雨宮乃亜(台本bar)

雨宮乃亜

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1章

真夜中の不思議な出来事……?

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真っ暗な場所をただ1人で歩いている。それだけの夢を、毎晩見続けている。この少し奇妙な現象は、今に始まった事ではなかった。だけれど、その日はいつもより少しだけ、そう、ほんの少しだけ、違う夢を見たんだ…。
「…………っは、はぁ……はぁ…」
こんな真夜中に目覚めるなんて事は、初めてに近かった。
「……トイレ、行こ……」
僕の家は、古き伝統がある家柄で、他と比べれば大分大きい屋敷に住んでいる。同級生からはよく羨ましいと言われるけれど、こんな時はとても不便である。
僕の部屋からトイレまで、歩いて約10分ほどかかるのだ。
「ふぅ……暗くて足元がよく見えないし、やっぱり、ちょっと怖いかも……。…早く済ませて戻ろ…。」
素早くトイレを済ませて、自室に戻ろうとした時だった。
「…っ!だ、誰だ……。」
正面玄関の方に人影が見えた。
「ま、まさか……おば、お化け……。い、いや。そんな訳ないよね。僕はお化けなんて信じてないし…。うん、見間違いだ。」
そう自分に言い聞かせて、何事も無かったかのように、自室に戻ろうとした。その時、何者かのうめき声の様なものが聞こえた。
「う、うぁあ、やっ、やっぱり何かいる?!」
咄嗟に、使用人が片付け忘れたのか、その場にあったほうきを掴む。
「だ、だれ?!」
思いっきり、声がした方へ向いてみる。だが、そこには真っ暗な闇が広がるだけだった。
「はぁ……はぁ、もう嫌だ。なんなんだよ全く。」
にゃァァァァン。
「あっ……な、なんだよぉ。ニャー子、、お前かよぉ…。はぁぁ…びっくりしたぁあ。もう、脅かすなよなぁ…。はぁ、早く戻ろ。」
不思議な影と声の正体は、家で飼っている猫だったと知って、ホッとし、自室に戻った。眠りについたらまた、同じ夢を見るのだろうか…。何故だか、不思議と、それも嫌ではなかった。
「ふぁあっ……。」
そして僕は、深い深い眠りについた。

「ふぅ……危なかったにゃぁ。あの小僧、こんな時間に何してたんかにゃぁ…、驚かしやがって……まぁ、いいかにゃぁ。もう少しで秘密がバレてしまうところだった……にゃぁん。」
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