ、聞いてない!! だって、結界の魔法の道具の件で協力して欲しいって言われたから、それは構わないって答えたけど、それ以外のことは何も……き、聞いてない!!

 今だって、すっかり快楽に酔って意識もふらふらしてきそうなのに、これを毎日!?? そんなことしたら快楽でおかしくなる!

 それなのに、僕の体をたっぷり優しく責め続けた殿下は無邪気にキョトンとしていた。

「え? 何言ってるの? 婚約しているのに」
「婚約!?」
「しただろ? 婚約」
「…………」

 何言ってるんだ? だって、求婚はされたけど、僕は婚約するなんて、一言も言ってない。それなのに、殿下は自信満々と言った様子で僕に迫ってくる。

「求婚……しただろ?」
「……え…………えっと……た、確かにされたけど……僕、婚約するなんて、一言も言ってなくて…………え、えっと……返事、保留にしてました……よね?」
「ああ!! なんだ!! そんなことか!!」
「そんなことって…………」
「大丈夫。それなら今から、君に婚約するって言わせるから」
「はっ!???」
「だってもう、俺に弄って欲しくて堪らないだろ?」

 その通りだ。

 さっきから、脱がすだけ脱がしてもう触ってもらえなくなった体が、物足りなくてむずむずする。下半身までいつのまにか熱くて、早く触れて欲しくて仕方ない。

 だけど、いやらしいことされたくて今ここで頷くこともしたくない!

 でも、どうしよう……

 両手は押さえつけられて動かないし……

「どうする? 俺、これからもずっと、ダスフィレトとこういうこと、したいな」

 こいつっ……僕の気も知らないでっ……!

 僕は殿下が王城にいる邪魔をしたくないのにっっ…………! だからずっと我慢してるのに!!

 こいつには、それが分かっていないのか!?

「…………だ、ダメです!」
「え……?」
「だ、だって……殿下、冷静になってください! 僕に構っていたら、王族としての殿下は困るんじゃ……」
「まだそんなこと言ってる?」

 彼はそっと、僕の胸から腹の辺りに触れて、逃げようとする僕に体を近づけてくる。

 僕と殿下の体が擦れあって、気持ちよくて喘ぐ僕を組み敷いた殿下は、僕の唇に吸い付いてきた。

「んっ……ふっ…………うっ……」

 口の中を舐められることに、僕はすっかり夢中になってしまったらしい。キスされるだけで、身体が快楽に夢中になって、それ以外どうでもよくなりそう。

 うっとりと見上げる僕に、殿下が微笑む。
 下半身から痺れるような快感が広がった。

「うっ………………ぁっ……何をっ……!!」

 下半身の辺りが激しく脈打って、快感が体に伝わる。耐えきれずに暴れようとしても、すでに体は股間を弄る殿下の手に夢中だ。

「でっ……殿下っっ……!! 何してっ……うあっ……」

 たっぷり体を愛されて、欲望が溜まり切っている。
 下半身に触れる殿下の手は、僕の欲望を膨らませるように、丁寧に撫でていく。

「うぁあっ……んっ…………やっ……! やだっ!!」

 キスされて、なんとか抗おうと身をよじろうとする。けれど、殿下の腕からは逃げられない。

 深く何度もキスをした後、殿下はゆっくりと、僕から唇を離した。

「……婚約して?」
「ふ、ふざけるな!! んっっ!!」

 またキスされた。

 こいつーーーー!!

 追い詰めるような殿下の手に、僕はすでに擦り寄って体を押し付けていた。少し触れられただけで、快感に責め立てられて、もうそれのことしか考えられない。

 なのに殿下は絶対に力を加減している。意地悪く力を抜いては、僕を解放してくれない。

「いやっ……ぁっ…………あんっ……! やだぁっ……! こんなのっ……足りないのにっ……!」
「そんなに気持ちいい?」
「ぁっ…………ぁあっ……き、気持ちいいですっ…………もっと……してほしいっ……あ!!」
「…………」
「んっ……!」

 すでに殿下に夢中な体に、またキスされて、されるがままだったのに、快楽を知った僕の体は、彼に追い縋るようにキスを繰り返す。

「…………可愛いっ……ダスフィレト………………俺はずっと、ダスフィレトのこと、迎えに行きたかった……好きっ…………好きだっ……」
「んっ…………」
「これからは、ずっと一緒だからっ…………もう、一人で苦しい思いはさせないっ……!」
「殿下…………」

 殿下の言葉は力強くて、僕の不安も少しずつ削り取っていくかのようだ。ずっと……殿下と? いいのか? 僕が殿下のそばにいて。
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