転移特典としてゲットしたチートな箱庭で現代技術アリのスローライフをしていたら訳アリの女性たちが迷い込んできました。

山椒

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12:家案内

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「それじゃあ早速聞きたいことがあります」
「は、はい」
「ここの二階にある部屋か隣の建物の一室、どちらに住みたいですか?」

 聞かなければいけないこと、それは住む場所だ。

 相手は女性だからな。俺とひとつ屋根の下が嫌だというかもしれない。そういう場合は俺が嫌じゃなくて男性が嫌という言葉を聞きたいところだ。

 ともかくそれによってはベッドとか準備をしないといけないからな。

「その、優斗様はどちらにお住まいなのですか?」
「俺はこの家ですね。隣のアパートという建物は今のところ誰も住んでません」
「それなら、こちらでよろしいでしょうか……?」
「はい、大丈夫ですよ」

 あーよかったー。天然で刺されるのかと思ったー。

「どの部屋なのか案内しておきますね」
「はい」

 俺とエイルさんは二階へと上がる。

 二階では三部屋あり、前の世界では俺、父と母、物置部屋、みたいな感じの割り振り方になっていた。

 今は物置部屋にある荷物を別の場所に作った倉庫に移して空き部屋にしている。

 父と母の部屋はそのままにしているしなんか生々しいものが出たら嫌だから放置している。

 だから今使える部屋は二階では一室だけになる。

「ここです」

 扉を開ければ急いで生み出したベッドとテーブルといった簡単なものが置かれている。

「こ、こんなきちんとした部屋をお借りしてもよろしいのですか……?」
「大体同じような感じですから気にしなくて大丈夫です」

 部屋に入ってテーブルに置いてあるエアコンのリモコンを持つ。

「これがエアコンのリモコンです」
「エアコン?」
「あの壁についているもののことです。エアコンは空気を冷やしたり温めたりして気温を調整するものです。一階で部屋が涼しかったのはエアコンのおかげです」
「あれはそういうことだったのですね! てっきり体が変になったのかと思っていました」

 変ってなんだよ。

「魔道具ということでしょうか?」
「魔道具……」

 魔道具ってたぶん魔力を入れて動かす道具だよな。

 家電は電気で動かす。でもここでは魔力を電気に変えてから動かすから……魔道具であることに間違いはないのか。

「まあ大体そうですね」
「そのようなものがついている部屋なんてお借りできません……!」
「いや全部の部屋についていますよ?」
「全部ですか!?」

 前の世界ならそれが普通だったからなー。ここまで驚かれるのは面白くなってしまう。

「そ、そんな家なのですね……」
「ちなみに隣の部屋が俺の部屋なので用事があれば気軽に入ってきてください」
「はい……あ、あの、このベッドも使っていいのですか……?」
「はい。ここにあるものは何でも使ってください。それから必要なものがあれば用意します」
「い、いえ大丈夫です!」

 そこまで遠慮することはないだろうに。

 まあ必要以上に遠慮するのならまた神の名前を出してやろう。
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