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-第二章-サマーオーシャン連合国-前編
-第二章四十六節閑話 剛脚と手合わせ-
しおりを挟むマサツグ達がフィリア達に別れを告げ、ギルドでロディから手紙を預かりに向かう
話から遡り、ギルド建設三日目の話まで戻る。この頃ギルドはまだ完成しておらず、
八割ほどしか完成していない時、マサツグとレイヴンは自分達で倒せなかった
ゴブリンチャンピオンの事を思い出し、今度は倒せる様にと王宮の衛兵や訓練生達と
修練場にて一緒になって模擬戦をやっては衛兵達と自身の腕を磨いていた。
__ガキン!!…ガイン!!…
「ハアアアアアア!!!」
「ウグォ!!…マダマダァアアアアア!!!!」
この時、マサツグと衛兵の一人が狂獣人化を発動しながら戦っていた。一対一にも
関わらずマサツグが狂獣人化した衛兵を圧す姿に同じ様に訓練をしていた衛兵達が
驚く。
「…すげぇ……あの人本当に人間なのか?…
幾ら俺達と練度が違うにしてもアレした獣人相手に
あそこまで押し込むなんて!……」
「さすがと言うべきか何と言うか…」
狂獣人化を発動した相手に真っ向から突っ込んで行くマサツグの姿に思わず訓練の
手を止め、マサツグとその衛兵が戦っている姿に見入ってしまう。そんな衛兵達に
衛兵長が注意する姿がしばしば見られた。
「お前達!!
訓練の手を止めるな!!戦場では相手は待ってくれんぞ!!!」
「ハ…ハァ!!」
「……確かに分からんでもないがな……
私も一度手合わせを願いたいものだ…」
思わず零した衛兵長の言葉に衛兵達が驚きそうなると次の瞬間、マサツグと一対一
で戦っていた衛兵の剣が弾かれる音が響き渡る。その弾かれた剣は空中でクルクルと
舞うと弾かれた衛兵の直ぐ傍に落ち、地面に刺さる。
「おっこいしょ!!」
__ガキィィィィンンン!!!………ヒュンヒュン、ガイン!!
「ま…参りました!……」
マサツグが振り回していた大剣を剣を弾かれた衛兵に突きつけるとマサツグに負けを
認め、狂獣人化を解く。そして自身が狂獣人化して戦ったにも拘らず負けた事に
へたり込み、悔やんでいるとマサツグがその衛兵に近づき握手を求める。
「ほい!
ありがとう御座いました!!
今度戦う時はスピードを生かして攻撃してみ?
その分重さも乗って威力も跳ね上がるし、ガードも崩せる。」
「……はい!
ありがとう御座いました!!!」
__パンパンパンパン!!…
マサツグと衛兵がガッチリと握手をしたところで何処からか拍手が聞えてくる。
その音に訓練している全員が反応していると突如修練場内にどデカイ声が響き渡る。
「ブラボー!おぉ、ブラボー!!」
「何かそっくり返りながら手を叩いていそうなセリフだな!……」
マサツグがそのセリフが聞える方を見るとそこにはどうやってポーズを維持している
のか分からないロディの姿があった。その姿はまさしく例のセリフを言う
キャラクターと同じ様にそっくり返りながら手を叩いていた。更に分からないのが
そのキャラは支えが合ったから出来たポーズなのにロディにはその支えが
見当たらない。そんなロディにマサツグが驚いているとロディはスッと元に戻ると
マサツグの方に降りて来る。
「いやぁ~精が出るわね!マサツグちゃん!!
それはそうとね?…」
マサツグの方にゆっくり歩いて来ると同時に唐突に話を振るロディにマサツグが
戸惑うもマサツグが尋ね返すとロディはモジモジしながらマサツグにある事を
言い出す。
「…どうしたんですか?」
「いえね?…
彼方の戦いを見ているとウズウズしてきちゃって…」
「え?」
このロディの一言にマサツグが嫌な予感を全身に感じるとドッと冷や汗を掻く。
そして逃げる態勢を執り、ロディから逃げる様に断りの言葉を言うと修練場の
出口に向かい全速力で走り出す!!
「お断りです!!!」
__バシュン!!…
幸いにも修練場は上から見ると円形で観客席を渡って走ってきてもマサツグは
逃げ切れる。更に出口は二箇所ありマサツグは最初修練場の中心で訓練を
していた為、どちらからでも逃げれるのであったが…
「あらぁ~?
シャイなんだから!
…いいわ!
