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第一章 第十八節
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マオの前に現れた最強の称号を持つ男。だが、マオにとってそんなことは関係ない。自分を、最愛の人を救わなかった世界。その世界の一部。それは憎しみの対象でしかなかった。
マオから出たオーラはメビウスに向かって進んでいく。メビウスはオーラから逃げようとせず、その場に止まる。黒いオーラはメビウスを取り込んだ。
「やはりそうか。俺の魔法が干渉しない力。この感情の塗り潰し。覚醒者だな」
メビウスは淡々と状況を分析していく。びくともしないメビウスに対してマオのオーラはさらにドス黒さを増す。
「いや、この感情の濁りlは堕天者・・・。いや、それとも違うな。堕天しかけているがまだしていないな。まだ、自分の感情で動いているか」
「死んじゃえよ」
それでも変化のないメビウスにマオは攻撃を仕掛ける。一瞬でメビウスの背後に現れたマオ。振られた剣は何かに弾かれてメビウスに届かない。
「空間転移か。どうりですり抜けたわけだ」
マオは続けざまにテンドウを放つ。十七の連撃は全て何かに弾かれる。だが、連撃が終わった後にマオの目の前で何かが砕けた。今まで透明で見えていなかったもの。それはシールドだった。
「俺のシールドを砕くのか。さすがだ。だが、まだ負ける要素はない」
シールドであることが看破されたメビウスは透明なシールドを張り替えていく。
「透明じゃないシールドを貼るのは久々だ。魔力消費が減るから楽になる」
「うざいなあ。さっさと死ねよ」
マオは再び攻撃を行う。魔法も含めた連続の攻撃だ。だが、マオの攻撃でシールドが砕けた瞬間には次のシールドが展開されている。瞬間移動を駆使してメビウスを殺そうとするが、一瞬で反応されシールドが間に展開される。
(憎いなら殺せ。憎いなら壊せ。憎いなら滅ぼせ)
マオの頭には同じ言葉が繰り返されていた。
(その先にしか心の安らぎはない。俺もそうした。力を貸してやる)
「なら貸せよ。俺もお前と同じものを目指してやる。さっさと力を貸せ」
「何を言っている?」
メビウスの問いに反応はない。
「殺してやるよ」
マオはシールドに向かって接近する。シールドを切りつけることはなく、シールドに手を合わせた。
「ラース」
シールドの内側に火球が出現する。
「なんだと?」
シールドの内側で爆発が発生する。周りに威力が逃げることもなく閉鎖された空間での爆発。威力は凄まじいものとなる。
周囲のシールドが消えたことを確認してマオは背を向ける。
「ハッハッハ。メル。また殺したよ。もっと殺さなきゃ」
マオは自然と笑いが出てしまう。感情に任せて進もうとするマオの肩に背後から手がかけられた。
「待てよ」
振り返ったマオの目には無傷のメビウスの姿があった。
「相手のシールドで閉鎖された空間の中に魔法を放つなんてとんでもない魔力制御だ。だが、少しだけ遅い。本来ならこのレベルの人間がこの速度の魔法はありえない。まるで、二人が一つの体を共有しているような」
マオは一瞬でメビウスの頭を掴む。異常なまでの力で頭を握りつぶそうとするがメビウスの頭はびくともしない。
「無駄だ。俺の体には常にシールドが貼られている。普通のシールドよりも薄く、さらに数倍の強度がある俺の命綱だ。それがどうにかできなければ勝ちはない。ところで・・・お前の名前はマオだったりするのか?」
「俺はクローから依頼を受けてきているんだ。お前がマオなら救ってやる必要がある」
マオは沈黙する。
「本来なら依頼外の命を奪うことはないが、お前は特別だ。堕天しかけと堕天者には天と地の差がある。故に、堕天者になる前にこの世界から排除する。この世界を終わらせない為にも。不本意で命を奪わせない為にも」
マオは反応しない。
