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疎まれた正義の令嬢
51:通話
『それで確認したいことって何かな?』
「神のことで聞きたいことがあります」
『うん、いいよ』
「神は加護を与える以外は手出ししてはいけないっていうルールはあるんですか?」
『あー、そのことかー』
アストレアは電話口で少し悩んでいるうめき声をあげ、少しして口を開いた。
『優斗くんなら大丈夫か。あまり言ってはいけないんだけどね、大っぴらに神が干渉することはできないようになっているんだ』
「できないんですか?」
『そうだよ。できない。ただ少しのことなら干渉することはできるんだよね。例えば優斗くんのところに導く、とかはね』
ぶっちゃけそこも干渉できないようにはしてほしかったが、エイルとリリスがここに来れているから完全否定はできないんだよなー……。
「それはどれくらいできないんですか?」
『どれくらい? うーん……あんまりそこら辺は明確になっていないんだ。やってみようとしてできた、みたいな感じだね。パナケアちゃんも最初優斗くんの領域に導けるか分からなかったけど、やってみてできたみたいな感じだと思うよ』
くそ、これだからアナログなタイプは困るんだよ。そういうのは明確にして穴をふさいでおくのが定石だろうに。
『優斗くんがやろうとしていることを言ってみて?』
逆にアストレアからそう言われたから説明する。
「テミスがいる領地に神殿付きの領域が作り出される魔道具を配置しようとしています」
『ほおほお、どんな?』
「領域は魔神病が存在できず、神殿には魔神病を治す薬があります」
『そんなものができるんだ! やっぱり優斗くんはすごいねー』
心からの称賛だと分かるから気分がいい。
「それでです。その領域に崇める対象を設定して、その対象を信仰すればするほど力を得て、信仰していなければ戦うことすらできない、というルールを敷こうと思っています」
『あー、その崇める対象を僕にできないかって話だね?』
「そうです。どうですか?」
『感覚的に言えば、できると思う。僕は何もしていないからね』
おぉ、それは嬉しい知らせだ。
『でも確証をもって言えるわけではないから他の策も考えていた方がいいかもしれないね』
「……あの、その投げやりな感じやめてくれませんか?」
今回の薬のこともそうだがかなり他人事な感じで言ってくる、この女神は。
そういうところで言えばまだパナケアの方がましだな。
『だって僕たちは何もできないんだからしょうがないよね!』
それでも言い方というものがあるだろうに……! やっぱり神という感じがしてしまう。
『でも僕は優斗くんに期待しているんだよ? 神は何もできないけど神以上の力を持つ優斗くんは何でもできる。この世界をより良いものにできるって思っちゃうんだ』
「……俺は別にあの世界を救おうとは思っていませんよ」
『うん、それでいいんだ。世界のためなんかで動くとろくなことが起きないからね』
……正義の女神なのにとんでもないことを言っている気がする。
『それじゃあね。その神器を使う時はまた連絡して』
「あっ、はい……」
神器? 魔道具って説明したはずだが。まあいいか。
「どうでしたか?」
通話が切れてスマホを耳から離せばエイルが問いかけてくる。
「分からないけど感覚的にはできるみたい。そこにアストレアを添えるだけで何もしていないからっていう感じだ」
「へー、それならやっぱり干渉してはいけないってルールがあるんだ」
「みたいだな。しかもルールが明確になっていないらしいから今回の件も分からないって感じだ」
「……それならどうしてパナケア様は私を導くことができたのでしょうか……?」
「そういう軽い感じはできるみたいだ。それもやってみてできたらしい」
「そういうのはちゃんと明記してくれないとねー。でもあたしは規約は全く見ないけど」
「それはちゃんと読め」
元の世界の文化に触れているリリスは規約というものにも触れている。でも意味をなしていないようだが。
「ただ絶対できるわけじゃないからもう一つ策を用意しておけってアストレアに言われたからな。どうしたものか」
代替案としては一からルールを設けるようにする。だがそれだと穴を突かれる可能性があるんだよな。
信仰という生きる道筋になるような感情以外は扱いづらい。
「一からルールを設けるということにするか。俺以外の人がいれば穴を突かれないようにはできるだろう」
「そういう難しいことは領地の人がやればいいでしょ。優斗は領民でもなければ王でもない。それこそあの世界の住人ですらない」
「それでも優斗はやろうとしているのです。私たちが支えましょう」
「うん、分かってる」
「……二人とも、ありがとう」
こんなに支えられるとは思わなかった。
「気にしなくていいよ。その代わり今日は配信記念でご馳走にして」
「あぁ、そうしようか」
リリスはさっきまで配信をしていたからな。色々なことが起き過ぎている。