逃がさないわよ!!」
マサツグが逃げ出した事にショックを受けるどころかやる気を出すロディ。
ロディはその場でゆっくりクラッチングスタートの態勢を執るとマサツグの
背中を見つめ始め、そして狙いを定めてスタートを切る。
「行くわよ~!!」
__ボッ!!!
この時誰もが思った…マサツグが逃げ切ったと…
しかし、ロディが走り出したと思った瞬間、既にマサツグの直ぐ後ろを激走する
ロディの姿を見た途端、修練場に居た全員が声にならない声を挙げ驚く。そして
誰より驚いたのはマサツグであろう、マサツグは出口に向かい走るが後ろからの
威圧を感じてか後ろを振り向くと既にロディの姿があった事に気が付くと声を
上げて驚く。
{シロを抱えて坂道を走ったお陰で少しは速くなったんだ!!
幾らロディが化物じみてても!……}
__ボッ!!!ボッ!!!ボッ!!!ボッ!!!ボッ!!!ボッ!!!
「…ボ?…」
__チラッ…
「もう♥
急に追いかけっこし始めるんだもの♥
驚いちゃった♥」
この瞬間、マサツグの顔から血の気が引いていく…
更に恐ろしい事にマサツグが更にギアを上げて走るもその差は縮まるどころか
更に詰まる。
「ギャーーーーーー!!!
無茶苦茶速ぇ~~~~~!!!!
バニーガールキャロット張りの健脚で迫って来るぅ~~~~~~!!!!」
「あら?
アレよりは数倍速く走れるわよ?」
「やっぱ、この人怖ぇ~~~~~~!!!」
それでもマサツグが諦めずに走るがそれでも差が縮まる様子は無く、やはりジリジリ
と縮まって行く。それをロディはまるで楽しむかの様にマサツグの後を追う。この時
マサツグはロディに追い駆けられる恐怖で出口に向かわず修練場内をグルグルと走り
回るのであった。その後その様子を見ていたレイヴンは後にこう語っていた。
「あの時のギルマス……まるで狩りを楽しむ猛獣の様に見えたわ……
逃げ回るマサツグが獲物で……
何が恐ろしいってマサツグが最初出口に向かって走っていたのを横から追い越そうと
フェイントをかけて誘導していた事だな……
あの速さは2丁目も真っ青の剛脚だった……」
マサツグが必死に逃げているとロディがそろそろ仕留めに掛かろうとする。この時
マサツグはホラーゲームの主人公の気持ちが分かったと同時に覚悟を決め、逃げ
ながらロディに用件を聞くとロディはキョトンとした表情で答え始める。
「うふ♪…
もう終わりかしら…」
「用件は何ですか!!!
言っときますけどR-18指定な事はお断りですからね!!!!」
「あら、そんなこと考えていたの?
もう♥そんなにお望みなら相手してあげるわよ?」
「だから、イヤだって言ってるダルルォォウ!!!!」
マサツグとロディの追いかけっこを傍から見ていたレイヴンと衛兵達はマサツグと
ロディのスタミナに感心し、その様子を見守る。もはや助ける気はサラサラ無いと
言った状態であった。そうしてマサツグが走りながら絶叫をしているとロディが
目的を話し始める。
「いやねぇ?
一度私と手合わせして欲しいの?
勿論、手加減するわよ?」
「な…なんだって?……」
ロディの用件を聞くと徐々に走る速度を落とし始める。そうしてマサツグと
ロディの追いかけっこが終わるとマサツグは酷く息を切らしているのに対し
ロディは汗を掻くまではしているものの息一つ乱していない。
「そう言おうと思ったらいきなり逃げ出すんだものぉ!!
こまっちゃうわ!」
{そりゃ、ガチムチの黒光りしたオネエがモジモジしながら
近づいてきたら誰でも逃げると思うぞ…}
マサツグがそう心の中でツッコミを入れると息を整える。その間にロディが
詳しいルールをマサツグに説明し始める。
「場所は、今居るここ、修練場。
ルールは時間無制限・武器使用可。
相手に降参させるか、行動不能にしたら勝ち。
それで私はこのゲームをマサツグちゃん達より先に始めている分の
ハンデとして私は拳一本で戦うわ!
