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11.僕、どうしちゃったんだろう……
なんでこんなことになったんだろう……もう、頭を抱えたいような気分だった。
結局、狭い部屋で、第二王子殿下と侯爵になられたヴァンフィルイト様、伯爵と魔法の研究所の所長の四人に取り囲まれて、そんな状況で僕に、嫌だ!! なんて言えるはずがない。
王子は絶対行ってって言って聞かないし、隊長はずっとあんな調子……
隊長…………なんで急に、あんなこと言うんだ??
侯爵家の当主になることが決まって、何かあったのかな…………
理由は分からないけど、僕は泣く泣く、はい……って答えた。
だけど、本当にこれでよかったのか!? いいはずないっ…………なんでこんなことになったんだ!!
ずっと思い悩んでばかりの僕は、その日の晩、騎士たちが集まる宿舎の隅にある部屋で、出発の用意を整えて、その後は布団をかぶって震えていた。
どうしよう…………
絶対にヴァンフィルイト様に迷惑をかける!! そんなこと、したくないのに……!!
なんでこんなことになったんだ?
そもそも、なんで僕を指名したんだ!?
以前に僕を誘った時は、誰でもいいって言ってた。たまたま使えそうな魔法使いが僕だけだったとか……それなら、僕を選ぶ理由もわかるけど……
隊長が言った言葉が、頭に蘇る。
僕が、いい? 僕が、必要?
なんで、僕を……
僕なんて、何もできないのにっっ…………!!
彼のことばかり考えて、いつのまにか、枕を抱きしめていた。そのまま、彼に言われたことをずっと思い出してしまう。
……なんだか熱くなってきた……あんなこと、初めて言われた……
あの時のこと、すまないって言ってた……もしかして、何か僕に悪いと思っているのかな…………気にしてないのに。
だって、ヴァンフィルイト様の言うことは、確かにそうなんだ。
王子殿下も、他の人に声をかけても断れたって言ってた……もしかしたら、隊長も、他の人にもたくさん声をかけられたけど、断られてしまったのかもしれない。それで、僕に頼んだのかな……
それにしても、あんなに熱心に護衛になれ! って言ってくれるなんて…………
いや、勘違いしちゃダメだよな……僕は本当に、部隊では役に立っていなかったし……
じゃあ、ますます、なんで僕を?
そもそも侯爵家と王家の争いは今も続いているし、一族が王家派だと、本人の意思なんて構わずに手を貸すことを拒まれたりもする。それに、今回侯爵家は王家から領地を賜ったことで、反対派からも嫉妬されたり、王家に取り込まれた裏切り者だ、なんて言う貴族たちまでいるくらい。今回の凱旋に手を貸すことに尻込みをする貴族たちは多いはずだ。それで、僕なのかな…………
どれだけ考えても、隊長があれだけ僕に護衛になれって言ってくれた理由は分からない。
だけど、隊長は、確かにちょっと怖いけど、国のことを思って、民を守ることを最優先に考えている。
それなのに、大切な時に横にいるのが、邪魔で役立たずな僕だなんて……
こんなの、理不尽だ。
……もう、僕が行くって決まっちゃったんだ。だったら、僕はこの話を受けて、それでいて、侯爵様には絶対に迷惑をかけない! これが、僕に課せられた任務じゃないか? 僕なんかを部隊に呼んでくれたことに対する恩返しにもなるはずだ!!
侯爵様を無事に、領地に送る。そのために力を尽くして、それでいて、彼にはできるだけ、関わらない!! 近づかない! 部隊の隅で、ひっそり気配を消しておく……そうすれば、部隊にかける迷惑も、少なくて済むかもしれない。
なんだかんだ言って、隊長のそばにいられるのは嬉しいんだし……また、彼の魔法を間近で見ることができるっ……! 僕にとって、とても幸せなことじゃないかっ……!!
そう思って、僕は、布団をかぶった。
部隊にいる間は、いないふりして、出来るだけ遠ざかって、侯爵様を守れるようにするんだ。侯爵様には、力の限り近づかない。話さない! これが、僕にできる精一杯のことだ!!
「ヴァンフィルイト様…………」
名前を呟いたら、なんだか胸が痛い……
僕、どうしたんだろう…………
もう二度と同じ部隊にいることなんてないって思ってたのに、まさか、こんなところで再会するなんて……思わなかったな……
自分でも、よく分からないけど……これが、隊長のためになるなら……頑張ろう!