「神のことで聞きたいことがあります」
『うん、いいよ』
「神は加護を与える以外は手出ししてはいけないっていうルールはあるんですか?」
『あー、そのことかー』
アストレアは電話口で少し悩んでいるうめき声をあげ、少しして口を開いた。
『優斗くんなら大丈夫か。あまり言ってはいけないんだけどね、大っぴらに神が干渉することはできないようになっているんだ』
「できないんですか?」
『そうだよ。できない。ただ少しのことなら干渉することはできるんだよね。例えば優斗くんのところに導く、とかはね』
ぶっちゃけそこも干渉できないようにはしてほしかったが、エイルとリリスがここに来れているから完全否定はできないんだよなー……。
「それはどれくらいできないんですか?」
『どれくらい? うーん……あんまりそこら辺は明確になっていないんだ。やってみようとしてできた、みたいな感じだね。パナケアちゃんも最初優斗くんの領域に導けるか分からなかったけど、やってみてできたみたいな感じだと思うよ』
くそ、これだからアナログなタイプは困るんだよ。そういうのは明確にして穴をふさいでおくのが定石だろうに。
『優斗くんがやろうとしていることを言ってみて?』
逆にアストレアからそう言われたから説明する。
「テミスがいる領地に神殿付きの領域が作り出される魔道具を配置しようとしています」
『ほおほお、どんな?』
「領域は魔神病が存在できず、神殿には魔神病を治す薬があります」
『そんなものができるんだ! やっぱり優斗くんはすごいねー』
心からの称賛だと分かるから気分がいい。
「それでです。その領域に崇める対象を設定して、その対象を信仰すればするほど力を得て、信仰していなければ戦うことすらできない、というルールを敷こうと思っています」
『あー、その崇める対象を僕にできないかって話だね?』
「そうです。どうですか?」
『感覚的に言えば、できると思う。僕は何もしていないからね』
おぉ、それは嬉しい知らせだ。
『でも確証をもって言えるわけではないから他の策も考えていた方がいいかもしれないね』
「……あの、その投げやりな感じやめてくれませんか?」
今回の薬のこともそうだがかなり他人事な感じで言ってくる、この女神は。
そういうところで言えばまだパナケアの方がましだな。
『だって僕たちは何もできないんだからしょうがないよね!』
それでも言い方というものがあるだろうに……! やっぱり神という感じがしてしまう。
『でも僕は優斗くんに期待しているんだよ? 神は何もできないけど神以上の力を持つ優斗くんは何でもできる。この世界をより良いものにできるって思っちゃうんだ』
「……俺は別にあの世界を救おうとは思っていませんよ」
『うん、それでいいんだ。世界のためなんかで動くとろくなことが起きないからね』
……正義の女神なのにとんでもないことを言っている気がする。
『それじゃあね。その神器を使う時はまた連絡して』
「あっ、はい……」
神器? 魔道具って説明したはずだが。まあいいか。
「どうでしたか?」
通話が切れてスマホを耳から離せばエイルが問いかけてくる。
「分からないけど感覚的にはできるみたい。そこにアストレアを添えるだけで何もしていないからっていう感じだ」
「へー、それならやっぱり干渉してはいけないってルールがあるんだ」
「みたいだな。しかもルールが明確になっていないらしいから今回の件も分からないって感じだ」
「……それならどうしてパナケア様は私を導くことができたのでしょうか……?」
「そういう軽い感じはできるみたいだ。それもやってみてできたらしい」
「そういうのはちゃんと明記してくれないとねー。でもあたしは規約は全く見ないけど」
「それはちゃんと読め」
元の世界の文化に触れているリリスは規約というものにも触れている。でも意味をなしていないようだが。
「ただ絶対できるわけじゃないからもう一つ策を用意しておけってアストレアに言われたからな。どうしたものか」
代替案としては一からルールを設けるようにする。だがそれだと穴を突かれる可能性があるんだよな。
信仰という生きる道筋になるような感情以外は扱いづらい。
「一からルールを設けるということにするか。俺以外の人がいれば穴を突かれないようにはできるだろう」
「そういう難しいことは領地の人がやればいいでしょ。優斗は領民でもなければ王でもない。それこそあの世界の住人ですらない」
「それでも優斗はやろうとしているのです。私たちが支えましょう」
「うん、分かってる」
「……二人とも、ありがとう」
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「気にしなくていいよ。その代わり今日は配信記念でご馳走にして」
「あぁ、そうしようか」
リリスはさっきまで配信をしていたからな。色々なことが起き過ぎている。
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