どう?」
__…コックリ。
このロディの提案にマサツグが息を整えながら頷くとロディは両手をパンと叩いて
鳴らし、了承する。その間に騒ぎを聞きつけたかロディに用事があったか修練場
観客席にはフィリアとミスティーの姿があった。そしてレイヴンと衛兵長が
これから始まろうとしていたマサツグとロディの手合わせに合わせて訓練中の
衛兵達の誘導を始める。そうして訓練中の衛兵達も観客席に集まるといよいよ
お祭り状態に近い状態になる。気が付けば最初からマサツグの訓練を眺めていた
シロまでマサツグを全力で応援し始める。
「ご主人様~~~~!!!
がんばれ~~~~~~~!!!!」
「マサツグよ!!気合を入れるのだぞ~~~!!!
見ただけでもロディ殿は強いと分かるほどじゃ!!!」
「マサツグ様~~~~!!!」
__ワアアアアアアア!!!!
修練場に残るはマサツグとロディのみ、そんな二人を見下ろす様に声援を送る
観客達。二人が自ずと修練場中央に歩いて行き、向き合う様に立つとレフェリーに
衛兵隊長が着く。そうして手合わせが始まるのを今か今かと見ている観客達を
尻目にマサツグが疑問に思った事をロディに尋ねる。
「…あれ?
確か、前にギルドマスターは戦闘に参加出来ないって言ってませんでしたっけ?
ギルドマスターが戦闘に参加する=異常事態って?…」
「あぁ~それね?
その件については安心して頂戴!!ギルドマスターをやっているメンバー全員に
既に許可は取ってあるから!!
それどころか皆、やれやれ!!って乗り気だったわよ?」
「ギルマスぇ~……」
ギルドマスターを演じる運営の人間にマサツグが落胆していると衛兵隊長は二人に
合図の確認を取る。
「お互い準備は良いですかな?」
「…OK!」
「いつでも良いわよ!」
その確認にマサツグとロディが答えると向かい合う二人の前に腕を突き出すと開始の
合図の準備をする。その衛兵長の開始の合図に今か今かと観客席から息を呑む声が
聞えてくる。そんな中ロディはポップリングスの歴史に決闘の歴史があった事を
マサツグに説明し始める。
「そういえば知ってる?
このポップリングスには今の私達みたいに手合わせじゃなくて
決闘をする歴史があったの?」
「…?
急に如何したんですか?知らないですけど…」
「いえね?
今の状況ってその決闘みたいに見えるんじゃないのかしらと思って?…」
ロディの突然の歴史の説明にマサツグが困惑していると衛兵長が突き出して
いた腕を振り上げ開始の合図を宣言する。その瞬間一度は沈黙した観客席から
再び歓声が上がるとそれを合図にロディマサツグの前に立ち仁王立ちをすると
マサツグの出方を伺う。
「それでは、始め!!!」
__ワアアアアアアア!!!!
「おっと!…さぁ、かかって……?」
開始の合図にマサツグもビクッとするもロディに向かって行くどころかロディに
背中を見せるとそのまま歩いて行き、壁際まで行く。そのマサツグの様子に観客達が
どよめき何が合ったのだと心配し始めるとマサツグは壁際に辿り着くと自身が装備
していた大剣や刀を地面に差す。
「…どっこいしょ!…ふぅ……」
__ガヤガヤ…ドヨドヨ…
「…んじゃ…」
__バシュン!!
その行動に更に観客達だけでなく、ロディも困惑する。しかし、マサツグが壁際の
地面に武器を刺し、腕を回していると突如マサツグはロディの方を向くとその場所
からダッシュで一気にロディの前に飛び出すと拳を固める!
「んな!!…」
マサツグの行動にロディが困惑している隙に飛び込んだものだからロディの不意を
着いた形になったマサツグの最初の攻撃はロディの腹部に刺さる。しかし、勢いを
付けて攻撃したにも拘らずロディはその場からピクリとも動かず、仁王立ちした
ままマサツグの攻撃を受け止める。
「…嘘だろ?……」
そう呟くマサツグが見たものはマサツグが攻撃したロディの鍛え上げられた腹筋に
傷一つ付いていない事であった。その事実にマサツグが焦っているとロディは
仁王立ちした状態でマサツグに質問をする。
「あらぁ~?
もしかして、私舐められてるのかしら?」
見下ろす姿はまさに巨人!180有るマサツグの身長を更に上から見下ろしマサツグの
攻撃に耐えたその姿に観客達がオオォ…と揃えて声を上げる。そして、ロディの
質問にマサツグが冷や汗を掻きながら答え始める。
「別に舐めてませんよ?…
只、相手が拳一本で来てるのに自分は武器を使うのが卑怯臭くて…
納得いかないだけです!!」
マサツグがロディにそう答えるとすかさずロディの右脛にローキックを繰り出す!