結局、狭い部屋で、第二王子殿下と侯爵になられたヴァンフィルイト様、伯爵と魔法の研究所の所長の四人に取り囲まれて、そんな状況で僕に、嫌だ!! なんて言えるはずがない。
王子は絶対行ってって言って聞かないし、隊長はずっとあんな調子……
隊長…………なんで急に、あんなこと言うんだ??
侯爵家の当主になることが決まって、何かあったのかな…………
理由は分からないけど、僕は泣く泣く、はい……って答えた。
だけど、本当にこれでよかったのか!? いいはずないっ…………なんでこんなことになったんだ!!
ずっと思い悩んでばかりの僕は、その日の晩、騎士たちが集まる宿舎の隅にある部屋で、出発の用意を整えて、その後は布団をかぶって震えていた。
どうしよう…………
絶対にヴァンフィルイト様に迷惑をかける!! そんなこと、したくないのに……!!
なんでこんなことになったんだ?
そもそも、なんで僕を指名したんだ!?
以前に僕を誘った時は、誰でもいいって言ってた。たまたま使えそうな魔法使いが僕だけだったとか……それなら、僕を選ぶ理由もわかるけど……
隊長が言った言葉が、頭に蘇る。
僕が、いい? 僕が、必要?
なんで、僕を……
僕なんて、何もできないのにっっ…………!!
彼のことばかり考えて、いつのまにか、枕を抱きしめていた。そのまま、彼に言われたことをずっと思い出してしまう。
……なんだか熱くなってきた……あんなこと、初めて言われた……
あの時のこと、すまないって言ってた……もしかして、何か僕に悪いと思っているのかな…………気にしてないのに。
だって、ヴァンフィルイト様の言うことは、確かにそうなんだ。
王子殿下も、他の人に声をかけても断れたって言ってた……もしかしたら、隊長も、他の人にもたくさん声をかけられたけど、断られてしまったのかもしれない。それで、僕に頼んだのかな……
それにしても、あんなに熱心に護衛になれ! って言ってくれるなんて…………
いや、勘違いしちゃダメだよな……僕は本当に、部隊では役に立っていなかったし……
じゃあ、ますます、なんで僕を?
そもそも侯爵家と王家の争いは今も続いているし、一族が王家派だと、本人の意思なんて構わずに手を貸すことを拒まれたりもする。それに、今回侯爵家は王家から領地を賜ったことで、反対派からも嫉妬されたり、王家に取り込まれた裏切り者だ、なんて言う貴族たちまでいるくらい。今回の凱旋に手を貸すことに尻込みをする貴族たちは多いはずだ。それで、僕なのかな…………
どれだけ考えても、隊長があれだけ僕に護衛になれって言ってくれた理由は分からない。
だけど、隊長は、確かにちょっと怖いけど、国のことを思って、民を守ることを最優先に考えている。
それなのに、大切な時に横にいるのが、邪魔で役立たずな僕だなんて……
こんなの、理不尽だ。
……もう、僕が行くって決まっちゃったんだ。だったら、僕はこの話を受けて、それでいて、侯爵様には絶対に迷惑をかけない! これが、僕に課せられた任務じゃないか? 僕なんかを部隊に呼んでくれたことに対する恩返しにもなるはずだ!!
侯爵様を無事に、領地に送る。そのために力を尽くして、それでいて、彼にはできるだけ、関わらない!! 近づかない! 部隊の隅で、ひっそり気配を消しておく……そうすれば、部隊にかける迷惑も、少なくて済むかもしれない。
なんだかんだ言って、隊長のそばにいられるのは嬉しいんだし……また、彼の魔法を間近で見ることができるっ……! 僕にとって、とても幸せなことじゃないかっ……!!
そう思って、僕は、布団をかぶった。
部隊にいる間は、いないふりして、出来るだけ遠ざかって、侯爵様を守れるようにするんだ。侯爵様には、力の限り近づかない。話さない! これが、僕にできる精一杯のことだ!!
「ヴァンフィルイト様…………」
名前を呟いたら、なんだか胸が痛い……
僕、どうしたんだろう…………
もう二度と同じ部隊にいることなんてないって思ってたのに、まさか、こんなところで再会するなんて……思わなかったな……
自分でも、よく分からないけど……これが、隊長のためになるなら……頑張ろう!
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