「そういえば、伝言があるんだ。君には仲間がいる。僕たちもいる。絶対に諦めるな。だそうだ」
数秒後、マオの目から涙が流れだす。
「わかってるよ。わかってるんだよそんなこと。この世界にはアーバもいて、マーカ君たちもいる。クローさんもいて、今までお世話になった人がたくさんいる」
「でも・・・でも・・・メルがいないんだよ。この世界にはメルがいないんだ。みんないるけど、僕の愛したメルはどこにもいないんだ。殺したくない人もたくさんいる。でも、この世界が憎くて仕方ないんだ。僕はどうすればいいのかもうわからないよ」
涙を流しながらマオは倒れ込む。
「憎しみが足りていないな。そんなんだから愛した人を失うんだ。こんな世界無くせばいいんだよ」
次の瞬間にはマオは立ち上がっていた。その顔はつり上がり、激しい憎悪に呑まれていた。
「やはりそういうことか。四大は全員知っているからおかしいとは思ったが、堕天したのではなく堕天者が入っていたか。そんなことが起こり得るのはアビスの能力。だが、そうなると解決方法は一つ」
「マオ。聞こえるだろう。この世界にはかつて禁忌の魔法が存在していた。今は存在しないその力。お前のアビスならその魔法を知れると俺は思っている。お前のアビスはお前が一番よく知っているはずだ。依頼だから俺は諦めない。だからお前も諦めるな」
「こいつは世界を滅ぼすことを望んでいるんだ。邪魔をするな」
振るった剣は一撃でメビウスのシールドを破壊する。
「こっちのことを気にすることはない。お前の願いのために全力を注げ。救いたい人がいるなら救ってみせろ」
「ありが・・・とう」
マオの口が歪に動き感謝の言葉を発した。
「完全に主導権を手放したな。つまり、俺が認められたとうことだ。この世界は滅ぼす。そうしなければこいつが報われない。依頼なんかで動くお前にこいつの想いは分からない」
「依頼だから・・・じゃないな。俺はあいつを救いたい。今、猛烈にそう思っている。憎しみの堕天者。そんなの一人しか思い付かないが、やるしかないな・・・ふう」
深呼吸して目を瞑るメビウス。再び目を開いた人物は別人のようにヒリついた空気を纏う。
「本気で戦うのなんて数年ぶりか。行こう。土の妖精達。久々の殺し合いだ」
マオから出たオーラはメビウスに向かって進んでいく。メビウスはオーラから逃げようとせず、その場に止まる。黒いオーラはメビウスを取り込んだ。
「やはりそうか。俺の魔法が干渉しない力。この感情の塗り潰し。覚醒者だな」
メビウスは淡々と状況を分析していく。びくともしないメビウスに対してマオのオーラはさらにドス黒さを増す。
「いや、この感情の濁りlは堕天者・・・。いや、それとも違うな。堕天しかけているがまだしていないな。まだ、自分の感情で動いているか」
「死んじゃえよ」
それでも変化のないメビウスにマオは攻撃を仕掛ける。一瞬でメビウスの背後に現れたマオ。振られた剣は何かに弾かれてメビウスに届かない。
「空間転移か。どうりですり抜けたわけだ」
マオは続けざまにテンドウを放つ。十七の連撃は全て何かに弾かれる。だが、連撃が終わった後にマオの目の前で何かが砕けた。今まで透明で見えていなかったもの。それはシールドだった。
「俺のシールドを砕くのか。さすがだ。だが、まだ負ける要素はない」
シールドであることが看破されたメビウスは透明なシールドを張り替えていく。
「透明じゃないシールドを貼るのは久々だ。魔力消費が減るから楽になる」
「うざいなあ。さっさと死ねよ」
マオは再び攻撃を行う。魔法も含めた連続の攻撃だ。だが、マオの攻撃でシールドが砕けた瞬間には次のシールドが展開されている。瞬間移動を駆使してメビウスを殺そうとするが、一瞬で反応されシールドが間に展開される。
(憎いなら殺せ。憎いなら壊せ。憎いなら滅ぼせ)
マオの頭には同じ言葉が繰り返されていた。
(その先にしか心の安らぎはない。俺もそうした。力を貸してやる)
