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第一章 第二十節
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拳を受け止めたメビウスは別人のような雰囲気を纏う。五体満足のマオ対致命傷を負っているメビウス。お互いの拳どうしがぶつかり合う。目に見えないほどのぶつかり合いはマオが優勢になるかと思えた。だが、撃ち合いは互角。いや、メビウスの方が優勢だった。
「マオ。拳の殴り合いならお前に負けたことはねえよな。今度は絶対止めてやる」
「ミドウ。また俺の邪魔をするのか」
「ああ。何度だって邪魔する。お前の為にも。あの子の為にも」
「なら何度だって倒すまでだ。俺はこいつの夢を叶える。世界を滅ぼす」
「来いよ」
先ほどまでと打って変わりメビウスは自分から拳を振るうことはない。マオの拳を受け流すことにのみ専念していた。
「時間稼ぎか。ミドウらしくない」
「そうだな。だが、本来俺たちはここにいるべきじゃない。未来を変えるのは今を生きる人間だ。彼が目覚めるまで俺はいつまでも時間を稼ぐ」
「時間稼ぎが目的の奴は本当にタチが悪い。だが、俺の障害は全て排除する。今までも。これからも」
「大丈夫。集中して。貴方ならできる」
「オメガ」
透き通った空間に巨大な魔法陣が形成される。それは歪に動きながら一点に向かって収束していく。
「成功ね。これが発動できれば彼女を蘇生できる。ただし、貴方の残りの魔力量から考えて命を削って魔法を発動することになる」
「大丈夫です。僕の命が失われたって蘇生してみせます」
「それじゃあ蘇ったあの子が泣いて悲しむよ。二人で生きていくんでしょう?」
「そうですね。二人一緒じゃないと意味がない。絶対一人にはさせない」
「そのいきよ。さあ戻って。マオを抑えてくれている彼も限界は必ず来る。世界が滅びる前に貴方の世界を救って」
「はい。ありがとうございました。今度会う時は・・・貴方のことについても聞かせてください。どうして僕に夢を託したのか。貴方が過ごしてきた過去についても」
「そうね。いつか貴方が彼に近づいた時、もう一度会って話をしましょう。さあ、時間がないよ。もう行って」
マオは体が消滅していく。前の時とは違いお互いに笑顔での別れとなった。
「そろそろキツイんじゃないのか? 所詮は借り物の器。本来の力になんて程遠い」
「そうだな。だが、十分に時間は稼げた。宿主の力が強まっていくのを感じる。それに、彼からは憎しみの感情を感じない。お前の目的は彼の夢を叶えること。なら、お前に存在理由はない。一緒に消えるぞ。俺たちはここには必要ない」
「そうかもな。だが、愛する人を奪うこの世界は消えるべきなんだ。その考えは間違っていないはずだ。復讐することは悪なのか。悪を裁く正義は悪なのか。誰にもそんなことわからないはずだ」
「確かに。お前の考えは間違っていない。俺だって同じ気持ちになった」
「なら・・・」
「でも、ここは俺たちの世界じゃないんだ。俺たちが干渉するべきじゃない。今を生きる人間に選択を託すのが俺たちのやるべきことなんだ。力を貸すのはそれからのはずだ。お前が決めることじゃない」
メビウスの強い威圧と言葉にマオは一瞬たじろいだ。その瞬間、マオは気絶するように地面に倒れこんだ。
「やっと目覚めたか。メビウス、体を貸してくれてありがとう。しばらく休息すれば動けるようになる。彼のこと、後は頼んだよ」
メビウスも続いて地面に倒れこんだ。
十秒ほど経ってマオが勢いよく立ち上がる。
「メル。今行くよ」
マオはおぼつかない足をひきづりながら一点を見据えて歩いていく。見知らぬ場所。見知らぬ光景。だが、マオは迷いなく一歩一歩進んでいく。人生を共にする心から愛した人に再び会うために。
「マオ。拳の殴り合いならお前に負けたことはねえよな。今度は絶対止めてやる」
「ミドウ。また俺の邪魔をするのか」
「ああ。何度だって邪魔する。お前の為にも。あの子の為にも」
「なら何度だって倒すまでだ。俺はこいつの夢を叶える。世界を滅ぼす」
「来いよ」
先ほどまでと打って変わりメビウスは自分から拳を振るうことはない。マオの拳を受け流すことにのみ専念していた。
「時間稼ぎか。ミドウらしくない」
「そうだな。だが、本来俺たちはここにいるべきじゃない。未来を変えるのは今を生きる人間だ。彼が目覚めるまで俺はいつまでも時間を稼ぐ」
「時間稼ぎが目的の奴は本当にタチが悪い。だが、俺の障害は全て排除する。今までも。これからも」
「大丈夫。集中して。貴方ならできる」
「オメガ」
透き通った空間に巨大な魔法陣が形成される。それは歪に動きながら一点に向かって収束していく。
「成功ね。これが発動できれば彼女を蘇生できる。ただし、貴方の残りの魔力量から考えて命を削って魔法を発動することになる」
「大丈夫です。僕の命が失われたって蘇生してみせます」
「それじゃあ蘇ったあの子が泣いて悲しむよ。二人で生きていくんでしょう?」
「そうですね。二人一緒じゃないと意味がない。絶対一人にはさせない」
「そのいきよ。さあ戻って。マオを抑えてくれている彼も限界は必ず来る。世界が滅びる前に貴方の世界を救って」
「はい。ありがとうございました。今度会う時は・・・貴方のことについても聞かせてください。どうして僕に夢を託したのか。貴方が過ごしてきた過去についても」
「そうね。いつか貴方が彼に近づいた時、もう一度会って話をしましょう。さあ、時間がないよ。もう行って」
マオは体が消滅していく。前の時とは違いお互いに笑顔での別れとなった。
「そろそろキツイんじゃないのか? 所詮は借り物の器。本来の力になんて程遠い」
「そうだな。だが、十分に時間は稼げた。宿主の力が強まっていくのを感じる。それに、彼からは憎しみの感情を感じない。お前の目的は彼の夢を叶えること。なら、お前に存在理由はない。一緒に消えるぞ。俺たちはここには必要ない」
「そうかもな。だが、愛する人を奪うこの世界は消えるべきなんだ。その考えは間違っていないはずだ。復讐することは悪なのか。悪を裁く正義は悪なのか。誰にもそんなことわからないはずだ」
「確かに。お前の考えは間違っていない。俺だって同じ気持ちになった」
「なら・・・」
「でも、ここは俺たちの世界じゃないんだ。俺たちが干渉するべきじゃない。今を生きる人間に選択を託すのが俺たちのやるべきことなんだ。力を貸すのはそれからのはずだ。お前が決めることじゃない」
メビウスの強い威圧と言葉にマオは一瞬たじろいだ。その瞬間、マオは気絶するように地面に倒れこんだ。
「やっと目覚めたか。メビウス、体を貸してくれてありがとう。しばらく休息すれば動けるようになる。彼のこと、後は頼んだよ」
メビウスも続いて地面に倒れこんだ。
十秒ほど経ってマオが勢いよく立ち上がる。
「メル。今行くよ」
マオはおぼつかない足をひきづりながら一点を見据えて歩いていく。見知らぬ場所。見知らぬ光景。だが、マオは迷いなく一歩一歩進んでいく。人生を共にする心から愛した人に再び会うために。
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