S/T/R/I/P/P/E/R ー踊り子ー

誠奈

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第27章    All for you

23

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 「夢……じゃないんだな?」
 「ああ、夢じゃない」


 本当に、本当に……


 「翔真……なんだよな?」
 「くくく、なんならもう一回確かめるか?」

 それでも尚信じられないとばかりに声を震わせる俺に、翔真は筋肉の削ぎ落ちた両腕を伸ばすと、大きく開いた腕の中に俺をスッポリ収めた。

 「翔真、しょ……、俺……、俺っ……」

 病院から誂られた物だろう寝巻きが、俺の涙を吸い込んでは濡れて行く。
 それを翔真は意に介すこともなく、整髪剤で固めた俺の髪を撫でると、

 「分かってるから。ちゃんと分かってるから、もう泣くな……」

 胸の中で何度も頷く俺の背中をそっと摩った。

 「それより……、もう一回言ってくんね?」
 「何……を?」

 顔を上げ、鼻をズッと啜った俺に向かって、さっきまでの柔和な顔から一変、意地悪く目尻を下げた。

 「お前、俺にずっと言いたいことがあったんじゃねぇのか?」


 言いたい……こと、って……?


 「俺、まだちゃんとお前に伝えて貰ってねぇけど?」

 首を傾げる俺に、翔真が更に意地悪く笑って唇を尖らせる。


 俺が翔真にちゃんと伝えてないことって……


 「あっ……」

 思い出したように顔を赤くした俺の頬を、翔真の指がスルリ滑る。


 っていうか、お前……


 「さっきの聞いてた……のか?」
 「まあな。つか、あんだけ耳元でワンワン泣かれりゃ、嫌でも聞こえんだろうが……」
 「だ、だってあれは……」


 俺はてっきり翔真が死んだとばかり思い込んでいたから、だから……

 なのに、マジ……か……


 「どうした? 早く言えって」

 戸惑う俺を急かすように、翔真のクソ意地の悪い目が俺を見上げる。

 っていうか、聞こえてたなら、俺の気持ちなんてとっくに分かってる筈なのに、敢えて言わせようとするなんて……、マジで卑怯な奴だよな。

 それが翔真だって分かってるから……、だから俺もついムキになってしまう。

 「言わねぇ。あんな恥ずかしいこと、そう何度も言えるかよ」
 「あ、そ? だったら俺、今すぐそこの窓から飛び降りるけど?」
 「は、はあ? お前……何言って……、って、えっ!」

 まだ自由に身体を動かすこともままならない状態の翔真が、ゆっくりと身体を起こし、ついさっきまで俺の背中を撫でていた手を、窓の手摺に引っ掛けた。
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