「なら貸せよ。俺もお前と同じものを目指してやる。さっさと力を貸せ」
「何を言っている?」
メビウスの問いに反応はない。
「殺してやるよ」
マオはシールドに向かって接近する。シールドを切りつけることはなく、シールドに手を合わせた。
「ラース」
シールドの内側に火球が出現する。
「なんだと?」
シールドの内側で爆発が発生する。周りに威力が逃げることもなく閉鎖された空間での爆発。威力は凄まじいものとなる。
周囲のシールドが消えたことを確認してマオは背を向ける。
「ハッハッハ。メル。また殺したよ。もっと殺さなきゃ」
マオは自然と笑いが出てしまう。感情に任せて進もうとするマオの肩に背後から手がかけられた。
「待てよ」
振り返ったマオの目には無傷のメビウスの姿があった。
「相手のシールドで閉鎖された空間の中に魔法を放つなんてとんでもない魔力制御だ。だが、少しだけ遅い。本来ならこのレベルの人間がこの速度の魔法はありえない。まるで、二人が一つの体を共有しているような」
マオは一瞬でメビウスの頭を掴む。異常なまでの力で頭を握りつぶそうとするがメビウスの頭はびくともしない。
「無駄だ。俺の体には常にシールドが貼られている。普通のシールドよりも薄く、さらに数倍の強度がある俺の命綱だ。それがどうにかできなければ勝ちはない。ところで・・・お前の名前はマオだったりするのか?」
「俺はクローから依頼を受けてきているんだ。お前がマオなら救ってやる必要がある」
マオは沈黙する。
「本来なら依頼外の命を奪うことはないが、お前は特別だ。堕天しかけと堕天者には天と地の差がある。故に、堕天者になる前にこの世界から排除する。この世界を終わらせない為にも。不本意で命を奪わせない為にも」
マオは反応しない。
「そういえば、伝言があるんだ。君には仲間がいる。僕たちもいる。絶対に諦めるな。だそうだ」
数秒後、マオの目から涙が流れだす。
「わかってるよ。わかってるんだよそんなこと。この世界にはアーバもいて、マーカ君たちもいる。クローさんもいて、今までお世話になった人がたくさんいる」
「でも・・・でも・・・メルがいないんだよ。この世界にはメルがいないんだ。みんないるけど、僕の愛したメルはどこにもいないんだ。殺したくない人もたくさんいる。でも、この世界が憎くて仕方ないんだ。僕はどうすればいいのかもうわからないよ」
涙を流しながらマオは倒れ込む。
「憎しみが足りていないな。そんなんだから愛した人を失うんだ。こんな世界無くせばいいんだよ」
次の瞬間にはマオは立ち上がっていた。その顔はつり上がり、激しい憎悪に呑まれていた。
「やはりそういうことか。四大は全員知っているからおかしいとは思ったが、堕天したのではなく堕天者が入っていたか。そんなことが起こり得るのはアビスの能力。だが、そうなると解決方法は一つ」
「マオ。聞こえるだろう。この世界にはかつて禁忌の魔法が存在していた。今は存在しないその力。お前のアビスならその魔法を知れると俺は思っている。お前のアビスはお前が一番よく知っているはずだ。依頼だから俺は諦めない。だからお前も諦めるな」
「こいつは世界を滅ぼすことを望んでいるんだ。邪魔をするな」
振るった剣は一撃でメビウスのシールドを破壊する。
「こっちのことを気にすることはない。お前の願いのために全力を注げ。救いたい人がいるなら救ってみせろ」
「ありが・・・とう」
マオの口が歪に動き感謝の言葉を発した。
「完全に主導権を手放したな。つまり、俺が認められたとうことだ。この世界は滅ぼす。そうしなければこいつが報われない。依頼なんかで動くお前にこいつの想いは分からない」
「依頼だから・・・じゃないな。俺はあいつを救いたい。今、猛烈にそう思っている。憎しみの堕天者。そんなの一人しか思い付かないが、やるしかないな・・・ふう」
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