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第6章 007
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「……っだよ、いきな……、んぐっ……!」
バスルームに入るなり腕を掴んだ翔真の手を払った智樹の口を、咄嗟に翔真の手が塞ぎ、立てた人差し指を口元に宛てた。
そして徐にシャワーコックを捻ると、シャワーヘッドを空のバスタブへと向けた。
メインルーム程広くはない浴室内は、すぐに湯煙で満ち、翔真は漸く智樹の口を塞いでいた手を緩めた。
「なんなんだよ、一体……」
余程きつく押さえつけられていたのか、智樹は口元を腕で拭うと、呼吸同様、鼻息を荒くした。
「ごめんごめん。っていうかさ、このタイミングで弁護士とかさ、ヤバくない?」
それも、相当なやり手だと称される程の弁護士となれば、尚のことだ。
「このままだと、俺達……。ねぇ、どうしよう……」
湯煙立ち込める中、ウロウロと歩き回り、頭を抱えてしゃがみ込んだ翔真を見下ろし、智樹は小さく息を吐き出すと、翔真の目線の高さまで膝を折り、青いツナギの襟元を掴んだ。
「どうしようじゃねぇよ。昔っからそうだ……、お前に付き合うとろくな事がねぇ……」
報酬に目が眩んだことも忘れて随分な言いようだが、実際そうなんだから仕方がない。
翔真は、下を向いたままで小さく「ごめん……」と呟くと、キャップを脱いだせいで落ちた前髪を掻き上げた。
バスルームに入るなり腕を掴んだ翔真の手を払った智樹の口を、咄嗟に翔真の手が塞ぎ、立てた人差し指を口元に宛てた。
そして徐にシャワーコックを捻ると、シャワーヘッドを空のバスタブへと向けた。
メインルーム程広くはない浴室内は、すぐに湯煙で満ち、翔真は漸く智樹の口を塞いでいた手を緩めた。
「なんなんだよ、一体……」
余程きつく押さえつけられていたのか、智樹は口元を腕で拭うと、呼吸同様、鼻息を荒くした。
「ごめんごめん。っていうかさ、このタイミングで弁護士とかさ、ヤバくない?」
それも、相当なやり手だと称される程の弁護士となれば、尚のことだ。
「このままだと、俺達……。ねぇ、どうしよう……」
湯煙立ち込める中、ウロウロと歩き回り、頭を抱えてしゃがみ込んだ翔真を見下ろし、智樹は小さく息を吐き出すと、翔真の目線の高さまで膝を折り、青いツナギの襟元を掴んだ。
「どうしようじゃねぇよ。昔っからそうだ……、お前に付き合うとろくな事がねぇ……」
報酬に目が眩んだことも忘れて随分な言いようだが、実際そうなんだから仕方がない。
翔真は、下を向いたままで小さく「ごめん……」と呟くと、キャップを脱いだせいで落ちた前髪を掻き上げた。
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