しかし、マサツグのローキックが当たったにも拘らず微動だにしない。その強靭さ
にマサツグの心が折れそうになるとロディはマサツグに語りかけ始める。
「その心がけとても素敵だと思うけど…」
ロディがグッと握り拳を固めると大きく振り被る!そのぶっとい腕から繰り出され
る攻撃にマサツグが身構えているとロディはマサツグに向けてその拳を振り下ろす!
「私からすると舐められてるようにしか思えないのよ!!!」
__ブオン!!!
まるで巨大な巨木が猛スピードで振り回されているような体感と拳を振り下ろす音
じゃ無い事にマサツグが驚くも瞬時に目を閉じると「刹那」を発動し、ロディの
攻撃に備える。
{…刹那発動してもこのスピードの攻撃か!?…
でも!!…}
刹那を発動してもその攻撃の速さは魔王が本気を出していない時の攻撃速度。中々に
速く、ロディの攻撃を回避するので精一杯であった。そんな戦闘を見る観客達は既に
声援を送るのを忘れて只マサツグとロディの戦闘に注目する。そして次の瞬間、
マサツグがロディの攻撃に慣れたところで打って出る!ロディがマサツグに向け拳を
振り下ろした時、マサツグが紙一重でその攻撃を回避するとロディの腕を掴む!
__ブオン!!!…ガッ!!!
「…ッ!!あらぁ~?…」
「どぉっせぇえええええいいいい!!!」
ロディがマサツグに攻撃を回避され腕を掴まれた事に気が付くも、マサツグは
ロディの攻撃の勢いを利用するとそのまま背負い投げをしたのだ!ロディの
巨体が宙を舞うと観客席から驚きの声が響き始める。
__オオオオオオ!?
「…驚いたわ!
まさか、私を投げ飛ばすなんて!
それに…私の攻撃を避けるその超反応スキルは……刹那ね?
覚えるのが大変なスキルなのに覚えているとは…
ホントに驚かされちゃうわね♪」
「そりゃ、どうも!」
その巨体を宙に漂わせながらもマサツグを賞賛する。そして、くるりと身を
翻すと綺麗に着地しマサツグを見据える。そして、マサツグの目が真剣そのものと
感じ取るとロディもフッと軽く笑うと意識を改める。
「ふふ♪
フリードちゃんの言う通りかもしれないわね…」
「…え?」
ロディがポツリと呟いた言葉にマサツグが反応して見せるとロディはスっとまた
仁王立ちをする。マサツグもロディの次の動きに警戒をしているとロディは
マサツグに訂正をし始める。
「マサツグちゃん!!
ごめんなさいねぇ~♪
てっきりナメプをされているのかと思って一人でガッカリしていたけど…
…前言撤回!!マサツグちゃんはガチで私を倒しに来ているわね!!」
「…これでも負けず嫌いなんで……」
マサツグがロディのセリフに返すとロディはプッと吹き出す。その様子に
マサツグが依然警戒をしているとロディは仁王立ちを止め構えを執り始める。
その構えは両手で顔を護る様に構え、片足を少し浮かした構えを執る。
「あの構えは!?」
観客席から驚きの声が上がる中、マサツグとレイヴンだけはその構えに覚えが
あった。その構えは大晦日から正月の未明にかけての番組でよく見られるポーズで
あった。
「ごめんなさいね…
どうやら、舐めてたのは私の方だったみたいね。
ちなみにこの構えは知ってるわよね?」
「…よ~く知ってますよ…
良く田○タイキック~って聞いてましたから!……」
ロディがマサツグに謝罪しながら構えるポーズは何処をどう見てもムエタイの構え、
しかしロディはこの手合わせをする前に拳一本しか使わないと言っていたのに
執ったポーズはムエタイとマサツグが考え始める。
{確かムエタイって蹴りが主体の構えだよな?…
なのにあのポーズ……嫌な予感がする!!……}
マサツグがロディの構えに嫌な予感を感じていると先にロディが動き出し、
ロディは両手を顔の前に構えると真っ直ぐにマサツグに向かい走り出す!そして
その勢いのまま拳をマサツグに向け突き出す!!
「じゃあ、行くわよ!」
__ボッ!!!
ロディが繰り出した攻撃は普段聞かない音をたててマサツグに襲い掛かる!
マサツグも刹那を発動した状態でロディの攻撃を回避するもギリギリで被弾し
マサツグの頬を掠めた状態で止まる。その拳の軌道はまるで弾丸の様に速い!!
{…嘘だろ!!……
[刹那]発動してようやっと避けるので精一杯なのに!!!…
更に加速するとか聞いていない!!!……}
マサツグが青ざめて驚いている隙にロディはニヤッと笑って見せるとマサツグに
追撃を放ち始める!マサツグも被弾しない様に回避に徹するが徐々に避けきれずに
掠り始める。このままではジリ貧と感じたマサツグはお得意の行動に打って出る!
「一か八か!!」
__ビシッ!!!
「あら?」
マサツグはロディが少し浮かしている足の方にローキックを繰り出すとロディの体が
少しグラ付く。ロディも予想外だったのかまともにマサツグの攻撃を受けた事に
驚いているとマサツグが追撃のアッパーをロディの顎に向け放つ!
「貰った!!」
「…それはどうかしら?」
ロディの体勢が少しグラ付くも直ぐに体勢を整えるとマサツグが放ったアッパーを
回避する。そしてマサツグは自身のアッパーが回避された事に戸惑っているとロディ
が逆にカウンターブロウを繰り出す!
__ドウ!!…
「ウッグ!!!……」
「惜しかったわね!」
ロディからのカウンターブロウにマサツグがその場に膝を立ててへたり込みそうに
なるも必死に耐える。幸いにもロディからのカウンターブロウにクリティカルヒット
の判定は無いもののかなりのダメージを貰う。
{覚悟はしていたけどここまでとは!?…
次まともに貰ったら間違いなくお陀仏だ!!……}
「あら?
まだ頑張るのね?」
「ご主人様~~~~!!!!
頑張って~~~~~!!!!
負けちゃヤです~~~~~~~!!!!」
「マサツグ!!お主!!!
ここで倒れるでないぞ!?ここで倒れたら…
余の賭けが負けに終わってしまうではないか~~~!?」
「マサツグ様~~~!!!
ファイトですわ~~~~~!!!!」
必死に立とうとしているマサツグに見下ろす様に声を掛けるロディ。観客席からは
シロやフィリア、ミスティーの声援がマサツグに向け飛ぶもロディは無慈悲に拳を
固めるとマサツグに向け、下から掬い上げる様に拳を振り上げる!!その威力を
物語る様に砂埃が巻き上がる!そしてマサツグの姿を隠すと辺りが騒然とする!!
「ご主人様!!……」
「あら?」
__ボグゥッ!!
暫く砂埃が舞い、マサツグの姿を隠すとロディは何故か拳を振り上げた状態で
硬直する。そして観客席からは遂に声が聞えなくなり、修練場内が沈黙に包まれる。
しかし次の瞬間ロディがフラッとよろめき、後ろに一歩後退する。その光景は周り
から見ていた観客達にも異変が起きたと分かるほどハッキリと見える。
「あら?…
やるわね…」
ロディがそう呟いた途端、砂埃が徐々に晴れて行き、その全体像が露になり始める。
そしてそこにあったものは下から飛び出す様な形でロディのボディを貫くマサツグの
拳とその攻撃に身を震わせるロディの姿であった。
「グフッ!!……」
「…ぜぇ…ぜぇ…やっぱり硬いな……
それでもやっぱり最初の攻撃は効いていたみたいだな!……」
「ちょっと!…
こんなの咄嗟に出来る事じゃないわよ!?…」
あの砂埃を巻き上げる拳がマサツグを襲う直前、咄嗟に回避するとロディの懐に
しゃがんだ状態で入り込むと立つ時の反動を拳に上乗せし、ロディのボディに
突き出したのだ。更に運が良い事にマサツグが突き出した拳は最初に撃ち込んだ
場所と全く同じ場所に入った為、ダメージが更に上乗せされたのだ。
「某ボクシング漫画で言うカエルパンチ…
案外、使えるな…
それに最初の攻撃はやっぱり効いていたみたいだしな!……」
「ウグッ!!…ッ!!…
確かに効いたわ!……
でも…まだ終わってないわ!!」
ロディもダメージを抱えたまま体勢を整えるとマサツグに襲い掛かる。しかし、
ダメージが効いているのかロディの攻撃は大振りになり、マサツグに攻撃が思う様に
当たらない。それでも威力は相変わらず、マサツグも被弾しない様に回避して行く。
そして、ロディの隙を突く様にマサツグがまたもや懐に入り込もうとする!
__シュッ!!
「ッ!?
させな…!!…」
ロディがまたもや懐から攻撃しようとするマサツグの攻撃に警戒して腹筋を固める!
だが、マサツグが狙ったのはロディの顎であった!マサツグはロディの心臓の位置に
拳を捻り込んで放つストレートを浴びせる!するとロディの動きが一瞬止まる!
{な!…ハー○ブレイクショット!?……
こんな事まで出来るの!?…マサツグちゃん!?…}
「これで終わりだ!!!」
動けないロディを尻目にマサツグが珍しく大きく右拳を後ろに振り曲げると拳を
固め、有りっ丈の力をこの一撃に込める!それはまるで魔王と戦っている様な
心境でマサツグはこの一撃に賭ける!!
「め~~~つ!!!…
昇○拳!!!!」
そしてその拳を振り上げる様にロディの顎にクリティカルヒットさせると勢いを
溜め、そのまま勢い良く飛び上がる!!また某ファイティングゲームの有名技を
叫び撃った後、二人とも宙を舞う!!そしてマサツグが技を放ち終えた後、
しゃがむ様に着地をするとその後を遅れる様にロディが地面に倒れる。
__ズダァァァァァァァンンンンン!!!!……
修練場にロディが倒れた際の音が響き渡るとシンと静まり返る。ロディは地面に
寝転がったままで息を切らすとマサツグに負けを認める。それと同時に慌てて
衛兵長が試合終了の合図を取ると何度目かの歓声が上がる。
「……負けたわ…
マサツグちゃん……こっちは動けそうに無いわ…」
「しょ…勝負あり!!
勝者 マサツグ!!」
__ワアアアアアアア!!!!
歓声が上がり衛兵長の号令にマサツグもロディの攻撃を受けた腹部を押さえると
その場に膝から崩れる。観客席ではフィリアとミスティーが手を取り合い喜ぶが
シロはマサツグがへたり込んだ様子に観客席から飛び降りると一直線にマサツグ
の方に駆けて行く!
「ご主人様~~~~!!!!」
__ダダダァァァァ!!
「ッ!!そうじゃ!!
こうしては居れん!!ミスティー!!
余達もマサツグの所に向かうぞ!!!」
「えっ!?
ちょ!…ちょっと待って下さい!
お姉様~!!」
マサツグはその場でへたり込むと一言呟く。すると、先ほど動けないと言っていた
ロディが立ち上がるとマサツグの所まで歩いて来る。
「ぜぇ…ぜぇ…
な…何とかなった…」
__ザッザッザ……
「…え?」
「いやぁ、負けちゃったわね!
完敗よ♪」
そう言いながらマサツグに手を差し出すと握手を求める。その握手にマサツグが
応じるもマサツグが歩いてきたロディに疑問をぶつけ始める。
「何が完敗ですか…
さっき動けないって言っていた人が勝った人間よりピンピンしているって……
まだ、本気出してないでしょう?」
「さあ、どうかしら?」
ロディに助け起こされるマサツグが握手をしながらツッコミを入れるとロディは
意地悪そうに笑いながらはぐらかす。そうして互いを称えあっているとシロ達が
集まり、マサツグ達が囲まれ始める。その様子を観客席で見ていた衛兵達や
訓練兵達はスタンディングオベーションし二人に拍手と声援を送るのであった。
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で、戻ってきたら、日常生活が平和に戻ると思うだろ?甘かったねぇ。何か知らんけど、妖怪とか悪魔とか幽霊とか、そんなのが普通に見えるようになっちまったんだよ!なんだこれ、チート能力の延長線上か?それとも人生ハードモードのお知らせか?
異世界で魔王を倒した俺が、今度は地球で恋と戦いとボールを転がす!最高にアツいハーレムバトル、開幕!
異世界帰りのハーレム王
朝7:00/夜21:00に各サイトで毎日更新中!
現代ダンジョン奮闘記
だっち
ファンタジー
15年前に突如としてダンジョンが登場した現代の地球。
誰が何のために。
未だに解明されていないが、モンスターが落とす魔石はすべてのエネルギー源を代替できる物質だった。
しかも、ダンジョンでは痛みがあるが死なない。
金も稼げる危険な遊び場。それが一般市民が持っているダンジョンの認識だ。
そんな世界でバイトの代わりに何となくダンジョンに潜る一人の少年。
探索者人口4億人と言われているこの時代で、何を成していくのか。
少年の物語が始まる。
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一章一節
喉か……なんだコレ、と思ったらのどかだった……。
喉元(初心者エリア)過ぎれば熱さは擦れる!
のどかラテが出る!
のどか、天(濁天)渇く!
とりあえず何かが起きる予感……!